Apple社がARMベースのCPUを採用したことが話題になっています。既にwindosではARMが採用されており、それをベースに独自のプロセッサ開発されているようです。ARMの特徴的なビジネスモデルと、主な製品、intelとの比較について紹介します。
目次
「ARM」CPUとは?
アップルが、MacのCPUにARM「CPU」を採用したことが話題になっています。そもそも、「ARM」CPUとは何なのでしょうか、普通のCPUとは違うのでしょうか。ARMの歴史とARMの特徴を紹介します。
「ARM」CPUの歴史
ARMとは、英国にある会社の名前です。
1983年に「Acorn Computers」によって開発が始まり、1990年に設立された新会社「Advanced RISC Machines」の頭文字をとって、1998年の上場時に「ARM Limited」となりました。そして、2016年にはソフトバンクグループに買収されています。
ARMについて名前こそは有名でないものの、既に、生活の中では広く使われています。
実は、ほとんどのスマートフォンやタブレットに搭載されているCPUはARMベースのものなのです。
ここまで読んで、なぜ「ARM製のCPU」ではなく「ARMベースのCPU」と言われているか気になりませんか。そのわけは、ARMの特徴的なビジネスモデルにありました。ARMの特徴について、次の項目で紹介します。
「ARM」は実はCPUチップの雛形!
ARMがCPUチップの雛形であること、これがARMの大きな特徴になります。なぜ、ARMがそのように言われるのでしょうか。そのわけを解説していきます。
一般に、皆さんがCPUチップと聞いて考えるのは、IntelやAMDなどの、販売元の半導体メーカーかもしれません。ARMは一体、どのようにCPU製品に関わっているのでしょうか。
実はARMは、半導体メーカー向けに「ARMアーキテクチャ」といったライセンスを販売しています。ARM型のCPUに様々な機能を加えたSoC(System on a Chip)は、ARMとライセンス契約を使うことで、半導体メーカー側で設計・開発をする必要がなくなります。つまり、半導体メーカーにとっては開発コストの節約になる上、ARMのSoCを使って様々な応用もできるのです。
これらが、ARMがCPUチップの雛形であり、「ARMベースのCPU」と表現されるわけです。
「ARM」CPUの特徴
①ARMとIntelの違いは省電力に優れている点
「ARM」CPUは、省電力で小さいというのが特徴です。intelやAMDなどのパソコンに使われるCPUに比較するとよくわかります。
かつてPCが主流だった時代には、まだARMでは処理能力が低かったようです。しかしながら、スマートフォンが登場して以降、製造プロセスも進化させることにより「ARM」CPUは高性能化しています。
結果として「ARM」は現在では、省電力かつ処理能力が高いCPUであると評価されています。例えば、2019年のCPUコア「Cortex-A76」や、今回紹介するApple M1でその性能が十分に確認できます。
②ARMアーキテクチャのライセンスを販売
上でも少し触れましたが、ARM Limitedは、ARMアーキテクチャをライセンス化して販売している点も大きな特徴です。様々な企業がARMアーキテクチャを採用することで、ARMベースのCPUを作って販売します。
そのため一見異なる企業が開発したと思われるCPUも、実はARMアーキテクチャ由来であるということがあります。例えば、iPhoneとAndroidスマートフォンでは別のCPUが搭載されていますが、もとを辿ればARMベースのCPUです。
ARMアーキテクチャを使うことで、SoC(System on a Chip)も、簡単かつ低コストになります。ARMアーキテクチャを使えば、CPUの設計を自社で最初から行う必要がありません。その浮いたコストを、SoCの機能面の開発に注力することができます。
このため、ARMアーキテクチャは、多くのメーカーに支持されています。