「タイムツリー」は、家族や仲間とスケジュールの共有ができる便利なカレンダーアプリです。
しかし「タイムツリーを使うと、個人情報や位置情報が知られたくない相手にバレてしまうのでは?」といった不安があって、アプリの利用をためらっている人もいるかもしれません。
本記事ではタイムツリーにそういった危険性があるのか、また安全に利用する方法について解説しています。
また、タイムツリーを使う上でのメリット・デメリット、上手な活用方法についても紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
目次
タイムツリーとは
タイムツリー(TimeTree)は、全世界で5,500万人以上のユーザーが登録している、スケジュール管理・共有アプリです。
スマートフォンやPCで利用でき、友人、恋人、家族、同僚などとカレンダーを共有し、効率的に予定を調整することができます。
基本的な機能は無料で使うことができます。
タイムツリーの特徴
タイムツリーの大きな特徴は、その使いやすさと見やすさです。
グループごと(家族や友達、仕事など)に複数のカレンダーを切り替えて使い分けたり、予定ごとに色分けができたりするので、一目で予定を把握できます。
ユーザーの男女比はほぼ半々ですが、特に若い世代に人気がで、20〜30代女性に最も使われているカレンダーアプリです。(2025年2月現在)
最大20個のカレンダーが作成でき、プライベート、家族、ビジネスなど用途別に管理可能です。
大人数の予定共有も可能で、1つのカレンダーを最大200人と共有できるため、部活やサークルなど大規模なグループでの利用にも使えます。
タイムツリーにできること
タイムツリーでは、さまざまな種類のスケジュールを分かりやすく管理できるのがポイントで、大人数のグループで予定を共有するのにも適しています。
通知機能は自分好みにカスタマイズでき、予定の当日、1日前、2日前など、好きなタイミングで通知を設定可能です。ToDoリスト機能もあり、個人用と共有用でそれぞれのタスク管理もできます。
また、カレンダーごとにチャット機能があるのも便利です。予定を共有するだけでなく、テキストメッセージや絵文字、画像を送信できます。(画像添付は有料プランのみ)
Googleカレンダーとの連携もできるため、多くのユーザーが手間なくスケジュール管理できます。
タイムツリーに位置情報を共有する機能はない
誤解している人もいるようですが、タイムツリーに位置情報の共有機能はありません。
タイムツリーは純粋なスケジュール共有アプリであり、whoo(フー)やzenlyといった「位置情報共有アプリ」とは機能や使い道が異なります。
そのため、タイムツリーを使うことで位置情報がバレるといった心配は不要です。ユーザーの個人情報は保護されており、安心して利用できます。
タイムツリーの利用によって考えられる危険性は
タイムツリーを使うことによって位置情報がバレたり、個人情報が流出したりといった心配はいりません。
しかし、まったく危険性がないというわけでもありません。操作ミスによる誤共有(意図しない相手に予定を共有してしまう)は起こりうる事態です。
タイムツリーは便利なアプリですが、危険性もあることを認識しておきましょう。
ここでは、タイムツリーで起こり得るトラブルや危険性について紹介します。
【危険性①】セキュリティロック機能がない
まず、タイムツリーのアプリにはセキュリティロックの機能がありません。パスコードや生体認証(顔や指紋での認証)の機能は、現時点では実装されていません。
そのため、アプリを開いたままにしていると、登録している予定が周囲の人に見られてしまう可能性があります。
また、自分のスマホを他人が持った場合(例えば子どもなど)誤操作や情報漏洩の危険性があることにも注意が必要です。
個人情報を保護するためにも、スマートフォンやタブレット自体にロックを設定しておきましょう。
スケジュール管理アプリに限ったことではありませんが、スマートフォン自体にロックをかけておくのが、個人情報を保護するためにも安全です。
【危険性②】共有ミスによって知られたくない相手に予定が知られてしまう
タイムツリーでよくある失敗として「誤共有」があります。つまり、共有相手を間違って意図していない相手に予定がバレてしまうことです。
メールやメッセージアプリで、送る相手を間違えてしまうことがありますが、タイムツリーでも同様の事態が起こり得ます。
