人気のスマートフォン「iPhone」。iPhoneは高価なスマートフォンなため、一度購入したら長く使いたいと思う方も多くいますが、気になるのがバッテリーでしょう。この記事では、iPhoneのバッテリーの最適な交換時期や仕組みなどをご紹介します。
目次
【iPhone】バッテリー交換時期は?
早速、iPhoneのバッテリーの最適な交換時期からご紹介します。結論から言うと、最適な交換時期はユーザーによって違います。ただ、交換時期の基準があるのでご紹介します。
公式としては最大容量の80%以下で交換を推奨
Appleから公式に発表されているiPhoneのバッテリーの交換時期は、最大容量の80%以下になったタイミングです。後述しますが、iPhoneはバッテリーもこだわったものを搭載しています。
具体的な交換時期が購入してからどのくらいになるのかというは、iPhoneを使うユーザーごとに変わってきます。Appleとしては統一性のある最大容量の80%とという基準で交換することを推奨しています。
期間にすると2〜3年程度
では、実際にiPhoneのバッテリーの最大容量が80%以下になるのはどのくらいの期間が平均的かというと、2〜3年程度と言われています。
日本ではキャリアでiPhoneを購入すると割引きされ、2年周期で機種変更のが基準になっているユーザーも多くいますが、2年周期で機種変更をしていると相当iPhoneを酷使していなければ最大容量の80%以下になることは考えにくいです。
現在は2年以上使うユーザーも増えてきているため、バッテリーの交換も検討するユーザーが増えていますが、80%以上ある状態だと購入時よりは早く消耗しますが、iPhoneのパフォーマンスには問題ないので最大容量を基準に交換しましょう。
【iPhone】バッテリーの仕組み
では、iPhoneのバッテリーの仕組みについてご紹介します。iPhoneのバッテリーの仕組みについてはAppleの公式ページでも公開されています。そちらのページも気になる方は参考にしてみてください。
最新のリチウムイオンバッテリーを採用
iPhoneでは最新のリチウムイオンバッテリーを採用しています。
フル充電サイクルを500回しても80%以上を保てるように設計されている
iPhoneに搭載されているリチウムイオンバッテリーは、0%の状態から100%の状態まで充電したサイクルのことをフル充電サイクルと規定し、そのフル充電サイクルを500回行っても最大容量の80%以上を保てるように設計されています。
毎日100%の状態から0%の状態までiPhoneを使った場合、1年半程度で500回を超える計算になります。近年のiPhoneは搭載されているバッテリー容量が増えている上に、1日で完全に使い切るようなユーザーは多くありません。
注意すべき点として、充電をした回数ではなく、あくまでもフル充電サイクルの回数でカウントされています。こまめに充電するのがあまりよくないと耳にしますが、iPhoneに関しては問題ありません。
充電サイクルをiPhoneが学習してくれる
iPhoneでは充電サイクルを学習してくれる機能が備わっています。多くの人がiPhoneを充電するサイクルがある程度定まっています。
その定まっているサイクルをiPhone自身が学習をして、充電を開始して80%まではある程度のスピードで充電をし、80%以上はゆっくり充電するようになります。
リチウムイオンバッテリーの特徴として、20%以下と80%以上で使わないことで長持ちさせることができると言われているためiPhoneのAIにより充電サイクルを学習してくれるのはありがたい機能です。
最大容量の80%を下回るとパフォーマンスに影響が出る可能性あり
iPhoneでは、バッテリーの最大容量の80%以下になるとiPhoneのパフォーマンスに影響がでる可能性があることがApple公式ページで公開されています。
過去にiPhoneのバッテリーの容量が減ってくると勝手にパフォーマンスを制限することがわかり、一部のモデルでバッテリーの無料交換が行われました。
それ以降、Appleではバッテリーの劣化によりパフォーマンスに影響がでる可能性があることと交換時期などを発表するようになりました。
iOS11.3以降ではバッテリーの状態を確認できる
現在のiPhoneでは当然の機能になりましたが、バッテリーの状態を自分のiPhoneの設定から確認できるようになりました。過去には、Appleのサポートに電話して確認してもらうか、Genius(Apple Store)に出向く必要がありました。
バッテリーの状態を確認できるようになったきっかけは、前述したバッテリーの劣化によるiPhoneのパフォーマンスの制限と言われています。
バッテリー状態の確認手順
iPhoneのバッテリーの状態を確認するのは非常に簡単です。以下の手順で確認をしてみましょう。
