パコソンで画像を加工することで、簡単にディープフェイクの動画を作成できるツールがいくつかありますが、スマホのアプリでも作成することが可能です。そんなディープフェイクの作成アプリの紹介と、作り方、違法な使い方の注意点などをご紹介します。
目次
ディープフェイクとは?
ディープフェイク(deepfake)とは、機械学習を意味する「ディープラーニング」と、偽物を意味する「フェイク」を合わせた造語です。
主に顔を入れ替えた動画のことを指していることが多いですが、体を入れ替えた写真や動画、さらには声を合成した音声ファイルも作成されていたりします。
ディープフェイクを使ったフェイク動画は、アメリカ合衆国のトランプ大統領のフェイク動画が作成されたことで大きな話題になりました。
また、日本では、「3年A組」という菅田将暉主演のドラマにおいて、フェイク動画が使われており、そのクオリティの高さから、ドラマの作中のフェイク動画は話題を呼びました。
ディープフェイクは、すでに海外だけではなく、日本でも身近な技術といえます。
ディープフェイクの作り方をパソコンとスマホに分けて紹介
ディープフェイクは、ハイクオリティな動画を作成しようと思えばそれなりの知識や技術が必要ですが、ある程度のフェイク動画であればパソコンやスマホのツールやアプリを使用して作成可能です。
パソコンとスマホに分けて、ディープフェイクが簡単に作成できるおすすめのツールやアプリをいくつかご紹介していきます。
パソコン(WEB)でディープフェイクを作る!
無料で利用できるツールもありますが、完成度の高いフェイク動画を作成するためのツールは有料で提供されています。
会員登録が必要であったり、利用時間に応じて料金を請求する仕組みのツールが提供されていますので、それぞれのツールの特徴についてご紹介します。
【Deepfakes web β】ハイスペックPC不要!テレビでも紹介された作成ツール!
「Deepfakes web β」は、元となる2つの動画をオンライン上のディープフェイクを作成する動画作成サービスにアップロードするだけで、特別なスキルがなくてもフェイク動画を作成することができるサービスです。
また、「Deepfakes web β」は有料サービスで、利用するには会員登録が必須となっているため、メールアドレス等の必要情報を入力し、登録を行なってください。
利用料は、25時間の使用権が4,980円で販売されています。4,980円は高額に感じる人もいるかもしれませんが、高度な処理性能を有したGPUを使用するため、これ以上の値下げが難しいとされており、価格に見合った価値のある高性能なツールです。
操作に慣れるまでは、作成に時間がかかってしまうかもしれませんが、慣れてしまえばその後は短時間で簡単に別の動画や写真の顔をすげ替えることができます。特殊な技術を持っていなくても簡単に高いクオリティのフェイク動画が作成できるおすすめのツールです。
【FakeApp】解説動画あり!無料で使える
上記の「Deepfakes web β」は有料ですが、「FakeApp」は無料でファイ駆動がの作成ができるツールです。AIテクノロジーを駆使し、写真上の顔を動画上へインサートすることができるようになっています。
完成した動画は、非常にクオリティが高く、リアルなフェイク動画を作成することができます。
対応スペックは以下の通りです。
ハードウエア
OS | Windows7 / Windows10 |
MEM | 制限なし |
CPU | 8GB以上 |
GPU | NVIDIA製品/CUDA対応製品/MEM2GB以上 |
ソフトウエア
fekeapp ver2.2 |
CUDA9.0 |
microsoft visual basic 2015+update |
FakeAppの解説動画はこちらから見ることができます。
簡単で、さらに無料でフェイク動画が作成できる便利なツールですので、個人で楽しむ分には問題ありません。
ただし、他人に迷惑や損害を与えないことは前提として理解した上で、フェイク動画の制作を楽しむようにしてください。
【Avatarify】著名人とリモート会議?ZoomやSkypeで使えるツール
「Avatarify」は、取り込んだ顔写真が話しているかのように見せて、zoom等のオンライン会議に参加することができるデープフェイク作成ツールで、2020年3月に開発されました。2020年7月はにiPhone版もリリースされていますが、ここではPC版についてご紹介します。
Avatarifyにアップロードした顔写真がアバターの役割を果たし、WEBカメラで自分の顔を読み込むことで、自分の表情に合わせてアップロードした顔写真が動く仕組みになっています。
Avatarifyを利用するには、プログラミングの知識がある程度が必要になることと、利用するPCに関してもある程度ハイスペックなゲーミングPCを用意する必要がありますので、誰でも気軽に使えるわけではないという点に注意してください。
なお、Avatarifyは自分の顔(表情)とアバターがリンクするように作成されたフェイク動画の作成ツールですが、現段階においては声を変化させることはできませんので、話す時の声はご自身の声のままです。
スマホでディープフェイクを作る!
