iPhoneのイコライザの設定においては、いくつか注意すべき点があります。注意事項をご紹介しますので、「知らなかった!」がないように事前に確認しておいてください。
目次
細かい設定が出来ない
iPhoneに標準で備わっているイコライザは21種類ありますが、21種類の項目の設定を超えた細かい変更はできない仕様となっています。音楽のジャンルや聴くときの環境に合わせて21種類の中からイコライザを選択して、変更することで最適な設定ができますが、さらに周波数を好みの設定に変更するなどといったことはできません。標準の選択肢を超えた設定がしたい場合は、別途イコライザアプリをインストールする必要があります。
iTunesのイコライザ設定は出来ない
iTunesでのイコライザ設定については、iPhoneのイコライザ設定よりももっと細かく設定ができる仕様になっています。iTunesでのイコライザ設定では、周波数まで細かく設定する事ができる機能があり、すべての楽曲に対して、すべての音域の質を向上させる「Perfect」や、聴き心地の良さを抜群に向上させる「Eargasm Explosion」というイコライザの設定があります。
このような高性能なiTunesでのイコライザ設定をiPhoneにも同期して反映させたいと思っている人は多いのですが、現時点では同期はできない状況です。
ミュージックの中の曲にしかイコライザが機能しない
iPhoneのイコライザ設定は、標準でiPhoneに備わっている「ミュージック」アプリでは機能しますが、そのほかのアプリではこのイコライザの設定は反映されない仕様になっています。
標準のミュージックアプリに入れている音楽を聴くときはもちろんイコライザで設定した内容が機能しますが、そのほかのアプリで音楽を聴きたいときは、別途イコライザ設定アプリを活用する必要があります。
iPhoneのイコライザ設定方法
iPhoneのイコライザの設定は、以下の設定の手順の通り進めていただければ簡単に行えます。手順も複雑ではないので覚えてしまいましょう。
1.iPhoneの設定アプリをタップして起動させる
2.画面をスクロールし、「ミュージック」をタップ
3.ミュージックに関連する設定の一覧の中から「イコライザ」をタップ
4.イコライザの中から好きな設定をタップして選択
以上が、設定の手順です。
イコライザは、初期設定の状態は、「オフ」になっています。そのため、好みの音質に変更するには「設定」からイコライザを変更する必要があります。
イコライザの選択画面を見てわかる通り、複数のプリセットがあります。これらは全部で21種類用意されているため、あなたの好みの音楽のジャンルに合った、ベストなイコライザを設定することができます。
しかし、プリセットの中から選択するだけでも自分好みの音質にできますが、もっとこだわりたい方向けに、別途さらに細かい設定を行うことも可能です。
iPhoneのイコライザおすすめ設定!重低音など音のタイプ別に解説!
iPhoneのイコライ選択肢の中には、音楽のジャンルがそのまま表記されているものがあります。ジャンルがそのまま表記されているものに関しては、聞いている音楽のジャンルと同じものを選択することをオススメします。(例えば、HIPHOPを聞いているときは「ヒップホップ」を選択)
ただし、気分によってイコライザを意識的に変更することで、聴き慣れた音楽をいつもとは違う雰囲気で楽しむこともできます。
iPhoneのイコライ選択肢とその特徴について以下の通りまとめました。
イコライザ設定 | 音質、特徴 |
Late Night | 低音を抑えた丸みがある音質。寝る前やウトウトしているときに最適 |
R &B | 低音が強調された音質。R &Bミュージックを聴くときに最適 |
Small Speakers | 重低音が強調された音質。小型スピーカーの弱点をカバーしてくれる |
Spoken Word | 声が聞き取りやすい音質。トークコンテンツを聴くときなどに最適 |
Treble Booster | 高音域が強調された音質。70〜80年代のカーステレオから流れてくる音質といったイメージ |
Treble Reducer | 高音を抑えて、低音と中音が強調された音質。カナル型イヤホンを利用する際に最適 |
