iPhoneは完全防水ではありません。「耐水性能」はありますが、機種や使用している状態によっても、どのくらいの水に耐えられるのかは異なります。
最新モデルのiPhoneは「IP68」という耐水・防塵性能になっていますが、これはどの程度の機能なのでしょうか?
この記事では、iPhoneが水没してしまったときの対処法などを紹介します。
目次
iPhoneが水没したらどうなる?
iPhoneが水没すると、様々な不具合が起こる可能性があります。
少量の水濡れ程度なら影響はありませんが、完全に水没してしまうと故障したり画面が付かなくなったりしてしまいます。
最悪の場合は完全な再起不能状態です。以下の状態から判断し、早急に対応しましょう。
- 電源が入る/入らない
- 画面が付いている/真っ暗
- タッチパネルの操作に問題がないか
大丈夫/怪しいケース
iPhoneには「耐水」性能があります。「防水」ではありませんが、雨などに少し濡れるくらいなら機体に影響はありません。画面がついて操作ができれば異常はないと考えていいでしょう。
ディスプレイに水滴が付くと、反応しなかったり、細かな操作や入力が効かなかったりすることはあります。しかし、この現象は故障や不具合ではなく、単にタッチパネルの反応が一時的に悪くなっているだけです。乾けば元に戻ります。
ただし、画面に線が入ったり、電源を入れてもすぐに落ちてしまったりする場合は、黄色信号です。早急に対策をしましょう。
治る見込みのないケース
iPhoneが完全に水没したり、長時間濡れた状態が続いたりすると、再起不能に陥ります。
- 水没した直後から電源が入らない
- 一度は付いたが電源が入らなくなり、その後ずっと反応しない
これらのケースは「完全に水没してしまった」可能性が高いです。
「水没シール」(後で解説します)が赤色に変わっているなど、ユーザーが判別できる部分もあります。
iPhoneが水没したときに起こる症状
iPhoneが水没してしまったときの症状は、水没の程度によって異なります。
防水性能といっても完全ではありません。水没すると壊れてしまうこともあります。
iPhoneを水没してしまった場合に発生する現象や症状について紹介していきます。iPhoneの動きが少しおかしいと感じたら、以下の項目をチェックしてみて下さい。
ディスプレイが反応しなくなる
iPhoneを水没してしまった場合に発生する症状としては、iPhoneのディスプレイが反応しなくなります。
ディスプレイだけではなく、iPhoneの音量ボタンや電源ボタンなど、iPhoneの操作ができなくなってしまうことがほとんどなので、iPhoneの水没には注意が必要です。
リンゴループになる
またiPhoneを水没させてしまうとリンゴループが発生してしまうことがあります。
リンゴループとは、iPhoneの電源を入れたときに表示されるリンゴマークがずっと表示されてしまうトラブルのことです。
本体が熱を持つ
またiPhoneの操作や見た目だけではなむiPhoneの温度も変化してきます。
iPhoneを水没してしまった場合に発生する現象や症状として本体の端末がどんどん熱くなってきてしまい、iPhoneに熱がこもってしまうことがあります。iPhoneが熱くなっている時にそのまま利用するのは大変危険なのでやめましょう。
電源が入らなくなる
またiPhoneを水没させてしまうと、iPhoneのディスプレイ操作や電源ボタンが反応しなくなってしまうので、iPhoneに電源が入らなくなってしまうことがあります。
iPhoneを水没させてデータが破損してしまう原因として、電源が入らなくなってしまうことでデータが紛失してしまうことがあるので気をつけましょう。
カメラのレンズに水滴が入る
またiPhoneが水没して見た目は問題ないと思っていても、カメラレンズの間に水が入ってしまい綺麗に写真が撮れなくなってしまうことがあります。
水没してしまiPhoneに電源が入る場合も必ずカメラ機能に問題ないかをチェックするようにしましょう。
音が籠って聞こえる
またiPhoneを水没してしまうとiPhoneのマイクやサウンド部分に水が入り込んで音がおかしくなってしまうこともあります。
iPhoneを水没してしまった場合は、一通りiPhoneの動作確認をすることをおすすめします。
梅雨から秋頃にかけて、気になってくるのがゲリラ豪雨や台風。防水機能をもたない iPhone にとって、水は大敵です。
読者のみなさんの中にも、気付いたら iPhone が濡れて故障していたという経験をもっている方も多いと思います。
今回はそんな水没時の対処法、そして、ちょっとホラーなあの現象についても解説します。
iPhone が水没したときの対処方法
iPhoneが水没してしまったとき、状態を悪化させないためにできる対処法を紹介します。
あくまでも応急処置であり、iPhone を完全回復させる方法ではありません。また、Appleが推奨しているわけではありません。
少しでもおかしいと感じる場合は、早急にデータのバックアップを取り、様子を見た上で修理業者に持ち込むなどの対応をしましょう。
最優先で iPhone の電源を切る
iPhoneが水没してしまったときは、慌ててしまう気持ち分かりますが、まずは落ち着いて早急に電源オフにします。
水没後に電源を入れたままにしておくと、内部の基盤がショートし、故障する可能性が高くなります。可能な限り迅速に電源を切りましょう。
電源オフの方法は、機種によって異なりますが、音量ボタン(どちらか一方)とサイドボタンの長押しです。
水分を取り除いてSIMカードを取り出す
電源を落としたら、表面の水分を拭き取りましょう。乾いたタオルやティッシュなどで水分を取り除き、カバーを付けている場合は外します。
続いて、SIMカードを取り出しましょう。最悪の場合、本体がダメになっていても、バックアップとSIMカードが無事であれば、新しい機体で復元できます。
クリップなど先の細いものでSIMトレーを開け、SIMカードを取り出します。取り出したSIMカードも傷つけないように水分を拭き取りましょう。充電コネクタの部分も同様です。
iPhone を完全に乾かす
外側の水分を拭き取っても、まだ安心はできません。内部に水分が侵入している可能性があるからです。
内部の水分を取り除くには、密閉性の高い袋の中に iPhoneと乾燥剤を入れて放置する方法があります。(念のために24時間〜数日した方が確実です)乾燥剤はお菓子の袋に入っている物でも代用できます。
ジップロックに入れる時は、空気を出来るだけ追い出すようにしましょう。
早急にデータのバックアップを!
