Discord Botは、サーバー内でいろいろなことを「自動化」できるサーバー拡張機能です。
いろいろなタイプがあり、自動リプライから音楽再生まで、使いたい機能によって好きなBotを選べます。
今やDiscordはゲームユーザーだけでなく、ビジネスなどにも活用されており、月間アクティブユーザーは2億人を超えるコミュニケーションツールです。
この記事では、Discord Botの種類やできること、おすすめのBotや導入時の注意点も紹介します。
目次
DiscordのBotとは?
Discord Bot(ディスコード ボット)とは、Discordのサーバー上でさまざまな機能を自動で実行するためのプログラムです。
Botの導入は任意ですが、実にいろいろなことができるので、ほとんどのサーバー管理者が複数のBotを導入しています。
人間の手だけでは何人もかかっていたような作業も、Botを導入すれば1人で簡単にこなせるようになり、効率化ツールとして重宝します。
Discordとは
Discord(ディスコード)は、アメリカで開発された基本無料のコミュニケーションツールです。
テキストチャット、ボイスチャットや音声通話、ビデオ通話、画面共有などの機能を備えており、アプリ版とブラウザ版がパソコンでもスマートフォンでも利用できます。
以前はオンラインゲームのためのチャットツールとして人気でしたが、今ではビジネスや趣味などさまざまな人に愛用されている多機能ツールです。
Bot(ボット)とは
Bot(ボット)とは、自動化されたタスクを実行するプログラムです。
DiscordのBotはサーバーの拡張機能のようなもので、メッセージの自動送信などの機能が追加できます。
Discordの「サーバー」とはグループのようなもので、昔の掲示板でいうところの「スレッド」を超多機能にしたようなものと考えるといいでしょう。ちなみに「Bot」はロボット(robot)の略です。
DiscordのBotにできる主な機能
DiscordのBotとは、Discordにさまざまな機能を追加できる「拡張機能」のようなものです。
Botを使ってできることは実にさまざまで、以下はほんの一例です。
- ロール(役割)を付与する
- BGMを流す
- 投票機能
- サーバーデータのバックアップ
- タスク管理
- 他SNSと連動して同じ内容を投稿する
チャットでやり取りしたものを読み上げたり、通知をお知らせしてくれる機能を持つBotが多数リリースされています。
参加人数の多いサーバーでは、これらのBotを導入することで管理を効率化できます。
メッセージの送信やリプライの自動化
Discordのサーバー管理者がやらなければいけない仕事はたくさんありますが、以下のようなタスクは自動化できます。
- 新規参加者へのウェルカムメッセージ
- よくある質問への回答やリプライ
- 更新情報のアナウンス
これらの作業をすべて手動でやるのは非常に大変ですが、Botを使えば自動化できるので管理者の負担を減らすことが可能です。
サーバー管理
参加者へのメッセージ送信以外にも、Discordのサーバーを管理するための仕事はたくさんあります。
イベントの日程調整、レベルやロール(サーバー内での役割のこと)を付与したり、スパムメッセージを削除したり、他にも迷惑行為をしたユーザーのミュートやバBAN(追放)などもしなくてはなりません。
特に参加人数の多い人気サーバーでは、人間の手ではとても管理しきれないため、Botの導入は不可欠といえます。
通知、エンターテイメント機能など
メッセージやリプライ、管理タスク以外にもBotにできることは多くあります。
たとえば、音楽を再生できるエンターテイメント機能を持つBotもあり、「Jockie Music」は音楽再生に特化した人気のBotです。同時に4つのボイスチャンネルで曲を再生できることが特徴です。
他にも、通知や読み上げなどさまざまな機能を持つDiscord Botがあります。
Discord Botの探し方
DiscordにBotを導入するには、スマホアプリのように検索してインストールする方法が一般的です。
プログラムができる人なら自作も可能ですが、まずは既存サービスを使ってみることをおすすめします。
DiscordのBotの探し方には、以下の3つの方法があります。
- 「App ディレクトリ」から探す
- ランキングサイトで探す
- さまざまなサーバーに参加して探す
「App ディレクトリ」から探す
「Appディレクトリ」とは、スマートフォンのアプリストア(App StoreやGoogle Play)のような場所です。
Discord内でBotを検索したり追加したりでき、一覧から気になったものを自分のサーバーに導入できます。
