スマートフォンに磁石を使ったケースやホルダーを使っても壊れないのか、気になったことはないでしょうか?
スマホ本体だけでなく、クレジットカードなどを手帳型ケースに入れていると、磁気でカードが使えなくなるというのも気になる情報です。
この記事では磁石がスマホに与える影響や、どこまでなら使っても問題ないかなどを紹介しています。気になっていた方は解消してください。
目次
磁石でスマホは壊れないの?
一般的に、スマートフォン(スマホ)用のケースに使われている程度の磁石なら、「悪影響はほとんどない」とされています。
スマホでで磁力を利用するのは、以下のような機能です。
- コンパス(方位磁針)機能
- ワイヤレス充電
- NFC(近距離無線通信)
これらの機能では弱い電波を利用しています。しかし、現在のスマホには周りの磁力を拾って補正する機能が含まれており、それらの磁力によって異常をきたすことはまずありありません。
ただし、強力な磁石は別です。「ネオジウム磁石」など強力な磁石をスマホなどの精密機械に近づけると、壊れる可能性があるので注意が必要です。
スマホで使う磁石のタイプ
スマホ用には磁石を使ったアクセサリーがあります。たとえばリング型のホルダーや手帳型のケースなどです。
ここでは、それらのアクセサリーに使われている磁石とそれがスマホに及ぼす影響について紹介します。
スマートフォン用のホルダー
最近よく見かけるようになったのが、「スマホリング」です。
スマホリングはスマートフォン用のアクセサリーで、スマートフォン本体の背面などに貼りつけて使います。
仕組みはスマホ本体に金属プレートを貼り付けておいて、ホルダーにつけられた磁石とくっつけるタイプが多いです。
耐荷重は1キロ近くあるものも多く、ちょっと引っ張った程度では外れないので、落下防止用に付けている人が多いアクセサリーです。
手帳型のスマホケース(マグネットタイプ)
スマホ用のケースにも。磁石が使われているタイプのものがあります。
手帳型ケースの「フタ部分」に磁石が入っていてスマホ本体とくっつくタイプは、逆さまにしても手帳のフタが固定されるので、ポケットやカバンに入れるときに便利です。(手帳型ケースでも磁石なしタイプもある)
スマホ本体には影響はないが、後述するように「磁気ストライプ」のカードは収納しないことをおすすめします。
iPhoneの「MagSafe(マグセーフ)」
MagSafe(マグセーフ)も磁石を利用した機能です。
「MagSafe」はAppleが開発した、磁石を利用して接続や充電などをする技術です。もともとはMacBookの充電ケーブルに導入された機能でしたが、その後iPhone12以降の機種で採用されました。
MagSafeは充電器だけでなく、ケースやホルダーなども対応しており、従来のように金属プレードを貼り付けなくてもリングなどのアクセサリーをつけられるメリットがあります。
スマホ用磁石を使うときの注意点
スマートフォン用のアクセサリーなどでは磁石を使ったものがありますが、弱い磁力のため本体に影響を及ぼさないものがほとんどです。
しかし中には磁石に気をつけるべき場合があるので、それについて紹介します。
磁気を使ったカードは要注意:手帳ケースには入れない
スマートフォン本体には、磁力を補正する機能が搭載されているため、磁石入りのケースなどを使っていても基本的には問題ありません。
しかし、ケースに「磁気カード」を入れることはおすすめできません。
特に「磁気ストライプ式」のクレジットカードは、マグネット使用のスマホケースの中に入れておくと磁気データが破損したり、劣化して使えなくなる可能性があります。
どうしてもカードを入れておきたいなら、「磁場干渉防止のカード」を一緒に入れておくといいでしょう。
磁気ストライプは磁石に弱く、使えなくなってしまうことも
「磁気ストライプ式」のクレジットカードなどは磁石に大変弱いです。
磁気ストライプ式のカードは、磁気テープ(黒色のライン、画像参照)に必要な情報が入っていて、磁気テープは磁石に影響を受けます。
