「Ahmia」とは何か知っていますか?聞いたことがあるけれどわからない...「fi」や「onion」同様になんだか怪しいものだった気がする...そんな人のために「Ahmia」とは一体どういうものなのか、使い方、その安全性を解説します。
Ahmiaは検索エンジンだがダークウェブサイトのため注意が必要
Ahmiaは検索エンジンのひとつですが、ダークウェブサイトで使用される検索エンジンのため使用には注意が必要です。
ダークウェブとは、特定のソフトウェアや承認を受けた場合にしかアクセスができないネットワークを使用したサイトのことで、通常閲覧することが可能なコンテンツの約10倍の情報量だといわれています。
Ahmiaは、その中でもJuha Nurmiによって作成されたTorのHidden Service(秘匿サービス)のクリアネット用検索エンジンとなります。通常検索ではヒットしないサイトも閲覧することができる検索エンジンですが、その分安全性に問題がある内容も含まれているため注意が必要ということです。
Torはどんな仕組みなのか
Torとは簡単にいうと匿名でインターネット通信が行えるシステムです。通常はIPアドレスによって誰がどこにアクセスしたかという情報を特定することが可能ですが、Torはそういった情報を残しません。TorはThe Onion Rooting Networkの略です。深層ウェブにアクセスする方法としては一番有名なものと言われています。
Torを使うことで匿名でインターネットにアクセスできることの仕組みは、Torを利用すると、あるサイトにたどり着くまでに世界中の「リレー」と呼ばれるものを経由するというものです。そのため、あるサイトへのアクセスがTorを使ったものだとアクセス元の追跡が困難になり、誰がアクセスしたのかわからなくなる、という仕組みです。
ahmiaの「fi」と「onion」の違い
Ahmiaには(https://ahmia.fi/)と(http://msydqstlz2kzerdg.onion/)の二つのURLが存在しています。違いは普通のブラウザからアクセスできるかどうか、です。fiで終わるURLは普通のブラウザからアクセスが可能です。一方で、onionで終わるURLは普通のブラウザではアクセスができません。ここで登場するのが上で紹介したTorです。Torを通してonionで終わる方のURLにアクセスしてみてください。閲覧できるはずです。
ダークウェブの安全性
次にダークウェブの安全性について解説します。ダークウェブは利用することで犯罪に巻き込まれるだとか、情報が抜き取られてしまうといったような噂があります。もし本当にそのようなことがあるなら不安ですし使用をやめた方がいいのでは?とも思いますよね。ダークウェブを利用したい人のためにこれらの噂が本当なのかどうか、ダークウェブに潜む危険性の紹介とともに解説します。
【ダークウェブの安全性】①違法取引の場
ダークウェブの世界はTorなどを通してしかアクセスできない、すなわち、ほぼ匿名でしかアクセスでいないという特徴があります。そのためなるべく知られたくないような取引、違法取引の場にもなっています。例えば、米国では、ドラッグの取引がされ実際に逮捕者が出たり、イタリアでは誘拐したイギリスのモデルを性的な目的でダークウェブ上で売ったとして逮捕者が出たりしています。また、銃や現金などの禁制品を売るような場にもなっています。
【ダークウェブの安全性】②法に触れる恐れ
ダークウェブのサイトの中には違法なコンテンツが掲載されている可能性もあります。あなたが違法行為を行なっていなくても、それを証明できなければダークウェブにアクセスしていたという時点で違法行為を疑われるというケースもあります。Torなら誰がアクセスしたのかわからないのでは?と思うかもしれませんが、Torも完全な匿名ではなく、アクセス元が特定される可能性がゼロではありません。完全な秘匿性を守ろうとすれば相当な知識と技術が必要ですが、その方法は必ず法に触れる方法になります。
【ダークウェブの安全性】③通信情報が盗まれる
先ほども説明したようにダークウェブにTor等を経由してアクセスするには多くのリレーを経由する必要があります。その中で出口となる経由点はノードと呼ばれるそうなのですがこのノード部分で情報やデータを盗まれてしまう可能性もあるようです。パソコンでならこのノードを制限してある程度の情報流出を防ぐことも可能ですが、スマホなどの携帯端末ではその辺の設定も特になくかなり危険であると言われています。
ダークウェブのサイト
ダークウェブのサイトはGoogleやSafariなど一般の検索エンジンではアクセスできないためそもそもURLを手に入れたり、知ることすら難しかったりします。そこでダークウェブの中でアクセスしやすいもの、使いやすいものを中心にURLをいくつか紹介します。糸口が掴めればそこからは自分でどんどん調べていけるでしょうし自己責任にもなるので、ダークウェブに興味がある方はまずこれらのサイトにアクセスしてみてはいかがでしょうか。
