ChatGPTを代表とする生成AIはさまざまな企業が導入を始めています。
AIが人間の仕事を奪うと言われていますが、実際にすでにAIに移行しつつあるのが現実です。
この記事では、企業や学校・教育現場での生成AIの活用事例を紹介します。
目次
- 1 生成AIの活用例
- 2 実際に導入済み!企業の生成AI活用事例
- 2.1 ソフトウェア開発|LINEヤフー
- 2.2 広告制作|コカ・コーラ
- 2.3 「Generative AIセンター」の新設|日立製作所
- 2.4 情報の共有|アサヒビール
- 2.5 AIスキルの向上と業務効率化|KDDI
- 2.6 業務効率化|パナソニック・ホールディングス
- 2.7 製造現場の改善|旭鉄工
- 2.8 ChatGPTの導入|大和証券
- 2.9 広告の企画|サントリー
- 2.10 SNSキャンペーン|LIFULL
- 2.11 新商品の企画|セブンイレブン
- 2.12 個人に適した美容法の提案|ロレアル
- 2.13 デザイン案|大林組
- 2.14 CM企画・コンテンツ制作|キンチョー
- 2.15 生成AIモデルによるCM|伊藤園
- 2.16 商品画像の生成|サイバーエージェント
- 3 企業以外にも導入!学校や教育機関の生成AI活用事例
- 4 生成AIを活用する際の注意点
- 5 まとめ
生成AIの活用例
まずは、生成AIの活用例を見ていきましょう。
企業でも教育の現場でも、生成AIを導入することで、作業を効率化させられます。
まずは大まかな活用例から、仕事などに落とし込めるか精査してみてください。
事務作業
生成AIを活用することで事務作業の効率を上げることができます。
テキストの生成や、間違いの修正、データの収集・分析なども可能です。
仕事において、事務作業は少なからず発生する業務ですが、人間が行うよりも早く業務を行えるので、最初に導入するにはおすすめの活用例です。
プログラミング
生成AIは、プログラミングを書くことも可能です。
どのようなシステムを書くかを決めておけば、生成AIが最適なプログラミングをおこなってくれます。
プログラミングを生成AIに任せることで、コードを生成するのに要する時間を他の業務に充てることができます。
プログラミングの生成に活用している企業も増えてきているので、活用してみてください。
広告や画像の制作
生成AIはテキストだけでなく、画像やイラストなどの制作にも活用できます。
生成AIが生成した画像やイラストを基に、企業の広告などの生成も事例として出てきています。
広告はクリエイティブな業務にも生成AIは活用されています。
アイデア・企画案出し
生成AIを使って、今までに思いつかなかったようなアイデアや企画出しも可能です。
アイデアや企画出しは、その人の培ってきたものに左右されてしまします。
そこで、生成AIを活用することで、幅を広げたり自分が持っていなかったアイデアを取り込むことができます。
テキスト系の生成AIのChatGPTでもアイデア・企画出しを無料でできるので、気になる方は使ってみてください。
顧客対応
生成AIは、チャットボットを使った顧客対応にも活用できます。
人が顧客対応するには、時間的な制限が生まれてしまいますが、生成AIを活用することで、365日24時間休みなく対応できます。
休みなく対応できることで、顧客満足度を上げられるのと同時に、オペレーターの負担を軽減させられることも可能です。
実際に導入済み!企業の生成AI活用事例
では、実際に企業が導入した生成AIの活用事例を見ていきましょう。
ソフトウェア開発|LINEヤフー
LINEヤフーでは、ソフトウェア開発に生成AIを導入した活用事例があります。
コード生成にAIを導入し、従来に比べて1日あたり2時間程度の短縮に成功しました。
本業のソフトウェア開発に生成AIを導入し、成功させたことでさまざまな業界からも注目をされた活用事例の1つです。
- 利用しているAI:GitHub Copilot(GitHub)
広告制作|コカ・コーラ
コカ・コーラでは、広告制作に生成AIを活用しています。
ボトルやロゴなどを生成AIを使って生成し、それを広告に活用している事例があります。
さらに業務効率化やマーケティングにも活用する予定があると会長兼CEOであるJames Quincey氏が発表しています。
- 利用しているAI:Create Real Magic(OpenAI/Bain & Company)
「Generative AIセンター」の新設|日立製作所
日立製作所では、生成AIの知見を持つスペシャリストが集まるGenerative AIセンターを新設しています。
現在では、日立製作所の社員32万人以上が生成AIを業務に活用しているという事例も。
実際には、アプリケーションの開発や人材育成に活用されていますが、今後はコンサルティングサービスとしての活用も予定されており拡大を予定しています。
