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風評被害とは何か-個人や企業が晒されている危険性や対処方法を解説

2022年11月24日

風評被害とは、誤った情報やデマなどによって、経済的・精神的な損害を被ること。噂やデマなどの情報によって発生する損害であり、ネットの普及した現在の社会では、大きな問題となっています。被害が大きい場合は、情報削除依頼の他、警察や弁護士に相談することにもなります。

風評被害とは風評によって経済的・精神的被害を受けること

最近ネットで、風評被害とは?という言葉をよく目にするようになりました。法律用語ではないので厳密な定義はありませんが、単に誤った情報を流されるだけではなく、実際に被害を被る場合に使われるのが一般的です。

ネットが普及した現在では、いろんな情報がネットにあふれており、また、ちょっと話題になると、情報の真偽はさておいて、あっという間に拡散して皆の知るところとなります。

風評被害とは、こうした誤った情報によってあらぬ疑いをかけられて、経済的あるいは社会的な信用などに被害を被ることを指す言葉です。

誹謗中傷と風評被害の違い

風評被害と同じような意味の言葉に、誹謗中傷という言葉があります。似たような言葉ですが、誹謗中傷は風評被害とは、その意味は異なるのです。

誹謗中傷とは

誹謗中傷は、悪意を持って他人のことを悪く言って、社会的な信用などを貶めることを指す言葉です。誹謗中傷は、名誉棄損や侮辱といった違法行為につながるものです。

風評被害とは

一方、風評被害とは、間違った情報により、実際に被害を受けることを指す言葉です。間違った情報が発信されるときは、必ずしも被害を与えることは目的とされていないことも多いのです。

しかし、情報が拡散し、情報で示された内容と個人や企業の活動などが結び付けられた結果が大きな被害を生むことになり得ます。

このように、ネットに情報がアップされた時点と拡散した後で、情報の性格が異なってしまうことが、風評被害の特徴であり、難しい点もあるのです。

風評被害の種類

風評被害とは、間違った情報が世間に流れ、それが、個人や会社などに結び付けられることがきっかけとなります。

以下では、風評被害のきっかけとなるものにどのようなものがあるか、主なものを紹介します。

マスコミの偏向報道

マスコミは、世の中の出来事をマスメディアを使って報道して皆に伝えます。伝える際には、きちんと裏付けを取って、かつ、公正な立場で報道することを求められます。

しかし、マスコミによっては、裏付けを取ることなく情報を流したり、一部の情報を切り取っているために、本来の意図をまげて報道したり、意図的に情報を偏向して流したりすることがあります。

風評被害とは、こうした恣意的な立場でのマスコミ報道で、世間に誤った見方を与えることがきっかけとなることもあります。これにより、人気の急落や売り上げの激減などの被害に結び付くことがあるのです。

ネットのネガティブ情報

今はだれもがネットに意見などを掲載することができます。自分や自社の活動には、当然、ネガティブな意見を持つ人もいるでしょう。そうした人が、SNSや掲示板などに悪評や悪口などネガティブな投稿し、それがネットに出回ることもあります。風評被害とはこうした投稿はきっかけとなることも多いのです。

こうしたネガティブな投稿は、実は、事実無根の内容であっても、センセーショナルな内容であったり、たまたま、有名人やマスコミの目に留まって注目を集めると、あっという間に、ネットで拡散してしまいます。

こうなると、単に投稿は拡散されるだけではなく、被害に結び付いてしまうのです。このように、風評被害とは、当初の投稿の意図から離れて被害が拡大することもあるのです。

誤解を招く統計データ

各種の統計データや分析結果が、国や民間の機関から公表されていますが、これらを誤って解釈してしまうことがあります。

特に環境汚染などに関するデータや分析が公表されると、その原因探しのターゲットとなり得るなどのケース見受けられます。

風評被害とは、こうした誤った解釈や意見が広まることで、被害が広まる可能性があるのです。

人の噂

古いことわざに「人の口に戸は立てられない」というものがありますが、悪い噂ほどあっという間に広がるものです。風評被害とは、当初は、こうしたうわさが噂を呼ぶといった状況によるものだったのです。

銀行の取り付け騒ぎなどは、こうした噂がきっけかの場合があります。

風評被害が個人や企業に及ぼす影響

風評被害とは具体的にはどのような被害があるのでしょうか。以下に、個人や企業の場合の例を説明します。

個人の場合の例

  • 会社での評価の低下、給与の減額、職位のはく奪、解雇など
  • いわゆる村八分状態、銀行などの審査への悪影響

会社の例

  • 売り上げの減少、株価の下落、
  • 取引先や顧客離れ、採用への悪影響

風評被害が起こる3つの原因

風評被害とは、風評すなわち、真偽の定かではない情報が世の中に流れることがきっかけです。

以下では、風評被害が起きる原因を紹介します。

個人の情報発信が容易なネット環境

ネットの普及により、だれでもが情報発信を簡単に行えるようになりました。そして、ネットでは実名を使わずに匿名で発信することも可能です。

さらには、ネットで見た情報の真偽を確かめることなく鵜呑みにして拡散することも増えています。

このため、誤った情報や真偽不明の情報が個人や会社に簡単に結びつけられてネットに流れてしまうことも増えているのです。風評被害とは、こうしたネット社会の問題の1つとなっています。

消費者の不満や不安

商品やサービスが自分の思った通りでない、満足できなかった場合、そうした点を大げさに、誇張して騒ぎ立てる人もいます。そして、こうした騒ぎは人の注目を集めやすいのです。