特に、複数の相手や共有グループを使い分けている人は、誤共有のリスクが高まります。
タイムツリーは便利な一方で、スケジュールの共有先を間違えてしまうと、本来知られたくない相手に予定や写真がバレてしまう可能性があるため注意が必要です。
予定を共有する相手を間違えてしまう危険性があるアプリであることは認識しておきましょう。
【危険性③】スパムメールが共有されてしまう
iPhoneやiPadでは、タイムツリーとiOSの標準カレンダーを同期している場合に、タイムツリー上に突然身に覚えのない予定が表示されることがあります。
これは、端末で受信したメール内の予定を自動で標準カレンダーに追加するiOSの「Found in Mail」という機能によって起こる事態です。
必要な予定ならいいのですが、スパムメール内の予定も共有されてしまっては困ります。「Found in Mail」による予定の自動追加を拒否したい場合は、以下の手順で設定を変更してみましょう。
- アプリを開いて左上の自分のアイコンをタップ
- 左上にある「すべてのカレンダー」をタップ
- 右下の「その他」をタップ
- 「その他」欄にある「Siriからの提案」のスイッチをオフにする
【危険性④】アプリをアンインストールしてもデータが残る
タイムツリーの利用を終了する際には、単にアプリをアンインストールするだけでは、登録したアカウントのデータは削除されません。
そのため、アカウント情報が残り続けることが気になる方も多いでしょう。
不安にならないためにも、アプリをアンインストールする前に、タイムツリーに登録したアカウント情報を完全に削除することをおすすめします。
退会後のデータの取り扱い
タイムツリーの注意点として(普段はあまり意識されないことですが)、退会した後のデータの取り扱いがあります。
タイムツリーを退会(アカウント削除)しても、他の人と共有した予定は消えません。
退会するとアカウント情報は削除されますが、予定データは作成者「不明」として、他の人からは見ることが可能です。
たとえば別れてしまった恋人とタイムツリーで予定を共有していた場合、自分だけ退会しても(相手が退会していなければ)カレンダーに残っています。
タイムツリーに登録した予定は、完全に消去されない可能性があると認識しておいたほうがいいでしょう。
タイムツリーの危険性を下げるための対処法
タイムツリーにはセキュリティの脆弱性は特に見つかっていませんが、誤共有による情報漏れなどの危険性はあります。
ここからは、タイムツリーの危険性を下げるための対処法について解説します。
これらを守って使うことで、タイムツリーをより安全に使うことができるでしょう。危険性が気になる方は参考にしてください。
複数カレンダーを使い分けている場合は、慎重に共有する
タイムツリーで起こりうる危険性として可能性が高いのが「誤共有」、つまり意図しない相手に予定を共有してしまうことです。
特に複数のグループを使い分けて、それぞれ別の予定を共有している人は、誤共有のリスクが高くなります。
特にトラブルが起こりやすいのは、家族用と仕事用で使い分けている場合です。、共有先カレンダーを間違えると(家族の予定を仕事のカレンダーに誤って登録するなど)困ったことになりやすいです。
予定を共有するときは、共有先をよく確認してから行うようにしましょう。
個人情報は共有しない
個人の住所や電話番号などは、タイムツリーには登録しないことが推奨されます。
たとえタイムツリーのカレンダーは家族間しか共有しない、と決めている人であっても、間違えて他の人に送信されてしまう可能性はゼロではありません。
流出して困るような情報は、なるべくアプリ上では共有しない方が安全です。
詳細な行動予定や位置情報を共有する場合は、公開範囲を限定する(大人数のグループでは個人に紐づく情報は共有しない)といった安全策を講じましょう。
仕事とプライベートを分けて管理する
タイムツリーで複数グループの予定を一元管理する場合は、カレンダーが混在しないように注意しましょう。
カレンダーの色分け機能などを活用することで、間違えて共有してしまうリスクが下げられます。
色分け機能だけでは不安な人もいるでしょう。誤共有を完全になくすためには、タイムツリーは仕事かプライベートのどちらかにしか使わないことが確実な方法です。
たとえば、「タイムツリーは家族との予定共有専用」と決め、仕事用では別のアプリを使うなど、管理ツール自体を分けることで、共有ミスのリスクをなくすことができます。
タイムツリーのメリット7選!
