タッチペンが自作できることをご存知ですか?
アルミホイルと鉛筆とテープという身近な材料だけで、手軽に作ることが可能です。
自作なので長さや太さ、ペン先の硬さなども自分の好み通りのタッチペンができます。
この記事では簡単な自作タッチペンの作り方を紹介していますので、ぜひ自分だけのタッチペンを作ってください。
目次
アルミホイルやスポンジを使って、タッチペンが自作できる!
iPhoneやiPadなどで使用できる純正品のタッチペン「Apple Pencil」は高価です。
しかし、DIYで作るタッチペンは安価(材料費のみ)のため、気軽に試すことができます。
手作りといっても、画面の操作程度の制度なら十分に使用できますし、好きなようにアレンジできるのでおすすめです。
タッチペンの仕組みと、アルミホイル、スポンジや綿棒などの材料を使った自作タッチペンの作り方なども解説します。
タッチペンでタッチパネルが操作できる仕組み
最初に簡単に、タッチペンで、スマホやタブレットなどの「タッチパネル」が操作できる仕組みについて紹介します。
タッチパネルは、人間の体に流れている微量な電流を利用しています。タブレットの画面には透明な導電体(通常はガラス)がコーティングされており、指などが電極に近づくと、電極との間に電流が発生します。
電極間の容量の変化を検出することによってタッチ位置を特定するのが、タッチパネルの大まかな仕組みです。
アルミホイルなどの導電性の物質を通して、微弱な電流を流すことができれば、直接指で触れなくてもデバイスを操作可能です。
タッチパネルの種類
タッチパネルの種類は大きく分けて、「静電容量式」と「感圧式」の2種類です。
「静電容量式」は、スマートフォンやタブレットで広く採用され、広く普及している方式です。
「感圧式」は、圧力を感知して操作する方式です。ATM、ゲーム機、自動券売機などで使用されています。感圧式タッチパネルは、ただの棒や手袋でも操作可能です。
スマートフォンやタブレットは「静電容量式」
スマートフォンやタブレットで広く採用されているのが「静電容量式」です。
静電容量式タッチパネルの主な特徴として、高い耐久性や、軽くて直感的な操作感、画面の明るさなどがあります。
また、マルチタッチ(複数の点を同時に検出可能)に対応している点も特徴的です。
短所としては、導電性のない物質(通常の手袋やスタイラスなど)では操作不可であることや、水滴や湿気による誤作動の可能性があることなどがあります。
また、感圧式タッチパネルなどと比較して、コストが高い点もデメリットといえます。
アルミホイルを使った自作タッチペンの作り方
ここからは実際に、アルミホイルを使った自作タッチペンの制作方法をご紹介します。
必要な材料は以下で、作業時間は10分程度です。
- アルミホイル(鉛筆程度の長さがあるものがおすすめ)
- 粘着テープ
- 鉛筆など(長いものがおすすめ)
- カッターナイフ
用意した鉛筆の長さと同じくらいのアルミホイル、粘着テープ、鉛筆などを用意してください。鉛筆でなくても、同様の形状をした木の棒などでも可能です。
① カッターを使って鉛筆の先端を平角に削る
まず、鉛筆の先を削っていきます。
削った面が小さすぎると、タッチする面が足りなくて静電式のタッチスクリーンの多くは反応しにくくなるので、やや先端を丸くするように意識しましょう。
自作タッチペンでは、画面に向かって垂直に持って使うより、少し角度がある方が反応しやすいです。
カッターを使う際は、怪我をしないように十分に注意してください。
② アルミホイルで鉛筆を巻く
アルミホイルを2、3周くらい、鉛筆の両端が見えないようにきれいに包みます。キャップなどがついてるものはそのまま巻きましょう。
先端の面をシワなく巻くことがポイントです。
先端の表面が滑らかでないと、タッチの反応が悪くなります。また、凸凹があるとタッチペンとして機能しません。
③ 鉛筆の真ん中をテープで止める
アルミホイルで巻いた鉛筆の真ん中をテープで止めて固定します。
きちんと止めておかないと、使用しているときに剥がれてしまうことがあるため、しっかり固定しましょう。
また、セロハンテープなど面積のせまいテープで止める時には多めに巻くなどして、テープが取れないように気を付けてください。
④鉛筆の先端にテープを巻く
アルミホイルで巻いた鉛筆の先端部分もテープで止めます。アルミホイルによって画面に傷ができないように保護の役目をしてくれます。
テープを貼りすぎると画面の反応が悪くなることがあるので、貼りすぎないように注意が必要です。
⑤ 実際に自作したタッチペンを使ってみる
スマホの画面をタッチしてみて、反応が悪かったり反応しない場合はアルミを伸ばして、斜面部分の面積がより平らになるように調整してみてください。
表面積が少なくとも太ペン程度のサイズになるようにします。手順を守っていないと画面が認識してくれないこともあります。
スポンジを使用してスマホ用タッチペンの自作
スポンジを使ってタッチペンを自作することもできます。必要な材料は以下です。
- スポンジ
- プラスチック製のボールペン
スポンジは網が付いてるものや、たわしタイプの硬い材質のものは使えません。柔らかくて清潔なスポンジを用意してください。
また、ボールペンは筒と中身が分解できるタイプのものを用意してください。
① ペンの幅に合わせてスポンジを切り取っていく
ペンの形や大きさに合うようにスポンジを切っていきます。
正確に測る必要はありません。ペンをスポンジに押しあてて、印をつけて切り取ったり、大体の目測で切っても大丈夫です。
ただし、ボールペンの筒より小さくしないように気を付けてください。スポンジが抜けやすくなります。
② スポンジの側方(例:スコッチブライトなど)目が粗い箇所があれば切り取る。
片方の面の目が粗くなっている部分があるスポンジの場合は、その部分を切り取るなどして、使わないようにします。
研磨性の素材はどれも、画面に傷をつけてしまう原因になります。硬い部分は使わず、スポンジの部分だけを使いましょう!
