レノボを購入しようとすると、目にはいることが多い「買ってはいけない」という評判に、不安をあおられていませんか?
今回は、このような不安になる評価が、なぜレノボにはあるのか、実際の購入後の修理等はどうなっているのかを解説していきます。
目次
レノボが買ってはいけないと言われる理由は?
「買ってはいけない」とされる一番大きな要因として挙げられるのが、Superfish問題です。
また他にもレノボを買ってはいけないと主張する人の言い分として、感情的な問題やサポート面の評判があります。
1つ1つ説明をしていきましょう。
過去のSuperfish問題
レノボは、かつてノートパソコンにデフォルトで入れていたソフトが、スパイウェアとなりえる指摘を受け、大きく信頼を失ったことがあります。
この信頼を裏切ったメーカーという点で、買ってはいけないという評判がまだ残っているのは事実です。
指摘されたのは「VisualDiscovery」というソフトであり、Superfish社のソフトです。
よって、この問題は通称、Superfish問題と呼ばれることがあります。
2015年に、レノボは一部の製品にこのソフトを、プリインストールしていたことが明らかになりました。
今となっては、ずいぶんと昔の話ではあります。ですが、この一連の騒動はいまだにレノボに大きな爪痕を残しているといえるでしょう。
「買ってはいけない」と主張する人の意見を理解するためには、この問題を理解しないわけにはいきません。
「VisualDiscovery」とはどんなソフト?
では、もう少し具体的に、どんな問題だったのかを確認しておきましょう。
2015年に炎上した結果、レノボ自身がSuperfishはレノボのWindowsノートパソコン(2014年9月~12月の出荷分)にインストールされており、そして2015年1月にはプリインストールを停止したという、公式声明を出すほどの騒ぎになっています。
この問題は、レノボ側がこのソフトを十分な評価をせずに、プリインストールしていたことが原因といわれています。
そして問題となった「VisualDiscovery」とは、ユーザーに合わせて広告を表示させるソフトです。
広告を表示させるソフトは他にもあり、一般的にはアドウェアと呼ばれています。
アドウェアの中にはもちろん悪質なものもありますが、ただのアドウェアがプリインストールされているだけでは、ここまで問題にはならなかったでしょう。
問題となったのはそのソフトの内容が、ユーザーではない外部の人間によって悪用ができるものを含んでいた点です。
「VisualDiscovery」は、ソフト自身が表示させる広告を、パソコンに安全な広告だと勝手に思い込ませることができます。
このパソコンに安全だと思い込ませる手法へ、外部の人間がアクセスが可能であることが判明しました。
もしこの手法が悪用されれば、安全でない情報をパソコンに送り込まれてしまうわけです。
そのようなセキュリティホールのあるソフトを、一般購入者が影響を避けにくいプリインストールの対象にしていたという点が激しく批判されました。
そして、レノボを買ってはいけないという評判に繋がるのです。
影響1:レノボ自体への信頼性
このSuperfish問題に対しての影響は、当時いろんなものがありました。
けれど、未だにこの問題が有名である原因の影響として、大きく2つが考えられます。
1つは、レノボのメーカーとしての信頼性が失われたことです。
危険性を認識できていないまま、悪用されうるソフトをプリインストールしていたということは、パソコンメーカーとしてのレノボの技術面の信頼性が、失墜したといっても過言ではありません。
過去のSuperfish問題から、そのようなパソコンメーカーとして信用できないという評判を訴え、買ってはいけないと評価する人もいることは知っておきましょう。
影響2:海外政府の対応
もう1つの影響は、このSuperfish問題に対して、海外政府が正式に抗議したことです。
特に有名なものとしては、米連邦取引委員会(FTC)との間にでた判決です。
2年半に渡る協議の上、アメリカからの抗議に対してレノボは和解金を支払うことになりました。
他にも実際に問題が発生した時には、一時的に各国の政府機関では、レノボを使用しないという対応をとられたとの噂もあります。
すでに和解したとはいえ、正式に各国政府がレノボという一企業に対して動いたということは、未だに衝撃的な大きな出来事として考えられています。
こういった評判のため、当時政府が使わない、つまり買ってはいけないと言っているようなパソコンは、当然一般人も買ってはいけないと考える人もいたようです。
中国メーカーへの感情的問題
Superfish問題を起点としない「買ってはいけない」理由としては、中国メーカーへの感情的な問題も挙げられます。
レノボは中国企業であるため、個人情報の開示などが政府主導で指示された場合のプライバシーへの懸念や、中国製品自体の品質への不信感から理由となることが多いようです。
サポート面の評判の悪さ
また、サポート面の評判を指して、「買ってはいけない」と言われることもあります。
保守が必要なときに対応が悪かったり、問題解決に時間がかかったりすることから、低評価がつけられがちな傾向があります。
評判からみるレノボから買ってもよい理由は?
