Gemini(旧Google Bard)は、Googleが開発した大規模言語モデル(LLM)の対話型の生成AIです。OpenAIの「ChatGPT」に対抗してGoogleが開発しています。
これからはAI利用が欠かせない時代になっていくことに間違いはありません。
本記事では、Gemini(旧Google Bard)の特徴や使い方をわかりやすく説明します。
Gemini(旧Google Bard)とは?
Gemini(旧Google Bard)は、会話形式のAI(人工知能)です。
OpenAIが開発している「ChatGPT」の後発サービスとして、2023年12月6日に発表されました。
Google Bard(グーグルバード)は2024年2月に「Gemini(ジェミニ)」と改名し、同時にAndroidスマホ向けアプリもリリースされました。
※本記事ではGemini(旧Google Bard)と表記します。
Googleが開発した「自然言語による対話型AI」
Gemini(旧Bard)は、GoogleのAI技術を活用した大規模言語モデルです。
高度な自然言語処理能力を持ち、ビジネスから日常生活まで幅広く利用できる生成AIツールです。
多句の言語に対応しており、強力なアシスタントとして活用できます。
機能も本家のChatGPTにも劣らない性能を持つまでに進化しています。
特徴① 無料で利用可能
Gemini(旧Google Bard)の主な特徴を紹介します。
まずは、無料で利用可能できる範囲の広さです。Gemini(旧Google Bard)は、ほとんどの機能が無料で利用できるようになっています。
ChatGPTの最新版「GPT-4o」を利用するには、基本的には有料プラン「ChatGPT Plus」への加入が必須です。(一部機能は無料でも利用可能)
一方でGemini(旧Google Bard)は、最新版の機能でも無料で利用可能です。
なお最新のGeminiでは、月額料金が2,900円/月の「Gemini Advanced」というプランがあり、加入すると利用できるトークン数(質問できる文字数)が増えます。
特徴② 日本語でのやりとりが可能
Gemini(旧Google Bard)は日本語でのやりとりが可能です。
以前の生成AIは英語にしか対応していないモデルも多かったですが、今では多言語に対応しています。
日本語でも問題なくスムーズにやり取りできます。
日本語の他にも、英語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語など、40を超える言語に対応しています。
特徴③回答を複数表示
Gemini(旧Google Bard)による回答は「複数のバージョン」が表示される場合があります。
複数回答では基本的には3通りの回答が表示されます。「情報の詳細度合い(詳細であるほど文字数が多い)」と「客観性」、そして「書き方・表現方法」のバージョン違いです。
質問に対する答えが複数あると考えられる場合には、複数の回答が表示され、その中から適切な回答を選ぶことができます。(すべての質問に複数の回答が表示されるわけではありません)
特徴④ Googleのデータを利用しているため、情報が新しい
Gemini(旧Google Bard)は検索エンジンを開発しているGoogleが開発した大規模言語モデル(LLM)です。
AIが学習しているデータは、多くがインターネット上にある情報です。多くのデータを持っていると思われる(検索エンジンの会社である)Googleがデータの量で有利なことは間違いありません。
「情報の量」に関してはGoogleに強みがありますが、「情報の新しさ」については、生成AIでは反映できる学習データには限界があります。
たとえば昨日のニュースを回答に反映させることは、現在の技術ではまだ不可能です。
しかし、Gemini(旧Google Bard)ではGoogle検索で常に最新にアップデートしているWebデータを参照しており、比較的最新の情報を得やすいといえます。
特徴⑤ 位置情報で周辺の情報を調べられる
Gemini(旧Google Bard)では、回答の作成に質問者の位置情報も参考にします。
例えば、店舗検索などで、近くのお店を探すといった絞り込みが自然に行えます。
なお、位置情報の利用可否は、サイト情報パネルから設定可能です。
Gemini(旧Google Bard)の使い方
Gemini(旧Google Bard)を利用するための基本的な使い方・操作方法を紹介します。
使うための手順は以下です。
- Gemini(旧Google Bard)にログイン
- 画面下部の入力欄に質問を入力
- Google検索で回答と関連する情報を取得する
それぞれについて詳しく説明します。
準備:Gemini(旧Google Bard)にログイン
Gemini(旧Google Bard)を使うには、Googleアカウントでログインをする必要があります。
手順は以下のとおりです。
- Gemini(旧Google Bard)(Gemini)トップページを開く
- ログインボタンを選択
- Gmailのドレスおよびパスワードを入力
- 2段階認証用のスマホに送られた確認メールで「はい」を選択
一度ログインすれば、次回以降は自動でログインします。
入力ボックスに指示や質問を入力
質問や指示を入力します。
Gemini(旧Google Bard)の画面の下部に表示される「ここにコマンドプロンプトを入力してください」という入力欄に、質問文を入力します。
送信ボタンを押すと、Gemini(旧Google Bard)の回答が表示されます。
テキストによる質問や指示のほかに、画像を添付したり音声入力で質問したりすることが可能です。
回答に「リアクション」をする
Gemini(旧Google Bard)の回答に「リアクション」することが可能です。
