iPhoneやMacなど、Appleデバイスにデフォルトで入っている「株価アプリ」。毎日目にしているはずなのに、使いこなせていないという人は少なくないのでは。

実はこのアプリ、単なる株価チェックツールではなく、初心者でも本格的な投資管理の第一歩を踏み出すための強力なパートナーになり得るツールであるのです。

そこで本記事では、Appleの株価アプリを活用して、自分だけの最強ポートフォリオを作るため便利機能やステップをご紹介します。

Apple株価アプリの魅力とは

株価アプリの最大の特徴は、初心者でも簡単にアクセスできるような美しいUI/UXです。

余計な広告や煩雑なチャートがないため、アプリを開いた瞬間から、一目で何が記されているのか理解できます。自身の関心のある銘柄やインデックス、投資信託をウォッチリストに登録すれば、それらのチャートだけを表示することも可能。

加えて、使っているデバイスのホーム画面またはロック画面に株価ウィジェットを追加すれば、アプリを開く必要もなく、株価の相場をリアルタイムで確認することができます。

こうした使いやすさが、投資初心者にとっての大きな魅力となっています。

最新ビジネスニュースの提供

Appleの株価アプリのもうひとつの強みは、Yahoo!ファイナンスが提供する最新のビジネスニュースをアプリ内で直接読めることです。

たとえば、自分がウォッチリストに登録した企業に関する最新の動向や決算情報、業界のトレンドが自動的に表示されます。これにより、単に株価の上下を見るだけでなく、「なぜ株価が動いたのか」といった背景を把握することが可能です。

つまり、株価アプリは「価格を見るツール」から「経済を理解するツール」へと進化しているともいえるでしょう。そしてその結果、株式以外のさまざまな資産クラス、たとえば暗号資産(仮想通貨)や不動産投資、さらには金や原油などのコモディティ投資に関するニュースに興味を持つきっかけにもなり得ます。

特に暗号資産は、年初に突如としてトランプコインが誕生し、次の日には大手取引所に上場したことで、これまで業界に関心のなかった層にも評判が届くように。そして、トランプコインのように”億り人”が狙える次の上場前コインを購入するために、人々は暗号資産に関連したニュースメディアを真剣に購読しはじめている状況です。また、暗号資産の中でも実用性のある銘柄、たとえばマイニング機能付きのミームコインやビットコインのスケーラビリティを実現する銘柄などは上場可能性が高いため、これらをレポートするサイトには多くの人が注目を寄せています。(source: Icobench Japan)

分散投資の第一歩として活用

投資の基本は、「分散」です。その理由は、どんなに有望な銘柄でも、未来を完全に予測することはできないからです。たとえば1つの企業に資金を集中投資させてしまうと、自然災害や地政学の問題など、予想外の出来事によって大きな損失を被るリスクがあります。

このことから、 複数の銘柄に投資を分けておくことで、ある分野が下がっても別の分野が支えるという「バランス」が生まれ、長期的に安定したリターンを得やすくなるのです。

そして、Appleの株価アプリを使うならば、まずは複数の銘柄を組み合わせた投資信託やETFをウォッチリストに登録することが基本となります。

具体例として、米国の代表的なインデックスファンドであるS&P500連動型ETFは、低コストでリスク分散もしやすいことから人気があります。

さらに、ウォッチリストを作るときは、地域や業種を分けて登録すると、ポートフォリオのバランスを取りやすくなります。たとえば、米国ではAppleやNVIDIA、Microsoftなどのテクノロジー銘柄を、日本ではトヨタやソニー、キーエンスといった製造業を選び、さらに分散投資型ETFも組み合わせておくと、特定の分野に偏らない構成になります。

このように整理しておけば、世界の市場の流れをを俯瞰しつつ、自分の投資状況を把握できるようになるはずです。

ティッカーの詳細機能を確認

ティッカー、つまり銘柄コードの詳細を確認できる点にも注目。ティッカーとは、企業や投資信託などの金融商品を識別するための短い英字コードのこと。たとえば、Appleは「AAPL」、トヨタは「7203.T」といった具合に、世界中の投資家が共通の言語として使う銘柄の呼び名です。

そして、ウォッチリストに登録しておけば、これらのティッカーごとに詳しい情報を簡単に確認できます。

チャートは日、週、月、複数月などの期間を切り替えて表示することが可能で、異なる時期の株価を直感的に比較できるデザインとなっています。そのため、長期的なトレンドを把握したい時、短期的な変動を分析したい時にも対応可能です。

さらに、各ティッカーでは時間外取引の株価、出来高、そして企業の成長性の判断材料となるEPS(1株当たり利益)などの重要な指標も確認でき、投資判断の参考となる実用的なデータが揃っています。

他にも、企業の決算発表日を自分のカレンダーに追加する機能もあり、投資スケジュールの管理にも役立つはずです。

Siri連携によるスマートな情報収集

先述の通り、Appleの株価アプリはiPhoneやMacに最初からインストールされています。これにより、Siriと連携した情報集めが可能です。「現在のトヨタの株価は?」「日経平均はいくら?」とSiriに話しかけるだけで、瞬時に情報を取得できるのです。

また、Apple製のデバイスの間でウォッチリストが自動同期されるため、どのデバイスからでも最新のポートフォリオ情報を確認可能。たとえば、外出先でiPhoneからチェックし、自宅ではMacで詳細を確認するなど、デバイスをまたいだ投資管理が実現します。

学びの場としての理解

Appleの株価アプリは、それ自体には取引機能がありません。したがって、売買には証券会社のアプリが必要です。

しかし、それがむしろメリットでもあるともいえます。その理由は、取引ボタンがないことで感情的な売買を避け、冷静に市場を分析する習慣を身につけられるからです。

さらに、Yahoo!ファイナンスなど信頼性の高いビジネスニュースを通じて、経済や企業構造の理解を深めることもできます。このことから、投資初心者にとっては実践的な教材としての役割を果たすアプリといえるでしょう。

まとめ

株価のアプリは、投資のすべてを完結させるツールではありません。一方で、本記事で紹介したようなウォッチリストやウィジェット機能、ビジネスニュース、そしてティッカー詳細機能などを組み合わせて活用することで、投資を日常の一部として自然に取り入れることが可能です。

まずは市場の動きを観察し、自分なりの視点でニュースを読み解くことから始めてみてはいかがでしょうか。