- 設定アプリ>バッテリー>バッテリーの状態
最大容量の右側に表示されている数字が現在のそのiPhoneのバッテリーの状態です。80%以下になっている場合はバッテリーの状態ページにバッテリー交換を推奨する注意分が表示されるようになっているので交換時期の判断に役立てましょう。
iPhone11/11 Pro/11 Pro Maxではアップデートで再調整されている
iPhone11/11 Pro/11 Pro Maxではバッテリーの状態の精度に関してバグが発生していたことが見つかりました。iOS14.5ではアップデートにより再調整される可能性があります。
2022年8月時点での最新のiOSは15.6ですが、iPhone11シリーズを使っていてiOS14.4以前のOSを搭載している場合はバッテリーの状態が変わる可能性があるので覚えておきましょう。
【iPhone】バッテリーの経年劣化で起こる症状
ここまでの解説で、iPhoneのバッテリーはフル充電サイクルの回数を増やすことで経年劣化することがある程度理解していただけていると思います。では、バッテリーの交換時期を過ぎたiPhoneに起こりうる症状8つの症状をご紹介します。
症状①iPhoneが熱を持つ
iPhoneのバッテリーが劣化してくると、iPhoneを使っている時に熱を持ちやすくなります。動作の重たいアプリを使っていると熱を持つことがあるので、経年劣化とは言い切れませんが、ちょっとした操作をしていても熱を持つ場合は注意が必要です。
また、iPhoneが持つことができなくなるくらい熱くなる場合は、iPhoneが熱暴走している可能性も考えられます。バッテリーの交換時期に差し掛かっている可能性があるので、バッテリーの状態を確認していみましょう。
症状②バッテリーの残量の減りが明らかに早い
iPhoneのバッテリーが経年劣化してくると、バッテリーの減りが通常よりも明らかに早くなる場合があります。普段なら少し使っても5%程度しか減らないのに、少し使っただけで10%以上減るというようなこともあります。
現在では多くの方がモバイルバッテリーを持っている時代なので、急にバッテリーが無くなっても困ることは少ないですが、明らかに違和感のあるバッテリーの減り具合が確認できる場合はバッテリー交換時期に近づいているので検討してみましょう。
症状③アプリの挙動が不安定になる
iPhoneではバッテリーが経年劣化し、最大容量の80%以下になるとパフォーマンスが低下する可能性があることを発表していますが、アプリの挙動が不安定になることがあります。
具体的な症状としては動作の重たいアプリの起動時にアプリが落ちてしまったり、アプリ起動中にカクついてしまったり、フリーズしたり等の症状が出る可能性があります。
症状④音量が小さくなる
iPhoneでは、バッテリーの節約をするために、動画や音楽の再生、通話中の音量を抑えるプログラムが組み込まれています。バッテリーの交換でしか対処することができないので、バッテリーの交換を検討してみましょう。
症状⑤画面が暗くなる
iPhoneでは、音量の制限と共に画面が暗くなるようにプログラムされています。バッテリーの交換時期の1つの目安になるので注意してみましょう。
症状⑥バッテリーの膨張
iPhoneのバッテリーが劣化した状態で使い続けると、バッテリーが膨張しiPhoneの損傷につながる可能性があります。バッテリーは急に膨張することは考えにくいので、iPhoneに違和感を感じたら速やかにバッテリーの交換をしましょう。
ただ、バッテリーが膨張しているとすでにバッテリーの交換時期をかなり過ぎている可能性があります。
本体に影響があり、損傷が見つかるとバッテリーの交換だけでは済まなくなる場合もあります。少しでも膨張していると感じたら早めに専門家に相談してみましょう。
症状⑦電源が入らなくなる
iPhoneのバッテリーが経年劣化してくると、バッテリーが完全に使えなくなり、電源が入らなくなることがあります。電源が入らない状態になってしまうとバックアップが取れなくなってしまうなどのデメリットが発生します。
症状⑧最悪の場合発火する
iPhoneのバッテリーが劣化しすぎると、最悪の場合iPhoneから発火する危険性があります。iPhoneから発火しただですぐに対応できるなら被害は少ないですが、発火がきっかけで火事が起こる危険性もあります。
最大容量の80%程度ならそこまでになる可能性は少ないですが、最適な交換時期には入ってきているのでバッテリーの交換をするか機種変更を検討しましょう。
【iPhone】バッテリーの寿命を延ばすコツ
では、iPhoneのバッテリーの寿命を延ばすコツを6つご紹介します。
コツ①充電しながら使わないようにする