情報の共有|アサヒビール
アサヒビールでは、車内情報検索システムという生成AIを導入し、技術情報の収集や整理に活用している事例があります。
車内情報検索システムでは、WordやPowerPoint、PDFなどにデータ化した情報を検索できるシステムで、データには100文字程度の要約も添付されます。
今後は、商品開発や情報の共有だけでなく、業務効率化にも生成AIを活用する予定があると発表されているので注目です。
- 利用しているAI:社内情報検索システム(Microsoft)
AIスキルの向上と業務効率化|KDDI
KDDIでは、社員のAIスキルの向上や業務効率化のために生成AIを活用した事例があります。
KDDI AI-Chatという生成AIを利用し、アイデア出しやリサーチ、テキストの作成などを行えます。
さらに、KDDI AI-Chatを効率よく使うための教育プログラムにも力を入れ、多くの社員が生成AIを使いこなすためのサポートがあるのも特徴です。
- 利用しているAI:KDDI AI-Chat
業務効率化|パナソニック・ホールディングス
パナソニック・ホールディングスでは、国内の社員9万人の業務効率化を狙った生成AIの活用事例があります。
マイクロソフトのAzure OpenAI ServiceをベースにしたAIアシスタントサービスのPX-GPTを構築しました。
IT部門だけでなく、全ての部門の社員がアクセスできる生成AIを利用し、新しい技術を活用できる人材育成を目的にしています。
- 利用しているAI:PX-GPT
製造現場の改善|旭鉄工
旭鉄工では、問題解決や人材育成のノウハウを収集するために生成AIを活用した事例があります。
ChatGPTを使ってノウハウ集を読み込ませ、最適な改善方法を回答できるようにしました。
これにより、今までは個人差があったノウハウなどを統一できるようになり、業務の効率化を上げることができています。
- 利用しているAI:ChatGPT
ChatGPTの導入|大和証券
大和証券株式会社では、9,000人の全社員にChatGPTを導入した事例があります。
Azure OpenAI Serviceを使って外部に情報が漏れないような環境も整っているため、安全に利用できるようセキュリティ対策も万全に整っています。
実際の業務としては、情報収集のためのサポート、資料の作成サポート、プログラミングの土台作り、アイデア出しなどに活用。
- 利用しているAI:ChatGPT
広告の企画|サントリー
サントリーでは、生成AIを活用して商品の擬人化キャラクターを作成し、そのキャラクターを使ったコンテンツ作成という事例があります。
デザインだけでなく、声やセリフ、動きもすべて生成AIを使って作成し、そのニュースをリリースするページはGoogle Bard(現;Gemini)で作成しています。
キャラクターの自己紹介動画もYouTubeに投稿されているので、気になる方は一度覗いてみてください。
※参考サイト:サントリープレスリリース
SNSキャンペーン|LIFULL
LIFULLでは、生成AIを使ったSNSキャンペーンの活用事例があります。
1万通りのフワちゃんの画像を生成AIで作成し、すべての画像にLIFULLのテーマである「しなきゃ、なんてない」をというテキストを添えて広告に採用しました。
また、LIFULL HOME'S と野村不動産ソリューションズが共同で生成AIを活用した不動産相談AIサービスの開発と運用も開始。
物件探しや疑問を解決できる相談サービスを提供しています。
- 利用しているAI:AI ANSWER Plus(ベータ版)
新商品の企画|セブンイレブン
セブンイレブン・ジャパンでは、新商品の企画に生成AIを活用した事例があります。
生成AIを導入することで、今まで商品企画にかかっていた時間を1/10まで削減することを目標にしているようです。
個人に適した美容法の提案|ロレアル
ロレアルでは、個人がそれぞれ抱えている問対に適した美容法を提案する生成AIの活用事例があります。
BeautyGeniusという美容アドバイスアプリケーションを開発し、チャット形式で美容に関する疑問の相談や解決するための商品の紹介などもおこなってくれます。
- 利用しているAI:BeautyGenius
デザイン案|大林組
大林組では、大まかなスケッチからデザイン案を生成するAIツールの開発を行いました。
今まではすべて手作業で行う部分を、大元のデザインさえ作成してしまえば、複数パターンのデザインを完成して提案されるので、業務を効率化できます。
CM企画・コンテンツ制作|キンチョー
キンチョールでは、生成AIとブレストして若者向けの広告を作成しました。
CM企画だけでなく、CMに採用されている画像も生成AIを活用し、今までのキンチョールのCMではなかったような広告を完成させました。
