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違法ダウンロードはなぜバレる?仕組みと逮捕されないために注意すること

違法ダウンロードがバレると逮捕されてしまうのでしょうか?

著作権を侵害するコンテンツをダウンロードすると、違法ダウンロードになる可能性があります。

個人の利用が目的でも、違法になるように法律が改正されました。

この記事では違法ダウンロードについて、バレるのかなどについて、わかりやすく解説します。

目次

違法ダウンロードとは?

「違法ダウンロード」には、決まった定義があるわけではありません。

ここでは、違法にアップロードされたものであることを知りながら、 著作権を侵害するコンテンツをインターネットからダウンロードすることを、違法ダウンロードと呼びます。

他にも違法ダウンロードに該当する行為は多数ありますが、ここでは主に「著作権を侵害するコンテンツのダウンロード」について解説します。

該当する行為とコンテンツの種類

違法ダウンロードに該当するのは、主に以下のようなコンテンツです。

  • 音楽
  • 動画
  • マンガ
  • ゲーム

これらの著作物が違法にアップロードされたものであることを知りながら、ダウンロードすると「違法ダウンロード」となります。

有償販売されている著作物の違法配信(ネット上の海賊版)を、海賊版であると知りつつダウンロードすることは、私的使用の目的であっても違法です。

著作権以外の法律に違反する場合も含まれる

この記事では主に、著作権を侵害する海賊版などのコンテンツのダウンロードについて解説しています。

しかし、広義の「違法ダウンロード」には、以下のような行為も含まれます。

  • 営業秘密や技術情報(内部からの不正な持ち出し行為)
  • 不正競争防止法違反(ライバル社の情報を不正な方法で入手)
  • 個人情報保護法違反(顧客情報の持ち出しなど)
  • 児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノに該当するコンテンツのダウンロード)

他にも「(主に民事上の)不法行為」に該当するものは「違法ダウンロード」です。

該当しないケース

「違法ダウンロード」に該当しないケースとして、以下のようなものが考えられます。

  • 違法にアップロードされたことを知らなかった場合
  • 軽微なダウンロード、引用など
  • 二次創作やパロディ作品
  • その他、特別な事情がある場合

例えば、詐欺から身を守るために詐欺マニュアルをダウンロードするなど、正当な目的がある場合は、違法とは判断されないことがあります。

違法ダウンロードに対する刑罰

違法ダウンロードに対する罰則は、民事(裁判による罰金など)だけではありません。

悪質と判断されると「刑事罰」に問われる可能性もあります。

違法ダウンロードの刑事罰は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金、もしくはその両方が科されます。

民事責任としては、著作権者から不法行為を理由に損害賠償請求があり、損害額の計算は「ダウンロードした回数×ダウンロードまたはストリーミング形式の販売価格」で算定されます。

違法ダウンロードがバレる理由とその仕組み

インターネットは匿名だから、ダウンロードしたくらいでバレないし逮捕もされないんじゃないの?

そう考える人もいるかもしれません。しかし、インターネットは匿名空間ではありません。

IPアドレスから個人を特定することは可能です。悪質と見なされると違法ダウンロードによって逮捕される可能性もあります。

IPアドレスの開示

違法ダウンロードがバレて逮捕される仕組みは、IPアドレスからの契約者情報の開示請求によるものです。

PCやスマホでサイトにアクセスすると、サーバーやプロバイダでの記録にIPアドレス(インターネット上での住所のようなもの)が残ります。

IPアドレスだけで個人を特定することはできませんが、プロバイダ(ネット回線を提供する事業者)が特定できれば、個人を割り出すことは可能です。

警察が悪質と判断すれば、手間をかけて個人が特定されて逮捕に至ることもあり得ます。

違法ダウンロードで逮捕されるまでに時間がかかる理由

とはいえ、実際に違法ダウンロードがバレたことで逮捕された人は、今のところはいません。

その理由として以下のようなことが考えられます。

  • 違法ダウンロードの証明が難しい
  • 権利者の告訴がなければ起訴できないから
  • 未成年の使用も多いため
  • 違法ダウンロードした人全員を取り締まるのは難しいため
  • 違法ダウンロードによる逮捕者は0件

