Blueskyは、注目されている「分散型SNS」です。
Twitterの共同創業者がプロジェクトを立ち上げたことや、今までにないデータ管理の仕組みなども話題になっています。
この記事では、新たなSNS「Bluesky」の特徴やXとの違いなどを紹介します。
目次
Bluesky(ブルースカイ)とは?
Bluesky(ブルースカイ)は新たなSNSプラットフォーム(と、そのプロジェクト)の名前です。
Twitter(現X)の共同創業者として知られる、ジャック・ドーシー氏らが発案した「分散型SNSプロジェクト」として話題になりました。
2019年までは旧Twitterの社内プロジェクトでしたが、2021年に独立しました。日本語に対応したのは2023年12月からです。
テキスト主体の新しいSNSサービス
Blueskyはテキスト主体のSNSです。その点でX(旧Twitter)に似ています。
1回の投稿で使用できる文字数の上限は300文字ですが、リアルタイムの情報に強いこともXに近いです。アプリデザインや使い方、機能もBlueskyはXとよく似ています。
旧Twitterの創業者が開発に携わっているせいもありますが、意識して寄せているのではと思われる点も多く見うけられます。
これは、BlueskyがXに対抗するSNSの座を狙うプロジェクトであることも理由の一つでしょう。
「分散型SNS」とは?
Bluesky(ブルースカイ)や他の新しいSNSが採用しているのが「分散型SNS」という形態です。
これは、一つの企業や事業者にデータ管理を依存していないプラットフォームのことです。
以前までの「中央集権型SNS」は、データを特定企業のサーバーに集中して管理していました。
一方の「分散型」では、データは複数のサーバーが連携してデータを管理します。分散型にすることで、ユーザー自身が管理できるデータの自由度が格段に上がります。
プライバシーや個人情報を守りやすく、セキュリティの決定権ユーザー自身が所有・管理できるのがメリットです。
開発と運営を別の企業が担当する理由
分散型ではデータ管理などの「SNS運営」を一つの事業者が独占しません。
Blueskyを開発しているのは同名のプロジェクトですが、実際に運営(ユーザーデータの管理や保守など)をしているのは複数のサーバーと「ATプロトコル」といわれるプログラムです。
つまりBlueskyを運用しているのは、開発業者ではない別の人たち(あるいはプログラム)ということになります。
分散型管理によって、プラットフォーム管理企業とユーザーの関係が平等に保たれることが期待されています。
Blueskyの特徴
分散型SNSであるBlueskyには、今までのSNSにはなかった特徴があります。
- アカウントデータを別のSNSプラットフォームに容易に引き継げる
- フィード(タイムライン)のカスタマイズ性が高い
- 他のSNSサービスとデータが共有できる
- パフォーマンスが高くなる
それぞれについて、より詳しく紹介していきます。
アカウントデータを引き継げる
分散型のSNS「Bluesky」で最大の特徴ともいえるのが、アカウントデータの管理をユーザー自身ができることです。
たとえば従来のSNS(XやThreadsなど)では、アカウントのデータはX社やThreads(Meta社)といった特定の企業によってを保守・管理されています。
そのため、なにかあったとき(そのSNS文化にそぐわない投稿をするなど)、運営企業の独断であなたのアカウントを凍結したり削除したりしてしまうことも可能です。
新たにアカウントを作成するときはゼロからのスタートで、以前のアカウントのフォロワーや投稿したデータなどは使えませんでした。
一方のBlueskyでは、これまでのデータを新しいアカウントに引き継ぐことができます。これによって企業側の一方的なBAN(アカウント削除の措置)に怯えずに発信できます。
フィード(タイムライン)のカスタマイズ度が高い
Blueskyのもう一つの特徴、はフィードのカスタマイズ性が高いことです。
フィード(タイムライン)に流れてくる、他ユーザーの投稿をユーザー側で細かくカスタマイズできるので、自分好みのフィードにできます。
こちらは分散型とは直接関係はありませんが、流行などの操作が運営企業側にできなくすることで、より自由なプラットフォームになることが期待できます。
他のSNSサービスとデータが共有できる
分散型SNS「Bluesky」には、他のSNSサービスとデータを共有する仕組みがあります。
Blueskyプロジェクトが考案した「ATプロトコル」を採用していることが条件であり、現段階ではまだそれほど多くはありません。
しかし、今後多くのサービスが採用すれば、主要SNSプラットフォームで同じアカウントデータを共有したり移動したりすることが可能になると期待されています。
高いパフォーマンス性
4つ目の特徴は、高いパフォーマンス性です。
Blueskyはオープンソースを採用し、ソースコードを無償で一般公開して複数のグループや開発者が自由に変更、新たな機能の追加ができます。
従来と違い、多くの開発者が関わることで高度な技術を持ったSNSとして期待されています。
BlueskyとX(旧Twitter)の違い
BlueskyはX(旧Twitter)と似ている点も多いですが、いくつかの重要な点が異なっています。
大きな違いはXやThreadsが「中央集権型」であるのに対して、Blueskyが「分散型」であることです。
それ以外にも違いがあるので、ここからは両者の比較からそれぞれの違いを見ていきます。
機能の違いを一覧で紹介
まず、BlueskyとXの違いを一覧にして比較してみます。
項目 | Bluesky | X(旧Twitter) |
---|---|---|
SNSの特徴 | 分散型 | 中央集権型 |
投稿文字数の上限 | 300文字 | 140文字 |
画像投稿 | ◯ 4枚まで | ◯ 4枚まで |
動画投稿 | × | ◯ 最大2分20秒 |
タイムライン | ユーザーが独自に設定可能 | アルゴリズムによるTLとフォローなど |
鍵アカウント設定 | × | ◯ |
DM | × | ◯ |
ハッシュタグ機能 | × | ◯ |
アカウント移行 | ◯ | × |
多くの点が似ていることがわかります。
ちなみに、Xの項目は無料ユーザーの場合で、有料プラン(Xプレミアム)にすると投稿できる文字数などの上限は上げることも可能です。
ユーザーが管理できる範囲が広い
分散型SNSでは、アカウントデータをユーザー自身が管理できます。
開発している企業が運営が基本的には運営には関わっていない構造のため、ユーザーの選択権や自由度が高く設定することが可能です。
ユーザーが管理できる範囲が広いことはBlueskyの大きな特徴です。
コンテンツを自由に設定できる
Blueskyでは、ユーザーが関心のあるコンテンツを自由に設定できます。
従来のSNSでは、タイムライン上に表示される投稿はSNS独自のやり方によって自動で並び替えを行い表示されていました。
しかし、Blueskyでは必要な情報を選んで、自分好みにカスタマイズできます。
開発にユーザーが参加できる
Blueskyではソースコードを無料で一般公開し、自由に改変や再配布ができるオープンソースを採用しています。
ユーザーが望めば、新機能の追加やアプリの開発に参加可能です。
これまでのように開発側からのアップデートを待つのではなく、アプリ開発にユーザーを巻き込むやり方は分散型ならではといえます。
Blueskyは次世代SNSの主流になるか?