キーワード検索やカテゴリ検索に対応しており、ダウンロードからインストールまで一連の動作はDiscord上で完結します。
ランキングサイトで探す
DiscordのBotは、外部の「ランキングサイト」でも紹介されています。
どんなBotが人気なのかを調べたり、最新のアプリの情報も得られるのでおすすめです。
「Top.gg」は定番のランキングサイトですが、こちらは英語サイトです。
他にもDiscordのBotランキングサイトは英語になっていることが多く、説明文などが日本語に翻訳されていないので、英語が苦手な方は翻訳ソフトを活用することをおすすめします。
さまざまなサーバーに参加して探す
Discordの他サーバーからBotを探す方法もあります。
他のサーバーに参加して、どんなBotを導入しているか「情報」から見ることができます。
大抵のBotには概要(プロフィール)の欄に公式サイトへのリンクなどが記載されているので、そこからアクセスして同じBotを自分のサーバーにも追加することが可能です。
Discord Botの追加方法と使い方
Discord Botの導入方法は難しくありません。
追加したいBotを選んで、「サーバーに追加」(Add to Server)ボタンを押すだけです。
Botによっては追加方法やボタンの表記が異なるものがあるので、わからない場合は公式サイトに行けば詳しい手順が解説されています。
Botの追加方法
DiscordにBotを追加する手順は次のとおりです。
- Discordアカウントにログイン
- サーバーの管理者権限を持っていることを確認
- 追加したいBotの公式サイトにアクセス
- トップ画面にある「Add Server(サーバーに追加)」「Invite(招待)」などのボタン押す
Appディレクトリなどで追加したいBotが見つかったら、そのBotの公式ページに行きます。
右上「アプリを追加」または「サーバーに追加」ボタンを押せば追加される(英語だと「Invite」や「Add」などのボタン) 項目チェックなどの設定をして「認証ボタン」を押し、「人間ですか?」のチェックができたら完了です。
Discord Botの基本的な操作方法
DiscordのBotは導入しただけでは使うことができません。Botを動かすためのコマンドを入力することで機能を使うことができます。
テキスト入力フォームに「/」(スラッシュ)を打ち込むと、使える機能の一覧が表示されるので、その中から選ぶと簡単です。
それぞれのコマンドの機能や使い方が分からない場合は、公式サイトの「Help」などにコマンド一覧の説明があることも多いので参考にしましょう。
コマンドは基本的に英語表記のため、最初は翻訳をしながら機能を覚えていくことをおすすめします。
Discord Botの削除方法
不要になったDiscord Botは削除も可能です。
Botもサーバーのメンバーに入っているだけなので、メンバーの一覧から「追放」や「BAN」をすれば削除できます。
BANをする場合、再度そのBotを導入するときにはBANを解除する必要があります。
また、サーバーから追放やBANをするには、サーバーの権限を持っている必要があるので覚えておきましょう。
おすすめのDiscord Bot 一覧
では、DiscordのBotでおすすめのものを6つ紹介します。
- サーバー管理におすすめな「ProBot」
- 簡単にロールを付与できる「Carl-bot」
- テキストの読み上げが可能な「shovel」
- キャラクターの声で読み上げが可能「VOICEVOX」
- スケジュール管理におすすめ「デイコード」
- ボイスチャットの開始に通知が届く「通話お知らせくん」
これら以外にもおすすめのBotはこちらの記事で紹介しています。
おすすめ①:日本語対応で色々な機能を使える「ProBot」
サーバー管理を効率化させられる「ProBot」はおすすめのDiscord Botの1つです。
- NGワードを設定できる
- 自動で役職を付与できる
- 自動での返信設定
- 基本的なコミュニティの機能
などのサーバー管理に特化しているDiscordのBotです。
日本語にも対応しているので、英語が苦手な人にもおすすめ。
ProBotは特にスパム対策やセキュリティ機能に優れているので、サーバーを安全に運営したい方は是非導入してみてください。
おすすめ②:リアクション操作でロールを付与「Carl-bot」
「Carl-bot」は、投稿にリアクションするだけでロールを付与されるBotです。
800万以上のサーバーに導入されているBotで、通常なら管理者に付与してもらわないといけないロールをリアクション1つで簡単に付与できるのがおすすめポイントです。
