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違法ダウンロードはIPアドレスでバレる!YouTubeでも要注意

違法ダウンロードはバレるのでしょうか。ネットではIPアドレスの仕組みで個人を特定することは出来ません。2020年以降の法改正より規制が厳しくなりましたが逮捕者は未だ出ていません。しかしYoutubeなど身近なものでも違法に問われる可能性について詳しく解説します。

違法ダウンロードはIPアドレスでバレる恐れあり

違法ダウンロード行為をした場合に、それがバレるのかどうかという点については、結論から言えば個人を特定できるほど精密にバレることはないと言っていいでしょう。

この後詳細を述べていきますが、違法ダウンロードがバレるかどうかについては、著作権者から「権利侵害の告訴」があった場合に絞られてきます。つまり警察の捜査の介入が大きなポイントとなります。

本格的な捜査の手が入り、逮捕から起訴に至った例は過去にないのですが、逮捕がないだけでバレる可能性は0ではありません。違法ダウンロードを法律上の解釈に照らして見た場合、それはやや複雑になります。

違法ダウンロードがバレる仕組み

インターネットを通じてPC・スマホで特定サイトにアクセスしますと、サイトのサーバーやプロバイダでの記録に「IPアドレス」が残るようになっています。

IPアドレスとは、接続元回線に関する情報や、通信会社がどこであるのかなどの情報を示すいわば「インターネット上での住所」とも言えるものです。

一般人のネット利用であったとしても、IPアドレスを辿ることによって、概ね都道府県レベルの範囲ならば場所を特定することは可能です。しかし逆探知のように、正確な住所がバレることはないのです。

IPアドレスだけで個人・住所までは特定できない

違法となるコンテンツをダウンロードした場合、ファイルのダウンロード経路としてIPアドレスは、通信業者のログイベントにその痕跡が残ります。

違法ダウンロードを行った人を特定しようという場合には、このIPアドレスを手掛かりとして警察が捜査に入ります。当該裁判所を通じて通信会社に対し、利用実績の個人情報の開示を命じる順序を踏みます。

つまりIPアドレスがわかれば住所や個人がバレるのではなくて、あくまでもIPアドレスから得られた情報の絞り込みによって、回線業者の情報と併合して捜査を進めることになります。

違法ダウンロードがバレる可能性が低い理由

違法ダウンロードをして、警察などにバレる可能性は低いです。

  • 違法ダウンロードの証明が難しい
  • 権利者の告訴がなければ起訴できないから
  • 未成年の使用も多いため
  • 違法ダウンロードした人全員を取り締まるのは難しいため
  • 違法ダウンロードによる逮捕者は0件

以上のようなことがあるので、バレる可能性や逮捕される可能性は低いと考えられます。しかし、絶対とは言えないので、法に抵触する行為はあまりしないようにしましょう。

どのようなことなのか、順番に解説していきます。

① 違法ダウンロードの証明が難しい

上述した通り、実はIPアドレスのみで違法ダウンロードをした個人・住所までバレるということはありません。しかし警察が介入して捜査を行えば、決して不可能ではないということもわかっています。

ではなぜ逮捕に至ることがないのかというと、違法ダウンロードを確かに行ったということを証明することが非常に困難だからです。違法ダウンロードの決め手とは、確かに保存しているという証拠が必要です。

違法ダウンロードで取得したコンテンツを、その人のPC・スマホから確認しなければ立証できません。対象者全員がPCやスマホの中身の開示に任意で応じるとは限りませんから、バレるかの立証は難しいです。

② 権利者の告訴がなければ起訴できないから

違法ダウンロードとは、法律上では「著作権法違反」行為に相当しますが、著作権法違反とは「親告罪」です。親告罪とは、著作権の権利所有者が告訴しなければ捜査に入れない犯罪なのです。