Vocal Booster | ボーカルの声が強調された音質。ボーカルの声に注目して聴きたいときに最適 |
アコースティック | 低音と高音が強調された音質。アコースティック楽器を使った音楽を聴くときに最適 |
エレクトロニック | 高音が強調された音質。電子音楽を聴くときに最適 |
クラシック | おとなしい印象の音質。クラシック音楽を聴くときに最適 |
ジャズ | それぞれの楽器を強調する印象の音質。ジャズを聴くときに最適 |
ダンス | 低音・中音を強調した音質。ダンス音楽を聴くときに最適 |
ディープ | かなり重たい印象の音質。ディープ音楽を聴くときに最適 |
ピアノ | ピアノの音色を整えた音質。ピアノを中心とした音楽を聴くときに最適 |
ヒップホップ | 低音と中音と高音のそれぞれが強調された音質。ヒップホップを聴くときに最適 |
フラット | 低音、中音、高音すべて0dBという音質設定。高級なスピーカーやヘッドホンで、そのままの音を聴くときに最適 |
ポップ | 中音が強調された音。ボーカルの声がよく聴こえるため、ポップスを聴くときに最適 |
ラウドネス | 低音と高音が強調された楽器の迫力を重視した音質。低音を楽しみたいときに最適 |
ラウンジ | 音がしっとりと反響するラウンジをイメージした音質。ライブ音源を聞くときに最適 |
ラテン | キラキラとした派手な印象の音質。ラテンミュージックを聴くときに最適 |
ロック | 低音と高音が強調された音質。Rockを聴くときに最適 |
①自分の聴くジャンルから選ぶ
これから聴こうとしている音楽のジャンルに合わせてイコライザを使い分けることで、さらに音楽を楽しむことが可能になります。ジャンルに合わせたイコライザを設定したり、重低音または高音等どの音を強調するかによって音楽の雰囲気が変わります。
ジャンルに合わせてイコライザの設定をすることのデメリットは、曲のジャンルが変わるたびに設定を変えなければならないという点です。特定のジャンルの音楽しか聴かないというときには問題ありませんが、複数のジャンルの音楽を楽しむ場合は少し面倒かもしれません。
②強調したい音から選ぶ
iPhoneのイコライザ機能により、強調する音をどれにするかを設定することが可能です。高音域または重低音を強調したり、楽器の音やボーカルの声を強調したりといった好みのカスタマイズができるのもイコライザ機能の特徴です。
【強調したい音から選ぶ】①高音を強調する
イコライザの設定を「Treble Booster」にすることで、高音が強調された響きになります。
また、「Treble Booster」よりももう少し重低音とのバランスの取れた音楽が好みの場合は「クラシック」を選択してください。
【強調したい音から選ぶ】②重低音を強調する
イコライザの設定を「ダンス」にすることで、重低音が強調された音になります。
また、こちらも、もう少し高音とのバランスを取りたい場合は「クラシック」を選択するのもオススメです。
【強調したい音から選ぶ】③ボーカルを強調する
ボーカルの声に注目して音楽が聴きたいときは、イコライザの設定を「Vocal Booster」または、「Spoken Word」にすることで、ボーカルの声が聴きやすくなります。「Vocal Booster」と「Spoken Word」は気分によって好みの方を選択してください。
【強調したい音から選ぶ】④バランスよく強調する
特定の音を強調することなく、全体的にバランスよくそれぞれの音を強調したいときは、「クラシック」または「ポップ」を選択することをオススメします。
上記でも説明した通り、「クラシック」は重低音と高音がそれぞれバランスよく強調されます。一方、「ポップ」は、曲中のボーカルを強調して聴きたいときや、歌詞をしっかりと聞き取りたいときに最適です。
③音楽を聴く環境で選ぶ
いつでも好きな音楽を楽しむことができるiPhoneですが、どのような環境で音楽を聴くかにより、最適なイコライザ設定があります。Air Podsなど有名で人気のイヤフォンやヘッドフォン、スピーカーなどで音楽を聴くときに最適なイコライザ設定をご紹介します。
【音楽を聴く環境で選ぶ】①イヤホンの場合
イヤフォンを使って音楽を聴く際に最適なのが「Treble Reducer」です。重低音と中音を強調することで音に厚みが増すことに加え、高音の響きを軽減するため、耳が疲れにくくなります。イコライザをオフにしている時と比べて音の響きに広がりが出ます。
