iPhoneでウイルス対策のためのセキュリティアプリを使っているでしょうか。実はiPhoneはセキュリティ対策がかなり充実していますが、それでもウイルスに感染するリスクは存在。今回の記事ではiPhoneのウイルス対策方法について解説していきます。
iPhoneがセキュリティ対策に強い理由
もともとiPhoneには万全なウイルス対策が備わっています。主に3つの仕組みを利用することで専用のウイルス対策アプリがなくても、iPhoneの端末を守るセキュリティが存在。1つずつ紹介していきます。
強い理由①iOSの機能
iPhoneの基本的なソフトウェアにはiOSが使われています。このiOSがウイルス自体に強いといわれ、ひとたび怪しい挙動をおこなうと制限をかけてくれるなどの対策が標準装備。インターネットの閲覧時にも怪しいサイトにアクセスする際は、警告が出るようになっています。
さらにiPhoneのユーザーはiOSに管理者権限を持つことができません。そのため例えウイルスアプリが侵入したとしても、iOS自体や他のアプリを不正に動かすことが難しくなっています。
強い理由②アプリの活動を制限
iPhoneのアプリの活動は最初から制限されています。アプリ同士が分離しているために、他のアプリにアクセスすることができないようになっています。
もしどれか1つのアプリがウイルスに感染したとしても、そのウイルスの影響がiPhone上の他のアプリにいきません。たとえウイルス対策のアプリをiPhoneに入れたとしても、そのアプリも他のアプリに干渉することはできないのです。
強い理由③App Storeの厳正なる審査
iPhoneのアプリはすべて「App Store」を経由してインストールできるようになっています。このStoreにアプリを掲載するためにはApple社に申請して、かなり厳しい検査を受ける必要があります。審査時にウイルス対策やセキュリティ面も考慮されているので、ウイルスに感染しているアプリをインストールする機会はほとんどないです。
そのためAndroidではアプリが使えても、iPhoneでは利用することができないことが。iPhoneでのウイルス対策として、最初から怪しいアプリをインストールできないように仕組みができています。
iPhoneにウイルスが感染した時の症状
iPhoneがウイルス対策に強いからといって、必ずしもウイルスに感染しないわけではありません。厳重なセキュリティを突破してウイルスに感染してしまう可能性も。ここではウイルス感染時の代表的な症状を6つ紹介します。
ウイルス感染時の症状①動作が遅くなる
iPhoneにウイルスが入るとiPhoneの動作が遅くなることがあります。ウイルスが勝手に動き続けることで容量が使われることが関係しています。
単純な容量不足や端末の問題ということも考えられるので、まずは容量の見直しなどをしてみましょう。
ウイルス感染時の症状②勝手に再起動される
iPhoneがウイルスに感染していると、再起動がされることがあります。これは遠隔で操作されることや、不正な通信が原因で起こります。
端末自体の不具合や、アプリの不具合という可能性も否定はできません。再起動が一時的なものでなく頻繁に繰り返されるようであれば、ウイルスの感染を疑いましょう。
ウイルス感染時の症状③身に覚えのない通信がある
iPhoneの通信料が異常に増加しているとき、ウイルスの感染を疑いましょう。今は通信料などもすぐに調べられるので、利用していないのに通信料が増加していたらセキュリティを見直しましょう。
ウイルス感染時の症状④身に覚えのない支払いがある
毎月のスマホの請求金額が増えていることはないでしょうか。ウイルスに感染すると不正な通信により通信料が増加し、支払金額が増加することがあります。
また利用料金がかかるサービスにアクセスするタイプのものがあり、通信データが増えなくても請求金額が増え宇\るケースもあります。
ウイルス感染時の症状⑤アプリが強制停止される
iPhoneのアプリが操作中に強制停止することはありませんか。特定のアプリが何度も停止するようであれば、何らかのウイルスに感染している可能性があります。
アプリ自体の問題ということもあるので、同様の症状が他のユーザーにも発生していないか調べてみましょう。
ウイルス感染時の症状⑥バッテリーの消耗が早くなる
ウイルスに感染した場合ウイルスが目に見えないところで活動しています。iPhoneがその処理に動いているため、バッテリーの消耗も早くなる可能性があります。
iPhoneでウイルス対策する方法
iPhoneはウイルス対策がもともと強くセキュリティも万全ですが、設定次第ではウイルスに感染する隙を与えてしまいます。iPhoneの設定自体では今すぐセキュリティを強化することも可能なので、いくつかのウイルス対策方法をお伝えしていきます。
iPhoneのウイルス対策方法①OSを最新にする
最初のウイルス対策はiOSを最新の状態にアップデートすることです。これまでもiOSのセキュリティ上の不具合を利用してウイルスに感染させた事例も見つかっています。
