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国民年金保険料には猶予や免除の制度について
年金は本来なら毎月納付するものですが、経済的に厳しい状況の人もいることでしょう。
現在の支払いが困難な場合は、国民年金保険料納付に関する「猶予」や「免除」を申請することで、納付時期を遅らせることが可能です。
免除や猶予の対象として挙げられるのは、学生、自営業者、フリーランスなどの方です。
国民年金保険料の納付猶予制度と条件
ここで国民年金保険料の納付猶予制度と条件についてご紹介しておきます。
国民年金保険料の納付猶予制度と条件は、本人または配偶者の前年所得が、一定金額を下回った場合で申請が承認されれば納付猶予となります。
ちなみに、納付猶予の期間も、年金の受給資格期間としてカウントされる仕組みになっています。
ただし保険料を追加で納付しないと、年金額は「0」とカウントされてしまいますので、経済状況が回復したら追納するといいでしょう。
国民年金保険料納付の猶予が適用される年収条件
国民年金保険料納付の猶予が適用される年収の条件は、以下の計算式によって算出されます。
(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
この「32万円」は、令和2年度以前は「22万円」に置き換えて計算してください。
国民年金保険料の免除制度と条件
国民年金保険料の免除制度と条件は、本人・世帯主・配偶者の前年所得が、一定額以下の場合に申請をして許可が出ればOKです。
免除対象額は、全額・3/4・1/2・1/4の4ケースが用意されていますが、これら個々に年収基準が設けられています。
国民年金保険料納付の免除が適用される年収条件
国民年金保険料納付の免除が適用される年収条件は、下表のようになっています。
免除される割合 | 前年所得が下記計算式で算出した金額の範囲内になっていることが条件 |
---|---|
全額 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 令和2年度以前は「32万円」は、「22万円」として計算する |
4分の3 | 88万円(※)+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 令和2年度以前は88万円は78万円 |
半額 | 128万円(※)+ 扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 令和2年度以前は128万円は118万円 |
4分の1 | 168万円(※)+扶養親族等控除額+ 社会保険料控除額等 令和2年度以前は168万円158万円 |
引用:https://www.adire.jp/lega-life-lab/national-pension-exemption-annual-income155/#lwptoc2
その他の特定な状況での免除制度の検討も
ただ、以上の条件に該当しない人もいるでしょう。
そんな特定の状況下の人たちでも、制度が利用できるかもしれません。
学生納付特例制度
まずは「学生納付特例制度」です。
学生納付特例制度の対象者は、原則として下記に示す条件を満たす必要があります。
- 本人が大学(または大学院)・短期大学・高等学校・高等専門学校、特別支援学校・専修学校・各種学校・そして一部の海外大学の日本分校に在学中であること
- 学生本人の所得が計算式(128万円(※)+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等)で計算した金額を満たしていないこと
失業による特例免除
続いて失業による特例免除の対象者は、下記の2つのケースにて適用可能となります。
- 雇用保険の被保険者であった方が失業・リストラされた
- 事業を廃業・休業した
産前産後期間の免除制度
続いて産前産後期間の免除制度です。
これは2019年4月より実勢された免除制度になり、国民年金の第1号被保険者が出産することが条件になります。
出産にあたり、出産予定日と出産日が属している月の前月より、4か月間の年金が免除される仕組みです。
DV被害に関わる特例免除
最近増えてきているDV被害でも免除の対象になります。
DV被害に遭われている場合、配偶者からのDVにより配偶者と、DV加害者と住居が異なっている方に適用されます。
免除される金額は、下記の通りです。
免除される割合 | 前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内になっていることが条件 |
---|---|
全額 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 令和2年度以前は「32万円」は「22万円」、として計算する |
4分の3 | 88万円(※)+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 令和2年度以前は88万円は78万円 |
半額 | 128万円(※)+ 扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 令和2年度以前は128万円は118万円 |
4分の1 | 168万円(※)+扶養親族等控除額+ 社会保険料控除額等 令和2年度以前は168万円158万円 |
引用:https://www.adire.jp/lega-life-lab/national-pension-exemption-annual-income155/#lwptoc6
免除制度や猶予制度を利用するメリットとデメリット
学生や主婦の方で経済状況が厳しい場合には、こうした制度に頼るのは良い判断とも言えます。
しかし、免除・猶予制度を利用する場合には、メリット・デメリットがあることを理解しておくべきでしょう。
免除制度・猶予制度利用のメリット
免除・猶予制度利用における、主なメリットとしては、下記のようなものが挙げられるでしょう。
- 免除されていた期間分の年金を受け取ることが可能
- 納付猶予期間中に免除・猶予制度を利用していたとしても、受給資格期間としてカウントされる
- 怪我や病気などの不慮の事態が発生しても、障害年金・遺族年金を受け取ることができる
免除制度・猶予制度利用のデメリット
免除・猶予制度利用のデメリットは1つであり、「受給金額が低くなる」ことです。
やはり、保険料を全額納付している方と比べますと、圧倒的な差が生まれてしまいます。
年金額が少なくなると、老後の生活に支障が出ることになるかもしれないので注意してください。
国民年金保険料納付の猶予・免除を受けると減額される受給額
国民年金保険料納付の猶予・免除を受けると、その分受給額は減額されます。
100%しっかりと納付している方は、100%受け取ることができますが、免除されていた場合にはそうなりません。
- 全額免除の場合……免除対象期間に、保険料を全額納付した場合に対して、年金額の1/2(平成21年3月分までは3分の1)
- 4分の3免除の場合……免除対象期間に、保険料を全額納付した場合に対して、年金額の5/8(平成21年3月分までは2分の1)
- 半額免除の場合……免除対象期間に、保険料を全額納付した場合に対して、年金額の3/4(平成21年3月分までは3分の2)
- 4分の1免除の場合……免除対象期間に、保険料を全額納付した場合に対して、年金額の7/8(平成21年3月分までは6分の5)
受給額の減額については、平成21年3月に改訂があり、現在は上記のような免除基準が設けられています。
引用:国民年金機構公式HP
免除制度や猶予制度の申請方法
では最後に、国民年金の免除制度や、納付猶予制度の申請方法をご紹介します。
もしも経済状況が厳しいような場合には、無理をせずに申請をしてください。
免除制度や猶予制度の申請をする際には、ご自身が「住民登録」をしている管轄役所の、国民年金担当窓口や年金事務所へ必要書類を持って申請に行きましょう。
申請時に必要な書類
申請時に必要になるのは、主に以下の3つとなります。
- 申請書
- 年金手帳(基礎年金番号通知書で代用可能)
- 印鑑
ただし状況によっては、ご自身の経済状況を証明するために、以下の様式の書類が求められることもあるようです。
- 前年 or 前前年の所得を証明する書類
- 所得の申立書
年金事務所に出向く前に、しっかり問合せして事前に取得しておくことをおすすめします。
また年金事務所は常に混みあいますので、来所する際には事前予約をとっておいたほうが、待ち時間が少なくて済むでしょう。
まとめ
0570550987からの電話は、日本年金機構から委託された「アイヴィジット」からの、国民年金未納分の督促電話だとわかりました。
アイヴィジットでは相談業務はないため、折り返し電話は必要ありませんが、迷惑電話ではないのでなるべく出て対応しておいたほうがいいでしょう。
この電話は「催促」のみなので、納付などの相談がある場合には、国民年金機構に直接連絡する必要があることを覚えておいてください。
また経済状況が厳しく納付が困難な場合には、猶予・免除制度を活用し、受給資格を喪失してしまわないように気をつけましょう。