このような理由から、個人によるダウンロードでは逮捕まで至るケースは、可能性としては低いです。

ここでは、違法ダウンロードで逮捕されるのに時間がかかる理由や、難しい理由について詳しく解説します。

① 違法ダウンロードの証明が難しい

IPアドレスのみで違法ダウンロードしたことを証明するのは、技術的に難しいといわれます。

しかし、警察が介入して捜査を行えば、個人を特定することは可能です。

悪質な誹謗中傷などの場合は警察も動きますが、個人の違法ダウンロードでは、操作までは至らないことが多いです。

② 権利者の告訴がなければ起訴できないから

違法ダウンロードが「著作権の侵害」によるものだった場合、「親告罪」といって、被害者や特定の関係者からの告訴がなければ公訴を提起できません。

著作権権利者自身が、違法ダウンロードを行う人物各々を確認したとして、それを告訴すれば警察の捜査介入から罪がバレる可能性はあります。

しかし、その都度権利者が、違法ダウンロードを行った人物が誰かを特定しようとして、告訴まで到達することは非現実的です。そのため、違法ダウンロードは多くのケースで訴えられるまでは至らないことがほとんどです。

③ 未成年の使用も多いため

未成年者に対しては「少年法」が適用され、罰則にならない場合もあります。

インターネットの利用者で、違法ダウンロードしたことがバレるような人は、多くが学生などの未成年者です。

例えば、Youtubeの動画を違法アップロードとは知らずにダウンロードを行った場合、未成年だとして、警察が捜査してその都度起訴までもっていくということは現実的ではありません。

また、数も多すぎるので取り締まりきれないというのが現実でしょう。

④ 違法ダウンロードした人全員を取り締まるのは難しいため

前述したように、違法ダウンロードで訴追するには「違法と知りながらダウンロードした」という証拠が必要です。

これを証明するのは現実的にかなり困難といえます。

インターネット上にあるコンテンツが違法とは知らずにダウンロードしているケースもあり、その場合は違法とされないのが現行の法律です。

罪に問われない可能性はありますが、完全に免責されるわけではありません。

⑤違法ダウンロードで実際に逮捕された人はほとんどいない

現在までに「違法ダウンロード」による逮捕者は出ていません。

当面は違法ダウンロードによる逮捕者が出る可能性は、低いといわれています。

しかし、法改正は進んでいますし、場合によっては逮捕、もしくは裁判に発展するような罪になる可能性は十分にあります。

違法ダウンロードは犯罪行為です。

違法ダウンロードに関する著作権法の改正点

著作権法は何度も改正され、現在では適用範囲は広がっています。

音楽・映像以外の著作物全般の違法ダウンロードも規制対象となり、ゲームやマンガなども該当します。

違法と知りながら継続的・反復的にダウンロードすると、2年以下の懲役または200万円以下の罰金の対象となります。

ただし、軽微なものは除外され、親告罪として扱われることは変わりありません。

2020年10月1日から「リーチサイト」運営が違法に

「リーチサイト」運営が違法にあたるとの法改正が、2020年10月から施工されています。

リーチサイトというのは、違法ダウンロードを誘導する、またはリンクなどでまとめたサイトのことです。

ブログの運営などにおいても、結果的に違法ダウンロードとなるリンク先へURLを複数貼ったりした場合も、それがバレると検挙になる可能性はあるでしょう。

そうしたサイトについては、利用する人も、そして提供する側はさらに注意することが必要です。

2021年「改正著作権法」によって逮捕の幅が広がった?

2020年より順次、「改正著作権法」で一部が施行されました。これらのうち、違法ダウンロードに関連する内容については、2021年1月から施行されています。

以前はダウンロードにおいての「罰則の対象」が緩いものでしたが、この改正法以降、あらゆる著作物へ適用されます。

また、違法ダウンロードを行った人物に関する通信記録の情報開示依頼が行いやすくなりました。

このため、ネット利用においては、違法ダウンロードに対する一層の注意が必要となってきました。

改正前の処罰対象2021年改正後の処罰対象
音楽・映像音楽・映像・漫画・コンピューターソフトウェア・雑誌・学術論文等

 

