ニュース

TRPGはなぜ気持ち悪い?その理由とストレスを減らす遊び方のコツ

TRPG(テーブルトークRPG)は、多くの人にとって創造的で楽しいゲームとして人気ですが、一部の人からは気持ち悪いと感じられることもあります。その背景には、キャラクターになりきるロールプレイが苦手だったり、ゲーム内での表現が現実とかけ離れていたりすることが原因とされています。

また、TRPGの文化自体が独特で、他のプレイヤーとの協力が必要な点や、リアルとの境界が曖昧になることがストレスに感じられる人もいるようです。この記事では、なぜTRPGが気持ち悪いと思われるのか、その理由を探りつつ、ストレスを軽減しながら楽しむための遊び方のコツを紹介します。

TRPGとは?

TRPGとは、プレイヤー同士が会話を通じて進行するロールプレイングゲームです。通常、ゲームマスター(GM)が物語を進める役割を担い、プレイヤーは自分のキャラクターを演じて冒険に参加します。

TRPGの特徴は、サイコロやルールブックを使い、プレイヤーの想像力を駆使して物語を展開していく仕組みです。TRPGにはさまざまなジャンルがあり、ファンタジー、ホラー、現代もの、SFなど、多岐にわたります。

特に人気のある「クトゥルフ神話TRPG」や「ダンジョンズ&ドラゴンズ」などは、幅広いファン層に支持されています。

TRPGの魅力

TRPGの魅力は、プレイヤー同士のコミュニケーションを通じて、自由に物語を作り上げられることがあげられます。これにより、プレイするたびに異なる物語が生まれ、唯一無二のストーリーが展開されます。

また、オフラインでもオンラインでも楽しめて、専用のオンラインツールを使って世界中のプレイヤーと遊ぶことも可能です。

  • 想像力を駆使した物語作り:ゲームマスター(GM)が提示するストーリーの中で、プレイヤーが自由に行動を選び、物語を進めていく
  • プレイヤー間のコミュニケーション:プレイヤー同士でキャラクターの役割を演じ、協力して問題を解決したり、対立したりしてコミュニュケーションを深める
  • 多彩なジャンルとルール:プレイヤーは、自分の興味に合った世界観やルールセットを選び、自分に最適なスタイルを選ぶ
  • オンラインプレイが可能:、専用のツールやプラットフォームを活用することで、オンラインでセッションできる

TRPGの主なジャンルとルール

TRPG(テーブルトークRPG)は、非常に多くのジャンルに分かれており、プレイヤーが好みに応じて選ぶことができます。以下は、主要なジャンルとその代表的なルール・システムをまとめたものです。

 

ジャンル詳細
ファンタジー

ファンタジーはTRPGの王道ジャンルで、剣と魔法、冒険が中心の世界観で、多くのプレイヤーに愛されている人気のジャンルです。

  • ダンジョンズ&ドラゴンズ:世界中で最も有名なファンタジーTRPGで、多彩な種族や職業を選んで冒険を楽しむ
  • ソード・ワールドRPG::日本発のファンタジーTRPGで、プレイヤーは冒険者としてクエストに挑む
ホラー

恐怖や狂気をテーマにしたホラーTRPGは、精神的なプレッシャーを感じながら進行するのが特徴です。

  • クトゥルフ神話TRPG:H.P.ラヴクラフトの作品を基にしたシステムで、未知の恐怖や怪物との戦いが中心​
  • インセイン:心理ホラーをテーマにしたTRPGで、プレイヤーの選択が物語に大きく影響する
現代・近未来

現代や近未来を舞台にしたTRPGでは、超能力やサイバー技術が登場し、学園や都市での冒険が展開されます。

  • ダブルクロスThe 3rd Edition:超常能力を持つキャラクターたちが、日常を守るための戦いに挑む​
  • 真・女神転生RPG:人気ゲームシリーズを元にしたシステムで、悪魔と契約して戦う現代ファンタジー
SF(サイエンスフィクション)

