Safariを使っていると「セキュリティ保護された接続を確立できません」というエラーが表示されることがあります。
これは「このサイトは安全性に問題があると判断したので開くのを中断した」という警告です。
このエラー・警告が出る原因や、対処法について解説します。
目次
「セキュリティ保護された接続を確立できません」とは
「セキュリティ保護された接続を確立できません」は、MacやiPhone・iPadの標準ブラウザであるSafariで表示される「エラーメッセージ」です。
これから開こうとしているウェブサイトの接続に安全性が確保できないというメッセージで、簡単にいうと「このページはセキュリティ対策が信用できないので開きません」という意味になります。
サイトに接続できないときに表示されるエラー
MacやiPhoneなど、Apple製品の特長といえば「ハードウェアとOSが1社のみで製造されている」という点です。
Windows製品と比較しても、ウィルスなどに対するセキュリティは強固で、それがApple製品のウリでもあります。
その一つの「表れ」が、この「セキュリティ保護された接続を確立できません」のエラーです。
怪しい(可能性のある)サイトは開かないという仕様になっています。
エラーが起こる原因
Safariで「セキュリティ保護された接続を確立できません」というエラー(とセキュリティ警告)が表示される原因は、主に2つあります。
サイト側の問題かもしくはこちら側に問題があるか、そのどちらかです。どちらの場合も「安全でないと(Safariが)判断されたため開かない」という結果には違いありません。
①サイト側のセキュリティに問題がある
一つ目はサイト側の問題です。
つまり今から開こうとしているWebページのセキュリティに、信頼できない部分があり、それが原因でページを開かない(開くのを中断した)というケースです。
この場合、設定を変更すれば(セキュリティを緩くすれば)ページにアクセスすることが可能となります。
しかし後述するように、ウィルス対策などの観点から考える推奨はできません。
②こちら側(ブラウザや通信環境)に問題がある
もう一つは、こちら側の環境に問題がある場合です。
サイトにアクセスしようとしているPCやスマホの環境・ブラウザに何かしらの問題があって、それが原因でページが開けないというケースです。
この場合は、こちらの通信環境や設定を改善すれば、問題なくサイトにアクセスできるようになります。
③サイト側のプロトコルに問題がある
ブラウザに対応していないプロトコルを採用しているサイトの場合、「このサイトは安全に接続できません」という表示になります。
この場合、サイバー攻撃などを受けやすくなってしまうため、不正アクセスしやすい状態となってしまいます。
プロトコルとは・・・コンピューターでデータをやり取りする際に定められている手順や規約、電気的規則や通信の送受信の手順などを定めた規格のことです。
④サイト側のSSLが古い
サイト側で利用しているSSLが「SSL2.0」だった場合でも、「このサイトは安全に接続されません」というメッセージが表示されます。
SSL2.0も旧バージョンのSSLとなるため、脆弱性が問題になってしまうのです。
こうしたサイトを利用したい場合、サイト側が新しいプロトコルやSSLにしてくれるのを待つしかありません。
SSLとは・・・インターネット上で電子データをやり取りする際、そのデータを暗号化してくれる技術です。これによりサーバーとブラウザでの通信を安全に保ちます。
safariでセキュリティ保護された接続を確立できませんと表示されたときの対処法
MacやiPhoneでSafariを使っていて、「セキュリティ保護された接続を確立できません」というエラー表示が表示された場合の対処法は、原因によって様々です。
サイト側の問題によってエラーが発生している場合は無理にアクセスしない方が安全です。
こちらの環境が原因である場合は、Wi-Fi環境やブラウザ設定を見直すことでアクセスできるようになるでしょう。
1.Safariの動作を確認する
「セキュリティ保護された接続を確立できません」のエラーが表示されたとき、まずはSafari自体の確認をしてみましょう。
他のページを開くなどして、Safariの動作に問題がないことを確かめます。
GoogleやXなどで”Safari 不具合”などで検索してみると、同様の症状が出ているユーザーがいる場合もあります。
2.Safariのキャッシュを削除する
2番目の方法は、Safariのキャッシュを削除することです。
キャッシュ削除は「セキュリティ保護された接続を確立できません」の対処法としても有効となります。
「キャッシュ」とは、過去に開いたことのあるWebページの情報を保存しているデータのことです。
キャッシュによってWebページが開くのが早くなりますが、溜まりすぎると逆に動きが遅くなります。
Safariのキャッシュの削除手順
- Safariの環境設定を開く
- プライバシータブを選択
- Webサイトデータを管理を開く
- キャッシュをすべて削除