生成AIモデルによるCM|伊藤園
伊藤園では、生成AIで作成したモデルを採用したCMの作成しSNSで話題になりました。
CMモデルだけでなく、パッケージっデザインにも生成AIを活用しています。
商品画像の生成|サイバーエージェント
サイバーエージェントでは、商品画像の作成に生成AIを活用しています。
もともと、商品画像の撮影に時間や人的コストなどの課題を持っており、画像制作を生成AIにすることで業務効率化を実現しました。
- 利用しているAI:極予測AI
企業以外にも導入!学校や教育機関の生成AI活用事例
生成AIを活用しているのは、企業だけでなく学校や教育機関も同じです。
ここからは、学校や教育機関での生成AIの活用方法などを紹介します。
調べ物・調査|つくば市立みどりの学園義務教育学校
つくば市立みどりの学園義務教育学校は「生成AIパイロット校」に指定され、調べ物や地域の課題を解決するための調査に生成AIを活用しています。
生成AIを教育の現場に取り入れることで、情報に対するリテラシーと批判的思考力を高め、学力を向上させる可能性が見られています。
- 利用しているAI:BingAIチャット
英作文の添削|長崎北高校
長崎北高校では、英作文の添削にChatGPTを活用しています。
学生自身が英作文を作り、文法や表現方法を生成AIに添削をかけることで今までに気づけなかったことを学べ、学力向上につながっています。
- 利用しているAI:ChatGPT
授業の振り返り|愛媛大学教育学部附属中学校
愛媛大学教育学部附属中学校では、授業の復習としてChatGPTを導入しています。
授業ではタブレット端末を導入し、学生が不明な部分などがあればChatGPTに入力して即座にフィードバックを受けられる状況を作っています。
従来であれば、教師が学生に対しておこなってきたフィードバックを生成AIを活用することで、教師の負担を軽減させられました。
教育現場での生成AIの導入は、教育の質の向上と教師の業務効率化を同時に実現させています。
- 利用しているAI:ChatGPT
自由研究のサポート(ベネッセ)
教育の教材を販売しているベネッセでは自由研究のサポートをできる「自由研究おたすけAI」を開発・提供しています。
子供たちの自由研究のテーマを選定したり、作成に関してのサポートを行うツールです。
デジタルに関するリテラシーも学べるということで、保護者からも好評を得ています。
- 利用しているAI:自由研究おたすけAI
教育の個別アドバイス(学研)
学研では、教育に関して個別のアドバイスを行えるオリジナルの学習システムを導入しています。
毎日ログインして習慣化させ、学習意欲を高めることを目的としています。
正答率に合わせてAIが適切な問題を出してくれるので、わからないことをわからないままにせずに学習できるため学習から離れないのも特徴です。
- 利用しているAI:GDLS
生成AIを活用する際の注意点
生成AIを活用する上で気を付けるべき注意点を紹介します。
情報のファクトチェックは必ず行う
生成AIの情報は、必ずファクトチェックが必要です。
生成AIが生成した情報は、すべてが正しい情報とは言えません。
特に、企業が生成AIを活用する場合は、誤った情報を基にしてしまうと企業として大損失に繋がれる危険性もあります。
生成AIを利用しっぱなしにせずに、必ず情報のチェックは怠らないようにしましょう。
著作権の侵害にも気を付ける
生成AIが生成したコンテンツは、他のクリエイターが作成したコンテンツの著作権を侵害してしまっている可能性も0ではありません。
勝手に他人のコンテンツを模したコンテンツを作成してしまうと、著作権侵害で訴えを起こされる可能性があります。
東京オリンピックのロゴでも著作権で問題が起きましたが、生成AIが今後より活用されることで、知らず知らずのうちに著作権を侵害してしまうかもしれません。
無料で使えるような生成AIを使う場合は、商用利用の可否なども必ずチェックしましょう。
重要な情報は入力しない
生成AIには漏洩して困るような重要情報は入力しないようにしましょう。
ChatGPTやGeminiなどの無料で使える生成AIには、世界中の利用者の情報を学習しています。
特に、個人で使う場合は、個人情報を学ばれてしまうと使っている誰かに知らない間に情報漏洩してしまう危険性があります。
遊び半分でも個人の特定に関する情報や、社外秘などの情報を入力するのはやめましょう。
まとめ
生成AIの活用例や事例、注意点を紹介してきました。
生成AIは今後もっと多くの企業や教育機関が取り入れ、生活に密着してくることが予測できます。
企業以外でも、個人で仕事をしている場合でも業務効率化に取り入れられる場合があります。
ぜひ活用事例を参考に、ビジネスや教育に取り入れる参考にしてみてください。