違法ダウンロードには問われない行為とは

違法ダウンロードに該当するためには、一定の「ハードル」があります。

ダウンロードしたら何でも違法、ということではありません。

「違法ダウンロード」とは「著作権」の侵害が基礎となるため、違法性を問わないケースがいくつか存在します。

中には簡単な要件を満たすことで違法に問われないケースも存在しますので、例をいくつか紹介します。

ケース①:違法アップロードとは全く知らなかった場合

そのコンテンツが「違法アップロード」されたコンテンツだとは、全く知らずにダウンロードした場合です。

これについては、当人の「意識」の問題でもあり、捜査となった場合には、簡単に申し開きができてしまいそうです。

しかし明らかに海賊版サイトとわかるような場合には、逃げ道は少ないでしょう。

ダウンロードについて「正規サイト」であることを示す、「エルマーク」などの開示が必要となっています。
エルマークがないサイトは利用しないようにしましょう。

ケース②:そのコンテンツがパロディや二次創作に該当する場合

そのコンテンツが「パロディ」(または二次創作)である場合には著作権に抵触しない場合があります。

例えば、著名なコミックの原作キャラクターを「ファンが加工した」ものは、二次創作と解釈され違法ダウンロードに含まれません。

ただし、書籍等の「翻訳」には注意が必要です。翻訳行為は二次創作とはならず、違法となります。

ケース③:ごく一部だったり画質が低すぎて鑑賞の対象になり得ない場合

ダウンロードしたものが「ごく一部」だけのものである場合も違法にならないことが多いです。全体からみて、大元を全く想起させない程度の場合は、違法アップロードに該当しません。

また、画質が低すぎて「鑑賞にたえるものではない」品位のものも、違法アップロードの対象から外れます。

ケース④:常習性がないと見なされる場合

違法ダウンロードに該当するかどうかですが、「常習性があるか、ないか」という点が重要視されます。

著作権侵害は、それ自体「民事」の扱いです。これを「刑事罰」で判断する際には「常習犯なのかどうか」がポイントとなります。

当然、繰り返し違法ダウンロードを行うということは、罪の重い行為と受け止められます。
日常的に行っていない場合は、刑事罰の対象とならないこともあるのです。

違法ダウンロードで逮捕されないためには?

違法ダウンロードの罪で逮捕されないようにするためには、どんなことに注意していればいいのでしょうか。

① 違法ダウンロードしてしまったものは削除する

仮に違法ダウンロードをしてしまった場合は、その行為はコンテンツ制作者の権利、つまり著作権へ抵触していることになります。

しかし現行の法解釈では、保存したパソコンやスマホのストレージから削除することで権利侵害からは回復するものとされています。

やってしまってバレることになっても、それを速やかに削除してしまえばお咎めなしで逮捕されることはありません。

② ファイル共有・アップロードしない

違法ダウンロードしてコンテンツを他人と共有することや、YouTubeなど動画配信サイトへアップロードすることは絶対に避けましょう。

これらは「違法アップロード」ということになり、違法ダウンロードよりも遥かに刑罰が重いものであり、逮捕者が出ています。

違法ダウンロードでは個人の特定が難しいのですが、違法アップロードの監視は動画配信サイト側でも適宜行われており、バレると強制削除やID剥奪なども十分あります。

③ 違法サイトへアクセスしない

違法ダウンロードにならないためには、配布サイトに行かないことが重要な対策です。

不審な文字列のURLや、知名度が低い海外ドメインなどでないか確認しましょう。

そうしたサイトのダウンロードファイルの中には、ウイルスが混入していることもあります。

④ 正規の方法でサービスを利用する

大手運営企業での正規の音楽・映像配信サービスを活用していれば、違法ダウンロードしてしまう可能性は低くなるでしょう。

著名なサービスにはAmazonプライム、Spotifyなどがあります。

有料ですが、コンテンツは安心して利用できます。
初回無料体験などの期間もありますから、不明なサイトからのダウンロードなどをする前に試してみましょう。

ネットコンテンツでは基本ともいえますが、音楽にせよ動画にせよ、正規料金を支払って利用することが最も安全です。

「エルマーク」を確認しよう

正規の音楽・動画配信のサービスであることを示す証拠として、「エルマーク」と呼ばれるマークがウェブサイトに付与されています。

正規サイトには、そのページのどこか視認できる場所に、「エルマーク」が表示されているはずなので確認しましょう。

【まとめ】

漫画やゲームを違法サイトからダウンロードしてはいけません。音楽や映画なども同様です。

著作権を侵害するコンテンツをダウンロードすると、違法ダウンロードになる可能性があります。

個人の違法ダウンロードで逮捕にまで至った事例はありませんが、悪質を見做されると有罪になる可能性はあります。

なにより、楽しくコンテンツが楽しめなくなってしまうため、違法ダウンロードはやめましょう。