海外の通販サイトで買物した場合、郵便局や運送会社の追跡システムで「国際交換局から発送」と表示されることがあります。本記事では、国際交換局の概要、その役割について解説します。荷物が届かないときの対処法や荷物の追跡事例、いつ届くのかについても説明します。
国際交換局とは?役割と所在
海外のECサイトで買い物をしたときには、商品は国際郵便などを使って届けられます。また、海外に小荷物などを贈るときにも国際郵便を利用します。
国際郵便では、自分の荷物がどのような状況であるかを荷物追跡サービスを使って調べることができます。この荷物追跡サービスを見ていると、「国際交換から発送」「国際交換局に到着」など、必ず、国際交換局という言葉を目にします。
国際交換局とはどんな役割を持つ機関で、どこにあるのでしょうか。以下で詳しく説明します。
国際交換局とは?
国際郵便では、荷物が国を越えて移動します。そこで、各国の出入り口に相当する郵便局が必要になります。国際交換局は、この国の出入り口に相当する郵便局なのです。
海外から荷物が届く場合を考えると、航空便あるい船便のいずれかになりますので、飛行場や港湾で、荷物は陸揚げされ、それぞれの所管の国際郵便局に送られます。
国際郵便局では、輸出入に関する税関手続きを受け、輸入に問題がないことの検査、税金の件さんなどが行われます。
手続きがとなって初めて、国際交換局から配送業者の手に荷物が渡るのです。
輸出の場合は、国際交換局で輸出して問題ないかのチェックに合格して初めて、国内から海外へ移送するための航空機や船などの運送業者に荷物が渡されるのです。
このように、国際郵便局では輸出入に関する大事な業務が行われています。
日本の国際交換局はどこ?
日本の国際交換局は、現在は、以下の6局となっています。
1 | 東京国際郵便局 | 東京都 江東区 | TEL:03-5565-3755 |
2 | 川崎東郵便局 | 神奈川県 川崎市 | TEL:044-270-5780 |
3 | 中部国際郵便局 | 愛知県 常滑市 | TEL:0569-38-1524 |
4 | 大阪国際郵便局 | 大阪府 泉南市 | TEL:072-455-1850 |
5 | 新福岡郵便局 | 福岡県 福岡市 | TEL:092-663-6260 |
6 | 那覇中央郵便局 | 沖縄県 那覇市 | TEL:098-854-8292 |
上記の6局のほか、博多郵便局、長崎中央郵便局、名古屋中央郵便局、神戸中央郵便局、札幌中央郵便局も、国際交換局の役割を持っていました。しかし、現在は、上記の6局に集約されています。
荷物が国内にある場合、国際郵便の荷物追跡サービスで、「国際交換局から発送」や「国際交換局に到着」と記載されている時、上記の6局のいずれかで、手続き中ということになります。
国際交換局が果たす役割とは?
国際交換局は、各国に荷物の出入り口ということを説明しました。つまり、海外から商品を購入したり、海外の友人などに荷物を送る場合は、必ず、国際交換局を経由して、日本に荷物が届いたり、日本から荷物が海外に発送されるのです。
シーンごとに、国際交換局の役割を説明します。
海外から日本に向けて荷物が発送される場合を考えてみましょう。この場合、荷物は、おおまかには、以下のルートをたどることになります。
発送元→発送元の国の国際交換局→輸送→日本の国際交換局→国内の配送業者→到着
上記のように、このルート内では、国際交換局は2回出てきます。
国際交換局から発送とは?その意味
「国際交換局から発送」は上記のルートでは2回表示されます。
国際交換局から発送その1:発送元の国の国際交換局から、日本向けの輸送業者に渡され、航空機や船で日本に発送される場合です。
国際交換局から発送その2:国内の国際交換局から、国内の配送業者に渡され、自宅に届けられる場合です。
後で具体例でも示すように、国際郵便の荷物追跡サービスで荷物の状況をチェックすると、上記のように、「国際交換局から発送」が2回と記載されているのを確認することが出います。
「国際交換局から発送」が2回以上表示される場合とは?