よく行ってしまいがちな行為ですが、iPhoneを充電しながら使うのは極力避けましょう。充電中に操作をしてしまうとバッテリーが熱を持ちやすくなり劣化の速度が早くなります。
現在はモバイルバッテリーをつなぎながら街中で操作している方も多く見かけますが、バッテリーの劣化には直結する行為なので覚えておきましょう。
コツ②80%以上・20%以下に極力しない
iPhoneのバッテリーに限ったことではありませんが、リチウムイオンバッテリーの特性上、80%〜20%の中で使うことを推奨されています。
充電が100%から1%でも減るのが嫌だという方もいますが、バッテリーの劣化にはつながる行為なので覚えておきましょう。
コツ③充電の回数を増やさないようにする
iPhoneのバッテリーに関しては、充電回数を減らすように調整することでバッテリーを長持ちさせられることができます。前述した通り、iPhoneではフル充電サイクルでの回数でカウントされます。
充電する回数が少なければその分バッテリーの寿命も長持ちします。バッテリーが減りにくくなる細かな設定は後述するのでそちらを参考にしてください。
コツ④低電力モードを活用する
充電回数を減らすコツにもなりますが、iPhoneの低電力モードを活用することでバッテリーの寿命を延ばすことができます。低電力モードにすると、電力を使う機能を制限する形になりますが、気にならないなら設定してみましょう。
コツ⑤電波が不安定な場所では機内モードを活用する
スマートフォンでは、常に電波を拾おうとしています。なので、電波が不安定な場所にいると常に電波を拾おうとして電力を消費します。
例えば自宅が電波を拾いにくい場所にいて、Wi-Fiがない場合は、常に電波を拾おうとしてバッテリーの劣化につながります。そういった場所に長くいる場合、機内モードを活用することで回避することができます。
コツ⑥長期間使わない場合は50%にして電源をシャットダウンしておく
iPhoneを長期間使わない場合、50%まで充電してシャットダウンしておくことでバッテリーの寿命を延ばすことができます。
iPhoneは日用品なので、そもそも長期間使わないようなことは少ないと思いますが、使わない期間が発生する場合は50%充電にしてシャットダウンしておきましょう。
【iPhone】バッテリーの交換の料金と方法
では、iPhoneのバッテリーの交換の方法と料金をご紹介します。Appleの公式としてできるバッテリーの交換方法は3つです。それ以外にも2つの方法があるので、ご自身に合ったもので検討しましょう。
方法①Apple Storeに持ち込む
iPhoneのバッテリー交換は、Apple Store(GENIUS)に持ち込むことで交換が可能です。ただ、GENIUSで交換をする場合、予約が必須です。AppleサポートのアプリやWebページ、電話窓口で予約が可能です。料金は以下の通りです。
- ホームボタンなしiPhone:9,800円
- ホームボタンありiPhone:7,500円
2022年8月時点では上記の値段です。円安の影響でApple製品が全体的に値上げされました。その影響でバッテリー料金も値上げされているので注意しましょう。
方法②Appleの配送修理に出す
Apple公式のバッテリー交換方法として、Appleで配送修理を手配することも可能です。Apple Storeは全国にありますが、数が少ないため持ち込みできない場合は配送修理をすることで同様のサービスを受けることができます。
バッテリー交換の値段も同じで、かつ自宅まで配送業者が受け取りから配達までしてくれます。ただ、修理している期間の代わりのiPhoneを使えるサービスはないため自分で用意する必要があります。
方法③Appleの正規サービスプロバイダに持ち込む
Appleには、Apple公式で提供する修理サービスと同様のサービスを受けることができる正規サービスプロバイダを全国に設置しています。Apple公式と同様の料金でサービスを受けることができます。
ただ、Appleと同様に予約が必須です。予約なしでお店に行ったとしてもサービスを受けられないので注意が必要です。
方法④街のiPhone修理店(非正規店)で交換してもらう
街の修理店でもiPhoneのバッテリー交換を行っている場合があります。街のiPhone修理店はAppleの認証を受けている正規サービスプロバイダではないため非正規店扱いになりますが、国が認定した修理店なら安心して交換が可能です。
ただ、正規店ではデータ消去しなければ交換をしてもらえませんが、非正規店ではデータを消去しなくても交換できる場合があります。バックアップなどが面倒な場合は非正規店での交換も検討してみましょう。
非正規店でのバッテリー交換の料金は5,000円〜9,000円と幅があります。また、予約の必要がないため、公式で修理するよりも手間を省くことができます。ただ、不具合などが起こるデメリットもあるので注意しましょう。