ここからはタイムツリーのメリットをご紹介します。
タイムツリーは、無料で使えるアプリでありながら広告が少なく、複数のカレンダーを切り替えて使うことができるなど、多くのメリットがあります。
タイムツリーのメリットを一つずつ詳しく見ていきましょう。
①基本無料で使える
タイムツリーは基本無料で使用できます。
- カレンダーの作成・共有
- 複数カレンダーの作成
- カレンダー内にコメントや写真を投稿
- 外部カレンダーとの同期
これらの機能がすべて無料で使えます。
有料会員(TimeTreeプレミアム)に加入することで変わるのは、広告の有無やファイルの添付などです。
無料版では写真のみ添付可能ですが、有料版ではPDFやWordファイルも添付できるようになります。
②アカウント登録せずに使える
タイムツリーは、アカウント登録することなく利用できるというメリットもあります。
アプリをインストールすればすぐに使えるようになっていて、手軽さとスピード感が人気の秘密です。
また、アカウント登録をする場合も、無料で簡単に行うことが可能です。
アカウントを登録しておけば他のデバイスと連携して利用できたり、スマホの機種変更時にスムーズに引き継いだりできるため便利です。
③広告が少なくて見やすい
通常、無料アプリではたくさんの広告が表示され操作時に不便を感じるケースが多いですが、タイムツリーはそうではありません。
タイムツリーでは広告は上部に小さく出るのみで、カレンダー表示の邪魔をしないのです。
広告はカレンダーを隠すことなく表示されるので、ひと目で予定の確認ができて非常に見やすいのが特徴です。
④写真の投稿・保存ができる
タイムツリーでは、カレンダー内の予定に写真を投稿したり、投稿された写真を保存したりできます。
写真を別のアプリで送り合う必要がなく、タイムツリー内で共有できるので便利です。
例えば、家族で共有するカレンダーの場合、学校行事の予定を登録すると共に、学校からのお知らせの手紙の写真を貼り付けることが可能です。
こうすることで家族全員が簡単に確認できるので、忘れ防止にも役立ちます。
また、投稿した写真はアプリ内に1年間保存されるため、かなり先の予定にも写真を貼り付けておくことも可能です。
ちなみに、有料会員(TimeTreeプレミアム)になれば、写真だけでなくPDFも添付できます。
⑤すでに使っているカレンダーアプリとの同期ができる
iPhoneやAndroidの標準カレンダーやGoogleカレンダーなどの外部カレンダーに入っている予定を、タイムツリー上に表示できます。
外部カレンダーに登録済みの予定を手入力する手間が省けるため、とても便利です。
表示させる手順は以下のとおりです。
- アプリを開いて左上の自分のアイコンをタップ
- 左上にある「すべてのカレンダー」をタップ
- 右下の「その他」をタップ
- 表示したい外部カレンダーをオンにする
⑥共有機能に優れている
タイムツリーは、他の人との共有機能に優れたカレンダーアプリで、家族や恋人、会社の同僚、部活の仲間など、さまざまなコミュニティで利用できます。
予定の種類に応じて文字の色を変えたり、参加メンバーを選んだりできるため、カレンダーを開けばひと目で予定や参加者が確認できて便利です。
また、共有カレンダーに予定を追加すると、メンバーに自動的に通知が届き、予定の変更があった場合も同様に通知されるため、変更内容をわざわざ伝える必要がありません。
さらに、カレンダーごとに通知のON/OFFを切り替えたり、自分が参加する予定だけを通知ONにしたりなど、自分の使い勝手が良いように自由に設定を変更できます。
このような優れた共有機能が、タイムツリーの大きな強みとなっています。
⑦複数のカレンダーが作れる
タイムツリーでは、複数のカレンダーを作成できます。家族や仲間との共有カレンダーはもちろん、自分だけのカレンダーを作ってプライベートな予定を入れるなど、タスク管理に使っている人も少なくありません。
表示するカレンダーはアプリ内で切り替えることができ、「すべてのカレンダー」を選べば全部のカレンダーがまとめて表示されるので、どれかを忘れたり取りこぼしたりする心配もなく、安心して使用できます。
タイムツリーを使う上でのデメリット
タイムツリーを使うことで得られるメリットについては理解できましたが、反対にデメリットはあるのでしょうか?
