世界最大手の音楽ストリーミングサービス「Spotify」。遂に日本に上陸したこのサービスを実際に試してみました。
欧米を中心に普及が進んでいる音楽ストリーミングサービス。
その世界最大手「Spotify」が、2016年9月29日に遂に日本でサービスインしました。
記事執筆時点では招待制となっており、すぐに利用できるわけではないので、「気になっているのに試せない!」という方も多いはず。
今回、このサービスの招待コードを入手することができたので、そんな皆様の為に、一足先に試してみてわかったことをご紹介しましょう。
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目次
音楽ストリーミングサービスとは?
音楽ストリーミングサービスとは、インターネット回線を通じてリアルタイムで楽曲データを利用者の端末に配信するサービスです。
要は、YouTubeやニコニコ動画といった動画ストリーミングサービスの音楽版のようなもの。
ストリーミングサービスなので、端末側の空き容量があまりなくても使うことが出来る上、配信サービス側が用意した何万もの楽曲を聴くことができるので、今までのように1枚1枚CDを買ったり、1曲ずつ音楽データを購入するといった手間は不要なのが良いところです。
Spotifyを含め、フル機能の利用は有料のサービスがほとんどですが、どれも月額1,000円程度なので、その金額で大量の音楽を持ち歩けるというのは音楽好きには堪らないサービスといえるのではないでしょうか?
Spotifyって?
Spotifyは、世界で1億人以上のユーザー数を誇る、業界最大手の企業です。
同社は2006年にスウェーデンで創業。その後、ヨーロッパで多くのユーザーを獲得し、現在では30を超える国と地域で利用することができます。
つまり、定額制音楽配信サービスの企業としては、実質シェア世界一ということですね。
でも、お高いんでしょ?
「それだけ評価されているサービスなら、やっぱり高いんでしょ?」
いえいえ、ご心配なく。多少の制限は付きますが、Spotifyには広告付きの無料プランも用意されており、会員登録だけで気軽に始めることが出来ます。
では、ここでSpotifyの代表的な料金プランをご紹介しましょう。
広告付き無料プラン
Spotify最大の特徴が、この「広告付き無料プラン」です。
これは、通常有料の音楽を無料で聴ける代わりに、
- 一定時間ごとの広告の表示
- 数曲に一度など、一定のペースで広告が表示されます。
- こちらの広告は、YouTubeのそれのように飛ばすことができません。
- スマートフォン以外のデバイスでの再生時間制限
- PCとタブレットは最大15時間 / 30日に再生時間が制限されています。
- スマートフォンアプリからの利用については、時間無制限で利用することが可能です。
- スマートフォンアプリではシャッフル再生しかできない
- 特定の曲だけを再生することはできません。また、曲をスキップする回数も制限があります。
- この制限はスマートフォンのみで、PCとタブレットはこの制限はありません。
- ストリーミング再生しかできない
- 事前に楽曲をダウンロードして、オフラインで聴くといったことはできません。
- 再生中は常にネット回線に接続している必要があります。
- 最大ビットレートが160kbpsに制限される
- 無料プランでは最大ビットレートが160Kbpsに制限されるので、音質が有料プランに比べて今一歩のレベルとなります。
といった制限があります。
無料ならば仕方がないとはいえ、ちょっと使いづらいですね。
月額プラン(有料)
Spotifyには、競合他社のサービスと同様、月額980円(記事執筆時点)の有料プレミアムプランが存在します。
次は、そちらの特徴を見ていきましょう。
有料プレミアムプランの特徴
広告非表示
無料プランでは広告が表示されますが、有料プランでは当然表示されることはありません。
再生時間制限の撤廃
無料プランで設定されているデバイス毎の再生時間の制限は、有料プランには存在しません。
何時間でも好きなだけ聴くことができます。
スマートフォンアプリの機能制限の撤廃
無料版でスマートフォンアプリから再生すると、シャッフル再生しか行うことができませんが、有料プランならその制限はありません。
好きな曲を好きなだけ聴くことが出来ます。
好きな曲をダウンロードしてオフライン再生できる
有料プランでは好きな曲を事前にダウンロードしておけるので、ネット接続が不安定な環境に出掛けたり、データ通信量やバッテリーを節約したいときに便利です。
最大ビットレートは安心の320kbps
無料プランでは、楽曲の音質を表す最大ビットレートが160kbpsに制限されていましたが、有料プランではその倍の320kbpsに拡大されています。
音質面でも他のサービスに決して劣りません。
Spotifyの対応機種
Spotifyは、PC/Macやスマートフォン、タブレットから利用することが出来ます。
以下の公式HPにアクセスして、各デバイスごとに専用のアプリをダウンロードしてください。(iPhone/iPadはAppStoreから、AndroidはGoogle Playからもダウンロードできます。)
実際の使い心地はどう?