セキュリティ上の穴をついてくる人はいますので、不具合が見つけられるたびにiOSも対策を施しアップデートされています。常にiPhoneを最新の状態にすることでセキュリティを強化しておきましょう。
ただしiOSがアップデートされることにより、一時的にアプリが使えなくなることもあります。日常的に使っているアプリが新しいバージョンのiOSでも動作するのか、確認をとってからアップデートするのが安心です。
iPhoneのウイルス対策方法②アプリを最新にする
アプリを常に最新版に保つのも重要なことです。アプリは頻繁にアップデートが繰り返されますが、それは機能面の充実によるものだけではありません。細かな不具合に対するアップデートやウイルス対策のためのアップデートも施されるので、アプリも常にアップデートするようにしましょう。
iPhoneの設定には自動でアプリをアップデートする機能も搭載されています。アップデートすることを忘れがちな方はその機能も活用してみましょう。
iPhoneのウイルス対策方法③不正なアプリを入手しない
iPhoneがウイルス感染することが少ない理由として、アプリには厳しい審査があります。ウイルス対策やセキュリティ面を十分に調べられたうえで、「App Store」でのみアプリの入手が可能になっています。
ただその審査を乗り越える不正なアプリは絶対にないとは言い切れません。アプリ名や開発元などに悪い口コミなどがないか確認するといいでしょう。
また「App Store」以外ではアプリを入手しないようにします。審査を通過していないアプリなので不正なアプリの可能性が高いです。インストールするアプリは必ず「App Store」を経由しましょう。
iPhoneのウイルス対策方法④Safariのセキュリティを見直す
SafariはiOSを基本ソフトウェアにしているiPhoneでは標準的に使われるWebブラウザ。他のブラウザを利用していインターネットを閲覧している方もいるかと思いますが、ここではSafariのウイルス対策についても5つ紹介します。
この項目はiPhoneホーム画面から「設定」をタップし、「Safari」をタップすることで設定画面に移行。その中の「プライバシーとセキュリティ」の項目を解説していきます。
Safariのセキュリティ設定①トラッキング
Safariのセキュリティの「サイト越えトラッキングを防ぐ」という機能をつけることで、トラッキングを防ぐことはできます。トラッキングとはデジタル上で追跡をおこなう行為のこと。
インターネットを閲覧する時に閲覧履歴や購入履歴は、知らないうちにトラッキングをされています。これにより自分に合わせた広告の表示などがされる仕組みになっているのです。セキュリティを強化するためにもこの設定をつけておきましょう。
Safariのセキュリティ設定②IPアドレスの非公開
IPアドレスというのは自分自身のオンライン上の住所のようなもの。このIPアドレスはインターネットを閲覧する時に、そのサイトに基本的には認識されてしまいます。その情報を元に地域を絞った広告などをSafari使用時に表示されます。
この設定をオンにすることで、トラッキングをしてくるサイトから端末が守られます。IPアドレスがわかることですぐにウイルスに感染するということはありませんが、トラッキング対策としては非常に有効です。
Safariのセキュリティ設定③Cookie
Cookieは閲覧履歴やIDパスワードなどのログイン情報を残す仕組みのこと。このCookieがあるので毎回ログインをしなくても、便利にインターネットを使うことができます。
セキュリティ上ではiPhoneを紛失した際には、他者にログインされないようになるのでブロックすることは有効。ただウイルス対策などで詐欺サイトの閲覧などにはあまり関係しない機能です。
Safariのセキュリティ設定④詐欺サイトの警告
この機能はウイルス対策や個人情報保護の観点から、設定したほうがいい機能。Safariでフィッシングサイトと思われるサイトを閲覧する時に、自動で警告を表示してくれます。
フィッシングサイトとはユーザー名やパスワード、クレジットカード情報などを盗もうとするサイトのこと。そういったフィッシングサイトにアクセスすることでウイルスに感染するリスクもあります。
iPhoneのセキュリティはかなり強いのですが、こういったフィッシングサイトを経由して個人情報を盗まれたりウイルスに感染するケースは多いです。こちらの設定はつけておくのがいいでしょう。
Safariのセキュリティ設定⑤Apple Pay
これを設定すると閲覧したサイトにApple Payの有無を確認することを許可します。セキュリティ上不安があれば、この設定をオフにすることをおすすめです。
iPhoneのウイルス対策方法⑤アカウントのセキュリティ管理をする
iPhoneで多くある被害としてはApple IDを活用した不正アクセスがあります。Apple IDの連携は便利なので利用している方は多いかと思いますが、二段階認証を有効にしておきましょう。
二段階認証というのはログイン時にIDとパスワード以外に、電話番号やメールアドレスなどに送られる認証コードが必要になります。これをすることで本人以外がログインするのが難しくなるので、積極的に活用しましょう。
