数年前までは、激安「ポケットWi-Fi」の世界では、「利用料金は確かに激安なのだが、他の部分で元を取ってる。例えば高額な違約金がそれだ」などと言われていました。2017年現在でもそうなのでしょうか。具体的なサービスごとに検証します。
ランキング |
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業者名 |
UQ WiMAX |
au |
BicWiMAX |
RaCouponWiMAX |
アイコン |
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解約金 |
19,000~9,500円 |
19,000~9,500円 |
19,000~9,500円 |
19,000~9,500円 |
UQ WiMAXの場合
まずはWiMAXの本家本元である「UQ WiMAX」から見ていきましょう。
WiMAX系の業者の場合、怪しげなところほど違約金に関する詳細を避ける傾向にあるのですが、さすがは本家、公式ページに大きな文字ではっきりと書かれていました。
それによると、携帯電話と同じような2年縛りの契約で、2年過ぎると違約金ゼロでの解約ができ、その翌月からはまた違約金が発生する、というシステムを採用しています。
違約金の額は、13ヶ月目までが19,000円、14ヶ月目から25ヶ月目までは14,000円、26ヶ月めが無料で、27ヶ月目からその2年後まで9,500円です。以後、2年ごとに違約金無料の月が生じます。13ヶ月めとか25ヶ月目とか節目の月が半端になるのは、課金開始の月から計算を始めているためです。
■非常にわかりやすいUQWiMAXの解約に関する説明ページ。
auの場合
auが提供しているWiMAXのサービスというのは、グループ会社のUQコミュニケーションズによるUQWiMAXそのものです。
なので違約金のシステムも全く同一で、2年縛り契約で、19,000円、14,000円、9,500円と段階的に下がっていくものとなります。
BicWiMAXの場合
BicWiMAXの場合も、UQやauと同じ2年縛りでスライド式に値段の下がる19,000円・14,000円・9,500円タイプでした。
こちらもホームページに見やすい形で違約金を明記しています。ほんのちょっとフォントが小さくなっているような気がしますが、許容範囲でしょう。
料金体系は特殊だが違約金は一般的なラクーポン
「RaCouponWiMAX」(ラクーポン)は、楽天のクーポンサービスを利用したWiMAXの接続サービスです。
直接料金を支払うのではなく、楽天市場の擬似通貨のようなラクーポンを使用するため、見た目の価格が他の業者と比べるとかなり安くなっています。ただし、クーポンを使う分はこの見た目の価格には入っていませんから、実質的にはそこまで激安なわけではありません。ただ、安い部類に属することは確かです。
このように、料金体系が特殊なラクーポンですが、違約金のシステムはこれまで紹介した業者とまったく同じです。2年縛り・19,000円、14,000円、9,500円とスライド式に下がる違約金システムを採用しています。
実はどこの会社も違約金は同額?
数年前まではプロバイダごとに違約金の額は違っていて、特に高額の違約金を取るプロバイダが「悪質業者!」としてネットなどで非難されたことがありました。その代わり、2年縛りのシステムはなく、契約期間を終了すればそのまま解約できる業者が大部分だったのです。
ところが現在では、ほとんどどこでも横並びとなっています。少なくとも、自社のホームページで違約金システムを明らかにしているような「良心的」業者は解約の形態も違約金の金額も一緒です。これはWiMAXの本家本元であるUQの基準に合わせたものと思われます。
UQは通信系の会社には珍しく(?)、比較的ネットなどにある利用者の声に敏感な企業です。かつてこっそり「3日間のデータ転送量が1GBを超えたら減速」というルールを決めたら、ユーザーに叩かれて「3日間3GB」に改めたという過去があります。その後制限速度を緩和し、今では事実上ないも同然にしてしまいました。
というわけで、違約金についてもWiMAX全体の評判が落ちるのを防ぐために「自分のところに合わせろ」という感じでUQが指導したのではないかと思われます。
違約金の調査は、業者によっては解約を申し込んだ時でなければわかりにくいようにしているところもあるため、かなり難しいものがあります。基本的に違約金額を明記しているような良質な業者間での比較しかできないわけですが、そこでの差異が急速になくなっている以上、他の業者においても違約金の均一化は進んでいると見ていいでしょう。
とはいえ、絶対にどこでもいっしょであると断言することもできないので、現在のところ「ひょっとすると気まぐれで解約してしまうかも知れない」と思う方は、最初から違約金について明記してある業者を選ぶことをおすすめします。
なお、WiMAX初体験で、自分が住んでいるところや動きまわる範囲内で安定した通信ができるかどうかわからない、という場合は、無料レンタルのサービスを受けたり、使用開始から一定期間は無料キャンセルができる業者を選ぶといいでしょう。
安さに釣られて条件が厳しい業者と契約してしまうと、キャッシュバックの恩恵も受けられないうちに高額な違約金を支払わされて泣きを見る可能性があります。
WiMAX系の業者は、違約金の額が統一されるようになってきています。