まず5Gとは「”5th Generation”(第5世代移動通信システム)」の略称です。
この5Gには国際連合の専門機関「国際電気通信連合」無線通信部門(ITU-R)という機関が2015年9月に制定した「IMTビジョン勧告」の中にコンセプトを記載しています。
それが、
- 高速大容量:eMBB:enhanced Mobile Broadband
- 高信頼・低遅延通信:URLLC:Ultra-Reliable and Low Latency Communications
- 多数同時接続:mMTC:massive Machine Type Communication
の3つです。
これは2017年に合意された5Gの技術性能要件に含まれており、5Gに対する期待が高まっています。
ちなみに、5Gは
- VR
- 遠隔医療
- ドローン制御
- 自動走行
などを含む合計74のユースケースを公開しています。
5G:第5世代移動通信システムまでの変遷
今でこそ5G:第5世代移動通信システムが誕生して、我々の生活は非常に便利になりました。
しかし、5G:第5世代移動通信システムが誕生するまでは色々な葛藤があったのです。
まず1G。
1Gでは、アナログ携帯電話が普及しており音声を電波に乗せて変換し相手に伝えるアナログ方式を採用していました。
2Gでは通信方式がアナログ方式からデジタル方式へと変換されています。
ここではメールやインターネットの通信が可能になり、現在の基盤を築いたといっても過言ではありません。
3Gでは世界標準の高速通信が可能になり、webをプラットフォームとしたサービスが大拡散された時代でもありました。
5Gと4G以前との違い
そして、現在普及している4Gですが5Gとどう異なるのでしょうか。
4Gが誕生してからというもの、
- ゲーム
- 動画
などの大容量なコンテンツをストレスなくプレイできるようになりました。
つまり、4Gは「スマホのためのネットワーク」と言えるでしょう。
一方で、5Gについては「社会のためのネットワーク」と言えます。
5Gは先ほどもありましたが、
- 高速大容量:eMBB:enhanced Mobile Broadband
- 高信頼・低遅延通信:URLLC:Ultra-Reliable and Low Latency Communications
- 多数同時接続:mMTC:massive Machine Type Communication
を実現しており、4Gと比較すると
- 通信速度:20倍
- 遅延:1/10
- 同時接続台数:10倍
とかなり優れていることがわかります。
このことからスマホのためだけのネットワークであるのは勿体ないと考え、様々なサービスへの転換が期待されています。
5Gの仕組みと特徴
では最後に、5Gの仕組みや特徴をご紹介します。
まだまだ5Gについて理解していない部分がある方は、是非ここで学んでしまいましょう。
高速大容量
まず、「高速大容量」です。
「高速大容量」を実現しているのは「Massive MIMO」というアンテナを駆使した技術です。
これがあることによって、数百以上あるアンテナ素子を操り我々のスマホへデータを送受信します。
これに+αして、「ビームフォーミング」という技術も活用されており、これは特定の方向へ一気にデータを放射することができます。
つまり、
- Massive MIMO
- ビームフォーミング
の2つが合体して5Gが出来上がっていることになります。
高信頼・低遅延通信
続いては「高信頼・低遅延通信」です。
「高信頼・低遅延通信」は「エッジコンピューティング」という技術が活用されており、デバイスとサーバーの距離を物理的に縮めています。
これにより、通信時間を圧倒的に短くすることに成功しています。
この「エッジコンピューティング」の規格を推進しているのが「欧州電気通信標準化機構(ETSI)」です。
「欧州電気通信標準化機構(ETSI)」が認めている技術ということもあり、信頼性が担保されています。
多数同時接続
最後は「多数同時接続」です。
「多数同時接続」は「グラントフリー」という技術が使われており、通信方式をかなりシンプルにしています。
シンプルになったことで通信台数を物理的に増やすことができるのです。
現在、国際電気通信連合によると同時接続できる目標値を100万デバイス/㎢と掲げています。
4G段階では10万デバイス/㎢になっていたため、5Gになれば単純計算上10倍のデバイスを接続できることになります。
これが実現すれば、IoT時代が正式に到来することにもなるでしょう。