手帳型などの弱い磁力でもデータが消えてしまうことがあるため、一緒に収納する際には注意が必要です。
ICカード(Suicaなど)は磁石の影響を受けにくい
クレジットカードには「磁気ストライプ式」と「ICチップ型」があります。(1枚に両方ついているタイプも)
ICカード「非接触系のカード」にも使われていますが、こちらは磁石の影響を受けにくいです。
「Suica」などの磁石が入ったスマホケースに入れていても問題はありません。ただし、スマホケースごとタッチするとSuica以外の非接触要素が反応してしまう可能性があるため、ケースから取り出してタッチすることが推奨されています。
磁気で影響を受けるスマホの機能
スマートフォンは電子機器のため、磁石などで影響を受ける機能はあるのでしょうか。
結論からいうと、磁力の影響を多少受ける機能もあるが多くは問題なく使える程度ということです。
ここからは磁力の影響を受けやすいスマホの機能の中で、カメラとコンパスとそれ以外について紹介します。
カメラ(手ブレ補正・ピント調整)
カメラに「手ブレ防止機能」が搭載されたスマートフォンでは、磁力の影響を受ける可能性があります。
特に「光学式手ぶれ補正 (OIS) 」を搭載したiPhoneなどでは、アクセサリに入っている磁力程度でもカメラに影響を及ぼす場合があります。
手ブレ補正やピント調整機能は磁石を近づけていると正常に作動しないことがありますが、磁石と遠ざければ(手帳ケースを外すなど)元に戻るので、通常の操作をする分には心配ありません。
iPhoneの純正アクセサリーは、磁石の影響を受けないように設計されているようです。
コンパス(方位磁針)やGPSへの影響はほとんどない
スマートフォンのナビなどを利用する際に、コンパス(方位磁針)機能を使いますが、これは磁力の影響を受けます。
コンパス機能の中には、磁力の影響を受けて正しく動作しなくなるものがあるため注意が必要です。(磁力の影響を受けないタイプのコンパスもある)
しかし基本的には補正機能によって正しく動作するので、問題が起こることは少ないとされています。
内蔵スピーカーやレシーバー、イヤホンジャック、マイク音声へのノイズ
スピーカーやマイク音声へのノイズは磁気の影響の可能性があります。
近くに磁石がある場合には遠ざけるなどしたほうがいいでしょう。スマホケースなどに使われる磁石は影響を受けることが少ないものの、イヤホンジャックの接続部分が磁気を帯びてしまうこともあるでしょう。
ノイズが気になる場合には音の大きさを変えながら再生することで改善する可能性があります。
スマホの磁器対策グッズを利用しよう
スマホに磁石が影響しないように、磁石に対応できる対策はあるのでしょうか。
スマホは磁器によって一時的おかしくなったりする程度かもしれませんが、クレジットカードなどは利用できなくなることもあります。
こうしたスマホ以外、磁力の影響を受けるものについても、対策できるグッズがあれば便利です。
そんな対策として知ってほしいのが、電磁干渉防止シートやICセパレータグッズです。
電磁気干渉防止シート
スマホもそうですが、交通系のICカードを利用されている方の中には、スマホの磁石によって利用できなくなってしまった・・などの経験をお持ちの方もいるでしょう。
そんな時には、電磁気干渉防止シートを1枚、利用するだけで保護できます。
電磁気干渉シートをスマホと交通系ICカードの間に1枚から2枚、挟んでおくだけです。電磁気干渉防止シートは、100円ショップでも購入できるので、見つけたら購入しておくといいでしょう。
利用の際には、カードと電磁気干渉防止シートがピッタリ重なるように入れるのが大切です。ずれてしまうと効果がなくなってしまいます。
ICセパレーター
ICセパレーターは、交通系ICカードと社員証など、読み取り方式が同じタイプのカード同士を利用している場合に使えるグッズです。
読み取り方式が同じタイプのカードを重ねて利用する場合、電磁気干渉防止シートが通用しなくなります。
ただし、ICセパレーターの中には利用できないカードもあるため、必ず商品説明を読み利用できるかどうか確認することが必要です。
ICセパレーターはAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどネットショップでも販売されていますし、ホームセンターなどでも購入できます。
スマホのケースポケットにこうした読み取り方式が同じタイプのカードを重ねて入れていて、利用できなくなった・・・という方は、ICセパレーターの利用がおすすめです。
電磁気干渉防止シートとICセパレータの使い分けについて
電磁気干渉防止シートもICセパレーターも、干渉防止のために作られたものです。
干渉防止に作られたものですが、干渉を起こす対象が違うため、どういうカードを利用するのか?それによって利用するグッズを考えなければなりません。
どの組み合わせでも磁気を遮断してくれるのはICカードですが、100円ショップで購入できる電磁気干渉防止シートと比較すると値段が高いです。
以下、利用できる対象と値段について参考にしてください。
電磁気干渉防止シート | ICセパレーター | |
交通系ICカードと社員証等 | 防止不可 | 防止可能 |
スマホと交通系ICカード | 防止可能 | 防止可能 |
交通系ICカード2枚 | 防止不可 | 防止可能 |
値段 | 安い | 高い |
ただ利用の仕方によっては防止できる物であっても防止できないことがあるため、絶対に防止できるとは言い切れません。
絶対に影響しないようにするためには、カード類とスマホを近づけない、カード同士を一緒に保管しないことが必要です。
iPhone12のMagSafe:スマホは大丈夫でも周辺に影響
Apple製品には「MagSafe(マグセーフ)」という技術があり、専用の充電ケーブルやMagSafe対応のアクセサリーが多数販売されています。
MagSafeシリーズにはiPhoneに磁石でつけることができるポケット(ウォレット)、ワイヤレス充電器、ワイヤレス充電器に対応したケースなどがあり、財布を持たなくてもiPhoneにクレジットカードなどを入れたウォレットをつけておくと便利です。
しかし、MagSafeの磁力はiPhoneに影響ないのでしょうか?
機械式時計に近づければ時間が狂うことも
機械式時計を使用している人には常識ですが、磁石を近づけたりすることで時刻の表示に狂いが生じたり、それが続くと時計自体の破損に繋がる恐れがあります。
クォーツ時計には何の問題もありませんが、機械式時計を持っている人はなるべく磁石などに近づけないほうがいいでしょう。
とはいえ、スマホを使わないことはできないので、そういう場合には時計を外す、時計をしている手ではスマホを操作しないほうがいいと思います。
特にマホのスピーカーやタブレットの磁石内臓のケースには近づけないようにすることが重要です。
磁気カード類にはやはり影響
MagSafeは磁石を使用し充電などをでき線を必要としないため、利便性が高いという点で今後こういった製品がどんどん出てくる可能性があります。
スマホに直接取り付けることができるウォレットには、シールド機能があることで、気の影響を受けることは少ないでしょう。
それでも心配な場合には電磁場防止のカードを一緒に入れておく、電磁場防止のシールなどを貼るなどしておけば安心です。
まとめ
スマホと磁石の影響についてまとめます。
- スマートフォンは精密機械のため、磁力の影響を受ける可能性がある
- ケースやアクセサリー程度の磁力では、本体に悪影響はないことがほとんど
- 強い磁石(ネオジム磁石など)を近づけると破損することもあるので注意
- スマホ本体よりも「磁気ストライプ式」のクレジットカードが磁石に弱い
- ICチップ式のカードは大丈夫
- コンパスやカメラなどで磁力の影響を受ける機能もあるが、補正機能があるので基本的には問題ない
ケースやアクセサリ程度の磁石は影響を受けませんが、クレジットカードなどは使えなくなる可能性があります。
特に手帳型ケースに「磁気ストライプ式のカード」を収納することはおすすめしません。