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違法ダウンロードはIPアドレスでバレる!YouTubeでも要注意

違法ダウンロードはバレるのでしょうか。

ネットではIPアドレスの仕組みで個人を特定することはできません。

また2020年以降の法改正より規制が厳しくなりましたが逮捕者は未だでていないのです。
違法ダウンロードとは何か、またバレるのかなど、詳しく解説します。

目次

そもそも違法ダウンロードとは

インターネットの動画や音楽を楽しむ人は多いのですが、音楽や動画、映画など著作権があるものをいつでも楽しみたいからと、「ダウンロード」する人もいます。

しかしこうしたダウンロードではないのでしょうか。

そもそも違法ダウンロードとはどういうことなのか解説します。

民事上違法となる行為

著作権法で禁止されている「違法ダウンロード」とは、違法にアップされていると知りながらダウンロードする行為をさします。

ただし違法とはいっても「民事上の違法行為」であり、犯罪として刑事上の違法行為となるのは、民事上の違法行為となることに加えて、刑事上の違法行為の要件に当てはまる場合のみです。

民事上の違法となる行為をした上で、刑事上の違法行為の要件に当てはまった場合にのみ、処罰対象となります。

(関わっている法・・著作権法30条1項4号)

刑事上違法となる行為(逮捕される違法ダウンロード行為)

民事上の違法行為となることに加え、以下の要件に当てはまると刑事上の違法行為とみなされます。

  • 正規版が有償で提供されている著作物のダウンロード

この要件にあてはまれば刑事上の違法です。

また漫画などの違法ダウンロードが犯罪となるのは、上記の要件に加えて以下の要件を満たしている場合に刑事上の違法とみなされます。

  • 反復・継続してダウンロード

この要件を満たしていることが必要となり、すべてに該当していない場合は処罰の対象になりません。
犯罪として処罰対象となるのは、特に悪質であると去れた限定的な場合といえます。

(関わっている法・・著作権法119条3項2号)

音楽や動画を除く著作物【民事と刑事の違法となる行為の違い】

音楽や動画などを除いた著作物について、民事上と刑事上の違法となる行為は以下の表のとおりです。

 民事上の違法刑事上の違法
ダウンロードで違法違法アップロードの著作物全般民事の要件を満たした上で正規版が有償で提供されているもの
ダウンロードする際の主観違法アップロードと知っていてダウンロードした場合民事の要件を満たした上でダウンロードした場合
反復と継続性(常習)継続・反復した場合

違法ダウンロードはIPアドレスでバレる恐れあり

違法ダウンロード行為をした場合に、それがバレるのかどうかという点については、結論からいえば個人を特定できるほどバレることはないといっていいでしょう。

違法ダウンロードがバレるかどうかについては、著作権者から「権利侵害の告訴」があった場合に絞られてきます。つまり警察の捜査の介入が大きなポイントとなります。

本格的な捜査の手が入り、逮捕から起訴に至った例は過去にないのですが、逮捕がないだけでバレる可能性は0ではありません。

違法ダウンロードを法律上の解釈に照らして見た場合、それはやや複雑になります。

違法ダウンロードとなる行為

違法ダウンロードとなるのは「著作権を持っている人に許可なく、違法にアップロードされているコンテンツと知っていてダウンロードする」行為です。

映画や音楽といったコンテンツは著作権により制作した人の権利が保護されています。
アップロードしたいときには著作権を持っている人に許可を得ることが必要です。

しかしWEBサイトの中には、著作権を持っている人の許可を得ず、勝手にアップロードしているコンテンツも実在しているのです。
これを「違法にアップロードされたもの」と知っているのにダウンロードした場合は、「違法ダウンロード」となります。