得られた回答に対して、良い/悪いを評価したり、別の回答を再表示させたりできます。
できる操作は以下の5つです。
回答の評価 | 回答の可否を評価(AIの答えが有効だったかどうか) |
---|---|
回答を書き換え | 回答文を短くしたり・長くしたりなどの変更も可能 |
共有とエキスポート | GoogleドキュメントやGmailに利用できる |
回答を再確認 | 回答文に関連するGoogl検索の結果を表示する |
その他 | コピーなど |
回答を再確認では、回答内容の各文ごとに関連する検索結果を表示してくれます。
元になったサイトなどを詳しく調べたいときに便利です。
Gemini(旧Google Bard)の利用例
Gemini(旧Google Bard)にはさまざまな使い道があります。
質問次第で思いもつかないことにも応用できるようになるかもしれません。
ここでは、現在で用いられている具体的な使い方の例を紹介します。
①プログラミング
生成AIでは、単に会話をするだけでなく、プログラミングも可能です。
もちろん、つねにバグのない完全なソースコードが提供されるわけではありません。
また、入力文として記述したプログラムの仕様にあいまいさがあれば、できたソースコードも目的に合致しないことも大いにあり得ます。
しかし、ゼロからコーディングするよりは、はるかに短時間で品質の良いサンプルをChatGPTやGemini(旧Google Bard)が提供可能です。
実際にプログラミング現場での活用事例も多くあります。
②校正・校閲
文章の「校正や校閲」はAIの得意分野です。
伝わりやすい文章には校正や校正が欠かせません。しかし、文法チェックや適切な言い回しの選択には知識を必要としますし、時間は労力も多大にかかります。
それらをGemini(旧Google Bard)にしてもらうことで、人間の労力を減らすことができます。
ただし、AIによるチェックには限界や不得意分野もあるので、最終的には人間がやった方がいいでしょう。
また、構成や校閲に関してはChatGPTの方が得意という説もあるようです。
③翻訳ツールとして
Gemini(旧Google Bard)は翻訳ツールとしても優秀です。
多くの言語間の翻訳が可能で、日本語や英語だけでなく、中国語、韓国語、イタリア語、ポルトガル語など、対応言語は多岐に及びます。
Google翻訳などの「機械翻訳」と異なる点は、たとえば文章の出典を示したり、意訳を加えてくれる点です。
その点では、より高度な機械翻訳ツールとしての利用が可能といえます。
④冠婚葬祭等の定型文作成
冠婚葬祭の手紙や会場でのあいさつなどでは、ある程度決まった内容の定型的な内容も必要ですし、忌み言葉など使用する言葉にも気をつかう必要があります。
このため自分で定型文などを探して文案を作るのは、慣れていない場合は、結構神経も使う面倒な作業ですが、Gemini(旧Google Bard)に定型文作成をしてもらうという使い方が可能です。
Gemini(旧Google Bard)では、こうしたある程度パターンを絞り込めるシーンでのあいさつ文などは得意とするところです。
どんなシーンでどんなトピックを入れたいかを質問で指示すれば、氏名などの簡単な修正で利用できる例文を生成してくれます。
⑤キャッチコピー・フレーズを作成
マーケティング分野でもGemini(旧Google Bard)の活用場面がさまざまなモノが考えられます。
たとえば、キャッチコピーやキャッチフレーズの候補を作成したい場合などに、Gemini(旧Google Bard)にキャッチコピー・フレーズを作成してもらうという使い方が可能です。
マーケティング対象のモノと遡及したい事項、例示してほしい個数などを質問文内で指定して依頼すれば、指定個数のキャッチコピーやキャッチフレーズを回答してくれます。
これにより、アイデア出しの時間の短縮などが可能ですし、遡及したい点について新しい視点を得られるかもしれません。
⑥文章の要約・抽出
時間がない時などは、WEBサイトの記事などを初めから最後まで丹念に読むことは困難です。
そのようなときも、Gemini(旧Google Bard)に文章の要約・抽出してもらうという使い方が可能です。
Gemini(旧Google Bard)の作った要約により、記事の趣旨などを把握して、気になる点は直接記事にあたるのが効率的な読み方といえます。
⑦台本やシナリオの「叩き台」を作成する
台本やシナリオの「叩き台」を作成するときにも、AIが威力を発揮します。
インタビューや交渉などでは、大まかな構成を台本として作成することがありますが、これには多くの時間と労力が必要です。
それらの作業を生成AIを使うことで短縮できます。
Gemini(旧Google Bard)にシナリオ化したい内容やストーリーを指示すると複数のシナリオを一瞬で作成してくれます。
もちろん完璧ではありませんが、AIを叩き台として使って効率的に作ることが可能です。
⑧メール作成
ビジネスメールであれば、Gemini(旧Google Bard)にメールを書いてもらうという使い方が可能です。
記載すべき事項をはっきりとGemini(旧Google Bard)に伝えれば、メールの文章例を作成してもらえます。
もちろん内容のチェックと手直しは必要です。
しかし、ゼロから自分で考えて作るよりは短時間で効率的に作業を進められる可能性が高いといえます。
まとめ
進化の止まらない生成AIですが、現在シェアを争っているのがChatGPTとGemini(旧Google Bard)です。
本記事では、Googleの生成AIであるGemini(旧Google Bard)の特徴・使い方・利用方法を説明してきました。
これからもAIは発展し、仕事や生活に欠かせないツールとなるでしょう。