方法⑤自分で交換する(非推奨)
iPhoneのバッテリーの交換は自分でも可能です。ただ、iPhoneは精密機器なので、自身で行った場合、復旧できない場合があります。また、自身で修理した場合、電波法違反に問われる危険性もあるので注意が必要です。
iPhoneは高額なので、その後のランニングコストを抑えたいと思うのは当然ですが、自分で交換するにはかなりのリスクが伴うので極力公式か非正規店で交換するようにしましょう。
【iPhone】バッテリーの交換をする前の準備
では、Appleの公式の方法でバッテリーを交換する際に行う必要のある準備を2つご紹介します。
準備①バックアップとアプリの引き継ぎを行う
Apple公式でバッテリーの交換を行う場合、iPhoneの初期化が必要です。なので、バックアップの作成とアプリの引き継ぎが必須です。
バックアップはiCloud・PCどちらでも問題ありません。アプリの引き継ぎは、それぞれのアプリの引き継ぎ方法があるので確認をしましょう。LINEの引き継ぎは以下の記事を参考にして下さい。
非正規店ではバックアップをしなくても良い場合がある
前述していますが、非正規店でバッテリーを交換する場合、データの初期化が不要な場合があります。店舗によって変わってくるので非正規店で交換を検討している場合はスタッフの方に相談してみましょう。
準備②アクティベーションロックを解除する
iPhoneなどでは、初期化をする際に、アクティベーションロックの解除が必要です。アクティベーションロックの解除は、Apple IDのパスワードが必要です。
パスワードがわかっているなら問題はありませんが、パスワードがわからない場合はパスワードの変更が必要です。状況によってはパスワード変更するのに時間を要する可能性もあるので、準備をして交換に出しましょう。
【iPhone】バッテリーの消費を抑えるためのおすすめ設定
最後に、バッテリーの消費を抑える各種設定を4つご紹介します。ここまででも紹介した通り、充電回数を減らすことでバッテリーの寿命は延ばすことが可能です。
バッテリー消費を抑える=充電回数を減らすことにつながるので、微々たるものではありますが、ちりも積もれば山となると言うことわざもある通り少しでも寿命を延ばしたければできるものは上手に活用しましょう。
設定①低電力モードを使う
前述していますが、低電力モードを活用することでiPhoneのバッテリーの消費を抑えることができます。低電力モードではさまざまな機能が一部制限されます。画面の明るさやリフレッシュレート、iCloud写真なども含まれます。
- 設定>バッテリー>低電力モード
設定②画面の自動調整を有効にする
iPhoneでは画面の明るさを調整することができますが、自動調整を有効にすることでバッテリーの消費を抑えることができます。iPhoneは、使用環境によって明るさを検知しディスプレイの明るさを自動で調整する機能が備わっています。
自動調整を無効にしてあると、どの環境で使っても同様の明るさになっているため無駄が生じる可能性があります。
- 設定アプリ>画面表示と明るさ>自動
設定③Wi-Fi環境下ではWi-Fiで使う
iPhoneはWi-Fi環境下にある場合は、Wi-Fiに接続することでバッテリーの消費を抑えることができます。前述した通り電波を常に受信しようとiPhoneを稼働しています。
Wi-Fi環境下の場合は、電波自体はWi-Fiが受信し安定して共有をしてくれるためバッテリーの消費を抑えることができます。現在は5Gが普及しだしているので速度では5Gの方が優勢ですが、バッテリーのことを考えるとWi-Fiがおすすめです。
設定④ソフトウェアのアップデートは常に最新にする
iOSでは、不定期でソフトウェアのアップデートを行っています。アップデートの中には、新機能だけでなく、バグ修正やセキュリティに関する内容が含まれます。
ユーザーの声を聞いてみると、アップデートしたらバッテリーの減りが早くなったという声も聞こえますが、そればバグだった場合はすぐに修正のアップデートがリリースされます。
iPhoneを保護するためには長い目で見たらソフトウェアアップデートは行なった方が良いことなので極力最新にしておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?iPhoneのバッテリーの最適な交換時期というのは最大容量の80%以下のタイミングです。平均すると2〜3年が最適な時期と言われていますが、使い方によってその時期はズレてきます。
バッテリーが最大容量の80%以下になっても使えないわけではありませんが、さまざまな症状が起こる可能性も出てきます。長く同じiPhoneを使うなら、バッテリーの寿命にも目を向けてみてください。