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QRコードの読み取りを音でナビゲート!「VIPコードリーダー」を紹介

2021年5月19日

多くの情報を少ない面積に収めることができるQRコード。しかし視覚障害者のQRコードの利用にはまだまだシステムが追いついていない部分があります。このような課題を解決しようと開発されたのが、QRコードの読み取りを音でナビゲートする「VIPコードリーダー」です。

「VIP コードリーダー」とは??

「VIPコードリーダー」は視覚障害がある方々の利用に特化したQRコードリーダーのアプリです。例え全盲の方であってもQRコードの読取りがスムーズに行われるように、視覚では無く音でナビゲートが出来るように設計されています。

アプリは、現在7つの言語で提供されており、世界中の視覚に障害があるユーザーが利用できます。実際に使用したユーザーの声も日本だけでなく世界から届いています。例えば国内の視覚障害者支援団体の方々からは、「他人に頼らなくても情報が読める(聞ける)のは、自立につながるので非常にありがたい」という声が届いています。また、ブラジルのユーザーからは、「電気や水道料金のお知らせ等に利用してもらうため、政府に働きかけたい」という話もありました。

「VIPコードリーダー」開発のきっかけ

開発元のエクスポート・ジャパンさんが視覚障がい者の独立支援を行うNPO法人の神戸ライトハウスから相談を受けた事がきっかけでした。元々関係会社で、QR Translatorという多言語音声対応のQRコード発行サービスを展開していたのですが、その機能を利用して、視覚障害がある方々向けに、音声による情報提供が出来ないかという相談でした。それをきっかけに、視覚障害をお持ちの方々のスマホやQRコード利用に関するヒアリングを実施する中で、スマートフォンを自由に使いこなせる視覚障がい者が多くいらっしゃって、中にはQRコードを利用されている方もいらっしゃること知ったようです。ただ、市販のQRコードリーダーは主に健常者を対象としていて、視覚障がい者にとって必ずしも使い勝手がいいものではありませんでした。そのタイミングで、国の機関である新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に事業としての申請を行い、それが認可された為、本アプリの開発とより詳細な視覚障がい者によるQRコード利用の実態調査を行うに至ったそうです。

「VIPコードリーダー」のこれから

VIPコードリーダーは、あくまで情報取得のツールですので、逆に情報提供サイドが、どうやって必要な情報を視覚障害がある方々にも取得可能な形で提供するか、が問われています。その為のサービスとして、開発元のエクスポート・ジャパンさんはAccessible Code【https://www.export-japan.co.jp/solution/accessible-code/】というQRコードの新しい仕様を提唱しています。視覚障害がある方々へのアンケート結果では、食品や医薬品など実際に口にする製品の情報が(購入後に)分からなくなってしまう事が大きな課題であるという事が分かっており、そういった製品にAccessible Code(アクセシブルコード)が多く印刷されるようになると、視覚障害者の生活利便性が向上するのではないかと期待されています。

まとめ

QRコードの読み取りを音でナビゲートしてくれるアプリ「VIPコードリーダー」を紹介しました。Accessible Codeといった新しい情報提供の仕組みへの試みも含めて、視覚障害のある方にもきちんと情報が届く社会づくりを支援したいと思います。