さて、前置きが長くなりましたが、いよいよ実際に使ってみてわかったことに触れていきましょう。
邦楽は少ない
元々、欧米で始まったサービスなので、洋楽は非常に充実しています。
Deep PurpleやABBAなど、洋楽の定番どころは割とおさえられているので、洋楽好きの方なら、聴きたい曲が見つからないケースはそれほど多くはないでしょう。(気になるなら、無料プランに入って好きな曲があるか確かめることもできますし。)
一方、邦楽はかなり楽曲数が少なくなります。
メジャーなアーティストでも配信されていないことは決して珍しくないので、過度な期待は禁物です。
ちなみに、筆者はアニソンを聴くことが多いのですが、有名所の作品(「けいおん!」や「マクロス」シリーズなど)の曲は、調べた限り本人歌唱のものは殆ど配信されていませんでした。
このあたりは、Amazon prime Musicに近い感じですね。
無料版は曲飛ばしの制限が地味にきつい
今回試したのは無料版アカウント+iPhoneアプリですが、こちらはシャッフル再生限定、かつ再生中に曲を飛ばせる回数にも制限があります。
BGM代わりに垂れ流し再生をするにしても、「この曲は今は飛ばしたい」といったケースは結構あるもの。
でも、それが一定時間に規定の数を上回ると、それ以降しばらくの間は曲飛ばしが出来なくなってしまうのです。
嫌なら課金すれば良いだけの話なのですが、無料プランで使おうと考えている方は、このあたりも織り込んで使う必要があるでしょう。
広告が結構長い上に飛ばせない
例えば、YouTubeの動画広告だと、最初の数秒間それを見れば、あとはボタン操作でスキップできるようになっています。
しかし、Spotifyの広告の場合、残念ながらそれができません。(YouTubeは視覚に訴える動画広告ですが、Spotifyの場合はデバイスの画面を必ず見ているとは限らないので、その分ユーザーの印象に残りづらく、途中スキップは難しいのでしょう。)
その上、1本の広告が地味に長かったり、複数の広告が連続して再生されることもあります。
こうしたストレスが嫌だという方は、有料プランの方がお勧めです。
ちなみに、広告にもいくつか種類があり、なかには「その広告を視聴すれば、他の広告よりも長い時間広告配信が停止する」というものもあります。
このタイプはランダムに出てくるようで、ユーザー側で出現をコントロールすることは出来ないのですが、見つけたら積極的に活用していくと良いでしょう。
音質はそこそこだが、こだわらなければ必要十分
Spotify無料プランでは、音質も若干制限されています。
- ストリーミング…最大160kbps
ただ、筆者の環境(iPhone6s)では、外出先でイヤホンを使って聴いたり、仕事中にiPhoneのスピーカーで再生したりする程度なので、この音質でも特段問題は感じませんでした。
有料プランにすると、最高音質の320kbpsを利用できるようになるので、音質重視という方は有料プランが良いでしょう。
Spotifyの注意点
Spotifyを利用する上で注意が必要なのは、iPhoneやiPadなどからモバイルデータ通信(4G/3G回線)を使って利用する時です。
この使い方でストリーミング再生やダウンロードを行うと、その都度データ通信量が消費されてしまうので、気をつけないと毎月の通信容量を使い果たし、低速な速度制限モードに突入してしまうことも……。
毎月通信容量がギリギリとか、通信制限に入ってしまうという方は、大容量プランやMVNOの無制限プランに変更するといった対策が必要になってくるかもしれません。
Spotifyに登録したくなった、そこのあなたへ
Spotifyは2016年9月29日から日本でサービスを開始しましたが、記事執筆時点では招待制となっています。
こちらのページでメールアドレスを登録すると、Spotify側で準備が整い次第招待コードが届く仕組みです。
- Spotify公式HP
すぐに使用できないのが残念ですが、まずはメールアドレスを登録して、気長に招待コードが届くのを待ちましょう。
まとめ:まだまだサービスは始まったばかり!結論には早すぎる
というわけで、今回は日本でも遂にサービスが始まった音楽ストリーミングサービス「Spotify」について、実際に使ってみた率直な感想をお伝えしました。
Spotifyも含め、日本での音楽ストリーミングサービスはまだ始まったばかり。
現時点では邦楽の楽曲数も決して多くはありませんが、今後の展開次第では、通常のダウンロード販売サイトに負けない品揃えになることも十分考えられます。
鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス
ではありませんが、そのくらいの気持ちでのんびり構えておく方が良いのかなと感じました。
それでは、快適な音楽ライフを♪