音楽系サブスクで見かける高音質音源の「ハイレゾ」。
ハイレゾと聞いてどんな特徴があるのかを答えられる方はまだ多くないと思います。
この記事では、ハイレゾの概要やBluetoothイヤホンは意味ないと言われる噂の調査などを行なっています。
目次
最近よく聞くハイレゾってどんなもの?
まずは、ハイレゾについての概要をご紹介します。
そもそもハイレゾの意味は?
近年では、音楽を聴く環境がCDなどのディスクからサブスクリプションサービスへ移行しました。
音源は完全にデジタルかされることで、CDに比べて音質が悪くなったと言われていますが、サブスクでも高音質の音楽を楽しめるようになり、その1つの基準がハイレゾ音源と呼ばれています。
ハイレゾはHigh Resolution Audio(ハイレゾリューションオーディオ)の略で、意味を日本語に直訳すると、高解像度音声といいます。
ただ、高解像度音声と言われていもいまいち意味がわからない方は、音質の高い音源と理解しておきましょう。
団体によってハイレゾの定義が違う
ハイレゾ音源に関して理解しにくい点として、デジタル音源を取り扱う団体によってハイレゾの定義が違うことがユーザーにとってわかりにくさが生じています。
両団体とも基本的な基準として、CD音源を超える場合にはハイレゾと定義しているので1つの基準として理解しておきましょう。
ハイレゾを定義している団体は以下の2団体です。
- 日本オーディオ協会
- JEITA
日本オーディオ協会
日本オーディオ協会が定義するアナログ信号に関わるハイレゾの基準は以下の3つです。
- 録音マイクの高域周波数性能:40kHz以上
- アンプ高域再生性能:40kHz以上
- スピーカー・ヘッドホン高域再生性能:40kHz以上
また、デジタル信号に関わるハイレゾの基準は以下の5つです。
- 録音マイクの高域周波数性能:40kHz以上
- アンプ高域再生性能:40kHz以上
- スピーカー・ヘッドホン高域再生性能:40kHz以上(自己録再機は、FLACまたはWAVのどちらかのみ)
- 信号処理:96kHz/24bitの信号処理性能が可能
- デジタル・アナログ変換:96kHz/24bitが可能
JEITA
JEITAが定義するハイレゾの基準は、「44.1kHz/24bit 」を超えた場合と定義されています。
CD音源は44.1kHz/16bitなので、それを超える44.1kHz/24bit以上の音源はハイレゾと考えて問題ありません。
ハイレゾマークの商標権はソニーが所持
ハイレゾ音質に対応しているヘッドホンやイヤホンにはハイレゾマークが付いていることがあります。
一般的には、上記の様な団体の認証を得られた場合に製品の品質保証を行うためのマークですが、現在のハイレゾマークは少し意味合いが違います。
ハイレゾマークの商標権はメーカーであるソニーが元々所持しており、そのマークを日本オーディオ協会が採用しています。
さらに、ハイレゾマークは日本オーディオ協会員になっているメーカーしか製品に付けることができないため、実際の製品保証というよりも、日本オーディオ協会の会員としてのマークという少し意味が違うマークになりつつあるのが現状です。
ハイレゾに関連する2つの単位
前項では、ハイレゾの意味やハイレゾマークについてご紹介しました。
ここからは、前項で触れたハイレゾマークに関連する2つの単位について簡単に触れておきましょう。
kHz(サンプリング周波数)
kHz(キロヘルツ)という言葉くらいは聞いたことがある方も多いと思いますが、デジタルの音源でのkHzとは、サンプリング周波数のことを指します。
わかりやすくすると、1秒間の間にどのくらいのデータ量が含まれているかの単位で、1秒間の間のデータ量が多いほど鮮明な音楽を聴くことができます。
bit(量子化ビット数)
bit(ビット)は、CDをPCに取り込む作業を行ったことある方は一度は聞いたことがあると思いますが、音の振れ幅のことを指します。
bit数が大きければ大きいほど音が繊細になり、高音質でデジタル保存されているという基準です。
ハイレゾ音源の3つの特徴
では、ハイレゾ音源の3つの特徴をご紹介します。
原音に近い音を再現できる
サブスクで音楽を配信する場合、デジタル的に圧縮をおこなっています。
元々録音した音源に対して圧縮されるためどうしても原音よりも音質は下がってしまいますが、ハイレゾは、原音に近い音を再現できるため、非常に高音質の音楽を楽しむことができます。
高音の帯域に対応している
ハイレゾ音源は、サンプリング周波数が高いので高音の帯域にも対応しています。
元々人間の耳は20kHz以上の音は認識できないことが研究でわかっており、無意味とされていましたが、脳が認識をすることが判明したため直接聞けなくても現在では無意味ではないとされているのも特徴の1つです。
細かい音も再現できる
ハイレゾ音源は量子bit数が大きいためCDよりも細かな音も再現できるという点も特徴の1つです。
ハイレゾ音源は意味ないと言うのは本当?