ただしキャッシュを削除すると、保存されているパスワードも一緒に削除されてしまうので注意が必要です。
キャッシュ削除する前には、パスワードをメモなどに控えておくことをお勧めします。
3.ネット回線の状態を確認する
「セキュリティ保護された接続を確立できません」というエラーが表示されるのは、サイト側の問題だけではありません。
閲覧する側(自分)の通信環境によっても、このエラーが表示されることはあります。
SafariでWebページを開くときに、インターネットの通信環境が悪いと繋がりにくくなります。
Wi-Fiから4G/5G(4G/5GからWi-Fi)への切り替え時などにエラーが表示される場合、通信以外の通信環境で同様にWebページを起動させてみましょう。
Wi-Fiをオフ/オンにするだけでも改善される場合もあります。
4.サーバー上のトラブル
「セキュリティ保護された接続を確立できません」のエラーはWebページのサーバー側に問題がある場合でも表示されることがあります。
サーバー側の問題はユーザー側では対処できないので時間をおいて同じWebページにアクセスしてみましょう。
5.フリーのWi-Fiに接続する
フリーWi-Fiを使ってアクセスしているときにも「セキュリティ保護された接続を確立できません」のエラーが起こることがあります。
フリーWi-Fiは一般的に、セキュリティが脆弱であることが多いため、ブラウザが信頼できないと判断している可能性があります。
別のサイトにアクセスし、接続できない場合はフリーWi-Fiが原因となっている可能性が高いです。
6.入力したURLや日付・時刻のチェック
「セキュリティ保護された接続を確立できません」のエラーは、URLが間違っていることで表示されることがあります。
URLが間違っていないか確認をしましょう。
もしくは検索サイトで対象のサイトを検索し、Appleの公式サイトを開いて他のページが見られるか確認するのもおすすめです。
また
Macの場合、日付や時刻がエラーを起こしてしまうことで「セキュリティ保護された接続を確立できません」のエラーが表示されることがあります。
Macの日付と時刻は基本的には利用している地域に設定されていますが、再設定し直すことで改善する可能性があります。
Macの日付と時刻の再設定方法
- システム環境設定を開く
- 日付と時刻を選択
- 鍵マークをクリックして調整
7.別のDNSに変更する
ネットを繋ぐにはDNS(ドメインネームシステム)を利用しますが、「セキュリティ保護された接続を確立できません」のエラーが表示されたら、今使っているDNSではなく別のDNSに変更することで改善することがあります。
MacでのDNSの変更は以下の手順です。
MacのDNS変更方法
- システム環境設定を開く
- ネットワークを選択
- 詳細からDNSを変更
GoogleのパブリックDNSサーバーは、「8.8.4.4」もしくは「8.8.8.8」です。
8.セキュリティソフトの設定を変更する
セキュリティ設定を変更することで、現在アクセスできないサイトへアクセスできるようになることもあります。
Safariのセキュリティによって「セキュリティ保護された接続を確立できません」のエラーが表示されている場合、設定を変更すればアクセス可能です。
ただし、セキュリティ設定の変更はあまりおすすめできません。
ブラウザが「このサイトは問題がある」と判断しているからです。
アクセスをすることはできますが、ウィルス感染などの危険があることを頭に入れておきましょう。
9.キーチェーンを要求する
ブラウザでサイトを開くとき、通信内容が第三者に盗み見られたり改ざんされたりすることを防ぐために、SSL/TLSと呼ばれる暗号化技術を用います。
設定を手動で変更して、そのサイトの証明書を信頼させることは可能です。
証明書を信頼するには、Safari以外のブラウザを使用します。
他のブラウザでサイトを開き、URLの横にある鍵マークをクリックして証明書発行し、Spotlight検索にキーチェーンアクセスと入力すれば、証明書を信頼するように変更可能です。
ただし、この方法もリスクがあることは認識しておいてください。
10.IPv6を無効にする
IPv6の悪い影響で「セキュリティ保護された接続を確立できません」のエラーが出ることがあります。
IPv6を無効にすることでWebページを閲覧できる可能性がありますが、通信速度が低下しセキュリティリスクも高まります。
今後、IPv4からIPv6へ移行していくと思われますが、接続できない原因がIPv6にあるかどうか確認したらもとに戻しましょう。
IPv6を無効化する方法
- コントロールパネルを開く
- ネットワークと共有センターを選択
- ネットワーク接続の管理からネットワーク接続を右クリック
- プロパティを選択
- インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)の横のチェックを外す
11.VPN接続を利用する
「セキュリティ保護された接続を確立できません」のエラーが通常の回線で改善しない場合は、VPN接続を利用すると改善するかもしれません。