著作権権利者自身が、違法ダウンロードを行う人物各々を確認したとして、それを告訴すれば警察の捜査介入から罪がバレることがあるでしょう。

しかしながらその都度権利者が、違法ダウンロードを行った人物が誰かを特定しようとして、告訴まで到達することは非現実的です。この理由からも、違法ダウンロードは多くのケースでバレるまで至りません。

③ 未成年の使用も多いため

インターネットの利用者で、違法ダウンロードしたことがバレるような人では、多くの場合は学生であり主に未成年となります。

例えばですが、Youtubeの動画を違法アップロードとは知らずにダウンロードを行った人が未成年だとして、警察が捜査してその都度起訴までもっていくということは現実的ではないでしょう。

未成年に対しては「少年法」が適用され、罰則にも満たない結果も予測されます。ですからこれらを逐一逮捕するということは、現実的にみてあまり合理的と言えない面があるとも言えます。

④ 違法ダウンロードした人全員を取り締まるのは難しいため

違法ダウンロードを行ってしまっている人では、実はそれを違法とはわからずに行っているケースが大多数でしょう。後述しますが「そうとはしらなかった」場合にバレるのは、違法と見なさない解釈があります。

またインターネット利用の現状からみて、それが違法ダウンロードに該当する行為だとして、一日にどれほどの数が行われているのかバレるのは未知数でもあり、膨大な件数であることは確実です。

そもそも「違法アップロード」されたコンテンツなのかどうかを識別することも困難なことです。違法サイトを囲い込むならまだしも、個人個人を特定するのには労力がかかり過ぎて、非現実的です。

⑤ 違法ダウンロードによる逮捕は0件

以上の4つの観点からも、現在までに「違法ダウンロード」による逮捕者は出ておりません。これは現時点での逮捕事案がないことで、判例が少なすぎて捜査に踏み切るハードルが高いことも一因でしょう。

すなわちこれから以後においても、当面は逮捕者が出る可能性は、かなり低いとみていいでしょう。

あるとするなら、違法ダウンロードしたコンテンツの「再販」などで、不当に金品を得るような行為かもしれません。

違法ダウンロードの法律改正が行われた

2020年10月1日から「リーチサイト」運営が違法に

「リーチサイト」運営が違法にあたるとの法改正が、2020年10月から施工されています。リーチサイトというのは、違法ダウンロードを誘導する、またはリンクなどでまとめたサイトの存在を指します。

ブログの運営などにおいても、結果的に違法ダウンロードとなるリンク先へURLを複数貼ったりした場合も、それがバレると検挙になる可能性はあり得ます。

そうしたサイトについては、利用する人も、そして提供する側はさらに注意する必要性があります。

2021年1月から改正著作権法が施行される

2020年より順次、「改正著作権法」で一部が施行されてきました。これらのうち、違法ダウンロードに関連する内容については、2021年1月から施行されています。

かつては、ダウンロードにおいての「罰則の対象」の解釈が緩いものでしたが、この改正法の以後においてはあらゆる著作物への適用がなされます。

また、違法ダウンロードを行った人物に関する通信記録の情報開示依頼が行いやすく改正されました。このため、ネット利用においては、違法ダウンロードに対する一層の注意が必要となってきました。

違法ダウンロードには問われない行為とは

ダウンロードすることが、何でも違法になるということはありません。法律の面で言いますと、違法ダウンロードとは「著作権」の侵害が基本線にあるため、違法性を問わないケースがいくつか存在します。

中には意外なほど、簡単な要件を満たすことで、違法に問われないケースも存在します。

それではこれらについて、実例をいくつか紹介していきます。

ケース①:違法アップロードとは全く知らなかった場合

まず最初に、ダウンロードしたそのコンテンツが「違法アップロード」されたコンテンツだとは、全く知らずにおこなった場合です。

これについては、当人の「意識」の問題でもあり、仮に捜査しようとされた場合には、簡単に申し開きができてしまいそうです。しかし明らかに海賊版サイトとわかるような場合には、逃げ道は少ないでしょう。