このため、口頭ならまだしも、ネットやSNSに大げさに書き込まれてしまうと大きな被害を被るきっかけにもなってしまいます。風評被害とは、こうした風評をきっかけに発生する損害なのです。

企業に対する従業員の不満の蓄積

企業の勤める人が、会社への不満や逆恨みなどから、ネットに会社を誹謗中傷する書き込みをすることがあります。社内事情は普通は一般の人は知り得ないので、注目を集める場合があります。

そして書き込みにより会社に悪印象を持たれてしまうと、被害を被ることにもなり変えないのです。風評被害とは、こうした自社への不平不満がきっかけでも発生する損害なのです。

風評被害を受けた場合の対処法

風評被害を受けたばあいは、どのように対処するのがよいのでしょうか。

いかでは、風評被害を受けた場合の対処法について説明します。被害が大きくならないうちに適切に対処することが重要です。

書き込みが事実に反している旨の発信

風評被害の対象になってしまった場合は、風評被害を受けていることを世の中に伝えましょう。そして、ネットの書き込みなど風評被害のきっかけとなった内容が事実ではないことをきちんと公表して説明することが大事です。

このさい、大事なことは、感情的にならず、事実を冷静に説明して書きこまれていることが事実に反していることを世間の人に納得させることです。

サイトや掲示板への削除依頼

風評被害のきっかけを作った投稿は、投稿されたサイトや掲示板などの運営サイドに削除を申し入れましょう。掲載されたまま放置しておくと、投稿を承諾したものと誤解される恐れもあります。

ただし、削除依頼を行っても必ずしも削除されるとは限らないことに留意が必要です。投稿が利用規約に違反していることを明確に説明して、削除してもらえるよう申請し、結果を待つしかありません。

警察への相談

名誉毀損や信用毀損など法に触れることが明確になった場合は、警察に投稿者を告訴するなど、警察に相談することも感が手見ることが必要な場合もあります。

弁護士への相談

投稿の取り下げや警察への相談などは、法律の知識を必要とする場合が多くなります。当初は個人での対応でも手続きを進めることが可能ですが、簡単に事が運ばない場合は、弁護士の力を借りることを検討した方がよい場合もあります。

特に、投稿の削除や投稿取り下げなどが進まない場合は、弁護士に手続きを依頼しなければことがうまく運ばないと思った方が無難です。

発信者情報開示請求による投稿者の特定

風評被害を招く投稿が削除されても、再度にわたって連続して投稿が続くようであれば、投稿者を特定して、投稿の中止や損害賠償を求めることも視野に入れる必要があります。

投稿者を特定するには、掲示板やサイトの運営側に発信者情報開示請求という手続きを取るのが一般的です。請求が受理されれば、投稿者の氏名・住所・IPアドレス・発信日時・発信デバイスなども情報を入手でき、それをもとに、投稿者を解く手することができるのです。

損害賠償請求

風評被害で経済的な損失や精神的な苦痛を被った場合、損害賠償を請求することも考えられます。

損害賠償を請求するには、名誉棄損などの違法行為であることが明確で、裁判所に民事訴訟を起こせるだけの証拠が集まっていることが条件です。また、損害賠償の額についても算出根拠の妥当性を求められます。

この段階になると、弁護士に依頼して裁判を進めることが必要です。

今後風評被害に遭わないためには?

特に、法人や営利目的の活動をしている個人が、風評被害に会わないようにするには、普段から、以下のような点について注意を払っておくことが必要です。

風評被害とは、その芽を摘むこと、被害が出た場合は被害が拡大しないうちに収束させることが大事です。

そして、それ以上に、風評被害を生む土壌を作らないことが最も重要です。

個人や企業のネガティブワードのチェック

個人や企業がどんなに良心的に活動していても、全ての人が好意的な振る舞いしかしないということはあり得ません。いつの場合でも、不満や誹謗中傷の声が沸き起こり、ネットに流されてしまう可能性があります。

こうした個人や企業のホームページをはじめ、ネットにネガティブな意見や投稿がアップされていないかを適時チェックして、投稿された場合は、内容によっては迅速に対処することが必要かもしれません。

風評被害とは、できるだけ早いうちに、その芽を摘むことが大切なのです。

ネットリテラシーの学習・教育

風評被害とは、ネット上のネガティブな意見を、その内容を自分で検証することなく、興味本位や面白半分で拡散してしまうことが広まる原因になり得ます。

意見を投稿したり拡散できる現在は、特に、企業においては、従業員に対して、ネットで簡単にしかも匿名でもネットリテラシーの教育や学習を徹底することが重要です。

こんなことぐらい大丈夫だろうとか、何に配慮もなしに興味本位で投稿することが、自社や他人に大きな被害をなめく可能性があることをきちんと認識する教育が必要です。

顧問弁護士の検討

仮に風評被害が心配な事案をネットなどで見つけた場合、対処方法はまずいと、炎上のきっかけを与えることになり逆効果です。また、個人情報保護やプライバシー侵害など法的な扱いに不備がないように慎重に進める必要があります。

企業であれば、こうした場合、ネット問題に詳しい弁護士えと顧問弁護士の契約をしておけば、気軽の相談でき、かつ、適切なアドバイスをもらるので安心です。

まとめ

ここまで、風評被害とはや、その原因や風評被害に会わないための対策、風評被害の被害を拡大しないための対応などについて説明してきまし。

ネットが普及した現在の世の中では、ちょっとした投稿などがきっかけで、風評被害により大きな損害を被る可能性があります。

風評被害を受けてしまった場合は、原因となるデータのネットからの削除を求めたり、悪質な場合は、警察や弁護士に相談して、根を断ち切ることが必要です。また、再発防止策も必須です。