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08008087000は年金保険料の督促電話。無視しても大丈夫?

突然かかってきた「08008087000」の番号からの電話に、何の電話か不安になりますよね。

でも実は、正しく対処をすれば無視しても問題のない電話なんです。

そこでどんな電話か、なぜかかってくるのか、どのように対処すればいいのか解説します。

目次

【08008087000】からの着信はどこから?

08008087000から突然着信があって、出ていいものなのか悩んだことはありませんか。

実は08008087000からの着信は、「国民年金保険料の支払い」に関係した『バックスグループ』からの電話だということです。

勧誘や詐欺などの迷惑電話ではなく、国民健康保険料の催促の電話になります。どのような内容の電話なのか順番に見ていきましょう。

【08008087000】は国民年金に関する連絡の電話

国民年金の保険料の支払いに滞納があった場合、日本年金機構は督促業務を委託している民間企業「株式会社バックスグループ」へ連絡します。

「08008087000」は、この民間企業のコールセンターの番号です。

つまり保険料の滞納や未納について、きちんと支払いをしてもらうために電話がかけられているということですね。

自分の電話番号などの個人情報がどこから流れたのか、不安になる必要はありません。

【0800】で始まる電話はフリーダイヤル

番号自体をみて「知らない携帯からかかってきた!」と、不安を感じた方もいることでしょう。

「080」で始まる番号は、携帯番号というイメージをお持ちではないでしょうか。

「0120」がフリーダイヤルであることは有名ですが、「0800」がフリーダイヤルであることはあまり知られていません。

「080」と「0800」の見分け方は、その電話番号の4桁目です。

4桁目が0であれば、フリーダイヤルの番号と考えましょう。

【08008087000】は日本年金機構の委託業者がかけている

日本年金機構から委託された民間企業の中で、「08008087000」という電話番号を使っているのは、バックスグループという企業です。

現在、日本年金機構が業務を民間委託しているのは2社で、バックスグループとアイヴィジット・東洋紙業共同企業体です。

この2社は、地域によって担当が異なります。 中部地方よりも南や関東地方の一部では、バックスグループが担当です。

【08008087000)は未納保険料の督促連絡

「08008087000」がしつこく電話をかけてくることは、よく知られています。

でも留守番電話に何も要件を残してくれないので、怖くて出たくないという人は少なくないでしょう。

留守番電話に要件を残さないのは、連絡しているのは「年金」という個人情報が関連することだからです。

着信があってもメッセージなどがないと不安に感じるかもしれませんが、個人情報を守るために仕方がなく留守電に要件が残せなかったのだと考えておきましょう。

【08008087000】からの電話にはどう対処する?

「08008087000」が、どんな電話で何の電話かわかりましたね。

それでは実際に、「08008087000」でかかってきたら、どうしたらよいのかをご紹介します。

【08008087000】からの電話は無視してOK

何度もかかってきていても、「08008087000」だからといってその電話自体に慌てる必要はありません。

年金保険料の未納があるのなら、できるだけ近いうちに、年金事務所に連絡する、もしくは出向きましょう。

電話を無視しても振込用紙が届く

年金保険料の未納がある状態で「08008087000」からの電話を無視していると、振込用紙もしくは督促状が郵便で届きます。

振込用紙や督促状によって期日までにきちんと支払いを済ませれば問題ありません。

ただ引っ越しをして住所変更の手続きをしていない場合や、郵便受けに他の郵便物が一杯で配達できない状態などになっていると、振込用紙も督促状も届かないため注意が必要です。

未払い分の確認などは【08008087000】ではなく役所・年金事務所へ

年金保険料の未払い分があるかどうかはっきりわからないという人は、お近くの年金事務所や役所に直接問い合わせしてみましょう。

「08080807000」に連絡してもいいのですが、年金保険料の支払先は「日本年金機構」なので、年金事務所等へ直接連絡したほうがスピーディです。

窓口に直接行くときには、本人確認書類・基礎年金がわかる書類を持って行きましょう。

本人確認書類(いずれか1点)

  • 運転免許証(運転経歴証明書)
  • 個人番号カード
  • 住民基本台帳カード(写真付き)
  • パスポート
  • 身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳
  • 特別永住者証明書・在留カード 等

基礎年金確認書類(いずれか1点)

  • 基礎年金番号通知書
  • 年金手帳
  • 年金額改定通知書
  • 年金証書

【08008087000】へは折り返した方が良いの?

「08008087000」が年金の保険料の未払いについて、督促の電話であることはお伝えしましたが、かけてきているのは民間企業です。

折り返しても細かい対応は難しく、年金事務所に行くもしくは連絡を取るようにいわれます。

もちろん、フリーダイヤルですからそのまま出ても、折り返しても電話代はかかりません。

【08008087000】がかかってきたら人がくるってほんと?