有料のVPN接続を契約すればセキュリティも高められるので、ここまで紹介した対処法を全て試しても改善がない場合は、導入を検討してもいいでしょう。
13.ブラウザの拡張機能の無効化と削除
ブラウザの拡張機能が原因となってエラー表示となる可能性もあります。
ブラウザの拡張機能が原因となっているかどうかは、シークレットモードを利用すれば確認可能です。
シークレットモードでWebページを見てエラー表示されない場合は、拡張機能が原因となっている確率が高いといえます。
拡張機能の無効化方法
- ブラウザの右上の拡張機能アイコン(雲のようなマーク)をクリック
- 拡張機能を管理を選択
- 一覧の中から無効化したい拡張機能をオフにする
拡張機能の削除方法
- ブラウザ右上の拡張機能アイコン(雲のようなマーク)をクリック
- 拡張機能を管理を選択
- 削除したい拡張機能の削除を選択
できれば、拡張機能を1つずつ無効化してみて、どれが影響しているのか確認すれば、該当する機能のみ無効化できます。
無効化してもエラー表示が変わらない場合は、拡張機能の削除も行ってみましょう。
【Safari】iPhoneでセキュリティを強化する方法
ではここからは、iPhoneでSafariのセキュリティを強化する為のおすすめの設定を紹介します。
1.コンテンツブロッカーを導入し有効化
Safariのセキュリティを強化するには、コンテンツブロッカーを導入して有効化するのが非常に簡単で有効です。
iPhoneにコンテンツブロッカーを導入するにはApp Storeでダウンロードが必要です。
ダウンロードしない場合、設定には表示されていませんが、下記の手順で有効化できます。
コンテンツブロッカーの有効化
- 設定を開く
- Safariをタップ
- コンテンツブロッカーを選択
- 利用する広告ブロックアプリのスイッチをオンにする
iPhoneのSafariにおすすめのコンテンツブロッカーは、「1 Blocker」や「Ad Block for Mobile」、「ノートンアドブロッカー」などです。
2.詐欺サイトの警告機能を有効化する
iPhoneのSafariにはフィッシングサイトなど怪しいサイトに対して警告を表示してくれる機能が備わっています。
宅配便業者などに偽ったフィッシングメールやメッセージが増加しているので、セキュリティ強化のために設定をおすすめします。
詐欺サイトの警告設定
- 設定を開く
- Safariを選択
- 詐欺Webサイトの警告をオンにする
3.JavaScriptの許可/不許可の設定をする
JavaScriptを許可することでメリットもありますが、悪意のあるプログラムも動作してしまうことがあります。メリットを優先するかリスクを優先するかは自身の基準で切り替えをしましょう。
設定方法は以下の手順です。
JapaScriptの許可・不許可設定
- 設定を開く
- メニューバーのSafariから設定をクリック
- セキュリティをクリック
- Webコンテンツ・JavaScriptを有効にするにチェックを入れる
4.デバイスからWebサイトの情報を削除
SafariにはアクセスしたWebサイトの情報が残っています。このキャッシュ機能によって同じサイトを開く時に高速で開くことができますが、悪意のあるWebサイトにアクセスした場合、そのデータも残ります。
またキャッシュが貯まると動きも遅くなります。
万が一怪しいサイトにアクセスしてしまった場合、Safariの履歴やCookieを削除しましょう。
ただ、Cookieを削除することで「サイトへのアクセス速度が遅くなる」というデメリットもあるので理解しておきましょう。
キャッシュの削除方法(Windows)
- 設定を開く
- Safariを選択
- 履歴とWebサイトデータを消去を選択
- 確認画面で履歴とデータの消去をクリック
キャッシュの削除方法(Mac)
- Safariのメニューを開く
- キャッシュを空にするをクリック
- 表示された画面の「空にする」ボタンをクリック
- Safariを再起動
【Safari】Macでセキュリティを強化する方法
では次に、MacでSafariのセキュリティを強化する為の設定方法の紹介です。
1.Javaなど関連機能をバージョンアップする
Safariのセキュリティを高めてもSafariに関連するJavaに脆弱性があるとSafariのセキュリティも下がります。
Flash Playerは2020年の年末でサービスが終了しているので、Falsh Playerを削除していない方は削除しましょう。
Javaのアップデート方法(Windows)
- プログラムをクリック
- Java(32ビット)を選択
- Javaコントロールパネルの更新タブをクリック
- 今すぐ更新を選択
Javaのアップデート方法(Mac)
- Finderをクリック
- アプリケーションを選択
- システム環境設定をクリック
- Javaアイコンを選択
- Javaコントロールパネルの更新タブをクリック
- 今すぐ更新を選択