短い動画の共有サイトとして大人気のティックトック。単に動画を見るだけであれば、とくに危険性はありません。一方、アカウントの登録や動画の投稿については、個人情報の流出などの危険性に注意が必要です。本記事ではアカウント登録や動画投稿の注意点を説明します。
目次
ティックトックの動画を見るだけなら危険性はないの?
今や欧米ではYouTubeやInstagramをしのぐ人気のティックトックの特徴といえば、15秒程度の短い動画を簡単に作成・投稿でき、エフェクトなどの動画編集も簡単で、若者から人気に火がついて幅広い年代層に広まっています。
しかし、中国製アプリのティックトックということで、利用する際の危険性について色々な情報がネットやニュースで話題となっています。例えば、アカウント登録した場合、「個人情報が当局に漏れてしまう」、「操作履歴等を運営サイドが勝手に収集している」など、危険性を懸念する声も多く上がっているのが現状です。
ティックトックの機能として、「動画の閲覧(見るだけ)」と「動画の投稿」になります。動画を投稿するにはアカウントの登録が必要ですが、動画を見るだけならアカウント未登録でも可能です。したがって、ログインせずに動画を見るだけであれば、個人情報を盗まれるなどの危険性もありません。一方、アカウント未登録では使える機能に制限もあります。
ここでは、アカウント登録と利用機能の関係、アカウントを登録することの危険性について説明します。
アカウント未登録でもできること、できないこと
ティックトックを利用するには、WEBサイトから動画などにアクセスする方法と、アプリをダウンロードして利用する方法があります。ここでは、それぞの方法について、アカウント未登録でも利用できる機能、アカウント登録が前提となる機能について説明します。
サイトの場合
ティックトックのWEBサイトを開くと、すぐに動画を参照できます。
アカウントを登録しないでWEBサイトからティックトックにアクセスした場合の機能の動きは以下のとおりです。
- 動画を見るだけならWebサイトを開けばすぐに見れます。
- 動画を検索窓を使って検索が可能です。
- 動画の共有は可能ですが、保存ボタンがないため保存できません。
- 動画にいいねをしようとするとログイン誘導ウィンドウが表示されます。
- 動画の作成をしようとするとログイン誘導ウィンドウが表示されます。
スマホアプリの場合
アカウントを登録しないでWEBサイトからティックトックにアクセスした場合の機能の動きは以下のとおりです。
- 動画を見るだけならWebサイトを開けばすぐに見れます。
- 動画を検索窓を使って検索が可能です。
- 動画の共有および保存が可能です。
- 動画にいいねをつけることができます。
- 動画の作成体験を行うことが可能です。
ティックトックのアカウントを登録する危険性
ティックトックの機能をフルに使うにはアカウントを登録する必要があります。しかし、アカウントの登録については、危険性に留意した方がよいでしょう。以下におもな危険性について説明します。
アカウント登録に必要な情報
ティックトックでアカウントを登録する方法は、以下のように巣複数の方法があります。
- 電話番号またはメールアドレスで続行
- LINEで続ける
- Appleで続ける
- Twitterで続ける
- Googleで続ける
- Facebookで続ける
年令および電話番号やメールアドレスなどを使って本人確認が必要であり、ほかのアプリのアカウント情報と連携する場合は、ほかのアプリのアカウント情報として登録している項目がティックトックに渡されます。
ティックトックの情報管理について
ティックトックでアカウントを登録する際には、プライバシーポリシーへの同意を求められます。実は、このプライバシーポリシーには、アカウント情報などのユーザーデータが、ティックトックの運営元である中国のバイトダンス社以外の会社や当局にも提供する旨が記載されています。
こうしたことから、ユーザーが知らないうちに、自分の情報を意図しない使われ方をする可能性があるのです。
アメリカによる「TikTok利用禁止措置」
米国のトランプ前大統領はティックトック利用禁止の措置を取りました。ティックトックにアカウントを登録して使うと、ユーザーの個人情報やデータが中国政府に漏洩する恐れがあり、国家安全保障に対する脅威となり得るという理由からです。
バイデン大統領によってこの禁止措置は撤回されていますが、ティックトックは無罪放免というわけではなく、いろいろな政治的思惑の中にあります。
中国製アプリゆえに危険とされる噂だけでは済まされないデータの読み取り
上記でも説明しましたが、ティックトック中国製のアプリであり、中国製のソフトは利用者の個人情報を中国政府に渡しているという疑念があるなどの危険性が指摘されています。
さらに、実は勝手に利用者の操作情報や入力データを抜き取っていることが発覚したのです。見るだけの利用であっても危険性があるというわけです。以下で詳しく説明します。
実際クッリップボードのデータを読み取っていたティックトック
ティックトックのスマホアプリでは、クリップボードの内容をユーザーに無断で読み取っていたことが分かったという報告があるのです。
iPhoneでOSをiOS14にアップデート時に、開発者向けツールでティックトックを立ち上げて文字を入力した際に、「ティックトックがクリップボードの内容を勝手に参照している」という警告文が表示されたというのです。
ティックトック側は、アプリ自身にクリップボードを勝手に読み取る仕組みが備わっているのではなく、スパムチェックの機能がクリップボードのデータを参照していたのであり、問題はないと主張しています。
いずれにしても、ティックトックが勝手にクリップボードのデータを参照していたのは間違いないようです。クリップボードには見るだけでも入力データなどが保存される可能性があります。しかも、このことは、問題を指摘されるまでユーザーには知らされていなかったのです。
動画を投稿する危険性
ティックトックで動画を投稿するのであれば、動画投稿による危険性を理解しておくべきです。
ここでは、以下の項目について詳しく説明します。
- ネガティブコメント
- 顔出しによる危険性
- 出会いツールとしての利用
- 不特定多数に扱われる投稿動画の危険性
不用意な動画投稿で危険な状況を招かないように注意しながら楽しみましょう。
ネガティブコメント
SNSでは、投稿が炎上して閉鎖せざるを得なくなったといった状況を目にします。また、ネガティブなコメントをしつこく送り付けてやめない人に遭遇するかもしれません。
見るだけならコメントは届きませんが、アカウントを登録したり動画を投稿すればコメントが付きようになります。
ロイヤルファミリーに関するSNSの状況を見れば一目瞭然ですが、単にティックトックをクローズすれば終わりではなく、精神心的なダメージのケアが必要な事態に追い込まれることもあり得るのです。