エクシブとは富裕層に人気の会員制リゾートホテルであり、リゾートトラスト社が販売を担っている会員権のことを指します。
エクシブ会員権を購入することができる富裕層というと、日本では概ね年収2000万円以上を指す場合が多いと言えます。
エクシブ会員権の購入では資格審査があり、その基準については非公開です。
本記事ではエクシブ会員権の仕組みやグレード、その費用と売買のされ方などを紹介していきます。
目次
エクシブ会員権とは?エクシブ会員になるには!
(画像出典:グランドエクシブ那須白河)
エクシブとは、リゾートトラスト株式会社が管理・販売を担う、会員制のリゾートホテルの冠名称です。
エクシブ会員権を購入しエクシブ会員になれば、箱根・軽井沢・有馬などの高級リゾートの多数の施設を別荘感覚で利用できるようになっています。
またエクシブでは会員本人および、その紹介者のみが(非会員でも可能)、その高級リゾート地を利用できるの点に特徴があります。
一般にリゾート地へ別荘やマンションを所有して、優雅にバケーションを楽しめるだけの年収を得ることは、多くの人にとっては夢の夢かもしれません。
それ以上に別荘やリゾートマンションの所有では、利用頻度が少ない割に、建物の維持管理費用が嵩んでしまう点は問題点にもなるでしょう。
高級リゾート地をシェアする富裕層向けのプラン
そこで生まれたのが、高年収を活かしてリゾート施設を共同所有し、決まった期間を自分だけで利用するというリゾート・タイムシェアリング・システムという仕組みです。
高級スポーツカーを定期的に乗り換える、富裕層向けに開発された「サブスク」と似たところがあり、その会員は必然的に富裕層に限られてきます。
エクシブ会員権は、高級リゾート地を独占的に利用するための会員制として、高年収の層に人気が高い会員権となっています。
本記事ではエクシブ会員の仕組みについて、また費用はどのくらいかかるか、などについて詳しく説明します。
リゾートトラストの【エクシブ会員権】の仕組み
(画像出典:エクシブ山中湖)
ではリゾートトラストが販売する、【エクシブ会員権】の仕組みとはどんなものでしょうか。
エクシブ会員権を持つ人(あるいは法人)は、それぞれが施設(ホテル)を、時期(シーズン)ごとにシェアしあう形式で利用します。
論理的な共同所有の仕方を構成していますので、以下にその詳細を紹介しましょう。
1室を14人で共同所有する「タイムシェアリング・システム」
エクシブ会員権では、1室を14人で共有するという「タイムシェアリング・システム」が採用されています。
そもそも、エクシブという言葉は「14」を意味する、ローマ数字の「XIV」にちなんでつけられているのです。
なお、より会員になりやすいように、以下のような会員権もあります。
およそ半分の権利の会員ランクもある
エクシブ会員権になる、購入するためには、後述するようにかなりの高額を要します。
このため、お買い求めのしやすい「エクシブバージョンZ」という会員ランクが設けてあります。
このランクの場合のみシェアの方式は、1室を28名で共有し、年間13日の占有権を有するものと定められています。
これは通常のエクシブ会員権での権利の、ちょうど半分に該当し、会員権になるための費用もほぼ半分程度に抑えられています。
季節や休日などによるシーズンランクについて
エクシブ会員は、施設を共同所有するわけですから、部屋を使う日があらかじめ割り当てられています。
つまり、365日の1/14にあたる26日に限り、独占的に部屋を使うことができるのです。
各所有者には、26日があらかじめ割り当てられます。
そして夏休みや土日祝日など、利用希望の多い日を公平に割り当てるために、毎年ローテーションを組んで不公平感のないように配慮されます。
そしてそのローテーションもまた、14年で一巡するように構成されているのです。
ローテーションを作成するため、1年は以下に示す4つのシーズンに分類され、各シーズン内の日数が公平に行きわたるようにスケジューリングされます。
ゴールド・シーズン
ゴールド・シーズンとは、最も宿泊ニーズが高く、一般的に宿泊価格が最も高騰するシーズンを割り当てます。
それらは、年末年始・ゴールデンウィーク・夏休み、など世間的には長期休暇が最も多くなる期間を、ゴールド・シーズンと定められます。
レッド・シーズン
ゴールド・シーズンを除いて、その次に宿泊ニーズと宿泊価格相場が高くなる、土曜日や祝前日などをレッド・シーズンと決められます。
ホワイト・シーズン
ゴールド・シーズン、レッド・シーズン以外での、金曜日・日曜日、祝前日、春休み・冬休みなど、ホワイト・シーズンとして分類します。
ブルー・シーズン
上記以外の、主に平日で比較的混みあわない時期についてを、ブルー・シーズンと呼びます。
全国20以上のリゾートトラストのホテルの利用が可能!