電源が入るようになっても、まだ油断は禁物です。
取りきれなかった水分が回路を腐食させたり、水に含まれていた不純物(水道水の塩素や雨水の埃等)が残っていると悪さをする可能性もあるからです。
iPhone が正常に動いている内に、早急にデータのバックアップを取ってしまいましょう。
バックアップ方法(PCのiTunesを使う方法)
- PCでiTunesを起動させ、 iPhone をLightningケーブルで接続します。
- Windows版ではメニューバーの「コントロール」の下辺りに iPhone のマークが出ますので、それをクリック。
- 画面中段「バックアップ」の項目内にある、「 iPhone のバックアップを暗号化」にチェックを入れる。
- 同じ項目ないの「今すぐバックアップ」をクリックしてバックアップを開始します。
パスワードを忘れるとデータを復旧できなくなってしまうので忘れずにメモをとっておきます。
水没シール(液体侵入インジケータ)について
iPhoneには「液体侵入インジケータ(LCI)」という機能があります。いわゆる「水没シール」です。
液体に触れると赤く変色するインクが使われており、iPhone内部に水分が侵入したかどうかを確認できます。
水没シールが赤く変色していない場合でも、内部に水分が侵入していて、時間経過とともに不具合が発生する可能性もあるので注意が必要です。
また、水没シールが赤く変色していても、必ずしもすべての機能が損なわれているわけではありません。
インジケータを確認する方法
水没シールの場所は、SIMカードトレイの中です。クリップなどを使ってSIMトレイを外すと、その部分に小さな丸いシールとが貼られています。
通常は白または銀色をしていますが、液体に触れると赤く変色します。
水没した可能性がある場合は、Apple Storeや最寄りのiPhone修理業者に持ち込みましょう。
水没シールはあくまでも目安であり、確実な水没判定方法ではありません。赤く変色していない場合でも、内部に水分が侵入している場合もあります。
シリーズごとの耐水性能
ここまではiPhoneが水没してしまった場合の対処法を紹介してきましたが、実際はiPhoneは耐水性があるシリーズも多くリリースされています。ここではiPhoneの水没に対する耐久度についてチェックしていきましょう。
iPhoneは完全防水ではない
iPhoneの防水機能は「耐水機能」です。完全防水ではありません。
iPhoneの防水性能について、Apple公式サイトでは以下のように説明されています。
- 深さ1mまで、最長30分間(ただし完全ではない)
- 防沫、耐水、防塵性能
- 液体による損傷は保証の対象外
つまり、iPhoneは「一定の水深であれば、30分間まで耐えられる性能」を備えてはいる、ということです。
しかし、プールや海など中での使用や水筒の水を被るような行為は、性能に関わらず故障の原因になる可能性はあります。
シャワーなどの水圧にも弱いので、なるべく濡らさないように気をつけたほうが無難でしょう。
耐水性能表
iPhoneはシリーズによって耐水能力が異なります。以下が一覧です。
モデル | 耐水・防塵性能 | 詳細 |
---|---|---|
iPhone 15シリーズ | IP68 | 深さ6mまで、最長30分間 |
iPhone 14シリーズ | IP68 | 深さ6mまで、最長30分間 |
iPhone 13シリーズ | IP68 | 深さ6mまで、最長30分間 |
iPhone 12シリーズ | IP68 | 深さ6mまで、最長30分間 |
iPhone 11シリーズ | IP68 | 深さ2mまで、最長30分間 |
iPhone X、XSシリーズ | IP68 | 深さ2mまで、最長30分間 |
iPhone SEシリーズ | IP67 | 深さ1mまで、最長30分間 |
iPhone 5、6、7、8シリーズ | IP67 | 深さ1mまで、最長30分間 |
耐水性能は、「IPXX」という指標で表されます。IPは「Ingress Protection(侵入保護)」の略です。
下2桁のXは、それぞれ防塵性能を表す数字(0~6)」と、防水性能を表す数字(0~8)です。
防塵性能の6は「完全防塵」防水性能の「8」は一定時間、一定水深への浸漬から保護(より厳しい条件)となっています。
最新のiPhoneの性能である「IP68」は、深さ6mまで・最長30分間水中に沈んでも耐えられることを意味します。
ただし、これは新品未使用時の性能です。長期間使用したり、修理したりしたiPhoneは耐水性能が低下している可能性があります。
また、水濡れや液体による損傷は、保証対象外です。
iPhone を修理に出す
前述のように、乾燥剤等で iPhone が一時的に回復しても、それがいつまでもつかはわかりません。
また、次に故障した際には、いよいよ再起不能となる可能性もあります。
そうしたケースを防ぐためにも、故障箇所が増えない内に修理を行っておきましょう。
水没で iPhone を修理する場合、修理方法は3通りあります。