ここまでは、レノボが買ってはいけないと言われる理由についてを紹介しました。
けれどこのような評価を受けていても、レノボがパソコン分野での大手企業であることは間違いありません。
それはつまり、買ってはいけないと言われても、買っている人が確実にいるからです。
ここからは、レノボを買っている人は、どのような理由で買っているかを紹介していきます。
過去からの信頼回復
レノボは、過去のSuperfish問題からの信頼回復に向けた取り組みを、いろいろ行っています。
VisualDiscoveryの消去ツールを公開したり、セキュリティソフトを提供したりなど、一般ユーザーからの信頼回復にも積極的に努めているのです。
そのような取り組みの結果、同じようなセキュリティホールに関するような問題が、大きく再燃することもなく、大手企業としてレノボは現在成果を示し続けています。
この状況を評価して、「買ってはいけない」から「買ってもよい」という態度に緩和させている購入者もいるようです。
他メーカーのパソコンも中国製部品を使用
また、中国メーカーであるという一点のみで購入を嫌がったとしても、今のご時世に中国製部品を使用していないパソコンを探すのは、とても困難です。
中国の会社だからという思い込みで、品質の良い部品を使っているパソコンを選択肢から外すのは、コスパが悪い考え方ともいえるでしょう。
またレノボは、開発拠点を中国だけではなく、アメリカや日本にも置いています。
レノボだから中国製であるという思い込みは、やめておいた方が良いでしょう。
パソコンを選ぶときは、あくまでも個々の商品の品質や性能に着目し、選択することが重要です。
使いやすさに一定の評判あり
レノボのパソコンの使いやすさについて、良いところとしてよくあげられるのがトラックポイントです。
ThinkPadシリーズでは、マウスを使わずに指先でカーソルを操作できるトラックポイントが採用されています。
このトラックポイントに慣れてしまうと、他のパソコンを使いづらく感じるかもしれません。
トラックポイントは、キーボードの中央に設置された小さな赤い突起物で、指で微調整することでカーソルを動かすことができます。
これにより、マウスを使わずにカーソルを操作することができ、ノートパソコンを持ち運ぶ際にマウスを持ち運ぶ必要がなくなるため、便利な機能として一定の支持を得ています。
また、トラックポイントはタッチパッドと比べて操作性が高く、正確性が求められる作業に向いているとも言われています。
本当に買ってはいけないのかは必要なパソコン等のスペックを確認
レノボに限らず、どのメーカーのパソコンでも、必要なスペックを満たしていないものを購入しては、満足度は低くなります。
買ってはいけないかどうかを評価する前に、自分が必要としているスペックがどんなものかを確認しておくことが重要です。
こちらでは、パソコンを選ぶときにはどんなところをきちんとチェックするべきかをご紹介します。
【耐久性】使う場所を確認
もし屋外で使ったり、ビジネスで持ち歩くことを考えているのであれば、耐久性を確認しておきましょう。
パソコンの耐久性が大事だと考えるのであれば、以下のポイントを確認することが重要です。
そのポイントとは、「MIL-STD-810G」についてです。
一般的に、パソコンの耐久性に関する評価は「MIL-STD-810G」という軍事規格によって行われます。
MIL-STD-810G規格に準拠のパソコンとは、規格にある28項目の耐性テストを元に、そのテストを行って耐久性が一定以上ありますよ、とメーカーが確認していることを示します。
たとえばレノボであれば、Thinkpadについてのテストの内容を公開しています。
さらにレノボは、この規格には該当しない耐水性や、ヒンジの壊れにくさまで試験した結果を公開しています。
このような耐久テストを行っているパソコンかどうかは、耐久性を求めるのであれば、判断基準の一つにしておくと良いでしょう。
ただし注意点として、レノボが作っているパソコン全てにこの規格テストが行われているわけではありません。
機種ごとに必ず確認をしましょう。
【コスパ】機能に対しての価格を確認
コストパフォーマンスは、買い手にとっては大きなポイントです。
レノボも例外ではありませんが、各モデルによって価格帯も大きく異なります。
高級品と低価格品を比べれば、高級品のほうがスペックが良いのは当然でしょう。
パソコンを探すときは、パソコンでやりたいことを確認してから、必要となるCPUや画面サイズなどのスペックを決定してから価格を比較しましょう。
レノボはパソコン大手であることから、ラインナップのうち需要の大きなパソコンはやはり、同程度のスペックの他メーカーと比べて安価であることが多いです。
【デザイン性】周囲の雰囲気を確認
レノボは、従来のビジネス用途に特化したデザインから、比較的スタイリッシュなデザインのノートパソコンにも力を入れています。
しかし、個人的な好みによっては、レノボのデザインを古くさく感じる人もいるかもしれません。
周囲の雰囲気に合わせて選ぶことも、検討してみてください。
【困ったとき】日本語サポートが必要か確認
製品を購入した際に、もし問題が起きた場合には、サポートが必要になることがあります。
レノボは、日本国内でもサポート体制を整えており、コールセンターも設置されています。
しかし、やはり電話サポート面での評価が低いことは事実ですので、丁寧な日本語サポートが必要な人にとっては、別メーカーのサポートの評判を考慮して選択することも大切です。
実際に問題が起こったとき修理や回収はしてもらえるの?