ハイレゾ音源にすることは、人間の耳では認識できない音があるため意味ないと言われてきました。
実際、意味がないのかと言うとそうではありません。ただ、何度か触れていますが、人間の耳では認識できない音源も含まれるため、聞いてすぐに違いがわかるのかと言うとそうではないと言うことも理解しておきましょう。
ハイレゾ対応やマークのあるBluetoothイヤホン・ヘッドホンは意味ないって本当?
ハイレゾ音源自体に意味がないことはないと紹介しましたが、ハイレゾ対応のヘッドホンやイヤホンも意味がないという噂が流れています。
ここからは、ハイレゾ対応のヘッドホンやイヤホンが本当に意味がないのかについてご紹介します。
ハイレゾ対応のBluetoothイヤホン・ヘッドホンで聴く条件
ハイレゾ音源に対応しているBluetoothイヤホンやヘッドホンは意味がないとSNSなどで見かけることがあります。
実際に意味がないのかと言うと、100%意味がないとは言い切れませんが、Bluetoothイヤホンでハイレゾ音源を聴くにはいくつかの条件を満たす必要があります。
- 音源:ハイレゾ音源
- 再生アプリ:Bluetoothでハイレゾ再生に対応している
- 再生デバイス:出力がハイレゾに対応している
- Bluetoothイヤホン・ヘッドホン:LDACなどハイレゾコーデックに対応している
以下のハイレゾに対応したBluetoothイヤホンを用意しても、上記の3つの条件も満たしていないとハイレゾ音源で音楽を聴くことはできないので注意しましょう。
ハイレゾマークがついていても音質は保証されない
なんとなくハイレゾマークが付いていれば安心という方もいると思いますが、実際にはハイレゾマークが付いていても製品自体の品質を保証するものではないという理解も必要です。
ハイレゾには低音には条件がないため、高音さえ満たしてしまえばハイレゾマークが取得できてしまうことがあります。
ハイレゾマークの付いているBleutoothイヤホン・ヘッドホンを購入しても音質までは保証されないため注意が必要です。
ハイレゾマークがなくても高音質で聞けるBluetoothオーディオもある
前述した通り、ハイレゾマークが付いているイヤホンやヘッドホンのメーカーは全て日本オーディオ協会に加盟しています。
それ以外のメーカーはどれだけ高品質のBluetoothイヤホン・ヘッドホンであってもハイレゾマークが付くことはないので、ハイレゾマーク=低品質という公式は成り立ちません。
しっかりと調べればハイレゾマークがついていなくても高品質で聞けるBluetoothイヤホンやヘッドホンもあるので覚えておきましょう。
ハイレゾ対応よりも重要なのはどんな音が聞けるのか
ちなみに、ハイレゾ対応の音源であっても、人それぞれ好きな音や好みの音があるのでで、必ずしも気に入るとは限りません。
そもそものイヤホンやヘッドホンの特性によってどんな音が聴けるのかも変わってきます。
Bluetoothイヤホンはピンキリなので、1,000円台から高い10,000円以上のものまであります。
ハイレゾと同様に安いから悪い音、高いから良い音とは必ずしも言い切れないので、自分がどのような音が好きなのか理解して最適なBluetoothイヤホンやヘッドホンを選ぶことをおすすめします。
ハイレゾを最も最適に楽しめる環境
せっかく高品質のハイレゾ音源を提供しているサブスクに加入しても、環境が整っていなければ楽しむことはできません。
必須環境も前述しているので詳しくは触れませんが、全ての条件が整っていなければせっかくのハイレゾ音源を楽しむことはできません。
音源・アプリ・対応のBluetoothイヤホン・コーデックの条件もしっかりと確認わすれないようにしましょう。
ハイレゾ対応イヤホンの選び方の5つのポイント
ここまでは、ハイレゾの意味やハイレゾ対応のBluetoothイヤホン・ヘッドホンには意味がないと言われる理由などを見てきました。
では、実際に高音質で聞けるイヤホンを買う際の5つのポイントをご紹介します。
ポイント①ハイレゾマークの有無
ハイレゾに対応したイヤホンが欲しいのであれば、ハイレゾマークが付いているイヤホンを買うのが確実です。
ただ、何度も触れていますが、ハイレゾマークが付いているからと行って高音質というわけではないので注意しましょう。
ポイント②イヤホンの接続方法