無視していたら突然訪問されたといった声を聞いたことがあれば、不安でしょう。

けれど、あなたがきちんと年金事務所に連絡し未納がない状態と確認できれば、対応済みである情報が伝わっておらず、古い情報で訪問してきているだけです。

もし未納であっても、それはただの督促の訪問でしかありません。
対応しておくことを伝えて、お帰りいただきましょう。

なお注意として、「委託事業者の訪問員が現金を預かることはありません」ので、これはしっかり理解しておきましょう。

【08008087000】から連絡が来る理由

そもそも、なぜ「08008087000」から、個人宛てに直接連絡が来るのでしょう。

2つの理由があります。

国民年金は強制加入だから支払い義務がある

そもそも日本の公的年金制度の一つである国民年金は、日本に暮らす20歳以上から60歳未満のすべての方が加入対象者となります。(基礎年金部分)

法律で定められた強制保険ですから、「支払い義務」があるのです。

20歳になれば、働いていてもいなくても対象となりますので、学生であっても無職でも支払う必要があります。

加入した覚えがなくても、日本に住む限り、強制加入させられるのが国民年金であるということは覚えておきましょう。

国民年金の保険料滞納の情報にタイムラグがある

滞納を放置せずにきちんと支払ったとしても、電話がかかってくることがあります。

保険料未納の連絡は、日本年金機構が提供した情報を元に、受託先のバックスグループがかけているからです。

いつの情報を提供しているかは明確ではありませんが、この提供するタイミングの情報の内容によっては、実際は滞納していないのに、支払った情報が届いていないため滞納扱いになっていることもあります。

【08008087000】に正しく対処しなかった場合のリスクとは

自分に思い当たる保険料の滞納が無くても、「08008087000」から着信が来ることもあります。

身に覚えがないからといって何もしないと、延滞金の発生などリスクが生じます。

「08080807000」からの電話に正しく対応しなかった場合のリスクとはどんなことがあるのでしょう。

延滞金

督促状には指定期間があり、その期間内に年金保険料を支払わずにいると、延滞金が発生します。

延滞金の発生

  1. 国民年金保険料の納付期限
       ↓
  2. 最終催告状の発行
       ↓
  3. 最終催告状の指定期限
       ↓
  4. 督促状の発行
       ↓
  5. 督促状の指定期限

5の指定期限を過ぎる前に支払いを済ませれば、延滞金は発生しません。
督促状の指定期限を超えても支払いしないでいると、1の「国民献金保険料の納付期限」の翌日から納付する前日までの日数分、延滞金が発生してしまいます。

延滞金の割合と計算方法は以下となります。

延滞金の割合

  • 納付期限から3か月以内   2.4%
  • 納付期限から3か月以降   8.7%

延滞金の計算方法

  1. 国民年金保険料の納付期限の翌日から3か月経過するまでの計算
    「各月国民年金保険料(500円未満の端数切捨て)」×「延滞金の割合」×「納期限翌日から3か月を経過する日までの日数」÷365
  2. 国民年金保険料の納付期限の翌日から3か月を経過する日の翌日以降の計算
    「各月国民年金保険料(500円未満の端数切捨て)」×「延滞金の割合」×「納期限の翌日から3か月を経過する日の翌日以降、納付の日の前日までの日数」÷365
  3. 延滞金の額
    金額「1」+金額「2」(50円未満端数切捨て)

※延滞金が50円未満の場合は徴収なし

銀行口座差し押さえ

督促を無視して年金保険料の支払いを無視していれば、行政から「銀行口座差し押さえ」が行われるかもしれません。

日本年金機構の「国民年金保険料強制徴収の実施状況 (令和5年度)」を見ると、以下のようになっています。

  • 最終催告状送付件数 176,779件
  • 督促状送付件数   102,238件
  • 差押執行件数      30,789件

差し押さえは財産を強制的に没収する制度であり、給与や銀行口座が対象です。

「08080807000」からの電話を無視していても、最終的に延滞金を含めて強制的な支払いが求められるのですから、督促は無視せず、しっかり支払う必要があります。

将来の年金受給権消失

年金保険料の支払いを行わないことで、将来的な年金受給権消失の可能性もあります。

年金の受給は、「年金を支払った期間が10年以上」が必要です。

これは絶対条件となりますので、全く支払いしていない人、また納付機関が10年未満の人は年金を受け取ることができません。

障害年金・老齢年金・遺族年金の受給資格消失

年金をしっかり納付していくことで、65歳以降に老齢基礎年金がもらえますが、それ以外に「障害年金」「遺族年金」も受け取ることができます。

  • 障害年金
    病気やケガで生活や仕事が制限された場合に「現役世代」も含め受け取れる年金
  • 遺族年金
    国民年金もしくは厚生年金保険被保険者または被保険者であった人が亡くなった場合、その方により生計を維持されていた家族が受け取れる年金

つまり65歳以上になって定期的に受け取れる年金のほか、万が一の際に自分や家族が受け取れる年金も受け取る資格を失うことになるのです。

そもそも自分が保険料を払わないといけないか確認!

