電話をかけた際に「おかけになった電話をお呼びしましたがお出になりません」というアナウンスを聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
このメッセージを聞くと、つい着信拒否されたのではないかと不安になりがちですが、実は必ずしも着信拒否を意味するわけではありません。同じアナウンスが他の理由でも流れることがあります。この記事では、3大キャリアごとの着信拒否に関するアナウンスの違いについて詳しく解説します。
目次
「おかけになった電話をお呼びしましたがお出になりません」はauのみのアナウンス
「おかけになった電話をお呼びしましたがお出になりません」というアナウンスはau独自のものです。
他の3大キャリアでは、アナウンスの表現が少し異なります。このため、このメッセージを聞いた場合、相手がau(またはau回線を使用している)ことが分かります。
また、UQモバイルやYahoo!モバイルなどの格安SIMでも、au回線を使用している場合は同じアナウンスが流れることがあります。これは格安SIMがキャリアの回線を借りて提供しているためです。
「おかけになった電話をお呼びしましたがお出になりません」の意味は?
このアナウンスは、文字通り「相手が電話に出られないとき」に流れるものです。auやau回線を使っている格安SIMの電話では、何らかの理由で応答できない場合に「おかけになった電話をお呼びしましたがお出になりません」と案内されます。初期設定では24秒後にこのメッセージが流れるようになっています。
なお、このアナウンスは「1420」をダイヤルすることで解除でき、呼び出し時間の変更は「1418xx」(xxは秒数)で設定可能です。
「おかけになった電話をお呼びしましたがお出になりません」が流れるのはなぜ?
au(またはau回線の格安SIM)で「おかけになった電話をお呼びしましたがお出になりません」というアナウンスが流れる主な理由について解説します。
一定の時間内に電話に応答できなかったとき
「おかけになった電話をお呼びしましたがお出になりません」というアナウンスが流れたからといって、必ずしも相手に着信拒否されているとは限りません。電話に出られなかった場合にも、一定時間コールをしたあとに同じアナウンスが流れるからです。
auの場合は着信拒否の場合も同じアナウンスが流れるため、アナウンス内容から拒否を見分けることはできなくなっています。(ただし、迷惑電話撃退サービスのメッセージでは判別可能です)
呼び出しコールが何度かあってからアナウンスがある場合と、コールなしで同アナウンスが流れる場合があります。
コールなしでアナウンスが流れたとしても、必ずしも着信拒否ではなく、以下の原因が考えられます。
- 電波の届かない場所にいる
- 電源が切ってあるか、充電が切れている
- 機内モード
- 電源がOFF
移動中や高い場所、電波が混雑している駅や街中、反対に地方などの電波の弱いエリアでも発生する場合があります。そのときは、ある程度時間をあけて再度電話をかけてみるとつながります。
着信を拒否したとき
「おかけになった電話をお呼びしましたがお出になりません」というアナウンスが流れる理由の一つに、着信拒否があります。相手がかかってきた電話に応答せずに、拒否ボタンを押した場合、このアナウンスが自動的に流れて通話が終了します。
この場合は、仕事中や移動中などで本当に電話に出られないだけの場合も多いため、少し時間をおいてから再度かけ直してみるのが良いでしょう。
特定の番号や非通知を拒否する設定がされているとき
「おかけになった電話をお呼びしましたがお出になりません」というアナウンスが流れる理由の一つは、相手が特定の番号や非通知の着信を拒否する設定をしている場合です。この設定をしていると、拒否した番号や非通知からの着信には自動的にこのメッセージが流れます。この場合、相手が電話に出られないのではなく、設定により着信がブロックされている状態です。
ただし、電話に出られない時も同じアナウンスが流れるため、着信拒否かどうかを見極めるのは慎重に行いましょう。
なお、相手が「迷惑電話撃退サービス」を利用している場合は、「おかけになった電話番号への通話は、お客さまのご希望によりお繋ぎできません」という異なるアナウンスが流れます。
3大キャリアの着信拒否設定した場合の相手へのアナウンス
ここまで、auのアナウンスについて解説してきましたが、他のキャリアはどうなのでしょうか。実際、「au」「ドコモ」「ソフトバンク」のそれぞれで、応答メッセージの文言が異なります。
ここからは、着信拒否されているときのアナウンスを国内3大キャリア別にみていきましょう。
au
auのキャリアでは、「迷惑電話撃退サービス」という着信拒否機能があります。
このサービスを使って着信を拒否すると、かけてきた相手には「おかけになった電話番号への通話はお客さまのご希望によりお繋ぎできません」というメッセージが流れます。
このアナウンスを聞いた場合、自分の番号が着信拒否されていることが確定します。
NTTドコモ
ドコモでは「迷惑電話ストップサービス」という着信拒否機能があります。
このサービスを使って着信を拒否すると、かけた相手には「おかけになった電話番号への通話はお繋ぎできません」というメッセージが流れます。
このメッセージは、auの「お客さまのご希望によりお繋ぎできません」というメッセージと比べると、直接的な表現ではないため、着信拒否の状態なのか、電波やその他の理由でつながらないのかを判断するのが難しいかもしれません。
ソフトバンク
ソフトバンクには、「ナンバーブロック」という着信拒否サービスがあります。この機能では、着信拒否をした相手へ流すアナウンスを、英語版も含めて9通りから選ぶことができます。
それぞれのアナウンス内容は以下のようなものです。
- 「こちらはソフトバンクです、おかけになった電話番号への通話はお客さまのご希望によりお繋ぎできません」
- 「こちらはソフトバンクです、おかけになった電話番号への通話はお客さまの申し出により現在お断りしております」
- 「この電話はお受けできません」
- 「この電話はお繋ぎすることができません」
- 「この電話はお客様のご都合によりお繋ぎできません」
- 「せっかくお電話をいただきましたが、この電話をお受けすることができません」
- 「電話番号をお間違えではないですか?この電話はお繋ぎできません」
- 「おかけになった電話番号への通話は、お客様のご希望によりお繋ぎできません」
- 「This is SoftBank. By the customer's request, this call can not be completed.」
(引用:ソフトバンク公式サポートサイト)
ソフトバンクでは、着信拒否のメッセージに複数の種類があるため、相手に対して着信拒否の状態をわかりやすく伝えることも、逆にわかりにくくすることも自由にできます。
スマホの本体機能で着信拒否設定した場合の相手へのアナウンス
ここまで「キャリアごとの着信拒否の設定」で流れるアナウンスを見てきましたが、スマートフォンで着信拒否を設定する方法は、もう一つあります。それは、端末本体で着信拒否をする機能を使う方法です。
AndroidとiPhone、それぞれのスマホ本体の機能で着信拒否の設定をした際に相手に流れるアナウンスについて解説します。
Android
Android端末で着信拒否の設定は「自動シャットアウト」です。
かけてきた相手には何もアナウンスは流れずに、自動的に電話がシャットアウト切断されます。アナウンスが流れないため、相手は着信拒否設定されていることに気づきにくいかもしれません。
ただし、過去に着信拒否を経験したことがある方や、スマホ関連の業者などは、すぐに着信拒否だと気づくことができるでしょう。