アプリケーション お役立ち(情報)

映画館で楽しめる字幕・音声ガイドアプリ「HELLO! MOVIE」をご紹介

今回は「HELLO!MOVIE」を紹介します。映画鑑賞の新たな楽しみ方として、また障害を持つ方も同じスクリーンで楽しめるバリアフリーの仕組みとして。映画というエンターテイメントを支える新たな役割を担うアプリです。お気に入りの作品を副音声上映でも楽しみましょう。

「HELLO!MOVIE」の仕組みとは?

HELLO!MOVIEとは、「エヴィクサー株式会社」が開発・運営する映画の字幕ガイドと音声ガイドを楽しめる無料アプリです。

スマートフォンとスマートグラス(メガネ型ディスプレイ端末)で利用可能です。スマートフォンでは、「iOS」、「Android」に対応し、スマートグラスはEPSON社のMOVERIOに対応しています。

HELLO!MOVIEのアプリは、各OSのマーケットから無料でダウンロードできます。

HELLO!MOVIEには、「エヴィクサー」の自社開発「音響同期システム」が搭載されています。そのためアプリの起動後は、ユーザーが煩雑な操作をしなくても拡張現実(AR)のように、手元のデバイスで自動で音を認識してくれるのが特徴です。場面を特定して、字幕ガイドと音声ガイドが同期再生される仕組みになっています。

アプリ開発のきっかけ

経済産業省の平成27年度コンテンツ産業強化対策支援事業(映画上映に関するバリアフリー対応に向けた障害者の視聴環境の在り方に関する調査事業)として、映画業界で実証実験が実施されました。障害者や映画館へのアンケートやヒアリングでは、

  • 全国の既存の映画館で機能可能なサービスであること
  • デバイスの通信機能が無効状態の「機内モード」で利用可能になること
  • ユーザーの簡単な操作で、サービスが受けられること

このような要望や意見が挙げられたそうです。ビジネス面、技術面での必要な要件が洗い出され、それに基づいたアプリ開発をされたそうです。

バリアフリーで映画を楽しむためのサービス

  • 目の不自由な方へのサービス:スマートフォンのイヤホンから聴く音声ガイド

2015年から定着しているサービス。スマートフォンが普及しているため、ユーザーご自身のスマートフォンで対応可能なサービスです。

  • 耳の不自由な方へのサービス:「字幕メガネ」と称される、メガネ型端末で見る字幕ガイド

メガネ型端末は一般的にはまだ普及していないため、2020年3月より全国の映画館で貸し出しサービスが開始されました。透過型レンズに表示される字幕は、映画館のスクリーンに重なるように浮かび上がって見えるそうです。

「HELLO!MOVIE」は、障害者が健常者と同じスクリーンで映画作品を楽しめる仕組みとしても位置づけられています。

対応作品

日本国内の主要映画会社のワーナーブラザース映画、ソニー・ピクチャーズ、ギャガ、映連4社(松竹・東宝・東映・KADOKAWA)などのメジャータイトルはほぼ標準採用されているそうです。

おすすめしたい方々

これまで映画を観ることを諦めていたという視覚障害の方々や聴覚障碍者の方々に、ぜひお試しいただきたいそうです。

ある映画のシンポジウムで、視覚障碍者の方が「この『HELLO!MOVIE』の仕組みのおかげで、映画鑑賞を趣味としている視覚障碍者が増えている、私もその一人です」という挨拶をされたことがあるそうです。社会的にも大きな意味のあるサービスとなっています。

まとめ

2020年頃より、「HELLO!MOVIE」の音声ガイドを利用した映画の副音声(オーディオコメンタリー)上映が、大変好評だそうです。映画の進行に合わせて、いわゆる「中の人」のような感覚で、監督や出演者が吹き込んだ撮影秘話などを聴くことができます。気に入った映画の二度目、三度目の映画鑑賞もこの副音声上映により、新たな発見や驚きがあり、これまでとは一味違う映画の楽しみ方ができるそうです。

「エヴィクサー」では、今後もこの副音声上映のように、エンターテイメントの価値を高められるような企画に取り組んでいかれるそうです。さらに詳しい情報は、下記のリンクサイトでご確認ください。

https://hellomovie.info/