エクシブ会員権は箱根・軽井沢・有馬などのリゾート地で運営されている、全国20以上の施設の、いずれか1つの施設の「オーナー」になることを意味します。
エクシブ会員権のオーナーの権利は1施設を対象としますが、全国20以上施設のすべてが利用可能となります。
その利用方法は、以下に述べる「スペースバンクシステム」で運用されています。
スペースバンクシステムについて
エクシブ会員には、オーナーとなった施設の占有日が、26日割り当てられます。
この26日のうちで、実際には利用しない日を「スペースバンク」に預け入れします。
そしてスペースバンクに預け入れらている、他のオーナーの占有日と、「交換」することができるようにしています。
スペースバンクには、エクシブリゾート20以上の施設のオーナーのほか、リゾートトラストの会員制リゾートホテルの「ベイコート倶楽部」のオーナーも預け入れが行われます。
さらには、リゾートトラストのRTCCサービス利用により、海外のリゾート施設も利用可能となっています。
しかしこれらについて、無条件で他の施設をいつでも利用できるというわけではなく、利用には予め制約が設けられていることに注意してください。
4つのグレート
会員制リゾートホテルであるエクシブでは、各施設に様々なタイプの部屋(間取など)が用意されていますが、それらの部屋もグレード分けされています。
エクシブ会員権を購入する場合には、施設と合わせて、施設の部屋に設定されたグレードを指定して購入することになります。
所有しているグレードと同等、もしくは下位のグレードの部屋であれば、他の施設も含めて利用可能という仕組みです。
2010年を境にグレード区分名が異なる
施設についてのグレードは4階層となっていますが、2010年以前建造の施設と、2010年以降の建造の新しい施設ではそのグレード区分名が異なります。
2010年以前オープンの施設のグレードは、A(スタンダード)・C(ラージ)・E(スイート)・S(スーパースイート/サンクチュアリ・ヴィラ)となっています。
2010年以降オープンの施設のグレードでは、CB、EC、SE、Sの4区分です。
新グレードのCBが、旧グレード「Aの1ランク」上のランク、と考えると対応がわかりやすいでしょう。
価格・年会費
エクシブ会員権の価格は一律ではなく、購入対象の施設がどこか、その部屋のグレードタイプは何かによって異なります。
また分譲マンションなどとも似たように、権利のための購入費用とは別に、運営管理費のための年会費を毎年支払う必要があることに注意しましょう。
例として、現在はすでに「完売」となっている物件ですが、「エクシブ鳥羽別邸」(2016年3月開業)の場合での価格を以下に示します。
客室 | エクシブ (年間26泊) | エクシブバージョンZ (年間13泊) |
S | 36,626,158円 運営管理費(年)279,400円 | 19,413,079円 運営管理費(年)149,600円 |
SE | 26,981,235円 運営管理費(年)233,200円 | 14,288,117円 運営管理費(年)126,500円 |
CB | 11,141,610円 運営管理費(年)145,200円 | 5,900,805円 運営管理費(年)82,500円 |
この例にある費用からも、エクシブ会員権を購入できる人とは、かなりの年収を得ている必要があることがわかります。