ここからは、タイムツリーを使う上でのデメリットについて解説していきます。
仕事で使うと不便な場合もある
タイムツリーを仕事で使用する場合、不便な場合があります。
共有範囲を誤って設定すると、意図しない人に予定が見られるリスクがあります。
社外秘の内容であれば、大きなトラブルに発展するリスクがあるため、慎重に予定を入力しなければいけません。
また、タスク管理機能が限定的で、詳細なプロジェクト管理や進捗追跡には不向きです。さらに、無料プランでは広告が表示されるため、集中が妨げられることもあるでしょう。
家族間のプライバシーがなくなるリスクもある
危険性とは少し違いますが、タイムツリーによって個人のプライバシーが保たれなくなる可能性があることも、タイムツリーのデメリットとしてあげられます。
グループや家族内でタイムツリーの使用が当たり前になり、全ての予定を入力することが求められてしまうと、プライバシーがなくなる傾向があります。
しかし、これは使い方次第であり、情報共有の限度やルールを決めておくことで回避できるでしょう。
共有する予定を選別する(なんでも共有しない)と決めることも大切かもしれません。
予定を打ち間違えてしまうこともある
タイムツリーを使う場合、予定を打ち間違えるリスクがあります。特に、アプリ内の情報だけに頼ると、入力ミスがそのまま反映されるため、重要な予定を見逃してしまう可能性もあります。
慎重に予定を入力し、定期的に確認することで、大事なスケジュールを管理する際のリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
通知が多くなりうるさく感じる
タイムツリーでは、誰かが予定を登録するとグループ内に通知されます。この機能は、新しい予定を見逃しにくくなるというメリットがあります。
ですが、あまりに通知が多いと日常生活に支障をきたす可能性もあります。
特に数十人などの大人数でのグループで複数の人が多くの予定を登録するようなグループの場合、「通知が鳴り止まない」といった事態になりかねません。
このような場合は、通知をオフにすることで対応しましょう。通知設定は以下の手順で変更できます。
- アプリを開き、画面の右下にある「その他」をタップ
- 「その他」の中にある「通知をカスタマイズ」をタップ
- 好きな通知方法を選択
サポート体制は万全ではない
タイムツリーのサポートは主に問い合わせフォームを通じて行われ、電話対応は提供されていません。
そのため、アプリに不具合が発生してアクセスできなくなった場合、迅速な解決が難しい可能性があります。
特にビジネス利用では、緊急の問題が発生した際に対応に時間がかかると、業務に深刻な影響を及ぼす恐れがあります
仕事でタイムツリーを使用する際はこの点を理解し、トラブルが起こった場合のリスクを考慮する必要があります。
タイムツリーを安全に使うためのコツ
タイムツリーは、正しく使えば安全なアプリであり、特に危険性はありません。
先ほども書いたように、懸念があるとすれば、カレンダー間違いや予定の打ち間違いなど、人為的なミスのリスクです。
ここからは、人為的なミスをなくす(減らす)ためにできることを紹介します。不要なトラブルを起こさないためにも、参考にしてください。
グループを増やさない
まず、グループを増やしすぎないことは、タイムツリーを安全に使う上で重要です。
カレンダーを共有するグループが増えるほど、共有ミスが起こる可能性が高まります。
タイムツリーのカレンダーは20個まで使い分けることができますが、それほどのスケジュール管理を使いこなせる人は、ほとんどいないでしょう。
せいぜい2〜3個のカレンダーだけにするほうが、混乱なく管理できるのではないでしょうか。
また、仕事とプライベートを同じアプリで管理することは危険性が伴います。
タイムツリーは家族との予定を共有する専用にするなどしてリスクを下げる方法を検討しましょう。