ユーザー自身が必要なロールだけを受け取れるので、管理者は導入しておくとサーバー管理を効率化できます。
おすすめ③:テキストを読み上げ「shovel」
「shovel」はDiscordの読み上げBotの中でもトップクラスに導入されているBotです。
マイクを導入していないユーザーがいても、shovelを導入しておけば自動で投稿されたテキストを読み上げしてくれます。
同時に3つまでの違うボイスでチャンネルの読み上げをできたり、色分けしてどのチャンネルなのかも振り分けできます。
音声の種類も好みを細かく設定できるのもおすすめポイントです。
おすすめ④:ずんだもんなどの声で読み上げ「VOICEVOX」
「VOICEVOX」も読み上げBotとしておすすめです。
VOICEVOXの特徴はなんといっても「ずんだもん」などのキャラクターの声で読み上げができることです。
読み上げ系のBotはたいていの場合機械的になってしまいますが、VOICEVOXでは以下のキャラクターの声を利用できます。
- 四国めたん:はっきりした芯のある声
- ずんだもん:子供っぽい高めの声
- 春日部つむぎ:元気な明るい
- 雨晴はう:優しく可愛い声
- 波音リツ:低めのクールな声
- 玄野武宏:爽やかな青年の声
- 白上虎太郎:声変わり直後の少年の声
- 青山龍星:重厚で低音な声
- 冥鳴ひまり:柔らかく温かい声
など、他にも多くのキャラクターの声を使えます。
商用利用も可能ですが、キャラクターにそれぞれ利用規約があるので使用時は注意が必要です。
また、公式サイトにはサンプルボイスもあるので、導入前にチェックできるのもおすすめポイントです。
※参考サイト:VOICEVOX公式
おすすめ⑤:日程調整Bot「デイコード」
日程調整におすすめなBotが「デイコード」です。
MMOなどのオンラインゲームでは、日程調整や人数の調整が必要になる場合があります。
デイコードでは、次のことがシンプルな操作で可能です。
- 候補日の設定
- 日程提出が遅いユーザーへ自動での催促機能
- 予定日のリマインド
ユーザー全員がDiscordを導入する必要がありますが、一緒にオンラインゲームで遊ぶ仲間が必要な場合にはおすすめのBotです。
おすすめ⑥:通話が開始されたらお知らせ「通話お知らせくん」
ボイスチャンネルで、通話の開始に通知が欲しい人におすすめのBotが「通話お知らせくん」です。
導入するだけで簡単に使えるのもおすすめポイントです。
サーバーで権限を持っている人のみ追加できるので、覚えておきましょう。
DiscordのBotの注意点
最後に、DiscordにBotを導入する際の注意点を紹介します。
サーバー管理者権限が必要
Discordにはロール(役職)と権限があります。
このうち管理者(「ギルドマスター」などの役職名がつく)は全ての権限をもつ権限者です。「サブマスター」や「幹部」など、他のメンバーにどのような役職や権限を付与するかは、管理者の采配に任されます。
「管理者権限」はサーバー管理者と同等の権限を持つ、最上位の権限です。新たにBotを導入する(またサーバーで使えるBotのの機能を設定する)には管理者権限が必要です。
自分が作成したサーバー、あるいは作成者から権限を与えられている場合以外はBotの導入や設定はできません。
信頼できないサイトで配布されているBotは使わない
Discord Botはスマホアプリと同じように、自由に作成・配布ができます。
中には悪意を持った作成者が配布しているBotがある可能性もあるので、怪しいBotはインストールしない方が無難です。
Bot信頼性は、公式サイトの内容や他に導入しているサーバー数などをみて判断します。更新が止まっているBotは使わない方がいいでしょう。
パスワードは他の人に絶対に教えない
Discordの管理者が持っているログイン情報(IDとパスワード)は教えてはいけません。
Xやインスタグラムなどと同様に、悪意のある人にログイン情報が漏れたら、なんでもできてしまうからです。
サーバー参加者を全員BANしたり、メッセージの一斉送信などの迷惑・破壊行為も可能です。
サーバー管理者は、自身のログイン情報の管理を徹底し、他の人には教えないようにしましょう。
まとめ
Discord Botの概要やおすすめのDiscord Botを紹介してきました。
Discordは、オンラインゲーマーにとっては一般的なツールです。
ただ、元がシンプルなチャットツールなので、使い勝手を上げるにはBotの導入が必要です。
ただ、必要なBotさえ入れてしまえば、稼働は簡単に行えます。
DiscordのBotを導入してみたい方は、参考にしてみてください。