iPhone7 / 7PlusにFeliCa対応チップが搭載されたことで、iPhoneでもSuicaなどを使うことができるようになりました。では、ICOCAやPASMO、Edyは使えるのでしょうか?そんな気になるポイントについて取り上げます。
Apple Payの日本上陸に伴い、iPhone7 / 7Plus、そしてAppleWatch series2でSuicaを使えるようになりました。
つい先日は、日本を訪れたティム・クックCEOが、iPhone7のSuicaで山手線に乗ったことで、いよいよサービスインが近いことを実感した方も多いのではないでしょうか?
でも、気になるのは「Suica以外のICカードサービスは使えるの?」という点。
そこで今回は、国内の代表的な交通系ICカードサービスと、流通系電子マネーがiPhone7 / 7PlusやAppleWatch series2で使えるのかという点について、状況をまとめてみました。
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目次
※注意点
この記事の内容は、記事執筆時点(2016年10月21日時点)での情報を元にまとめています。
みなさんが記事をご覧頂くタイミングによっては、状況が掲載内容から変化している可能性もありますので、ご了承ください。
流通系ICカード
まず取り上げるのは、電車に乗らなくても利用機会が多い、流通大手の事業者が用意しているICカードサービスです。
nanaco
対応可否:非対応
セブン&アイグループ(セブンイレブン、イトーヨーカ堂など)の店舗で利用できる電子マネーが、「nanaco」です。
店舗によってはnanaco決済専用のセールを行っていることもあるので、それ目当てで使っているという方も多いハズ。
こちらのnanacoは、記事執筆時点ではApple Pay非対応となっており、残念ながらプラスティックのカードや対応するAndroidスマートフォンを利用する必要があります。
WAON
対応可否:非対応
イオングループを中心に、グループ外も含めて多くの店舗で利用できる電子マネーです。
特にコンビニでは、ファミリーマート、ミニストップ、ローソンとカバーしている店舗が多いので、汎用性の高さも長所の1つ。
そんな電子マネーWAONも、残念ながらApple Pay非対応です。
nanaco同様、プラスティックカードか対応するAndroidスマートフォンを利用する必要があります。
Edy
対応可否:非対応
楽天系の電子マネーサービスが、「Edy」です。
こちらも対応する店舗の多さがウリの1つ。
また、プラスティックカードだけでなく、過去にはストラップ型やシール型などの変わったカードを販売していたり、面白い試みを行っているサービスでもあります。
そんなEdyも、nanacoやWAONと同じく、Apple Payには現状非対応。
プラスティックカードか、対応するAndroidスマートフォンでないと利用することができません。
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流通系の3大電子マネーのnanaco、WAON、Edyはいずれも非対応という、いきなりショッキングな結果となってしまいました。
Androidやガラケーのおサイフケータイから乗り換えを考えていたという方には、ちょっとハードルが高まったかもしれませんね。
気になる交通系ICカードの対応状況は?
次に日本ではSuicaが代表的な交通系ICカードですが、全国にはSuicaと相互利用が可能な交通系ICカードが多数存在します。
今回は、JR系と私鉄系の代表的なICカードについて取り上げます。
JR系
Kitaca
対応可否:非対応
JR北海道系のICカードサービスで、JR東日本のSuicaと互換性があります。
このKitacaそのものは、Apple Payには非対応となっています。
ただし、Apple PayのSuicaをKitacaエリアで利用することは可能なので、定期券利用をしていなければ、Apple PayのSuicaを利用すれば問題ないでしょう。
TOICA
対応可否:非対応
JR東海系のICカードサービスで、こちらもSuicaと互換性があります。
Kitaca同様、TOICAそのものはApple Payには非対応ですが、TOICAエリアでApple Pay版Suicaを利用することは可能。
定期券として利用しているのでなければ、Apple Pay版Suicaへ乗り換えるのも手です。
EX-IC
対応可否:非対応
東海道・山陽新幹線のネット予約&乗車サービスで、専用のプラスティックカードかEX-IC特約に加入したAndroidやガラケーのモバイルSuica対応端末を使うことで、同新幹線をチケットレスで利用できます。
このように、Android&ガラケーのモバイルSuicaでサービスを利用できることから、Apple Pay版Suicaでも対応の可否が注目されていたのですが、結論としては非対応ということになってしまいました。
その上、今までAndroidやガラケーでこのサービスを使っていた方がApple Payに乗り換えた場合、「EX-IC特約」が自動解除されてしまうので、新たにプラスティックカードを使ったEX-ICサービスに新規申し込みをする必要があります。
また、プラスティックカードのEX-ICとApple Pay版Suicaを同時利用することもできないので、
- 最寄り駅からApple Pay版Suicaで在来線に乗車して東京駅へ
- 東京駅の乗り換え改札で、EX-ICとApple Pay版Suicaを同時タッチして改札を通過。
という方法は採れません。
EX-ICとApple Pay版Suicaを併用する場合、
- 最寄り駅からApple Pay版Suicaで在来線に乗車して東京駅へ
- 東京駅で、一度在来線の改札口から外へ出る。
- 再度、東海道新幹線の改札口から入場する。
といった感じで、非常に面倒な方法を採らざるを得ません。
日帰りで身軽な時ならまだしも、泊りがけの出張や帰省など、手荷物の多い環境では意外と不便なもの。
このあたりは、今後の改善に期待したいところです。
ICOCA
対応可否:非対応
JR西日本のICカードサービスで、関西圏を中心に展開されています。
こちらも、Suicaと互換性はあるものの、Apple Payには残念ながら非対応。