③ スポンジを洗って乾かす
スポンジには洗剤成分が加えられている製品もあります。そのまま使うとスマホの画面が傷ついてしまうので注意してください。
洗剤が入っているスポンジの場合、ぬるま湯を少量はった食器などで、優しく揉み洗いをして、軽く絞って乾かしていきます。キッチンペーパーなどで水分をとると早く乾きます。
④ ボールペンの先を取り外し、中身を抜く
ボールペンの先を取り外して、中身のインク芯(バネ式であればバネも含む)を取り出します。このとき残る空の筒を使います。
手で簡単に外せるかと思いますが、難しい場合は先細のペンチを使って外してみましょう。
⑤ ペンの筒の端からスポンジを押し込む
スポンジをつまみ、筒の中に押し込みます。小さくつまみながら押し込んでいくと入ります。
スポンジが先端にはみ出た部分でタッチしますので、スポンジは完全に中には入れないようにしてください。
⑥ 筒の先からスポンジが5ミリほどでるようにする
上の写真のように、筒の先端からスポンジが5ミリほど出ている状態にします。
ある程度の硬さを出すために、指先でつぶすような感じで繊維を壊していきます。
⑦ タッチペンを使ってみる
作り終わったら、必ず使えるかどうか実際に画面でチェックしてください。
スポンジの面を下にして、筒の部分を手で持ちます。反対向きに使ってしまうと、電磁カレントが伝わりません。
綿棒でもスマホ用タッチペンは作れる
もっと簡単に作りたい人のために、「綿棒とアルミホイル」でも自作できるので紹介します。
綿棒にアルミホイルを巻くだけでスマホ用タッチペンになっちゃうのです。自作はしてみたいけど面倒なのはイヤ・・・という方におすすめです。
小さいし、細くて使い辛いと思うかもしれませんが、意外と持ちやすくて操作性もいいですよ。
綿棒でタッチペンの自作
綿棒で自作タッチペンをつくる方法を解説します。必要な材料は、綿棒、アルミホイル・セロファンテープ、もしくは輪ゴムだけです。
~作り方~
①綿棒を少し濡らす(電気は水があると通りやすくなるため)
②先端から持ち手までをアルミホイルで優しく余裕をもって巻く(カチカチにならないように注意)
③セロファンテープもしくは輪ゴムでアルミホイルを固定して完成
細い綿棒はしっかり固定しないと、アルミホイルが抜けてしまうので注意してください。
上記にある写真が実際に作ったものです。見た目は頼りない感じがしますが、意外と使える頼もしいタッチペンです(笑)
鉛筆とアルミで作ったものと仕組みは一緒で、アルミを手で直接持つことで操作ができる仕組みです。
材料が足りない時やタッチペンが壊れたりしたときの代用品として作り方を覚えておくと役に立ちますよ。
タッチペンを自作する際の注意点
自作タッチペンを作るにあたっては、いくつかの注意点があります。
(アルミホイルで作る場合)持つ部分もアルミで覆うこと、ペン先を小さくしすぎないことなどです。
以下に詳しい注意点を解説します。
持つ部分もアルミで覆う
アルミホイルで自作する場合は、ペンの手で持つ部分までアルミで覆うのがポイントです。
皮膚が触れる部分にアルミホイルが無いと、電流が伝わらないので、静電式の画面だと反応してくれません。
持ち手の部分まで、しっかりとアルミホイルで覆うようにしてください。
ペン先を小さくしすぎない
自作タッチペンの芯に細めのペンを使うときのポイントは、ペン先を小さくしすぎないことです。
ペン先が小さすぎると十分な電流が流れず、スマホが反応しません。ペン先を鋭く尖らせすぎないようにしましょう。
自作タッチペンが正常に作動するためには、ある程度の面積が必要です。
目安として、太めのマジックのペン先や、小さな子どもの小さな指先くらいをイメージしてみてください。
自作タッチペンの使用感
ペンような材料を使ってタッチペンを使えば握りやすく、使用感も悪くないはずです。
壊れた際の修復もアルミホイルを取り換えるだけなので簡単ですし、失くしてしまったときも簡単に作り直すことができます。
感度でいうと、芯としての鉛筆を入れずに「アルミホイルを巻いただけのペン状のもの」のほうが反応は良いようです。
今回は持ちやすさも考慮して、硬い材料にアルミホイルを巻く作り方をメインで紹介しました。
タッチペンを自作するメリット
タッチペンを自作できるようになると、お金の節約になります。
また、タッチペンを忘れてきたときにも、即席で作れるようになるので、忘れたり紛失したときの代用品としても有効です。