【音楽を聴く環境で選ぶ】②コンパクトスピーカーの場合
最近では、Bluetoothで手軽に接続ができる小型のスピーカーが流通しており、コンパクトスピーカーで音楽を聴くかたも多いと思います。そんなコンパクトスピーカーで音楽を聴くときに最適なイコライザ設定は「Small Speakers」です。「Small Speakers」は、重低音を強調してくれるため、コンパクトスピーカーのデメリットである、重低音の響きの弱さの部分を上手くカバーしてくれます。
【音楽を聴く環境で選ぶ】③ヘッドホン・スピーカーの場合
高性能、高機能なヘッドフォンやスピーカーで音楽を聴くときに最適なイコライザ設定が「Flat」です。高性能、高機能なヘッドフォンやスピーカーはそれなりのお値段がしますが、その分本来の性能を生かすため、まずは「Flat」に設定することをオススメします。
④音楽を聴く場面で選ぶ
イコライザ設定により、イヤフォンの装着時でも外部から入ってくる雑音を軽減することができたり、イヤフォンやヘッドフォンの音漏れを防ぐ効果があります。
外部の雑音や音漏れが気になっている方向けのイコライザ設定をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
①雑音が多い場所では「Hip Hop」
外出時に、人が多い場所や電車やバスなどの乗り物に乗っているときなど、さまざまな雑音が入ってくることによってイヤフォンで音楽を聞いていても低音が聞き取りにくくなってしまう事があります。このような状態になることを「マスキング効果」と言いますが、このような状況のときは、イコライザ設定を「Hip Hop」にすることをオススメします。イコライザ設定の「Hip Hop」には低音から高音まで全体的に強調する効果があるため、外部のノイズと混ざった場合でも全体の音域の均衡がとれ、聴きやすい音楽になります。
②夜寝る時は「Late Night」
音楽を聴きながら寝落ちしたいという方に最適なイコライザ設定が、「Late Night」です。「Late Night」には楽曲の強弱と低音を抑える効果があり、これにより、入眠時に最適な落ち着いた柔らかな印象の響きになります。
③音漏れを気にする時も「Late Night」
夜寝るとき以外の、静かな場所などで音漏れが気になる状況のときにも「Late Night」のイコライザ設定がオススメです。低音は音漏れがしやすいため、低音を抑える設定になっている「Late Night」が最適になります。TPOに合わせてマナーを守る上でもイコライザ設定が役に立ちます。
iPhoneの無料で使えるイコライザおすすめアプリ
iPhoneには、標準の機能としてイコライザ機能があります。音質にこだわって音楽を楽しみたい人向けに、オススメのイコライザの設定ができる無料のアプリをご紹介します。
どのアプリも無料でインストールできてある程度利用できるのですが、アプリ内課金をしないと利用できない場合もあるので注意が必要です。
Equalizer + HD music player
高品質な「Equalizer+」はトラックの編集からミックス、カスタマイズまで思い通りにできるオールインワン機能を備えた音楽プレイヤーアプリです。
利用しているヘッドフォンに合わせて自動でイコライザを調整してくれます。また、ミュージックだけでなく、ライブラリの全てにアクセスする事が可能です。
イコライザー+音量ブースタープレイヤー&効果音
「イコライザー+音量ブースタープレーヤー&効果音」は、音楽の質を上げる事ができるアプリです。
イコライザー機能でライブラリー内の音楽はもちろん、SoundCloudの音楽をカスタマイズできるほか、ブースターなどを含む23種類のサウンドエフェクトを利用できます。
「イコライザー+音量ブースタープレーヤー&効果音」を使って、iPhoneの音楽の質をグレードアップすることができます。
Radsone Hi-Res Player
「Radsone」は、操作が簡単で使いやすいUIで、アナログに一番近い音質を作る事ができるプレーヤーアプリです。人工的な効果とは異なり、デジタルアーティファクトを除去しているため、アーティストと一緒にスタジオにいるかのような音楽を楽しむ事ができます。