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【iCloud+】新機能iCloudプライベートリレーを解説

2022年8月9日

iCloudに新たに追加された機能の「プライベートリレー」。iCloud有料プランが自動アップグレードされているので、その機能を知らない方も多くいます。この記事では、プライベートリレーの概要や設定方法、iCloud+のその他の機能をご紹介します。

iCloudプライベートリレーの概要

早速iCloudに新たに追加された新機能のプライベートリレーの概要をご紹介していきます。

iCloudプライベートリレーとは?

iCloudのプライベートリレーとは、簡単に言うとAppleデバイスにデフォルトで搭載されているブラウザ「Safari」のセキュリティ機能です。プライベートリレーを有効にすることで、IPアドレスや閲覧履歴をAppleですら調べることができなくなる機能です。

2022年8月時点では、Safariのみでしか利用できない機能ですが、個人情報に対して少しでも気になる方にはおすすめの機能です。

利用条件

iCloudのプライベートリレーを利用するには条件があります。それは、有料のiCloud+を契約することです。詳しい料金プランは後述しますが、どのプランを契約しても利用することができます。

iCloudの無料プランを使っている場合はプライベートリレーは利用できないので注意しましょう。

設定(オン・オフ)手順

では、iCloudプライベートリレーの設定(オン・オフ)の手順をご紹介します。iPhoneやiPadでの手順ですが、他のデバイスでも同じような手順で設定が可能です。

  • 設定アプリ>ユーザー名>iCloud>プライベートリレー(ベータ版)>有効にする

iCloud+に加入していない場合は、プライベートリレーはiCloud+に加入することで利用できるようになる機能である説明文が表示されます。契約もそのページでできるので、使いたいならそのまま加入してみましょう。

仕組み

「マルチホップアーキテクチャー」という技術を用いてiCloudのプライベートリレーではプライバシーを保護しています。デバイスとWebページを繋ぐには2つの中継点を経由します。

Appleのサーバーとサードパーティーの中継点で、IPアドレスが暗号化されます。自分の住所など個人情報をネットで検索しても誰にも知られることがないセキュリティ機能を使うことが可能になります。

VPNとの違い

ネットでセキュリティ機能の代表的なものとしてVPNがありますが、iCloudのプライベートリレーとVPNでは大きな違いがあります。

それは、iCloudプライベートリレーではSafariでのみ利用できる点です。VPNはSafari以外にブラウザでも使える上に、位置情報をなりすますこともできるので、VPNを利用している方は無理してプライベートリレーを利用する必要なさそうです。

iOS16以降での展望

2022年8月時点での最新のiOSはiOS15.6です。2022ね6月にWWDC2022でiOS16のリリースが発表されましたが、iOS16ではSafari以外のアプリでもiCloudのプライベートリレーを使えるようにするという展望が発表されました。

具体的にどの程度のアプリまで利用できるのかは2022年の9月に行われるであろうApple Special Eventでの発表を待つ必要があります。

iCloudプライベートリレーが表示されない理由

一部のユーザーにはiCloudプライベートリレーが表示されない場合があります。プライベートリレーの機能はiOS15以降で使える機能です。

なので、iOS14以前のiOSが入っているデバイスでは表示されることはありません。プライベートリレーを使いたいならiOS15にアップデートを行いましょう。

iCloudプライベートリレーを有効にする際のデメリット〜MNOキャリア〜

iCloudプライベートリレーはセキュリティを強固にする優秀な仕組みですが、その反面一部の機能を制限してしまうデメリットも発生しています。MNOキャリアから告知されいてるデメリットをご紹介します。

MNOキャリア①docomo

docomoはユーザーに向けてiCloudのプライベートリレーを有効にした際に起こりうるサービスを発表しました。

  • dアカウントメニューが正しく表示されない
  • iチャネルの一部コンテンツの制限
  • パケットパック海外オプションなど海外に関するサービスの利用ができない

多くのユーザーに関係する可能性があるデメリットとしては、dアカウントメニューに関する影響です。パスワードの確認や二段界認証の設定、利用履歴の確認ができなくなる可能性があるので注意しましょう。

MNOキャリア②au

auでもdocomoと同様にプライベートリレーを有効にした際に影響を及ぼすサービスに関して発表をしまいした。auでは、海外で世界データ定額を利用できなくなる可能性があることを発表しました。

MNOキャリア③SoftBank

SoftBankではdocomoやauよりもおおきな影響を受けるサービスがあることが発表されました。動画SNS放題というプランが提供されており、動画やSNSを利用した場合は通信量をカウントされないプランです。

ただ、そのプランに加入しているにも関わらず、動画やSNSで通信量がカウントされる可能性があることが発表されました。SoftBankユーザーで動画SNS放題を利用している方は注意が必要です。

MNOキャリア④Rakuten Mobile

Rakuten Mobileでもプライベートリレーを有効にした際に起きる影響を発表しています。通常課金されることのないRakuten Linkでの通話やメッセージのやり取りでも課金される可能性があると発表がありました。