ハイレゾ対応のイヤホンには接続方法の違いがあります。これはBleutoothではなく有線のイヤホンに限りますが、一般的なイヤホンは3.5mm径のプラグを採用しています。
それ以外の接続方法のハイレゾ対応の有線イヤホンも販売されているため、しっかりとチャックしてから購入するようにしましょう。
ポイント③ノイズキャンセリングの有無
現在の高品質のイヤホンの多くにはノイズキャンセリングという雑音を消すことができ、音楽だけに没入できる機能を持ったイヤホンが多くあります。
せっかくハイレゾの高音質の音楽を聴くのであれば、ノイズキャンセリングの機能を持っているイヤホンの方がより鮮明に音楽を楽しめるので、機能が使えるイヤホンがおすすめです。
ポイント④ドライバーユニット
ハイレゾ対応のイヤホンを購入する際、ドライバーユニットも購入のポイントの1つです。
ダイナミック型かバランスド・アーマチュア(BA)型が一般的ですが、両方の機能を兼ね備えたハイブリット型も販売されているので、高音質で楽しみたい方はハイブリット型も検討することをおすすめします。
ポイント⑤その他の付帯機能
ここで紹介した以外にも各メーカーがさまざまな機能を持ったイヤホンを販売しています。
リモコンつ使い勝手や、専用アプリとの連動性、イコライザーの利用の有無などより音楽を楽しめる機能を使える可能性もあるのでその他の機能もしっかりと理解して失敗しないようにしましょう。
ハイレゾに関するQ&A
最後にハイレゾに関するよくあるQ&Aを集めてみました。
Q1:ハイレゾ音源を聞けるサブスクは?
現在ハイレゾ音源を聴くことができるサブスクは以下の通りです。
- Amazon Music HD
- Apples Music
- レコチョク
- e-onkyo-music
Spotify、AWAなどはまだハイレゾ音源に対応していないので注意しましょう。
Q2:ハイレゾはiPhoneにもAndroidにも対応している?
スマホでハイレゾ音源を聴く場合、対応の機種を選ぶ必要があります。現在Appleで取り扱いのあるiPhoneはハイレゾに対応していますが、Androidの場合は全てが対応しているわけではありません。
また、iPhoneユーザーの多くはAirPodsシリーズを使っているユーザーが多くいますが、AirPodsシリーズではハイレゾに対応していないため注意が必要です。
Q3:ハイレゾを聞けるアプリはどんなものがある?
ハイレゾを聴くには、再生するプレイヤーもしっかりと選ぶ必要があります。
- ミュージックアプリ(iPhoneユーザー向け)
- Amazon Music
- radius NE Player
- ONKYO HF Player
上記以外のプレイヤーを使っているとせっかくのハイレゾ対応の音源であっても高音質の音源を聴けない可能性もあるので注意しましょう。
Q4:ハイレゾ対応のコーデックは?
Bluetoothイヤホンを使う場合に注意したい点として、コーデックがあります。
- aptX
- aptX HD
- LDAC
- LHDC
などハイレゾに対応したコーデックでないと、Bluetoothイヤホンではハイレゾ音源を聴けないので注意しましょう。
Q5:通信速度で音質が変わるって本当?
サブスクユーザーの中には、楽曲をダウンロードして聴いている方も多くいると思いますが、ストリーミングで聴く方も多くいると思います。
ストリーミング再生する場合は通信速度がある程度安定している必要があり、また、再生するたびに通信量が消費されるので、制限のあるプランを契約している方は注意が必要です。
Q6:CD音源との違いはわかる?
ハイレゾ音源とCD音源を聴き比べてみて、実際に違いがわかるのかと言うと、違いがわからない人の方が多いかもしれません。
前述した通り、ハイレゾ音源は人間の耳には聞こえない周波数が混ざっています。高音質という違いはあっても実際に聞いてみたら違いがないと感じる場合もあるので覚えておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ハイレゾの概要や条件、特徴などをご紹介してきました。
現在提供されていないサブスクでも、今後は提供される可能性も考えられます。紹介した通り人間の耳では聴けない部分もありますが、高音質に変わりありません。
音楽が好きで、少しでも音質の良い音源を聴きたい方は、しっかりと条件を見直し良い音で音楽を楽しんでいただけたら幸いです。