例外的に刑事罰対象とならない行為とは

違法ダウンロードの要件を満たしている場合でも、例外的に刑事罰の対象とならない行為があります。

例外的に刑事罰の対象とならない行為

  • 二次創作・パロディのダウンロード
  • コンテンツの一部分の取得など軽微なダウンロード
  • そのほか著作権者が不利益にならない事情がある場合

違法ダウンロードがバレる仕組み

インターネットを通じてPC・スマホで特定サイトにアクセスしますと、サイトのサーバーやプロバイダでの記録に「IPアドレス」が残るようになっています。

IPアドレスとは、接続元回線に関する情報や、通信会社がどこであるのかなどの情報を示すいわば「インターネット上での住所」ともいえるものです。

一般人のネット利用であったとしても、IPアドレスを辿ることによって、概ね都道府県レベルの範囲ならば場所を特定することは可能です。

しかし逆探知のように、正確な住所がバレることはないのです。

また著作権者は違法ダウンロードを行った「侵害者」を捕まえてほしいと思うとき、「刑事告訴」が必要となります。
かなりの損害が出たということなら告訴に踏み切るかもしれませんが、告訴までしないという人がほとんどです。

著作権者の開示請求から個人情報がバレる

ただし、著作権者が開示請求を行い、それが認められた場合、違法ダウンロードを行った侵害者の個人情報が特定されます。
その個人情報をもとに刑事告訴や損害賠償請求をされれば、罪に問われる可能性が出てきます。

【刑事告訴】

違法ダウンロードは親告罪なので著作権者が「刑事告訴」します。
警察に告訴状を提出すると警察の捜査開始です。

【損害賠償請求】

違法ダウンロードした相手に対し刑事告訴し、さらに民事責任の追及も可能です。
著作権者が裁判で損害賠償請求をしてくる可能性もあります。

違法ダウンロードがバレる可能性が低い理由

違法ダウンロードをして、警察などにバレる可能性は低いです。

  • 違法ダウンロードの証明が難しい
  • 権利者の告訴がなければ起訴できないから
  • 未成年の使用も多いため
  • 違法ダウンロードした人全員を取り締まるのは難しいため
  • 違法ダウンロードによる逮捕者は0件

こうした理由から、バレる可能性や逮捕される可能性は低いと考えられます。
しかし、絶対とはいえないので、法に抵触する行為はしないようにしましょう。

バレる可能性が低い理由を詳しく解説します。

① 違法ダウンロードの証明が難しい

IPアドレスのみで違法ダウンロードをした個人・住所までバレるということはありません。

しかし警察が介入して捜査を行えば、個人の特定など不可能ではないということも事実です。

ではなぜ逮捕に至ることがないのかというと、違法ダウンロードを確かに行ったということを証明することが非常に困難だからです。

違法ダウンロードの決め手とは、確かに保存しているという証拠が必要です。

違法ダウンロードで取得したコンテンツを、その人のPC・スマホから確認しなければ立証できません。

対象者全員がPCやスマホの中身の開示に任意で応じるとは限りませんから、バレるもしくは立証が難しいのです。

② 権利者の告訴がなければ起訴できないから

違法ダウンロードとは、法律上では「著作権法違反」行為に相当しますが、著作権法違反とは「親告罪」です。親告罪とは、著作権の権利所有者が告訴しなければ捜査に入れない犯罪なのです。

著作権権利者自身が、違法ダウンロードを行う人物各々を確認したとして、それを告訴すれば警察の捜査介入から罪がバレることがあるでしょう。

しかしその都度権利者が、違法ダウンロードを行った人物が誰かを特定しようとして、告訴まで到達することは非現実的です。
この理由からも、違法ダウンロードは多くのケースでバレるまで至りません。

③ 未成年の使用も多いため

インターネットの利用者で、違法ダウンロードしたことがバレるような人では、多くの場合は学生であり主に未成年となります。

例えば、Youtubeの動画を違法アップロードとは知らずにダウンロードを行った人が未成年だとして、警察が捜査してその都度起訴までもっていくということは現実的ではありません。

