Apple社のシリコンチップ主力サプライヤーである、台湾法人のTSMC社は、アリゾナ州フェニックス地区への工場建設を順次進め、2024年の本格稼働を目指しています。
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Apple社主力サプライヤーTSMC社のアリゾナ州工場建設が進む!
Apple社のシリコンチップ主力サプライヤーであるTSMC社が、アリゾナ州フェニックス地区への製造工場建設を順次推し進めていると大手情報メディア・ブルームバーグが伝えています。
2020年11月、フェニックス市当局は、新設工場に対する財政的な優遇と政府の支援を承認しました。同市議会の通知によれば、道路や下水道などのインフラ整備に、約2億ドル(日本円で約218億円)の支援を行うことで合意しました。
TSMCアリゾナ工場建設でハイテク専門家1600名以上の雇用創出!
TSMC社は、2021年から2029年までの、資本支出を含むプロジェクトへの総支出額を約120億ドル(日本円で約1兆3000億円)と見積もっています。
このアリゾナ工場施設建設によって、1600人以上のハイテク専門家の雇用が、直接創出されると見込まれています。
TSMCアリゾナ工場は2024年までに量産体制稼働を目指す!
TSMC社のアリゾナ工場建設は、現在順調に進んでいると言われています。この工場では、2024年までに5nmプロセスで製造されたチップを量産稼働できる体制を目標にしています。
TSMC製のチップはApple社の各デバイスに搭載!集積化も加速!?
TSMC社では、かつてiPhone 7に搭載された16nmのA10チップから、iPhone 11モデルに搭載された7nmのA13チップを経て、昨年発売のiPhone 12のA14チップでは5nmプロセスを採用しました。
シリコンチップの集積化、微細化、発熱抑制など、TSMC社の技術は確実に進歩を遂げてきています。
脱インテルでARMチップへシフトするAppleの先見!?
これまでCPUといえば「インテル社」の独壇場で、他の選択肢はかなり限定的でした。しかしApple社は2020年発表の「macOS Big Sur(注1)」から、徐々に「ARMチップ」へとシフトを加速させています。
シリコンチップ採用の大原則は「コスト」でもあり、規模の大きなインテルから脱却することは至難です。しかしApple社はすでに少なくとも「スマホ市場」で確固たる地位を築き、ほぼ2年をかけてARMシフトを図ると言われています。
注1:2020年11月13日リリースされた、現在の最新のmacOSの「愛称」。名称は、カリフォルニア沿岸部「ビッグサー」地域に由来する。
まとめ
TSMC社は、すでにワシントン州キャマスに工場を、テキサス州オースチンとカリフォルニア州サンノゼにデザインセンターを持っています。アリゾナ工場は米国で2番目の製造拠点となります。
アリゾナ工場の新設により、A14やM1チップなど、Apple社のカスタムシリコンチップを米国内で実現可能な製造機会が増えることになります。
source:MacRumors