未来や宇宙を舞台にしたSFジャンルは、技術や未来社会がテーマです。

  • 歯車の塔の探空士:飛空艇を駆使して、機械仕掛けの世界を冒険するスチームパンク系のTRPG
スチームパンク

蒸気機関や機械文明が発展した仮想世界での冒険がテーマで、プレイヤーは技術と魔法の融合した世界で、冒険や謎解きに挑みます。

  • 歯車の塔の探空士:スチームパンクの世界で飛空艇に乗り込み、冒険を楽しむ​
ダークファンタジー

通常のファンタジーより暗く深刻なテーマが加わるジャンルで、邪悪な魔法や堕落した世界が描かれています。

  • ネクロニカ:ポストアポカリプスの世界で、アンデッドが主役のダークファンタジーTRPG
サイバーパンク未来のディストピア社会を舞台にしたジャンルで、テクノロジーと人間の関係がテーマです。プレイヤーは、サイボーグやハッカーとして未来社会で生き抜きます​。
アニマルファンタジー

動物が擬人化され、キャラクターとなって冒険するジャンルで、可愛い動物が登場する一方で、ダークなストーリーが進むこともあります。

  • 夜のあしあと:魔法に満ちた猫たちがダークファンタジーの世界を冒険するTRPG
コメディ・パロディ

ユーモアを中心に据えたジャンルで、シリアスな展開よりも笑いやパロディ要素を楽しむことが目的です。

  • この素晴らしい世界に祝福を!TRPG:ライトノベルやアニメを基にしたコメディTRPG
バトル中心

戦闘がメインのTRPGで、プレイヤー同士の対戦や協力バトルがゲームの焦点となります。

  • クラヤミクライン:戦闘とホラーを融合させたバトルTRPGで、狂気をコントロールしながら戦う​
パズル・謎解きシナリオの中で、謎解きやパズルがメインのジャンルです。プレイヤーは論理的思考や知識を駆使して問題を解決し、物語を進めていく内容が魅力です。

TRPGのジャンルは非常に広く、各プレイヤーが自分に合ったゲームを楽しむことができます。それぞれのシステムに独自のルールがあり、異なる世界観やストーリーが展開されるため、初心者からベテランまで、幅広い層に支持されています。

TRPGが気持ち悪いと言われる主な理由

TRPGは多くのプレイヤーに楽しまれていますが、一部の人々からは気持ち悪いと感じられることもあります。その理由は、ロールプレイの中での過剰な感情表現や、現実との境界が曖昧になることが関係しています。

また、特定の文化やプレイスタイルに慣れていない人にとっては、ゲーム内の特殊な設定や表現が違和感を引き起こすこともあるようです。ここでは、TRPGが気持ち悪いと言われる主な理由について紹介していきます。

キャラクターになりきるプレイスタイル

プレイヤーが自分のキャラクターになりきって、言動や行動をロールプレイするというTRPG独自の要素が気持ち悪いといわれています。特に、日本で人気のあるTRPGでは、この「なりきり文化」が強く、キャラクターとして振る舞うことが重視されています。

しかし、このプレイスタイルが他のプレイヤーにとっては不快に感じられることも少なくありません。なりきりの過剰な表現や、キャラクターと現実世界の境界が曖昧になる場合、特に外部から見ると「気持ち悪い」と感じる人もいるようです。

たとえば、プレイヤーが現実世界の自分ではなく、完全にキャラクターの人格で発言したり、物語に没頭しすぎると、周りのプレイヤーとの温度差が生じやすいの注意が必要です。​

「うちよそ」文化に対する苦手意識

「うちよそ」とは、TRPGで自分のキャラクター(「うちの子」)と他プレイヤーのキャラクター(「よその子」)が関係性を深め、親密なやり取りを行う文化です。この文化は、キャラクター同士の交流や感情の共有を重視するプレイヤーにとっては非常に楽しいものですが、そうした要素が苦手な人も少なくありません。

「うちよそ」において特に多いのは、キャラクター同士の恋愛や感情的なやり取りが強調される点で、このようなやり取りが、物語の進行やゲームの本質よりも前面に出ると、他のプレイヤーが気まずさや違和感を感じることがあります。