未成年に対しては「少年法」が適用され、罰則にも満たない結果も予測されます。

これらを逐一逮捕するのは難しいでしょう。

④ 違法ダウンロードした人全員を取り締まるのは難しいため

違法ダウンロードを行ってしまっている人では、実はそれを違法とはわからずに行っているケースがあります。「そうとはしらなかった」場合は、違法としないことが多いです。

またインターネット利用の現状からみて、それが違法ダウンロードに該当する行為だとしても、かなりの数のダウンロードがあり、それを全て網羅することは難しいでしょう。

そもそも「違法アップロード」されたコンテンツなのかどうかを識別することも困難です。
違法サイトを囲い込むならまだしも、個人個人を特定するのには労力がかかり過ぎます。

⑤ 違法ダウンロードによる逮捕は0件

こうした4つの理由などもあり、現在までに「違法ダウンロード」による逮捕者は出ていません。

現時点での逮捕事案がないことで、判例が少なすぎて捜査に踏み切るハードルが高いことも一因でしょう。

これからも、当面は逮捕者が出る可能性は、かなり低いとみていいと思います。

もしも逮捕があるとすれば違法ダウンロードしたコンテンツの「再販」などで、不当に金品を得るような行為かもしれません。

違法ダウンロードの法律改正が行われた

2020年10月1日から「リーチサイト」運営が違法に

「リーチサイト」運営が違法にあたるとの法改正が、2020年10月から施工されています。
リーチサイトというのは、違法ダウンロードを誘導する、またはリンクなどでまとめたサイトのことです。

ブログの運営などにおいても、結果的に違法ダウンロードとなるリンク先へURLを複数貼ったりした場合も、それがバレると検挙になる可能性はあるでしょう。

そうしたサイトについては、利用する人も、そして提供する側はさらに注意することが必要です。

2021年「改正著作権法」によって逮捕の幅が広がった?

2020年より順次、「改正著作権法」で一部が施行されました。これらのうち、違法ダウンロードに関連する内容については、2021年1月から施行されています。

以前はダウンロードにおいての「罰則の対象」が緩いものでしたが、この改正法以降、あらゆる著作物へ適用されます。

また、違法ダウンロードを行った人物に関する通信記録の情報開示依頼が行いやすくなりました。

このため、ネット利用においては、違法ダウンロードに対する一層の注意が必要となってきました。

改正前の処罰対象2021年改正後の処罰対象
音楽・映像音楽・映像・漫画・コンピューターソフトウェア・雑誌・学術論文等

違法ダウンロードに対する刑罰

違法ダウンロードに対する刑罰、つまり著作権法119条3項の罰則は、以下のとおりです。

  • 2年以下の懲役もしくは200万以下の罰金
    またはこれらを併科する

ただし違法ダウンロードに関する犯罪については親告罪となるため、被害にあった著作権者が告訴する必要があります。

違法アップロードに対する刑罰は?

違法ダウンロードで半句違法アップロードをした場合の刑罰は、かなり厳しいものとなっています。

  • 著作権・出版権・著作隣接権の侵害で有罪
    10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金・これらの併科

  • 著作者人格権・実演家人格権の侵害等
    5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金・これらの併科

実際に人気漫画の海賊版サイト運営者に対し、第一審で懲役3年及び罰金1,000万円が下されています。

個人ではなく法人が著作権侵害の主体と判断された場合には、侵害行為を行った従業員(個人)に加え、法人に対し3億円以下の罰金です。
もちろん有罪判決となれば前科がついてしまいますので、就職にも影響しますし、自由に海外渡航ができなくなるといった弊害も出てくるでしょう。