また、自作だと長さや色を自分の好みに作ることができるので、愛着も湧くかもしれません。
自作タッチペンの注意点について
タッチペンを自作する際の注意点を以下にまとめます。
- タッチ部分はある程度の面積が必要(尖りすぎは×)
- ペン先を滑らかする(スマホ画面に触れて傷つくことを防ぐため)
- タッチスクリーンの種類によっては、自作タッチペンの反応が悪い(反応しない)ものもある
タッチスクリーンには幾つかの種類があり、手作りのタッチペンが使用できないタイプもあります。
iPhones、 iPad、(Xperiaなど) Android端末などの静電容量式タイプなので、アルミホイル製の自作タッチペンが使えます。
タッチパネルの種類によって自作タッチペンが使えないものがある
感圧式のタッチパネルは、材質に関係なく反応するため、ただの棒でも圧力さえかかれば操作可能です。
ただし、スマートフォンなどに使われている静電容量式タッチパネルは、電気を通す材質でないと反応しません。
そのため、自作タッチペンを作る際は、使用するデバイスのタッチパネル方式を事前に確認する必要があります。
対応する材質を選ばないと、ペンが正しく動作しない場合があります。
画面が傷つく可能性がある
自作タッチペンの材質や形状によっては、デバイスの画面に傷をつける可能性があります。
特にアルミホイルを使った場合、尖った部分や硬い角が強く当たると、画面に傷がつく危険性があるため、使用する前に軽くタッチするなどして試してみましょう。
アルミホイルで作る際は、接触面を広くする工夫をすることが重要です。
また、画面を保護するために、保護フィルムの使用をおすすめします。フィルムがあれば、多少の傷も防げます。
自作タッチペンは耐久性が低い
自作タッチペンは、市販品と比べて精度や耐久性が低いことが多く、長期的な使用には不向きです。
手作りの特性上、素材や構造の限界があることは否めません。
使用頻度が高い場合や、より繊細なタッチを求める場合は、専用のタッチペンを購入したほうがいい場合もあります。
安価なタッチペンは百円ショップなどでも購入可能です。
自作のタッチペンを使いやすくするコツ
アルミホイルを固く巻きすぎてしまうと、タッチペンが反応しないことがあります。またあまりにカチカチにアルミを固定してしまうと、画面が傷ついてしまう原因にもなります。
そのため、アルミホイルはふんわりとするように優しく巻くようにしましょう。
他にも、アルミホイルと軸の間にティッシュペーパーを挟む方法がおすすめです。タッチしたときの反応も良くなり、ティッシュペーパーがクッションのような役割をしてくれるので、画面を傷つけずに安心して使うことができます。
自作スマホタッチペンに最適な導電スポンジ
鉛筆とアルミとテープで作るタッチペンはどうでしたか?もう一つ、操作性抜群の導電スポンジを使った自作タッチペンの作り方をご紹介させていただきます!
写真にある電子部品の下に見える黒いスポンジをペン先に使用して作っていきます。導電スポンジとは、主に電子機器の部品を運ぶ際の衝撃や静電気から守るための梱包材として使用されています。
導電スポンジはどこで買う?
安く済ませたいところですが、悲しいことに導電スポンジは100均ではあまり見かけません。ですがAmazonやモノタロウなどのサイトで安く購入する事が出来ます!(ちなみに直接買いたいという方は、ホームセンターでも買うことはできます。)タッチペンを自作しやすく操作性も良いので、材料としてお薦めです。
必要な材料
- インクの芯を取り出すことのできるボールペン、または鉛筆の補助軸
- 導電スポンジ
- ハサミ
※製作工程は、スポンジを使用して作るタッチペンの1~5と同じです。
最後に画面にタッチしてみて反応するかチェックしてください。反応が悪いときは固定した導電スポンジの表面積が5ミリほど出ているか確認してください。画面にあたる部分が少ないと反応が良くないことがあります。
まとめ
タッチペンを自作する方法について解説しました。いかがでしたでしょうか?
タッチペンの仕組みは意外とシンプルなものなので、アルミホイルがあれば自作できてしまうことを知らない方も多かったと思います。
作り方には少しコツがあります。アルミが抜けないように固定すると同時に、あまり硬く巻きすぎると画面を傷つけてしまいます。
自分でスマホを操作するときの力加減や、中に入れる芯の材料を工夫して、自分だけのタッチペンを作ってみてくださいね。