「Bluesky」が革新的なシステムを有する分散型SNSであることは分かりました。
しかし次に湧いてくる疑問は「BlueskyはXに替わるSNSになるのか?」という点ではないでしょうか。
いくら自由度が高いシステムでも、使う人が少ないのではSNSの価値は大きく下がってしまいます。
ここからは、Blueskyの今後に期待できることを紹介します。
自由なコミュニケーションツール
新しいSNSが分散型を採用していることの理由の一つは、情報発信やコミュニケーションのツールとして「自由度の高さ」を担保することです。
とはいえ、分散=自由という意味ではありません。Blueskyは「なんでも投稿できるSNS」であることを目指してはいません。
むしろ現在のBlueskyの規制は厳しいという声もあります。水着画像のイラストを投稿しただけでBANされた漫画家が話題になったことも記憶に新しいところです。
分散型はどこまで機能する?
SNSという、大勢の人が意見を言ったりコミュニケーションを取るツールにおいて、「分散型」がどれほど機能するのでしょうか?
今のところは未知数です。Blueskyの現在のユーザーは、現時点では多くありません。少しずつ増加傾向にあるとはいえ、Xなどの主流SNSのユーザー数と比べると足元にも及ばないのが現状です。
「運営側の独断でアカウントが削除されない」ことも強みではありますが、結局は運営側の判断に委ねられる部分も多いのです。
データが移行できることも、どれほど意味があるのかは不透明といえます。今後の進展に期待しましょう。
招待なしでアカウント登録可能!Blueskyの始め方
Blueskyを始める方法は、以下の流れになります。
- アプリをインストール
- アカウント作成
- 必要な情報(生年月日やメールアドレス)を登録
- ユーザーハンドルを設定
- ユーザーチェック(画像認識)
- その他の設定(後でも可)
それぞれ詳しく解説します。
新規アカウントの作成
2024年2月6日から招待コードが不要となり、アプリをダウンロードすれば誰でもアカウント作成ができます。
アプリをダウンロードし、開いたら「新しいアカウントの作成」を選択します。
アカウント情報の登録
次にメールアドレス、パスワード、生年月日を入力します。
パスワード欄に入力しようとすると、アプリがおすすめするパスワードが自動入力された状態で表示されます。
おすすめのパスワードを使用する場合は、「Use Strong Password」を選択、自分で設定する場合は、「Other Options…」→「Choose My Own Password」の順に選択し、パスワードを入力しましょう。
認証の完了
認証画面で国を選択し、携帯電話番号を入力したらコードリクエストボタンを押下します。
携帯に届いたSNS認証番号を入力し、次へをタップします。
Blueskyで使用するユーザージハンドル設定
最後に、Blueskyで使用するユーザーハンドル(ユーザーネーム)を設定してアカウント作成は完了です。
ユーザーハンドルに使えるのは英数字のみで、ひらがなやカタカナ、漢字は使用できません。
初期設定で関心のあるテーマを選択
アカウント作成手順はユーザーハンドルの設定までですが、アカウント作成後には初期設定が必要です。
初期設定では選択項目がたくさんあるため、流れだけ紹介します。
①push通知のオン/オフ・関心のあるテーマの選択
②おすすめアカウントのフォロー有無を選択
③タイムラインに表示する投稿の設定
④メインフィードの選択肢の設定
⑤その他のフィード選択確認
⑥見たくないコンテンツの選択
まとめ
Bluesky(ブルースカイ)は、新しいSNSとして注目されている「分散型」のSNSです。
従来の「中央集権型」SNSと違ってデータ管理をユーザー自身ができることが大きな特徴です。
他のSNSと情報共有がしたり、自分の好みや関心に合わせて情報をカスタマイズしたりすることもできます。
ユーザーの自由度が高いSNSといえますが、どこまで浸透するかは現在のところは未知数です。
しかし、Blueskyに限らず新しいプラットフォームが主流になっていく可能性はあります。
これを機にBlueskyでアカウントを開設してみてはいかがでしょうか?