不具合が発生した場合には、修理や回収を依頼することができます。
レノボも、保証期間内であれば修理や交換をしてくれますし、不具合のあったバッテリーの自主回収も行ってこともあります。
なので、極端な不安を感じる必要はありません。
修理に関してはレノボへ問い合わせることで、保証期間内であれば無料修理が受けられます。
また、保証期間を延長することで、長期的なサポートを受けることもできます。
修理するならまずはサポートへ
具体的な問い合わせ先は場合によって異なりますが、まずは販売店への連絡から始めましょう。
ネット購入などで販売店への連絡の仕方がわからないのであれば、レノボの公式ウェブサイトからサポートを使うのも良いでしょう。
問題のあるデバイス(パソコンやタブレット)からウェブサイトにアクセスできるのであれば、製品を検出することでスムーズにサポートを受けることができます。
もし、アクセスできない状況であったとしても、製品名やキーワードで検索をかけることが可能です。
また、自動応答のチャットもあるので、使い方がわからないときなどは、これで十分解決することができるでしょう。
解決ができず問い合わせの結果、実際に修理となると製品のシリアルナンバーや保証書などが必要になる場合がありますので、事前に準備しておくとスムーズに対応してもらえます。
保証を増やすのもあり
レノボの製品は、購入後1年間のメーカー保証がついていますが、不安があるのであれば有償で保証を追加することも可能です。
レノボが用意している追加保証には、アクシデント・ダメージ・プロテクションがあります。
ただのメーカー保証では保証対象外となる、「自然災害」や「落下」「盗難」にも、この追加保証であれば対応しています。
持ち歩きを考えているノートパソコンなどであれば、入る価値があるでしょう。
保証を延長させることもできるため、1年の期間では足りなければ別途申し込みを行えば対応可能です。
バッテリーの自主回収も行っている
レノボでは、バッテリーの自主回収も行っています。
2015年、レノボは一部のノートパソコンに搭載されていたバッテリーについて、発火のリスクがあると判断し、自主回収を行いました。
この自主回収によって、バッテリーに不具合があった場合でも、レノボは迅速かつ適切に対処する姿勢を示しました。
明らかな致命的な不具合を放置するようなメーカーではないと、考えられれば安心できるでしょう。
ただし、このバッテリーの自主回収はあくまでも一部の製品に限られるため、同様のことが起こったときには、自分が使用している製品が対象となっているかどうかを確認しましょう。
【レノボのノートパソコン】4つの選択肢
レノボを買ってはいけないという理由は、個人の感想によるものです。
それらの理由を納得したうえで、レノボを選ぶメリットは間違いなくあります。
そこで実際にレノボのノートパソコンを選ぼうとすると、IdeaPad、ThinkPad、Yoga、Legionの4つのシリーズがあることに気づくでしょう。
それぞれの特徴を見ていくことで、必要な機能や用途に合わせて選べるようになりましょう。
IdeaPad
IdeaPadは、エントリーユーザー向けのシリーズで、低価格帯のモデルが多くラインナップされています。
しかし、性能面での制約があり、高負荷な作業やゲームプレイには向いていません。
まずは1つノートパソコンを買って、操作に慣れてみたいという方には、手軽に手を出しやすい製品がそろっています。
ThinkPad
ThinkPadは、ビジネス向けのシリーズで、高い耐久性と高性能が求められます。
そのため、IdeaPadに比べて価格帯が高くなっていますが、堅牢で扱いやすい設計が好まれているシリーズです。
Yoga
Yogaは、2 in 1(タブレットとしても使える)機能を備えたコンバーチブルノートパソコンのシリーズです。
ノートパソコンとしても、タブレットとしても使えるため、多様な用途に対応できます。
一方で、価格帯はやや高めといえるでしょう。
Legion
Legion(レギオン)は、レノボのゲーミングPCブランドです。
高い性能と機能性を兼ね備え、競技用から一般ユーザーまで幅広く使われています。
Legionは、一般的なノートパソコンと比較して、より高速な処理能力、強化されたグラフィックス性能、より進化したクーリングシステムを特徴としています。
これらの機能により、高負荷のゲームやアプリケーションでも快適に動作します。
まとめ
以上、レノボが買ってはいけないと言われる理由について、その背景や対策などを紹介してきました。
過去の問題から信頼性が低下しているという見方もありますが、現在のレノボはセキュリティ対策や品質面に力を入れ、信頼回復に向けた努力を続けています。
パソコンを購入するときは最終的には、必要なスペックや用途に合わせて、他のメーカーと比較しながら慎重に検討することが大切です。