特に、Rakuten Linkを使った無料通話はRakuten Mobileの特徴でもあるので、通話をよくするRakuten Mobileユーザーは注意が必要です。

iCloudプライベートリレーを有効にする際のデメリット〜MVNOキャリア〜

前項ではiCloudのプライベートリレーを有効にした際に起こるMNOキャリアでの影響をご紹介しました。影響を受けるのはMNOキャリアだけでなくMVNOキャリアも同様です。ここからは2つのMVNOキャリアが受ける可能性のある影響をご紹介します。

MVNOキャリア①Y! mobile

MVNOキャリアのY! mobileでは、ウェブ安心サービスのフィルタリング機能が使えなくなる可能性があると発表しています。子供用に持たせているiPhoneでフィルタリングが効かなくなる可能性があるので、親御さんは注意が必要です。

MVNOキャリア②LINEMO

LINEMOでは、Y! mobileと同様にウェブ安心サービスのフィルタリング機能が使えなくなる可能性があるのと、LINEのギガフリーがカウントされる可能性があると発表されました。

LINEMOのメリットのLINEのカウントフリーが通信量を消費してしまう可能性があるので注意しましょう。

iCloud+の機能

最後に、iCloudプライベートリレーが使えるiCloud+の他の機能についてご紹介します。

iCloud+とは?

そもそも、iCloud+という名前も聞き馴染みのないものだという方もいると思います。iCloud+とは、従来のiCloudの有料プランに新たな機能を追加したサブスクリプションサービスです。

「追加料金なしでアップグレードされました」というメールは本物?

iCloudの有料プランを契約していたユーザーに向けて、iCloud+への追加料金なしで自動アップグレードするというようなメールが届いていると報告されています。

近年ではフィッシングメールが横行していて、Appleからのメールであったとしても疑いの目を向けている方も多くいます。

結論から言うと、このメールはAppleからのメールです。従来iCloudの有料プランを利用していたユーザーに向けたiCloud+に他の機能が追加された紹介のメールなので、気にすることなく今まで通り使って問題ありません。

iCloud+の3つの料金プラン

iCloud+には3つの料金プランが用意されています。このプランも従来のiCloudの有料ストレージと同様で、料金の変更はありません。ただ、iCloud+になったことで使える機能も増えているのでしっかりと理解しておきましょう。

プラン50GBストレージ付き130GBストレージ付き2TBストレージ付き
料金130円400円1,300円
iCloudストレージ50GB130GB2TB
セキュアビデオ1台5台無制限
ファミリー共有最大5人最大5人最大5人

機能①iCloudストレージ

iCloud+では従来通りiCloudのストレージを使用できます。iCloud写真を使った写真のアップロードや、iPhoneを含めたAppleデバイスのバックアップなどを行うことができます。

機能②メールを非公開

Appleでは、様々なサードパーティのサービスを利用する際にAppleアカウントを使ってサインインすることができます。この機能がメールを非公開です。

自分のメールアドレスをサイトで使うことなく、仮のアドレスを使って登録をし、メールはメインアカウントに届くと言う仕組みがとられています。

プライベートリレーと同様にセキュリティ機能で、個人情報を守ろうとするAppleの企業としての意思を感じることができます。

機能③HomeKitセキュアビデオ

HomeKitセキュアビデオは、対応しているカメラを導入することで人物や動物など動きが認識されると動画撮影しiCloudにアップロードする仕組みです。

従来では200GB以上のプランでのみ利用できた機能ですが、iCloud+では50GBのプランでも利用することができるようになりましたが、そもそもそこまで利用しているユーザーが少ないので普及することも課題の1つでしょう。

機能④カスタムメールドメイン

Appleでは今まで、「mac.com」や 「me.com」、「icloud.com」というドメインのメールアドレスを無料で提供していました。iCloud+にアップグレードされたことで、ドメイン部分もカスタムすることができるようになりました。

MicrosoftやGoogleではすでにカスタムドメインの提供は始まっていますが、iCloudの有料ストレージを使いながらカスタムドメインを利用できるようになったのは非常に大きなメリットです。

機能⑤ファミリー共有

従来では、200GB以上の有料ストレージはファミリー共有することで複数人で利用可能でしたが、iCloud+にアップグレードされたことで50GBから共有することができるようになりました。

ただ、50GBだとそもそもデバイスのストレージが大きくなった昨今ではすぐに埋まってしまう可能性が高いので注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?iCloudプライベートリレーは、セキュリティを強固にするためのiOS15からの新機能です。現在はSafariでしか利用できない機能ですが、今秋リリース予定のiOS16ではより多くのアプリで利用できる可能性があります。

iOS15ではベータ版なので、まだその真価は発揮されていませんが、ネット社会において個人情報を保護することは非常に重要なことです。興味がある方はプライベートリレーを使ってみてください。