また、感情的なやり取りが過剰になると、プレイヤー同士の個人的な感情が混ざり合い、トラブルや不協和音の原因になることもあるので注意しましょう。

過度なR18要素

TRPGの中には、成人向けの内容を含むシナリオやセッションが存在し、そこでは性的な描写や暴力的なシーンが登場することがあります。これらの要素は、ゲームをより深く作り込むためのものとして一部のプレイヤーに受け入れられていますが、同時に多くのプレイヤーに不快感を与える原因にもなり兼ねません。

特に、性的な要素や暴力的な場面に対して強い抵抗を持つ人にとっては、こうした描写がストーリーの中で自然に盛り込まれることがストレスになります。これにより、TRGPのゲーム中に「気持ち悪い」と感じることがあり、場合によってはそのシーンを避けたい、もしくは参加をやめたいと感じることもあるようです。

R18の要素が過度に強調される場合、自分がその行為を演じさせられているかのように錯覚することもあり、それが不快感の原因につながります。

TRPGが楽しめないと感じる背景

TRPGが楽しめないと感じる背景には、さまざまな要因が存在します。初心者にとっては、複雑なルールや他のプレイヤーとのコミュニケーションが負担になることがあります。

また、プレイヤー同士の価値観やプレイスタイルが合わない場合、ストレスや不満を感じやすくなるからです。ここでは、なぜTRPGが楽しめないと感じるのかについて、一般的な背景を紹介します。

他人との協力がプレッシャーになっている

TRPGは、プレイヤー同士が協力して物語を作り上げていくゲームであり、各プレイヤーの発言や行動が物語全体に大きな影響を与えることがあります。この責任感や影響力の大きさが、プレッシャーとしてプレイヤーに重くのしかかり、ゲームを楽しむ余裕を失わせる原因となる可能性があります。

特に、他のプレイヤーが期待する行動に応えなければならないと感じることで、プレイヤーに心理的な負担がのしかかって楽しめなくなるのではないでしょうか。また、顔を見ながら行うオフラインのセッションに比べ、オンラインのセッションでは、他のプレイヤーの反応が見えにくいため、相手に不快な思いをさせてしまうのではないかと不安になるプレイヤーも多いようです。

キャラクターの演じ方による価値観の衝突

TRPGでは、プレイヤーがキャラクターを演じる際に、それぞれが持つ異なる価値観やプレイスタイルが強く反映されます。そのため、プレイヤー同士でキャラクターの演じ方が合わないと、ゲームを進める上で不快に感じてしまいます。

特に、プレイヤーがどの程度キャラクターになりきるかについての意見が分かれると、ゲームが楽しくなくなってしまうので注意が必要です。例えば、キャラクターの感情表現を詳細にロールプレイすることを好む人もいれば、あまり感情移入せずにゲームの進行を重視する人もいます。

こうした違いが、プレイ中に衝突を生む原因となり、相手の演技が「過剰」や「気持ち悪い」と感じられるきっかけにもなります。こうした衝突を避けるためには、プレイ開始前にお互いのスタイルを共有し、コミュニケーションを通じて共通の理解を持つことが重要です。

TRPGに対するネガティブな印象を和らげるための対策

TRPGに対するネガティブな印象を和らげるためには、プレイヤーやゲームマスターが適切な対応を取ることが重要です。ゲームの特性やプレイスタイルを理解してもらうことで、気持ち悪いと感じられる要素を軽減し、より楽しめる環境を整えることができます。

ここでは、ネガティブな印象を和らげるための具体的な対策について解説していきます。

他のプレイヤーに配慮したロールプレイ

TRPGは、プレイヤー同士が協力して進めるゲームであり、各自がキャラクターになりきって物語を作り上げていくため、ロールプレイがゲームの中心になります。しかし、そのロールプレイが過剰になったり、自分本位で進行する場合、他のプレイヤーに不快感を与え、気持ち悪いと感じられる原因になり得ます。

対策としては、他の人のロールプレイを非難しないことが大切です。ロールプレイの表現には多様性があり、プレイヤー毎にアプローチが異なり、個人の表現を尊重し、場の雰囲気を乱さないように心がけることが重要です。

また、自分のキャラクターが強い個性を持っている場合でも、ゲーム全体のバランスを考え、他のプレイヤーが楽しめるように協調的な行動を心掛けることが、良いセッションを作るポイントでもあります。