年金保険料に未納がないかどうか、チェックする方法をお伝えします。

ねんきん定期便をチェック

まずは、ねんきん定期便の内容を確認しましょう。

ねんきん定期便は誕生月に郵送されますが、実は現在の自分の年齢により送られてくる内容が変わります。

35歳、45歳、そして59歳の節目の歳では封書で、それ以外の歳にははがきが手元に届きます。

節目の歳は、それまでの保険料支払いの全期間について、それ以外は直近1年についての支払い状況が掲載されているものです。

ここで「未納」となっている月や支払期間を確認し、意図しない未納があるのであれば年金事務所に相談に行きましょう。

【払わなくてよいケース①】もう払ってる

ねんきん定期便に未納期間がないのであれば、もう支払いを終えていたり、必要な手続きが完了していたりするはずです。

それでも、「08008087000」からの電話がくる場合、バックスグループの手持ちの情報が古いと考えられます。

その場合は、「08008087000」の着信は無視していいでしょう。

ただし、ねんきん定期便の見方がよくわからないなどといった不安があるなら、年金事務所にねんきん定期便を持ち込んで相談するとより安心です。

【払わなくてよいケース②】会社員

勤めている先の会社が厚生年金を支払っているのであれば、会社が国民年金の保険料も支払ってくれているので、会社員本人が保険料を支払う必要はありません。

これを第2号被保険者といいます。

ただし、本来であれば「08008087000」からの電話もこないのですが、会社員であっても転職した際に、その月の末日に会社員ではない日があった場合、未納として連絡が来るかもしれません。

今は会社員だからといっても、転職歴のある人は気を付けましょう。

【払わなくてよいケース③】扶養されている主婦・主夫

夫や妻が会社員として働いており、扶養されている主婦・主夫も、本人が保険料を支払う必要はありません。

これは第3号被保険者といいます。

ただし夫や妻の勤めている先の会社に、扶養されていることを届け出ていないと、第3号被保険者と認められませんので、届けもれに注意してください。

またパートやアルバイトで一定額を稼いでいる場合は、保険料を支払う必要が発生しますので、収入額を確認しておくことも大切でしょう。

免除や納付猶予の仕組みを知っておこう

「08008087000」で電話をかけてくるバックスグループでは、保険料の支払いの免除や納付猶予の対象である人に、正しく届け出をだすことをすすめることがあります。

この届出を出せる対象であるなら、出しておいたほうがよいでしょう。

それは免除された期間も、受給資格期間には数えられるからです。
それに免除や納付猶予の期間であっても、「障害年金」「遺族年金」は受け取る資格が発生します。

こちらの制度のいずれかの対象に当てはまれば、免除や納付猶予の手続きを忘れずに行いましょう。

そうすれば、しつこい督促電話の悩みから解放された上、支払いができていないことによるデメリットもなくなりますよ。

保険料免除制度

前の年の収入が一定額以下であったり、失業した場合は保険料の支払いができないこともあるでしょう。

そんなときこちらの制度を使う申請書を提出し、承認されれば保険料の納付の免除を受けることができます。

なお免除額は収入額によって全額免除や4分の1免除が変わるといった、段階的なものです。

どれももちろん全額納付したときよりも、年金額は減ってしまいます。

全額免除であっても、2分の1の年金額の支給です。

保険料納付猶予制度

年金額が減るのは嫌だけど、今は支払えないという状況であれば、納付猶予制度を使うことも検討してみましょう。

前の年の収入が一定額以下である場合に申請が承認されると、保険料の支払いを待ってもらうことができます。

こちらの制度を使っておけば10年以内であれば、追納することが可能です。

学生納付特例制度

こちらも収入が一定以下である上で、国民年金の対象である20歳であっても、大学や短期大学、高等専門学校などといった各種学校に通っている場合に受けられる納付猶予制度です。

在学中であっても、国民年金法では保険料の支払いは必須です。

しかし、申請をすることで猶予期間を設けてもらうことができます。

申請には学生証のコピーが必要ですので、該当する場合は必要書類をきちんと準備しましょう。

その他の特例免除も活用を

特例免除には配偶者からの暴力(DV)により配偶者と住所が異なる場合など、配偶者の収入に関わらず、本人の前年所得によって特例免除となることもあります。

このような特例免除もありますので、保険料の支払いが難しい場合は、お近くの年金事務所に問い合わせをしてください。

自分の経済環境に照らし合わせた免除や納付猶予が受けられないか、確認してみましょう。

まとめ

着信履歴に残った「08008087000」の電話がかかってきたら、正しい対応が求められます。

何度も入る着信履歴に、必要以上に焦ることはありません。

ただし間違った知識で年金をもらうときになって困らないように、国民年金の仕組みを知って、必要な手続きを行いましょう。