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保税運送中とは?意味や配達完了までの日数を地域別に解説

中国やアメリカから発送された国際郵便を追跡すると「保税運送中」と表示されることがあります。この保税運送中とはどういう意味なのか、今回は分かりやすくまとめました。保税運送中から配達完了までかかる日数も、東京、福岡などの地域別に解説しています。

保税運送中とは

保税運送中とは何か、まずはその言葉の意味をわかりやすく解説します。

保税運送とは保税状態のまま貨物を運送すること

保税運送中とは、保税状態の貨物が国内の空港や国際交換局から他の地域の国際交換局へ輸送されている最中であることを指します。

ちなみに国際交換局とは、国際郵便物の発着手続きを行う郵便局のことです。通関手続きを経た郵便物を仕分けしたり、出発する飛行機に運んだりしています。

配達先住所によって通関手続きをする場所が異なる

通常、中国や韓国・アメリカなど海外から発送される郵便物は、宛先の住所を管轄している税関が通関手続きを行います。たとえば宛先が福岡県になっている郵便物なら、福岡県を管轄している国際交換局「新福岡郵便局」が通関を行う仕組みです。

しかし、発送地の航空経路の有無や飛行機の運行状況などの都合上、郵便物が東京や大阪に到着してしまうこともよくあります。

この場合は、東京や大阪では通関手続きを行いません。福岡県を管轄している国際交換局に運ばれるまで、郵便物に課される関税や消費税は一時留保されます。

ちなみに、「インランド・デポ」と呼ばれる内陸の保税物流基地もあり、港の保税地域からインランド・デポまでの運送は「保税運送」という扱いになります。通関手続きはインランド・デポに到着した後に行われ、その区間の保税運送には消費税はかかりません。

また、保税運送を行う際には、管轄の税関に「外国貨物運送申告書」を提出する必要があります。ただし、湾岸とインランド・デポ間の保税運送が頻繁に行われる場合には、簡易手続きで済ませられるような仕組みに整えられています。

国際交換局は国内に6箇所ある

現在、日本国内にある国際交換局は以下の6つです。以前は北海道などもありましたが、現在は発着手続きが行われていません。

  • 東京国際郵便局
  • 川崎国際郵便局
  • 中部国際郵便局
  • 大阪国際郵便局
  • 新福岡国際郵便局
  • 那覇中央国際郵便局

海外から到着した荷物の運送状況を追跡システムで調べた際に「国際交換局に到着」と表示されることがありますが、「国際交換局に到着」とは上記いずれかの国際交換局に荷物が到着していることを意味します。

北海道や東北地方、関東地方に届けられる郵便物の場合は、東京国際郵便局が管轄となります。近畿地方と四国地方の場合は大阪国際郵便局です。ただし、船便で日本に送られてきた国際郵便物は、配送先にかかわらず川崎東郵便局をすべて経由することになります。

なお、日本と同様に、中国やアメリカなどの海外にも国際交換局があります。日本から海外に発送したEMSを追跡システムで調べると、国際交換局から海外に発送された時点で「国際交換局から発送」と表示されるでしょう。

保税運送中から配達完了までの日数

続いて、国際郵便物が保税運送中の状態から配達が完了されるまでの日数を解説します。

基本的には1〜2日で到着する

保税運送中から配達完了までの日数は1~2日という場合がほとんどです。

以下に、国際郵便物の実際の追跡結果から割り出した日数をいくつか掲載します。

発送地到着地日数
中国愛知県当日
中国福岡当日
シンガポール富山県翌日
中国沖縄県当日

場所によっては配達完了するまでに2日かかりますが、その日のうちに配達まで行われることが分かります。

通関手続きによっては時間がかかる

通常、EMSなどの国際郵便物は国内に到着後、国際交換局に搬入されるとお伝えしましたが、ここには税関職員が常駐して通関手続きを行います。

混雑していなければ5時間程度で通関手続きが終了し、追跡システム上では「発送」表記になって順次配達という流れです。

しかし、繁忙期などでは通関手続きが遅れ、翌日作業分に回されるなんてこともあります。また、EMSと国際郵便小包は土日祝日も通関手続きが行われますが、普通郵便の手続きは土曜日は午前中のみ、日曜祝日は完全に休みです。