後述しますが、ダウンロードについて「正規サイト」であることを示す、「エルマーク」などの開示でこの問題はわかりやすくなっていくと思われます。

ケース②:そのコンテンツがパロディや二次創作に該当する場合

2つ目としては、そのコンテンツが「パロディ」表現である場合などには、著作権と抵触しない場合があります。パロディでなくとも、「二次創作」などもこれに該当します。

例えばですが、著名なコミックの原作キャラクターを「ファンが加工した」ものは、二次創作と解釈され違法ダウンロードに含まれないことになります。

ただし注意したいのは、書籍等の「翻訳」でしょう。翻訳行為は、二次創作とは見なされませんので、この場合には違法と見なされます。

ケース③:ごく一部だったり画質が低すぎて鑑賞の対象になり得ない場合

次に違法とならないケースには、ダウンロードしたものが「ごく一部」だけのものである場合です。全体像からみて、大元を全く想起させない程度の場合は、違法アップロードに該当しません。

また、画質が低すぎて「鑑賞にたえるものではない」品位のものも、違法アップロードの対象から外れます。

ケース④:常習性がないと見なされる場合

違法ダウンロードに該当するかどうかの判断材料の1つとして、「常習性があるか、ないか」という観点もあります。

著作権侵害は、それ自体は「民事」の扱いなのですが、これを「刑事罰」で判断する際には「常習犯なのかどうか」がポイントとなります。

当然、繰り返して違法ダウンロードを行うということは、罪の重い行為と受け止められます。したがって、日常的に行っていない場合には、刑事罰的には違法とは言い難いとされることがあります。

違法ダウンロードで逮捕されないためには?

では、違法ダウンロードの罪で逮捕されないようにするためには、どんなことに注意していればいいのでしょうか。

① 違法ダウンロードしてしまったものは削除する

仮に違法ダウンロードをしてしまった場合は、その行為はコンテンツ制作者の権利、つまり著作権へ抵触していることになります。

しかしながら現行の法解釈では、保存したパソコンやスマホのストレージから削除することで権利侵害からは回復するものとされています。

やってしまってバレることになっても、それを速やかに削除してしまえばお咎めなしで逮捕されることはありません。

② ファイル共有・アップロードしない

違法ダウンロードしてコンテンツを他人と共有することや、YouTubeなど動画配信サイトへアップロードすることは絶対に避けましょう。

これらは「違法アップロード」ということになり、違法ダウンロードよりも遥かに刑罰が重いものであり、逮捕者が出ております。

違法ダウンロードでは個人の特定が難しいのですが、違法アップロードの監視は動画配信サイト側でも適宜行われており、バレると強制削除やID剥奪なども十分あり得ます。

③ 違法サイトへアクセスしない

違法ダウンロードにならないためには、配布サイトに行かないことが重要な対策です。不審な文字列のURLや、知名度が低い海外ドメインなどでないか確認しましょう。

そうしたサイトのダウンロードファイルの中には、ウイルスが混入していることもあります。

④ 正規の方法でサービスを利用する

大手運営企業での正規の音楽・映像配信サービスを活用していれば、違法ダウンロードしてしまう可能性は限りなく低くなるでしょう。著名なサービスにはAmazonプライム、Spotifyなどがあります。

有料ですが、それに見合ってコンテンツは安心して利用できます。初回無料体験などの期間もありますから、不明なサイトからのダウンロードなどをする前に試してみてはいかがでしょうか。

ネットコンテンツでは基本とも言えますが、音楽にせよ動画にせよ、正規料金を支払って利用することが最も安全です。

「エルマーク」を確認しよう

正規の音楽・動画配信のサービスであることを示す証拠として、「エルマーク」と呼ばれるマークがウェブサイトに付与されています。

正規サイトには、そのページのどこか視認できる場所に、「エルマーク」の表示がありますから確認しましょう。

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