自分のキャラクターが特定の役割や個性を持つ場合でも、その特性を押し付けるのではなく、周囲と調和する形で演じることが求められます。プレイヤー全員が共通の物語を作っているという意識を持つことで、過剰な自己主張やワガママなロールプレイを避けることができるので気を付けましょう。

コミュニケーションを大切にする

TRPGは他のプレイヤーとの協力が不可欠なゲームであり、円滑なコミュニケーションを通じて、全員が楽しめるセッションを作り上げることが求められます。TRPGにおいては、相手のロールプレイや意見を尊重することが基本で、他のプレイヤーがどのようにキャラクターを演じるかを認め、異なるプレイスタイルや価値観を受け入れることで、セッション全体が和やかに進行します。

これは、ゲーム中だけでなく、プレイヤー同士の信頼感や協調性を深めるためにも重要なので覚えておきましょう。また、セッション中に何らかの意見の食い違いが発生した場合、冷静なコミュニケーションを心がけることがトラブルの防止に繋がります。

ルールの解釈やキャラクターの行動に関して意見が割れることはよくあることですが、感情的に反応するのではなく、相手の立場や考えを理解しようとする態度が大切です。

過剰なプレッシャーを避ける

TRPGは、プレイヤーが協力して物語を進めるゲームですが、その過程で、各プレイヤーの行動や選択が物語全体に大きな影響を与えます。この責任感が、特に初心者や不慣れなプレイヤーにとって大きなプレッシャーとなる可能性があるので注意しましょう。

プレイヤーは、キャラクターのロールプレイや戦略的な選択が、他のプレイヤーに与える影響を強く意識しすぎる傾向があります。これが過剰なプレッシャーを生み、楽しむことが難しくなる原因となるので、プレイヤー全員が「失敗を恐れずに楽しむ」姿勢を共有することが大切です。

セッション内での行動は、必ずしも完璧である必要はなく、シナリオ進行に多少のミスや失敗があっても楽しむ雰囲気を作りましょう。

シナリオやルールを適切に選ぶ

TRPGの魅力は、さまざまなジャンルやシナリオ、ゲームを進めるためのルールが存在します。初心者や慣れていないプレイヤーにとっては。シナリオやルールが合わないと混乱やストレスを引き起こす可能性があります。

そのため、プレイヤーの経験や好みに合わせたシナリオやルールを選ぶことが重要です。例えば、初心者向けのシナリオは、複雑なルールやシステムが少なく、スムーズにゲームに入り込めるように作られています。

これにより、プレイヤーはストレスなく物語を楽しめ、ゲームを気持ち悪いと感じるリスクを減らすことができます。

フィードバックを受け入れる姿勢

TRPGはプレイヤー同士の協力やコミュニケーションが鍵となるゲームで、他のプレイヤーからのフィードバックを柔軟に受け入れることが、より良いゲーム進行につながります。フィードバックを受け入れるための心構えとして、指摘を人格否定と捉えないことが大切です。

フィードバックは、個人の成長やチームとしてのゲームの質を高めるために行われるもので、プレイヤー自身の行動や選択に対して建設的な改善点を示しています。素直に受け入れることで、TRPGのセッションがスムーズに進行し、プレイヤー全員が楽しめる環境を整えられます。

また、ネガティブなフィードバックも前向きに受け止める姿勢が重要です。ゲーム中にミスや行き違いがあったとしても、それを改善することで次のセッションをより楽しめるようになります。

具体的なフィードバックを受けることで、プレイヤーは自分の行動がどう物語に影響を与えているのか理解しやすくなり、スキル向上にもつながります​。

まとめ

TRPGが気持ち悪いと感じられる背景には、プレイヤー同士のロールプレイの不慣れさや、ゲーム内での表現、さらにR18要素や協力プレイの圧力など、さまざまな要因が絡んでいます。しかし、それらの要因を理解し、自分に合った遊び方を見つけることで、ストレスを減らし、TRPGを楽しむことが可能です。

周りの評価やゲームの進行に過度なプレッシャーを感じず、自分自身が楽しむことを大切にしましょう。最後に、プレイヤー間でのコミュニケーションと、適切な距離感を保つことが、より良いゲームを楽しむためのポイントです。