①onionちゃんねる
「onionちゃんねる」は数少ない日本語サイトになります。2ちゃんねるのような掲示板形式のサイトで、閲覧には専用のサイトが必要です。内容はなんでもありの感じでたまに荒らしなども発生するようです。つながらない、閉鎖しているのかもしれない、という事態も頻繁に起こるようですがダークウェブではこのようなことは定期的に起こるものと思っていた方が良さそうです。時間をおいてみるなど気長にアクセスしてみてください。
②HiddenWiki
こちらは「onionちゃんねる」とは違い英語のサイトです。「Hidden Wiki」はあらゆるダークウェブのジャンルのサイトのURLが掲載されています。英語のサイトではありますが中学生程度の英語ができれば問題なく情報収集が可能でしょう。検索サイトというよりはリンク集なのでこのサイトを頼りにそれぞれのサイトにアクセスしていくことになります。また、中には安全性の担保できないしあとも含まれていますのでアクセスはあくまでも自己責任でお願いします。
③Facebook
あの「Facebook」?と思った人が大半でしょう。そうです。私たちもよく利用しているあのFacebookのダークウェブ版です。しかし自分のアカウントでダークウェブ版にアクセスすることは推奨されません。なぜなら出口ノードが今安全なのかどうか、何か対策をとっているのかどうかがわからないからです。ダークウェブ上のサイトでのログインはお勧めしませんが、このように普段使っているようなサイトもダークウェブには存在します。怪しいサイトばかりではありません。
④オニオンChannel
「オニオンChannel」は日本最古の日本語ダークウェブサイトになります。こちらも2ちゃんねるのような掲示板仕様になっています。薬物の取引をしているとみられる書き込みも少なくなくあるのでくれぐれも気をつけてください。「オニオンChannel」には「tor板」「エロいの」「アングラ板」の3つがあるようです。
⑤暗黒ちゃんねる
こちらの「暗黒ちゃんねる」も日本語サイトで掲示板仕様のものです。ダークウェブ上の2ちゃんねるです。以前は板のカテゴリが8つしかなく書き込み自体もとても少なかっ多様ですが、近年増えてきています。しかしその多くは詐欺やとるに足らない落書きであるようです。ただ、書き込みが増えてきたということでこれから有益なサイトに変わることもあるかもしれません。
⑥匿名チャット
「匿名チャット」はその名の通りチャットサイトになります。しかしかなり過疎らしく、話し相手がいないチャットサイトになっています。サイト紹介には、国は法執行機関からの情報開示請求は絶対に受け付けないという宣言と、いかに書き込まれた情報が守られているかが書かれています。とてもダークウェブらしいサイトと言えるでしょう。
⑦俺のメモ帳2
この「俺のメモ帳2」はダークウェブの日本語のリンク集では最大のページではないでしょうか。リンク集が他のどのサイトよりも充実していて網羅されています。なんと、サーフウェブのリンク集まであります。更新が異常といえるほどに早いのもユーザーとしては助かるポイントです。一番ダークウェブの入口向けのサイトといえるかもしれません。
⑧Cheena
これまでのサイトはネットの文化を踏襲したような名前やわかりやすい名前のサイトが多かったですがこちらのサイトは一味違います。チーナさんによる「Cheena」です。チーナさんはフリーランスでダークウェブに関する日本語で読める情報をツイッターやブログで数多く提供している方です。あの漫画村の運営者を特定したのもこの人で有名です。「ダークウェブの教科書」という本まで出版しています。
⑨PROTON MAIL
「PROTON MAIL」は表層webサイト(わたしたちが普段アクセスしている通常のウェブサイト)にも存在するメールサービスです。以前は「mail2tor」というサービスがダークウェブの中でのメールホストとしては一番有名でしたが今ではサービスを終了してしまっているようです。ダークウェブの方のURLは(https://protonirockerxow.onion/)、表層webサイトのURLは(https://protonmail.com/jp/)です。
⑩A1 QUALITY CREDIT CARDS STORE
「A1 QUALITY CREDIT CARDS STORE」は英語のサイトになります。こちらはなぜかトップページだけになっていてよくわかりません。クレジットカードを販売している雰囲気で写真なども貼ってあるのですが、実際に販売ページなどがあるわけでもなく販売はされていなさそうです。よくわからないものが見たいユニークな感性をお持ちの方にはおすすめです。念のためURLを貼っておきます。(http://64fgu54a3tlsgptx.onion/)