ICOCAエリア内でApple Pay版Suicaを利用することは可能なので、定期券利用でなければ、Apple Pay版Suicaへ乗り換えてしまうのも1つの選択肢です。
SUGOCA
対応可否:非対応
JR九州系のSuica互換サービスです。
サービスエリア内でApple Pay版Suicaを利用することは可能ですが、Apple PayにSUGOCAを入れることはできないので、定期券利用者はプラスティックカードを使うことになります。
定期券は使っていないという方であれば、Apple Pay版Suicaを利用するのもアリでしょう。
私鉄系
PASMO
対応可否:非対応
関東の大手私鉄を中心に運用されている、Suica互換のICカードサービスです。
こちらもApple Payへの対応が期待されましたが、現時点では対応未定となっています。
エリア内でのApple Pay版Suicaの利用そのものは可能なので、定期券利用を行っていなければ、Apple Pay版Suicaを使うというのも選択肢です。
manaca
対応可否:非対応
名古屋を中心に展開している交通系ICカードサービスです。
PASMO同様、こちらもエリア内でのApple Pay版Suicaの利用は可能ですが、manacaそのものはApple Pay非対応となります。
PiTAPA
対応可否:非対応
関西地区の私鉄などが中心となって展開しているICカードサービスで、Suicaと互換性があります。
しかし、こちらも残念なことに、Apple Payには非対応。
エリア内でのApple Pay版Suica利用は可能なので、定期券利用をされていない方は、そちらを使ってみるのも1つの手でしょう。
はやかけん
対応可否:非対応
福岡エリアを中心に利用できる交通系ICカードです。
Apple Payには非対応ですが、エリア内でのApple Pay版Suicaの利用自体は問題なし。
定期券利用でなければ、Apple Pay版Suicaに移行するのも、選択肢の1つです。
nimoca
対応可否:非対応
主に西鉄グループを中心に展開している交通系ICカードで、Suicaと互換性があります。
他のサービスと同様、Apple Payには非対応ですが、Apple Pay版Suicaをエリア内で利用することは可能となっています。
Suica以外は軒並み非対応
ここまで国内の代表的な交通系&流通系ICカードサービスの対応状況を見てきましたが、残念ながら、記事執筆時点では殆どの事業者がApple Payへの対応を明言していません。
もともと、Suica以外はモバイル系の展開をしてこなかった交通系はまだしも、Androidやガラケーのおサイフケータイに対応している流通系がApple Payに非対応というのは、違和感を感じる方も多いのではないでしょうか?
このあたりは、日本のApple Pay特有の事情も絡んでいます。
まずは手数料の問題。
Apple Payでは決済金額に応じてAppleに手数料を支払う必要があるので、既に各種割引やポイント施策などを行っている電子マネー事業者にとっては、利益を圧迫してしまう可能性が高いのです。
実際、流通系ICカードは、高額チャージ時におまけされる金額やポイント、店舗での割引目当てで利用しているユーザーも珍しくありません。
仮にApple Payへの対応でその旨味がなくなってしまえば、ユーザーがより汎用性の高い交通系などへ流れるのは目に見えているわけで、対応に慎重になるのも当然といえるでしょう。
2つ目は、多くの店舗では、とりあえずApple Payが使える状態になっているということ。
日本のApple Payは、既に広く普及しているiD/QUICPay/Suicaのシステムを利用しているので、自社の電子マネーを対応させなくても、殆どの店舗では顧客がApple Payを使うことができます。
ならば、暫くはそれで様子をみて、利用状況や顧客の要望などのデータを集めてから決めたほうが良いという判断なのかもしれません。
Apple Payを使うなら、View Suicaカードがお得!
というわけで、Apple Payで使える電子マネーは、現状ではSuicaだけという結果になってしまいました。
では、このApple Pay版Suicaを使う上で、よりお得な方法はないでしょうか?
この手の話をするとき、もはや定番といえるのが、お得度の高いクレジットカードでSuicaの残高をチャージするというもの。
iPhone7 / 7PlusとAppleWatch series2なら、クレジットカードからSuicaへ手動でチャージすることもできるので、対応エリア外にお住まいの方や、エリア内だけど電車は滅多に使わないという方でも、安心して使うことが可能です。
そんなApple Pay版Suicaのチャージにお勧めなのが、JR東日本系列のView Suicaカード。
このカードをApple Payに登録して、Apple Pay版Suicaのチャージに利用すると、通常の3倍のポイントを得ることが出来ます。
Suicaに限らず、電子マネーのチャージはポイント還元の対象外とするクレジットカードが殆どなので、Suicaを使うならView Suicaカードは本当にお得なカードといえるでしょう。
まとめ:定期券を使わなければ、Apple Pay版Suicaも意外といける
というわけで、今回は流通系と交通系の代表的なICカードサービスについて、Apple Payの対応状況を取り上げました。
残念ながら、Suica以外は現状未対応という結果になりましたが、だからといってSuicaエリア外の方が恩恵を受けられないわけではありません。
確かに、Suica以外は登録出来ない関係上、定期券をiPhoneやAppleWatchで利用することはできません。
逆の言い方をすれば、定期券以外のSuicaの機能は、互換カードのエリア内であれば問題なく利用することが可能です。
例えば、九州に住んでいる方でも、Apple Pay版Suicaを新規に作成して、駅やコンビニなどで利用することができる訳。
「エリア外に住んでいるから関係ないや」と思っていた方も、是非この機会に利用してみてくださいね。
それでは、快適なiPhoneライフを♪
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