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GPU使用率100%付近は正常?GPU使用率の確認法や調整法も紹介

パソコンにGPUを搭載する目的は、画面の表示や更新をスムーズに素早く行うためでした。しかし、GPU使用率が異常に低かったり、高いままの状態が継続してしまったりする場合は、この目的を果たせない恐れがあります。

画面の表示更新のスムーズさを計る指標にFPS(frames per second)というものがあります。これは、簡単に言うと、1秒間に何回画面(フレーム)を更新できるかを示す数値です。FPSが高ければ高いほど、画面更新が早くなります。

たとえば、ゲーム時にマウスなどで移動したとします。当然、場面が切り替わるので、新しい場面の画像を作成して画面に表示する必要があります。この処理にもたつくようでは、ゲームで相手に勝つことも難しくなってしまいます。

株価の変動が瞬時に画面に反映されることが重要なトレーディングのディーラーはFPSに神経を配ります。自分の見ている画面での株価の変動が他のディーラーより遅ければ、損失を被ったり、利益を逃すことにもつながるからです。

GPU使用率が極端に低下していたり、100%の状態が継続したままだと、FPSの低下を招くことになります。GPU使用率の動きがおかしいと思われる場合は、GPUの故障などもチェックが必要です。

アプリがクラッシュする

またパソコンのGPU使用率が異常に低い・高い状況が続くと、ゲームアプリや動画編集アプリのクラッシュを招く恐れもあります。

プログラムの操作途中にクラッシュしてしまうと、それまでに作ったデータが消えてしまったり、ネットワーク接続が寸断したり、最悪はパソコンのOSが強制終了してしまったりすることもあり得ます。

このようにGPU使用率に異常があると、パソコンの動作にさまざまな悪影響が発生してきます。もし、ゲーミングパソコンで異常な動作が増えてきた場合は、GPUユニットをチェックしてみるのもよいでしょう。

GPU使用率が安定しない原因

ゲーミングパソコンに不具合が発生したり、アプリケーションがクラッシュする場面が頻発するようであれば、GPUに故障や異常が発生している可能性もあるのでチェックしてみてください。

以下では、ゲーミングパソコンなどでGPU使用率が低すぎたり高すぎたりする原因を説明します。

負荷の高い作業でGPU使用率が低い時

高画質のゲームを遊んでいたり、長時間の動画編集を行っている場合は、基本的には、GPU使用率が高い状態になるのが普通です。

しかし、負荷の高い処理を実行しているのにGPU使用率が低いままの場合もあります。以下では、その要因を説明します。

【GPU使用率が低い原因その1】GPU使用率の表示が間違っている

負荷がかなり高い作業や処理を実行しているのに、GPU使用率が低い場合は、GPU使用率の表示が誤っていることが考えられます。

WindowsパソコンではGPU使用率をタスクマネージャで調べることができますが、タスクマネージャーでは、GPU使用率が正しく表示されないことがあるとの報告があります。GPUの負荷が高い処理中にタスクマネージャのGPU使用率が低くしか表示されないようであれば、GPUメーカーのツールなどを使うことを検討してみてください。

GPUの負荷が高い場面なのに、GPUメーカーのツールを使用してGPU使用率をチェックしても、GPU使用率の低い値が表示される場合は、メモリ使用量の表示と勘違いしていないかを確かめてみてください。

【GPU使用率が低い原因その2】CPUがボトルネックの可能性

またパソコンのCPUがボトルネックとなり、GPUに負荷がかかる作業や処理をしているのにGPU使用率が低いこともあります。

パソコンの処理はパソコンのCPUがコントロールしており、画面の表示更新や画像データ処理を行うにはCPUが処理することも必要なのです。

GPUがいくら高速に画像処理を行っても、その結果をCPUが処理できなければ画面は更新されません。GPU負荷に余裕があり画像処理の指示があればすぐに画像処理を行えるのに、CPU使用率が100%で指示できない場合は、GPU使用率は低いままです。

このようにパソコンの処理を効率的に行うには、CPUとGPUの処理性能にバランスが取れている必要があるのです。

負荷が低い作業でGPU使用率が高い時

GPU負荷が低い作業や処理を実行しているのに、GPU使用率が高い状態が継続してしまう原因を説明します。

【GPU使用率が高い原因その1】マイニングに使われている

GPUは本来は画像処理を行うためのユニットとして開発されました。しかし、現在では、GPUの実数型の処理能力に着目してさまざまな用途に使用されるようになっています。仮想通貨のマイニング処理やAIへの応用などがその代表例です。

パソコンの操作中にGPU負荷が掛からない作業や処理しかしていないのに、GPU使用率が高い状態になっている原因としては、マイニング処理が実行されている可能性が考えられます。

マイニングとは、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨の取引承認に必要となる複雑な計算を行って仮想通貨を発行する処理のことを言います。

最近では、自分のパソコンのリソースに余裕がある場合は、マイニング用にパソコンのリソースを貸し出すサービスにインターネット経由で参加できます。そして、マイニングに利用されている場合は、自分でパソコンを操作していなくても、GPU使用率が上がります。

【GPUの使用率が高い原因その2】ウイルスに感染

パソコンがウイルス感染してしまうことで、GPU使用率が以上に高い状態になってしまうことがあり得ます。

悪質サイトやアプリケーション利用し他場合、ウイルス感染にしてGPUなどのパソコンのリソースを乗っ取られてしまうこともあり得ます。また、勝手に他人のパソコンをマイニングに使うといったウイルスも出回っています。