「国際交換局から発送」は、基本的には、2回、すなわち、発送元の国の国際交換局から発送された場合と、日本に到着後、日本の国際交換局から発送され場合に表示されます。
2回以上表示されるのは、搭載予定の航空便などの欠航や、何らかの事情で搭載予定のリスケが発生した場合です。このときは、際交換局に戻され再検査を行うのです。この場合でも、時間はかかりますが、しばらくすると、「国際交換局から発送」の状態に切り替わります。
国際交換局に到着とは?その意味
荷物追跡サービスの「国際交換局に到着」も、「国際交換局から発送」も基本的には2回表示されます。
国際交換局に到着その1:発送元からその国の国際交換局に荷物が到着した場合です。海外へ発送するための手続が始まります。
国際交換局に到着その2:海外から荷物が日本に到着し、国内の国際交換局で、通関の手続きが始まります。
「国際交換局に到着」というステータスの場合、日本国内に荷物は届いていますが、配送前です。基本的には、数日で「国際交換局から発送」に状態が切り替わるはずです。
国際交換局での荷物の扱いは各国の事情で異なる
国際交換局は、公的機関であり、各国のルールに従って運営されています。したがって、休日や祝日における業務実施有無、その国の検査方法などによって、国際交換局を通過するのに要する時間は異なっています。また、各国の航空便や船便などの状況によっても、変わってきます。
なお、荷物追跡サービスでチェックして「国際交換局から発送」にならない場合は、後で説明する「なかなか荷物が届かないこともある」とあわせて確認してみてください。
通関手続き中とは?
荷物追跡サービスで「国際交換局に到着」と表示された後に「通関手続き中」と表示されることがあります。
個人でも、会社でも、輸入や輸出を行う時には、国が定める輸出入通関手続きに合格し、必要な関税などを払うことが必要です。これを怠ると、密輸ということになり罰せられます。
「国際交換局に到着」した荷物は、税関で、この通関手続きを受けることになり、「通関手続き中」と表示されます。
税関では、通関手続きとして、輸出入者・荷物の内容などが適正かの確認がされ、関税や消費税などの支払いがなされます。これら検査に合格し、税関への関税などの納付が確認されると輸出入の許可が下りるのです。この許可が下りない間は「通関手続き中」のままです。
通関手続きに必要な日数
一般的には、日本では、通関の手続きが終了して、「通関手続き中」表示が出てから「国際交換局から発送」に表示が切り替わるのには、2~3日ほどかかります。
税関の営業時間は、平日は08:30~17:15です。深夜や早朝に荷物が届いても、その通関手続きは、営業時間外であれば基本的に行われません。また、土日祝などは通関手続きが行われない荷物の種類もあり、その場合は、その分届くのも遅れてしまいます。
24時間365日通関業務を行っている税関
基本的には、営業時間が平日の08:30~17:15ですが、成田空港尾、羽田空港、中部国際空港、関西国際空港、那覇空港の税関では、扱う荷物の量が多いため、24時間365日、通関業務を行っています。すなわち、荷物が土日祝日や、深夜早朝に届いても、通関手続きが行われます。
時間外手続きの届け出
24時間業務を行っていない税関であっても、「開庁時間外の事務の執行を求める届出書」を事前に提出すれば、営業時間外に通関手続きを行てもらえる可能性があります。
ただし、発送の種類によっては時間外手続きを行うと手数料がかかることがあるので、注意が必要です。国際郵便ではなく国際宅配業者のFedexやDHLには追加料金がかからないメニューもあるので、チェックしてみてください。
「通関手続き中」のまま「国際交換局から発送」に動かない場合
荷物の「通関手続き中」という表示が継続し、「国際交換局から発送」に動かない場合や、何回も「通関手続き中」が再表示される場合は、荷物自体に問題があり通関手続きが完了できない可能性があります。