iPhoneのウイルス対策方法⑥怪しいリンクを開かない
iPhoneのウイルス感染やセキュリティ上の問題で被害が多いのが、怪しいリンクを開いてしまうことで起きています。
例えばメールなどでリンクをクリックすることを促すものがよくあります。さらに大手の企業に似せた形でリンクをクリックさせ、IDやパスワードを盗むなどといった手法も多く用いられています。
メールだけでなくSNSや広告などからもフィッシングサイトにつながる可能性がありますので、徹底して怪しいリンクを開かないようにしましょう。
iPhoneのウイルス対策方法⑦Air Dropを解除する
iPhoneにはAir Dropの機能があります。Air Dropをオンにすることで写真などのファイルを手軽に周囲の人に送信することが可能。これをすべての人に許可していると、ウイルスに感染したファイルなどが送信されてしまう可能性があります。
Air Dropの設定は連絡先に登録している人のみに設定することもできます。もしくは使うタイミングだけAir Dropをオンにするなどして、ウイルス対策をしましょう。
iPhoneのウイルス対策方法⑧フリーWi-Fiを使用しない
フリーWi-Fiを外で活用している人も多いでしょう。フリーWi-Fiの同じポイントに接続しているiPhoneなどの端末は、すべて同じLANの中にあるのでリスクが高くなります。
信頼するアクセスポイントを使うことや、自分の持つモバイルWi-Fiを利用するなどしてセキュリティ対策を行いましょう。
iPhoneのセキュリティアプリについて
iPhoneのセキュリティ対策はもともと強く、設定によってさらにウイルス対策をすることは可能です。ではiPhoneに追加でセキュリティアプリを入れる必要はあるのでしょうか。
実はiPhoneの設定だけでは防げない詐欺などもたくさん存在します。特にフィッシングサイトによる詐欺や怪しいリンクをクリックしたために起きる詐欺は、たくさん起こっています。そこに誤って個人情報やパスワードを入力してしまうと、iPhoneでもさすがに防ぐことはできません。
それらを防ぐためにはウイルス対策アプリも非常に効果的。ここからはiPhoneでも役立つセキュリティアプリをいつ靴ご紹介します。
iPhoneのセキュリティアプリ①ウイルスバスター モバイル
まずはトレンドマイクロ社が提供しているウイルスバスター モバイルをご紹介。
Webサイトの安全性を判定したうえで、不正Webサイトへのアクセスをブロックしてくれます。またQRコードスキャン時のWebサイトの安全性もチェック可能。SNSのプライバシー設定もすることができ、Wi-Fiの安全性チェック機能もついています。
2021年の国内セキュリティアプリ年間ダウンロード数では1位を記録。第3者機関による評価ももらっていて信頼性が高いアプリです。
iPhoneのセキュリティアプリ②ノートン モバイル セキュリティ
次にノートン モバイル セキュリティのiOS版について紹介していきます。
先ほどと同様にWi-Fiのセキュリティチェックや悪質なWebサイトを検出する機能がついています。またiOS自体に脆弱性が認められた状態では通知が来るので、端末を保護するための対策をとることができます。
ショートメッセージなどによる不正なリンクなども検知して、ウイルスに感染するリスクを低下させてくれます。
iPhoneのセキュリティアプリ③McAfee Security
McAfee Securityのモバイル向けについてご紹介します。
不正なリンクやWebサイトなどのフィッシング詐欺を防ぎ、Webサイト閲覧時のウイルス感染のリスクを低下させます。また不正なアプリや怪しい侵入者がiPhone上に入った場合、リアルタイムでブロック。Wi-Fiの接続ももちろん保護してくれます。
iPhoneのセキュリティアプリ④カスペルスキー インターネット セキュリティ
他のウイルス対策アプリ同様、危険なWebサイトを判別することができます。フィッシングサイトなどの危険なサイトにアクセスするときに、接続をブロック。Wi-Fiの安全性も診断できます。
さらにインターネットで利用しているメールアドレスなどをあらかじめ登録することで、アカウントの不正流出を調べてくれます。アカウントが不正流出している可能性がある場合は、そのWebサイトの一覧を表示します。
まとめ
ここまでiPhoneのウイルス対策についてご紹介しました。iPhoneはもともとApple社のセキュリティが強く、ウイルスが感染しないような対策がいくつもされています。そこに加えてiPhone自体の設定を見直すことで、さらにセキュリティを強化することも可能。
それでもフィッシングサイトなどによる詐欺や個人情報流出は起こっています。不用意なリンクをクリックしないことが一番ですが、誤って押してしまうことなどもあるでしょう。そういったセキュリティ上のリスクを最小限にするためにも、必要であればセキュリティアプリを導入することも検討してみてください。
またウイルスが感染したと疑われるときは専門の機関に依頼するか、端末の劣化等が関係していないか調べてみるのもいいでしょう。