そのため、郵便物の追跡を行っても「保税運送中」「通関手続き中」という表示が数日続いて郵便物の到着が遅れることもあります。

通関手続きによっては時間がかかるということを理解しておきましょう。

通関手続きが2回以上表示される場合もある

追跡サービスをチェックしていたら「通関手続き」が2回表示されて驚いたという方もいらっしゃるでしょう。

何度も「通関手続き」と表示される明確な理由は、追跡サービス上では明記されていませんが、考えられる理由は主に以下の3つです。

①課税対象

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1つ目の理由は、該当の国際郵便物が課税対象であるからです。

通常、2回目の通関手続きでは課税額の算出が行われます。国際郵便物の課税対象額が1万円以下の場合、通関手続きは1度のみしか行われません。

ちなみに、この課税対象額とは商品代金の60%を指します。商品代金・送料・保険料などの合計金額が16,666円以下であれば、2回目の通関手続きはなく、税金がかからないというわけです。

②偽ブランド・コピー品

2つ目の理由は、偽ブランド品やコピー品の可能性を疑われたためです。

この場合は後日、税関から「認定手続開始通知書」が郵送され、追跡システムには「通知書発送済」「通関保留中」などと表示されます。郵便物が「個人使用目的」だと認められれば輸入許可が下りるので、まずは到着書類などを確認しましょう。

③書類の不備

3つ目の理由は、インボイス(INVOICE)の記載が不十分なケースです。書類に商品の型番だけしか記載されていなかったり、金額が書かれていなかったりすると品目が分からないため、2回目の通関手続きに回されます。

保税運送中から配達完了までの日数例

最後に、保税運送中から配達完了までの日数例を見ていきましょう。様々な実例から到着までにどれくらい時間がかかるのかを割り出しました。

オランダ→福岡

2018/8/10 05:00保税運送中
2018/8/10 13:37保税運用到着
2018/8/10 14:30通関手続き中
2018/8/10 19:54到着
2018/8/11 19:20お届け済み

オランダから福岡県の場合は、翌日に到着しています。

中国→佐賀

2018/8/21 9:00保税運送中
2018/8/21 14:02保税運用到着
2018/8/21 14:15通関手続き中
2018/8/22 12:00国際交換局から発送
2018/08/22 13:22中継
2018/08/22 15:31到着
2018/08/22 18:21お届け済み

中国から佐賀県の場合は、翌日に到着しています。

中国→三重

2018/07/22 02:30保税運送中
2018/07/22 07:45保税運送到着
2018/07/22 09:15通関手続中
2018/07/22 12:10国際交換局から発送
2018/07/22 13:21中継
2018/07/22 15:33到着
2018/07/22 20:29お届け済み

中国から三重県の場合、当日中に到着しています。

中国→沖縄

2019/07/02 09:00保税運送中
2019/07/03 07:09保税運送到着
2019/07/03 09:00通関手続中
2019/07/03 10:01国際交換局から発送
2019/07/03 11:18中継
2019/07/03 12:18到着
2019/07/03 18:07お届け済み

中国から沖縄県の場合、翌日に到着しています。

アメリカ→兵庫

2017/06/04 06:40保税運送中
2017/06/04 18:01保税運送到着
2017/06/05 09:00通関手続中
2017/06/05 16:37国際交換局から発送
2017/06/06 01:33中継
2017/06/06 06:36到着
2017/06/06 10:23お届け済み

アメリカから兵庫の場合、到着までにかかる日数は2日でした。

シンガポール→富山

2017/05/15 02:30保税運送中
2017/05/15 08:00保税運送到着
2017/05/15 09:15通関手続中
2017/05/15 20:00国際交換局から発送
2017/05/16 02:34中継
2017/05/16 05:21到着
2017/05/16 10:03お届け済み

シンガポールから富山県の場合、到着は翌日になっています。

まとめ

今回は、海外の郵便物を追跡する際によく見る「保税運送中」とは何かについて解説しました。

おさらいすると、保税運送中とは、保税状態の貨物が国内の空港や国際交換局から他の地域の国際交換局へ輸送されている最中であることを意味します。

郵便物が保税運送中から配達完了するまでの日数は、基本的に1~2日と短いです。ただし、国際交換局の繁忙期やインボイスの不備などで到着が遅れる場合もあります。

基本的に、特定の郵便物だけ通関手続きを早めてもらうということはできないので、気長に到着まで待ちましょう。