Apple Vision Proは、メガネやコンタクトのままでも使えるのでしょうか。残念ながら、メガネやコンタクトレンズ装着時は使えません。追加レンズの購入が必要です。本記事では、メガネやコンタクトの装着できない理由や対応策に解説します。
目次
Apple Vision Proはメガネ装着で使えるのか?
メガネやコンタクトを利用している人も多いと思いますが、ゴーグルタイプのHMDであるApple Vision Proは、メガネやコンタクトをしたままでも使えるのでしょうか?
結論から先に言うと、アップルは、メガネやハードタイプのコンタクトレンズをした状態ではApple Vision Proは使えないとしています。
以下では、メガネやコンタクトの装着可否やその理由について詳しく解説していきます。
Apple Vision Proではメガネ装着では使えない
Apple Vision Proはゴーグルタイプなので、メガネは装着するのに邪魔になりますが、コンタクトレンズなら装着の妨げにはなりません。
しかし、以下の理由で、ではApple Vision Proは使えないとされています。
・メガネとハードコンタクトレンズを装着したままでは、目線を正しく認識できない可能性があり、Apple Vision Proの操作に差し障りが出る可能性がある。
・Apple Vision Proでは、利用者の認証に虹彩認証を利用していますが、メガネたハードコンタクトレンズを装着したままでは虹彩認証が誤動作する可能性がある。
ソフトコンタクトレンズなら使える
Apple Vision Proでは、ハードコンタクトレンズをつけたままでは利用できないとされていますが、ソフトコンタクトレンズの使用は問題ないとされています。
ただし、カラコンなどの美容向けのソフトコンタクトレンズは、アイトラッキングや虹彩認証に支障が出る可能性があるため、装着したままではApple Vision Proは使用できないとされています。
Apple Vision Pro専用の追加レンズを用意
メガネやコンタクトが必要な方は、それらを外してしまうと視力が落ちてしまうなどにより、見え方が正常ではなくなり、Apple Vision Proを装着しても映し出されたものを正確に認識できなくなってしまいます。
そこで、アップルでは、Apple Vision Pro専用の追加レンズをオプションとしてラインナップしています。
これを、Apple Vision Pro本体のレンズ部分にセットすることで、メガネやコンタクトを外しても視力を確保することができるのです。
追加レンズはドイツのZEISS(ツァイス)製
Apple Vision Proでは、ドイツのZeiss(ツァイス)社と共同開発した「ZEISS Optical Inserts(光学インサート)」をオプションとして用意しており、本体と一緒に、あるいは、本体購入後に別途で購入できます。
ZEISS光学インサートの種類は以下の2種類です。
- Readers:処方せんのいらないメガネノ代わりとなるモノで、価格は99ドル(約15,000円)です。
- Prescription:処方せんの必要なメガネノ代わりとなるモノで、価格は149ドル(約22,000円)です。
ZEISS光学インサートを購入するには、ウィザード形式の購入サイトで質問に答えていけば、購入の要否・種類を教えてくれるようになっていますので安心です。
追加レンズには処方箋が必要
追加レンズの種類や諸元を細かく決めていくには、現在使用しているメガネやコンタクトを作成した際の処方せんが必要です。
処方せんに記載されている数値を購入サイトの指示に従って入力していくことで、自分の使用しているメガネやコンタクトの代わりとなるレンズ性能を持つ追加レンズとして、ZEISS光学インサートを注文できるのです。
レンズの種類としては、遠視/近視/乱視や遠近・中近両用といったタイプに対応してます。
ただし、斜位・斜視の補正や強度の眼精疲労への対策のためのプリズムレンズには非対応です。
Apple Vision Proがメガネ装着で使えない理由とは?
Apple Vision Proはメガネやコンタクトをしたままでは使えないとされていますが、使えないのはどういう理由からでしょうか。
その理由とは、以下の3点に集約されます。
- メガネを装着したままでは空間的余裕がない
- メガネを装着したままでは虹彩認証が正しく認識できない
- メガネを装着したままではアイトラッキングが正しくできない
以下では、それぞれの理由を詳しく解説していきます。
メガネを装着したままでは空間的余裕がない
Apple Vision ProはゴーグルタイプのHMDですが、ゴーグルの内部はあまり空間的余裕が取られていません。
たとえば、スキー用のゴーグルであれば、メガネをしたまま滑れるように内部と幅も奥行きを余裕を持たせた構造です。
しかし、Apple Vision Proは、内部にレンズやディスプレイを備えて映像を見るような構造となっています。
そして、この構造でリアルな映像を見せられるように、目とレンズの距離はあまり話すことはできませんし、外光を遮蔽するためにも内部の空間は広くは取れないのです。
こうした理由から、メガネをしたままでApple Vision Proをかぶろうとしても、メガネが当たってうまく壁ぶれないため、メガネは使えないとされています。
コンタクトレンズであれば、こうした空間的な余裕は問題にはなりませんが、以下のような問題に遭遇するのです。
メガネを装着したままでは虹彩認証が正しく認識できない
Apple Vision Proの利用を開始するには、空間コンピューターであるApple Vision Proにログインする必要があります。
普通のコンピュータであれば、キーボードやボタンを使ってログインできるのですが、Apple Vision Proにはキーボードはなく、ログイン後にソフトキーボードが使えるのみです。
そこで、Apple Vision Proではログインに虹彩認証を利用します。
虹彩とは目の中にあって瞳孔の開き具合を調整する役割を果たすものですが、この虹彩の模様は、指紋と同じように、人それぞれで固有のモノでありしかも一生変化しないという特徴があります。
そこで、この虹彩の模様を利用して認証を行うのが虹彩認証です。
虹彩認証では、虹彩を裸眼の状態で登録するのが普通なので、メガネやコンタクトをしてしまうと、登録したパタンと異なってしまい、認証がうまく働かないのです。
Apple Vision Proを装着してもログインがうまくできないのでは、使い物になりませんので、メガネやコンタクトは不可とされています。
メガネを装着したままではアイトラッキングが正しくできない
Apple Vision Proは、普通のコンピュータではなく、XRデバイスとしての操作法が採用されています。
具体的には、視線で仮想のアイコンを選択したり、仮想アイコンを指でつまんだりして操作していくのです。
このため、Apple Vision Proは装着しているユーザーの両目に不可視の光を照射して視線をトラッキングしており、メガネやコンタクトをつけているとこの仕組みがうまく動作しない可能性があるため、メガネやコンタクトの使用は不可となっています。
まとめ
Apple Vision Proは、その構造上、メガネやコンタクトをつけたままで利用することは不可とされています。
この対策として、アップルは世界的なレンズメーカのZEISSと共同開発で老眼や近視に対応する追加レンズをオプションとして用意しています。
アップルの用意する追加レンズは高価なものなので、今後サードパーティ製の追加レンズが発売されることも期待したいところです。
日常的にメガネやコンタクトをかけて方は、Apple Vision Proの利用にあたってメガネやコンタクトは利用の制約となりますので、注意しておいてください。