「通関手続き中」のまま動かない原因を以下に説明します。問題があるようであれば、以下に示す原因のせいではないかを確認してみてください。
課税の対象なため
海外の通販サイトなどで個人が商品を購入した場合は、課税価格が10000円以下の場合は関税や消費税などの税金は免除され、通関手続きは一次検査で終了し、2~3時間程度で「国際交換局から発送」に切り替わります。
なお、課税価格とは、おおまかには、商品価格の60%のことです。つまり、購入価格が16000円以下であればよいのです。なお、お酒やたばこなど別途税金がかかる商品はこの対象外です。
課税対象の商品については、2回目の「通関手続き中」表示が表示され、税金の支払いを税関が確認するまでは、「通関手続き中」の表示が動かないまま継続します。
偽ブランド・コピー品なため
通関手続きで、荷物が偽ブランド品やコピー品の疑いがある場合は、二次検査に回されます。すなわち、「通関手続き中」が複数回表示されてしまいます。
そして、荷物追跡サービスには、「通知書発送済」「通関保留中」が表示され、税関から荷物の受取人に送られる書面に必要事項を記入して税関に返送することが必要です。
偽ブランド品やコピー品は、個人使用が目的で、商用目的でないことが税関に認められば検査合格となり、「通関手続き中」が動かない状態は解消します。
くれぐれも、偽ブランド品やコピー品にひっかからないように気をつけましょう。
インボイス書類に不備があるため
インボイス書類とは、荷物の発送元が作成する送り状のこと。商品の内容・数量、発送元・送り先の住所、その他税関手続きに必要な事項を記載されています。
このインボイス書類に不備があると、不備訂正が必要なため、「通関手続き中」が動かないまま複数回表示されることになります。
たとえば、商品の内容の記載や金額などの未記入や誤記などが典型的な例です。不備の内容によっては、発送元に確認が必要なため、検査に時間がかかり、荷物がスムーズに届かないこともあります。
国際交換局から発送されてから届くまでに日数の具体事例
荷物が届くまでの日数の目安
海外の通販サイトなどで商品を購入した場合、荷物が注文した人に届くまでの日数は、どこから発送されるかによって大きく異なります。
国内の国際交換局から発送の状態となってからは、2~3日で荷物が自宅に届くのが一般的です。
海外の注文先から日本の国際交換局に到着するまでの日数は、各国の状況などによってさまざまです。以下に、各国から発送された荷物が届く目安を具体例で紹介します。
中国から日本(国際書留郵便)
中国から和歌山県へ国際書留郵便で送付した場合の例を以下に示します。
国際書留郵便で年末に中国から和歌山に送られていますが、10日程度で届けられており、大きな遅れはない例です。川崎東便局では通関業務を含めて1日で処理が完了とスムーズに処理されています。交換局の神奈川から和歌山の郵便局に配送され、そこから注文した人に届けられています。
中国から日本の場合は約5~10日間で到着するようです。
日時 | 場所 | ステータス | 郵便局名 |
12/21 | CHINA | <引受> | |
12/22 | CHINA | <国際交換局から発送> | GUANGZHOU(広州) |
12/29 | 神奈川県 | <国際交換局に到着> | 川崎東郵便局 |
12/29 | 神奈川県 | <通関手続中> | 川崎東郵便局 |
12/30 | 神奈川県 | <国際交換局から発送> | 川崎東郵便局 |
12/31 | 和歌山県 | <到着> | 岩出郵便局 |
12/31 | 和歌山 | <お届け済み> | 岩出郵便局 |
中国から日本(EMS便)
中国から京都へEMS便で送付した場合の例を以下に示します。
EMS便なので中国から関西国際空港に空輸され、大阪国際郵便局で通関業務までが完了しています。大阪国際郵便局では通関業務を含めて1日で処理が完了とスムーズに処理されています。交換局での大阪から京都の郵便局に発送され、そこから注文した人に届けられています。
