日本国内で大人気のスマートフォン・iPhoneは、この9月にも最新型の「iPhone7」が発売されるのではないかという見方が拡がっています。この「iPhone7」、現行最新機種の「iPhoneSE」とどう違うのでしょうか。ずばり解説します。
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6の次がSEだったわけ
iPhoneSEはiPhoneの最新モデルですが、そのひとつ前のモデルが「iPhone6S」だったのに「iPhone7」という名前にはなりませんでした。
その理由は明らかにされていません。しかしそれまでのiPhoneの新型は、2年おきの9月に発表されていたのに、iPhoneSEは3月でした。2016年9月は、iPhone6が発売されてから2年めなので、この時に発売が予想されるiPhoneは「7」だろうと言われています。
iPhoneSEは発売時期がイレギュラーだっただけでなく、製品コンセプトもそれまでの最新iPhoneと異なっていました。
それまでのiPhoneの新型は、その時点で考えられる限りの新技術をふんだんに使い、自動車で言えばメルセデスやBMWの上位モデルのような高級感溢れる作りにしていました。しかし、あまりに新技術だけを追いかけた結果、「大きすぎて使いにくい」「価格が高すぎて手が出ない」という批判が集まるようになったのです。
iPhoneSEは、その直前に出た機種であるiPhone6S(iPhone6の改良版。2015年9月発売)と比べ、特に新しい技術が盛り込まれているわけではありません。それどころか、さらに前のモデルであるiPhone5レベルにまで退化している部分すらあります。
また、これがiPhoneSEの外見上の最大の特徴なのですが、ディスプレイサイズがiPhone8Sの4,7インチから4インチに縮小されました。これはiPhone5と同じサイズです。当然ボディも小さくなり、「大きすぎる」という批判に応えた形になりました。
iPhoneSEは、iPhone6をベースに小型化とコストダウンを図った普及モデルだったのです。
ちなみにアップル社が最初に製造した「SE」の付くモデルは、一体型パソコンのMacitosh SEです。この「SE」は筐体内に拡張スロットを装備していて「System Extention」の略だということでしたが、前モデルのMacintosh Plus(拡張性とデザイン以外の性能はほぼ同じ)と比べると大幅に価格が引き下げられ、実は「Standard Edition」の略だったのではないかと言われていました。そういう意味では、iPhoneSEと通じるところがありそうです。
Macintosh SE
6の正統な発展型、iPhone7
アップル社はこれまで、iPhoneの最新モデルは発表当日まで一切情報を公開しないという立場をとってきました。
iPhone7についてもその姿勢は貫かれており、2016年7月段階でも公式なことは何一つわかっていません。
「だいたいこんなもんだろう」というのが、関係者や工場などからのリーク情報からわかっているだけという状態です。実は名前がiPhone7なのかどうかすら確定ではありませんが、前モデルから2年後の9月発表と見込まれているので、恐らく7なんじゃないかと言われているのです。
そんな不確かな情報からおぼろげに見えるiPhone7の姿ですが、どうやら4.7インチのディスプレイを搭載しているようです。これはiPhone6と同じサイズで、iPhoneSEよりも大きめです。つまり、また「デカい」路線に復帰したように見えます。
ただ、厚さの方はiPhoneSEよりもさらに薄くなります。この結果本体の側面にイヤフォンジャックを装着するスペースがなくなり、これが省略されています。代わりに本体内蔵のスピーカーが大型化され、スピーカー用の穴が増えています。
なお、4.7インチのディスプレイは、サイズこそiPhone6と同じですが、さらに高精細化が進んでいます。また、有機ELディスプレイが採用されているともいいます。こちらについては、ディスプレイを供給すると思われるメーカーが生産ラインを新規に作ったなどという情報が流れてきていますから、確度は高そうです。
iPhone6Sには、Plusという5.5インチのディスプレイを搭載したモデルがあります。これはもうちょっと小ぶりなタブレットほどの大きさがあります。「大きすぎだ」という批判に応える形でSEを出したアップルが、この巨大なiPhoneの後継機種を出すのかどうかはまだはっきりしていません。
どちらかというと「6Sで出してたんだから、7でもやっぱり出すだろう」という予測が、今のところでは主流のようです。
iPhone6。iPhone7はこの外見を踏襲するのか一新するのか、まだはっきりとはわかっていません。
さらなる革新を目指すか
もはや伝説と化したアップルのCEO・スティーブ・ジョブズの生前、iPhoneの新モデルは常に人を驚かせるような革新的な機能を搭載して登場してきました。しかしジョブズ没後、そのような革新性は影を潜めるようになり、「なんか地味」なモデルが生産されていたという評価があります。
こうした評価を一気に覆すために、iPhone7ではジョブズ時代を超える驚きの新機能が搭載されるのか、それともSE路線を推し進めて、地味ではあるけど堅実な路線を進めるのか、現時点ではまだわかってはいません。