PCだけでなく、スマホアプリを使ってディープフェイクを作成することも可能です。
PCがなくても、スマホでディープフェイクを作って楽しむことができるおすすめのアプリをいくつかご紹介します。
【Xpression(iOSのみ対応)】簡単で安全に使える!
「Xpression」は、Androidのスマホには対応していませんが、フェイク動画をiPhoneで作ることができるアプリです。また、日本のベンチャー企業である「EmbodyMe」が開発したサービスのため、安心してダウロードして利用することができます。
先ほどご紹介したPCを利用するツールのように、顔を入れ替えた動画を作成することはできませんが、表情や口元の動きを入れ替えることができるサービスです。
「Xpression」は、「EmbodyMe」の技術力の高さをアピールするために作成されたとされており、技術的には顔の入れ替えを行うことも可能なレベルの技術を有している可能性もあります。
しかし、フェイク動画は悪用される危険性が高いため、安全にフェイク動画を楽しむために顔の入れ替えまでは行わない形のアプリとなっています。
【Doublicat(Android、iOSどちらも対応)】Androidスマホにも対応!
「Doublicat」は、iphoneだけでなく、Androidスマホでも使うことができるアプリです。選択した顔に、著名人等の顔をはめ込みGIF動画を作るることができます。
このスマホアプリは無料で利用することも可能ですが、オリジナルのGIF動画を作成したい場合や、無料で利用する際にアプリに表示される広告を表示したくない場合は、有料プランに課金することで解決することができます。また、アプリのインストール後に、英語表記で有料プランへの加入を勧める画面が出ますので、無料で使いたい場合は誤って有料プランを申し込まないよう注意が必要です。
「Doublicat」は、アプリ上に記載される言語は英語になっているため、慣れるまでは使いにくいと感じるかもしれませんが、サービス自体は安全に利用でき、使い方も慣れれば比較的難しくなく、無料でいつでも手軽にフェイク動画の作成を楽しめるアプリです。
【Face Swap】Tik Tokの開発元が密かにした?本格的に作りたい人向けツール
「Face Swap」は、デープラーニング機能を使って、2つの顔の画像を入れ替えることができるサービスです。このツールでは動画を作成することは出来ず、あくまで静止画のフェイク画像のみの作成が可能となっています。
しかし、以下の手順を踏むことで、顔を入れ替えたフェイク動画を作成することが可能です。
- 「ffmpeg」という無料ツールを使い、動画から静止画を切り取る
- 「Face Swap」を利用して静止画の顔を入れ替える
- 「ffmpeg」で切り取った静止画を結合する
「Face Swap」は本格的なディープフェイクを作成したい人向けに作られたツールのため、利用者にはプログラミングの技術が必要です。また、仮想環境の作成からセットアップなどの作業も必要になるため、必要なツールのインストールを行わなくてはいけません。
ディープフェイクを簡単に作ることができるツールではなく、本格的な開発者向けのツールとなっています。
【番外編】海外で話題を読んだディープフェイク作成ツール
ここまで、PCやiPhone、アンドロイドスマホで実際にフェイク動画を作成することができるツールやアプリをご紹介しましたが、ここからは、日本では残念ながら使うことができないけれど、海外を賑わせたディープフェイクの作成ツールをご紹介します。
【DeepNude】即閉鎖!男の夢をかなえた(?)話題のアプリ
2019年6月に公開され、話題を呼んだサイトですが、現在は公開禁止になっている「DeepNude」は、簡単に説明すると、女性をヌードにさせたようなディープフェイクを作ることができるアプリです。
もちろん本人のヌードではなく、顔だけを別人と入れ替えて作成されたもので、複雑で困難な合成がワンクリックでできるように作られています。
現在もいくつかのウェブサイトでダウンロードが可能であることを謳っていますが、実際に安全にダウンロードできるか怪しいサイトばかりですので、安易に手を出さないようにしてください。