違法ダウンロードには問われない行為とは

ダウンロードすることが、何でも違法になるということはありません。

「違法ダウンロード」とは「著作権」の侵害が基礎となるため、違法性を問わないケースがいくつか存在します。

中には意外なほど、簡単な要件を満たすことで違法に問われないケースも存在します。

それではこれらについて、実例をいくつか紹介していきます。

ケース①:違法アップロードとは全く知らなかった場合

そのコンテンツが「違法アップロード」されたコンテンツだとは、全く知らずにダウンロードした場合です。

これについては、当人の「意識」の問題でもあり、捜査となった場合には、簡単に申し開きができてしまいそうです。

しかし明らかに海賊版サイトとわかるような場合には、逃げ道は少ないでしょう。

ダウンロードについて「正規サイト」であることを示す、「エルマーク」などの開示が必要となっています。
エルマークがないサイトは利用しないようにしましょう。

ケース②:そのコンテンツがパロディや二次創作に該当する場合

そのコンテンツが「パロディ」表現である場合など、著作権に抵触しない場合があります。

「二次創作」などです。

例えば、著名なコミックの原作キャラクターを「ファンが加工した」ものは、二次創作と解釈され違法ダウンロードに含まれません。

ただし、書籍等の「翻訳」には注意が必要です。翻訳行為は二次創作とはならず、違法となります。

ケース③:ごく一部だったり画質が低すぎて鑑賞の対象になり得ない場合

ダウンロードしたものが「ごく一部」だけのものである場合も違法にならないことが多いです。
全体像からみて、大元を全く想起させない程度の場合は、違法アップロードに該当しません。

また、画質が低すぎて「鑑賞にたえるものではない」品位のものも、違法アップロードの対象から外れます。

ケース④:常習性がないと見なされる場合

違法ダウンロードに該当するかどうかですが、「常習性があるか、ないか」という点が重要視されます。

著作権侵害は、それ自体「民事」の扱いです。
これを「刑事罰」で判断する際には「常習犯なのかどうか」がポイントとなります。

当然、繰り返し違法ダウンロードを行うということは、罪の重い行為と受け止められます。
日常的に行っていない場合は、刑事罰の対象とならないこともあるのです。

違法ダウンロードで逮捕されないためには?

違法ダウンロードの罪で逮捕されないようにするためには、どんなことに注意していればいいのでしょうか。

① 違法ダウンロードしてしまったものは削除する

仮に違法ダウンロードをしてしまった場合は、その行為はコンテンツ制作者の権利、つまり著作権へ抵触していることになります。

しかし現行の法解釈では、保存したパソコンやスマホのストレージから削除することで権利侵害からは回復するものとされています。

やってしまってバレることになっても、それを速やかに削除してしまえばお咎めなしで逮捕されることはありません。

② ファイル共有・アップロードしない

違法ダウンロードしてコンテンツを他人と共有することや、YouTubeなど動画配信サイトへアップロードすることは絶対に避けましょう。

これらは「違法アップロード」ということになり、違法ダウンロードよりも遥かに刑罰が重いものであり、逮捕者が出ております。

違法ダウンロードでは個人の特定が難しいのですが、違法アップロードの監視は動画配信サイト側でも適宜行われており、バレると強制削除やID剥奪なども十分あります。

③ 違法サイトへアクセスしない

違法ダウンロードにならないためには、配布サイトに行かないことが重要な対策です。
不審な文字列のURLや、知名度が低い海外ドメインなどでないか確認しましょう。

そうしたサイトのダウンロードファイルの中には、ウイルスが混入していることもあります。

④ 正規の方法でサービスを利用する

大手運営企業での正規の音楽・映像配信サービスを活用していれば、違法ダウンロードしてしまう可能性は低くなるでしょう。

著名なサービスにはAmazonプライム、Spotifyなどがあります。

有料ですが、コンテンツは安心して利用できます。
初回無料体験などの期間もありますから、不明なサイトからのダウンロードなどをする前に試してみましょう。

ネットコンテンツでは基本ともいえますが、音楽にせよ動画にせよ、正規料金を支払って利用することが最も安全です。

「エルマーク」を確認しよう

正規の音楽・動画配信のサービスであることを示す証拠として、「エルマーク」と呼ばれるマークがウェブサイトに付与されています。

正規サイトには、そのページのどこか視認できる場所に、「エルマーク」が表示されているはずなので確認しましょう。

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