中国から日本の場合は約5~10日間で到着するようです。EMS便は国際書留郵便よりの配送日数は少なくて済みます。
日時 | 場所 | ステータス | 郵便局名 |
01/06 | CHINA | <引受> | |
01/06 | CHINA | <国際交換局から発送> | FUZHOU(福州) EMS |
01/10 | 大阪府 | <国際交換局に到着> | 大阪国際郵便局 |
01/10 | 大阪府 | <通関手続中> | 大阪国際郵便局 |
01/11 | 大阪府 | <国際交換局から発送> | 大阪国際郵便局 |
01/11 | 京都府 | <到着> | 東山郵便局 |
01/11 | 京都府 | <お届け済み> | 東山郵便局 |
台湾から日本
台湾の国際交換局から7月31日に発送された荷物は、日本に空路などで届きます。目安では3日間、8月3日に日本の国際交換局(川崎東郵便局)に到着。通関手続きに1日かかり、8月5日に国際交換局から発送されます。翌日、届け先に到着しました。台湾から日本の場合は約5~10日間で到着します。
日時 | 場所 | ステータス | 郵便局名 |
07/31 | TAIWAN | <国際交換局から発送> | TAIPEI INT |
08/03 | 神奈川県 | <国際交換局に到着> | 川崎東郵便局 |
08/04 | 神奈川県 | <通関手続中> | 川崎東郵便局 |
08/05 | 神奈川県 | <国際交換局から発送> | 川崎東郵便局 |
08/05 | 千葉県 | <到着> | 流山郵便局 |
08/06 | 千葉県 | <お届け済み> | 流山郵便局 |
韓国から日本
韓国のソウルの国際交換局から3月8日に発送された荷物は、日本に空路などで届けられます。その目安は2日間程度、3月10日に日本の国際交換局である川崎東郵便局に到着です。通関手続きを完了して、3月11日には国際交換局から発送されています。2日後に届け先に配達完了です。韓国から日本の場合は約5~10日間で到着します。
日時 | 場所 | ステータス | 郵便局名 |
03/07 | KOREA REP | 引受> | |
03/08 | KOREA REP | 国際交換局から発送> | SEOUL IPO |
03/10 | 神奈川県 | 国際交換局に到着> | 川崎東郵便局 |
03/10 | 神奈川県 | 通関手続中> | 川崎東郵便局 |
03/11 | 神奈川県 | 国際交換局から発送> | 川崎東郵便局 |
03/12 | 大阪府 | 到着> | 淀川郵便局 |
03/13 | 大阪府 | お届け済み> | 淀川郵便局 |
アメリカから日本
アメリカの国際交換局から6月25日に国際小包一般で発送された荷物は、日本に空路などで届けられます。目安では2日間、6月27日に日本の国際交換局に到着。通関手続きを経て、6月28日に国際交換局から発送されます。翌日、大阪府内の届け先に配達されました。アメリカから日本の場合は約5~10日間で到着します。
日時 | 場所 | ステータス | 郵便局名 |
06/25 | USA | <引受> | |
06/25 | USA | <国際交換局から発送> | USSFOA |
06/27 | 大阪府 | <国際交換局に到着> | 大阪国際郵便局 |
06/28 | 大阪府 | <通関手続中> | 大阪国際郵便局 |
06/28 | 大阪府 | <国際交換局から発送> | 大阪国際郵便局 |
06/28 | 大阪府 | <到着> | 大阪北郵便局 |
06/29 | 大阪府 | <お届け済み> | 大阪北郵便局 |
【まとめ】
今回は海外から届く荷物の状況を荷物追跡サービスで表示される「国際交換局」について、その役割や場所などについて解説しました。あわせて、表示される「通関手続き中」、届くのに時間がかかる場合の対処法、荷物がいつ届くかの具体例についても解説しました。海外サイトでの買い物などに参考にしてください。