パソコンがアイドル状態なのにGPU使用率が高い状態が継続する場合は、怪しいサイトの閲覧や違法ダウンロードに身に覚えがあれば、ウイルス感染チェックしてみるとよいかもしれません。

GPU使用率の確認方法

以下では、GPU使用率の確認手順を説明します。

コンピュータゲームやリアルタイム画像処理ではGPU使用率が気になるところです。パソコンゲームでは、GPU性能はゲーム操作に大きく関わってきます。

GPU使用率をチェックすることで、ゲームを遊ぶのに、自分のパソコンのやGPUやCPUなどのリソースがどのくらい耐えられるのか、GPUの入れ替え時であるのかなどを確認することができます。

【GPU使用率の確認方法】タスクマネージャー

WindowsパソコンでGPU使用率をチェックする方法としては、タスクマネージャーというシステムツールを活用することです。

タスクマネージャーは、windowsパソコンであれば標準で搭載されているツール。タスクマネージャーではGPUなどリソース・プロセスの状況を確認することができます。タスクマネージャーの起動方法は、以下のとおりです。

マウスをタスクバーに置き右クリック→メニューからタスクマネージャーを選択→タスクマネージャーが起動→「プロセス」タブのプロセス名やCPUなどの項目を右クリック→表示される項目一覧から「GPU」を選択→パフォーマンスタブにGPU使用率などの使用状況が表示される。

GPU使用率を安定させる方法

以下では、GPU使用率を安定させたい場合の対処法を説明します。

自分のパソコンのGPU使用率が不安定なら、順々に手順を試してみて、GPUが安定するかを確認してみてください。

①電源設定をパフォーマンスモードに変更

ゲーミングパソコンのGPU使用率を安定させるには、電源設定のチェックを行ってみてください。

電源設定は、コントロールパネルから確認することができます。電源設定モードがパフォーマンスモードであることを確認してください。

パフォーマンスモードは、電源の利用方針としては、パフォーマンスを優先する設定です。GPUなどパソコンリソースが必要とする電力の供給を省エネより優先しています。

パフォーマンスモードにする場合は、必ず、十分にバッテリー容量を確保するようにしてください。電源の電力不足ではパフォーマンスモードの効果が発揮できないこともあります。

②グラフィック・ドライバをアップデート

GPUを制御するグラフィック・ドライバーが最新でないことが原因で、GPUを活用できず安定しない場合もあります。グラフィック・ドライバーのバージョンが最新でない場合は、最新のグラフィック・ドライバーをインストールしましょう。

GPUドライバーを更新する手順は以下のとおりです。

デバイスマネージャーから該当GPUの項目を展開→対象のGPUドライバーを右クリック→アップデートをクリック

なお、グラフィック・ドライバーをアップデートする場合は、大容量で安定したインターネット環境で実施してください。ダウンロードするドライバーが大容量の場合が多いので、ダウンロードに時間がかかり、瞬断などが発生しないネットワーク環境が必要なのです。

③アプリの優先度を変更

ゲーミングパソコンのGPU使用率を安定させるには、アプリケーションの優先度を変更することも効果的です。

ゲームや動画編集アプリではGPUを高頻度で使用しますので、他のアプリケーションがGPUをなるべく利用しないようにするために、該当するアプリケーションの優先度を高くすることでGPUをできるだけ多く割り当てるようにするのです。

逆に、あまり緊急性のないアプリケーションの優先度を低くしたり、不要なアプリケーションは停止・削除することが、リソースの有効活用につながります。

④GPU設定を変更

パソコンやGPUに詳しい、あるいは、自信のある方は、GPU設定を変更してGPUを自分のパソコンに合うようにチューニングするのも有効かもしれません。

GPUの設定は、NVIDIAコントロールパネルなど、GPUメーカーが提供しているチューニングツールを活用して変更することができます。

NVIDIAコントロールパネルの操作は以下のとおりです。

デスクトップ画面で右クリック→NVIDIAコントロールパネルを選択→3D設定の管理の画面を開く→各GPUパラメータをチューニング

なお、設定に誤りがあるとパソコンが正常に動作しなくなることもあり得ますので注意しましょう。

⑤ゲームの設定を確認

ゲームアプリでは、ゲームの実行環境に合わせて画面処理を最適にするために、パソコンからGPUなどのゲーム環境を設定できるようになっている場合があります。

GPU使用率が安定しないなどでゲームがスムーズに遊べない場合は、ゲームんも設定を見直してみてください。ただし、遊びたいゲームアプリや利用するGPUのグラフィックボードによっても設定内容が異なってくるので、公式サイトより推奨設定を確認してみてください。

ゲームアプリケーションの設定を誤ると、逆に、GPUが安定しない原因になることもありますので注意してください。

GPU温度にも気をつけよう

ゲーミングパソコンでは、GPU使用率以外にもGPU温度も注意する必要があります。グラフィックボードにはICチップなどの電子部品が搭載されており、通常40度~80度を保つことが望ましいのです。

GPUがフル稼働状態を続けていると、グラフィックボードの温度が上昇します。グラフィックボードにも冷却ファンが付いてるものもありますが、温度が上がりすぎると、GPUが熱暴走してパフォーマンスが低下したり、最悪の場合はGPU故障につながってしまいます。

このため、ゲーミングパソコンのグラフィックボードをしっかりと冷却できるように、エアフローやパソコンのファンなどの冷却機構も確認しましょう。

まとめ

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